セクハラしてたらメイドハーレムが出来ていた 作:上り坂は下り坂
ベルメルのふわふわおっぱいの誘惑を跳ね除け夕食へと向かった。
その時にヴィートリヒ兄上に相談があるのでこのあと少し時間を貰いたい旨を告げれば、兄上はなんの含みも無く笑って「後で部屋に来るように」と言われた。
俺も出来るだけ表情を動かさない様に意識したが、兄上には動揺を見透かされていた様に思う。
それから食後、ヴィートリヒ兄上の部屋のドアをノックする。
「ヴィクトルです」
「入って構わないよ」
許可を得てから入室する。
兄上の部屋は壁の一面が本棚で埋まっているが、他にはベッドとソファとティーテーブルと椅子が置かれている程度で俺の部屋と差はあまり無い。
強いて違いを挙げるなら、少し広めのバルコニーにもお茶が出来るテーブルと椅子がある事だろうか。
兄上は俺の入室を確認すると、側に控えていた執事とメイドを下がらせ二人の空間を作ってくれた。
どうやら俺が話したい事は既に分かっている様子。その上で緊張や謝意は無く、ただいつも通りにニコニコと微笑むのみ。
……これこそが貴族らしい貴族だ。我が兄ながら恐ろしいよ。
「さてヴィル。お茶、
「一応、飲まないでおきます」
「はははっ。そうだよね。じゃあこのまま話をしようか」
自分がチョコに媚薬を溶かし、それを俺を想うメイドに渡していた事を白状する様なやり取りだ。
その上で動揺も何も無い。悪いと思ってやっていないから? では何故悪いと思わない? 俺に利があるから? ……判断材料が少ないな。
「では単刀直入に。ヴィートリヒ兄上は俺をどうしたいんですか?」
俺の質問に、微笑んで細めていた目を少し開いてからヴィートリヒ兄上は答えた。
「僕はね、ヴィル。君に家にいて欲しいんだ。理由はとても簡単さ。ヴィルがとても強く、才に溢れ、カリスマを持っているから。真面目に言うなら……今のヴィルを他所にやるのは恐ろしいんだよ」
「…………その為にメイドと結び付けて、情を湧かせようとしたのですか?」
「誰にも損は無いだろう? ヴィルは男として良い思いが出来たはずだ。スユもベルメルも、ヴィルとなら罪悪感よりも幸福が勝るだろう。……それこそが君のカリスマなんだけどね」
言っている意味は分かった。動機もまあ分かった。それによって誰も損をしていない事も分かった。
実際、俺はスユとベルメルも幸せにするつもりしか無いのだから。
だが、それ程までに俺は凄いのか? ただ仲良くしているだけ。貴族らしくなく、ただ前世の価値観のままに自由に生きているだけだと言うのに。
いや、或いはそれこそが、ある意味で才能と言えるのかもしれない。
「……俺、強くなって、父上に他所にやれないと思われる程度の力を付けるつもりでした。ジニアとの訓練によって、順調に強くなっている自覚はありました。ですが、兄上の恐れる強さはそこでは無いのですよね?」
「そうだよ。ヴィルはね、まっすぐに前に進む人だ。それは清々しくて、見ているだけで引き込まれる。ヴィルが前進を辞めない限り、その後ろには多くの人が続いて行く。それは為政者から見れば末恐ろしいよ」
思い当たる節はある。
俺が蔵書室に入り浸って知識を貪るだけで、どれだけのメイドと縁を繋いだか。
俺が走り、剣を振るうだけで、訓練場に居た騎士達の士気が上がっている事もあった。
街に出る機会は少なかったので、領民達にまで影響があるかは分からないが、俺が戦や防衛戦で指揮を取ることでその力が発揮されるなら……それは確かにとても恐ろしいだろう。
「ヘクトル家はね、守護獣が住まう山を管理する家だ。それは守護獣を管理するのでは無い。守護獣が快適に過ごせる様にと山を管理しているんだ。故に加護を貰っている。その一つが、生まれながらに与えられる『ギフト』。私にも似たものはあるが、ヴィクトルの様に奔放なギフトでは無くてね」
「……初耳です。なにも……何も知りませんでした」
「当然だよ。これは当主と次期当主しか知らない。……何故教えたのか、気になるよね? 私はね、ヴィクトルには誠実で在るべきだって分かるんだ。それ故の嘘偽り無い言葉なんだよ。……これこそ私のギフトでもあるんだけどね」
対面する者の本質でも分かるのか? まあ、正直間違ってないと言うか、クリティカルヒットな誠実さだけれども……。
俺からすれば十分以上に恐ろしいと思うけど、無い物ねだりや、隣の芝が青く見えるというやつなんだろうね。
ヴィートリヒ兄上の表情から仮面の様な微笑みは消えており、真顔で、真剣に俺に向き合っているのが良く伝わってくる。
「はぁ……。お茶、頂いてもいいですか?」
「ふふっ。喜んで。……ちなみにあの二人とはどうだった?」
「まあ……はい。……良かったです」
「それは良かった。婚約者を持つとあまり遊べないからさ? それにね、ヴィルがここに残るなら遊び放題だけど、成人のパーティは危険だよ……色仕掛けで婚約をもぎ取って来る令嬢は数多いる。耐性を付けておくのも大事なんだ!」
謎に早口で危機感たっぷりにそう語るヴィートリヒ兄上の言葉には実感がたっぷりと含まれていた。
見てきたどころか体験してきた様な……。
「まさか……兄上。……何人に手を出されたのですか?」
「片手では足りないよ……今の婚約者に落ち着かせるのにどれだけ苦労した事か。良いかいヴィル! 貴族令嬢に安易に手を出す事だけはしてはいけないよ!!」
「俺は……メイドで満足です。いや、メイドが良いです……」
熱い女性談義をしながらもテキパキと紅茶を淹れてくれた兄上。
その紅茶を頂きながら、兄上の苦労話や惚気話を聞き、逆にスユとベルメル、ハルラやウィノの事を聞かれて惚気させられたりと、まるで普通の兄弟の様な時間を過ごした。
帰り際には、「今度はヴァートを呼んで二人で吐かせようか! ははっ」と言いながらご機嫌に僕を送り出してくれた。
その日、俺は初めてヴィートリヒと言う人間の内面に触れた気がした。
思っていたよりもずっと人間らしくて、男臭くて、女性に少し苦手意識が芽生えていたりもしたが、人としての魅力は底が見えなくて……。
いつの間にか俺もあの人のカリスマにやられてしまったのだと気付いたのは部屋に帰り着いた時だった。
うちの兄上は、思っていたよりもずっと面白い人だったんだな。
不思議な充足感に満たされながら部屋へと戻った俺はベッドへと身体を倒す。
「あんっ……お帰りなさいませ。ヴィクトル様。早々に胸を揉むとは大胆ですね? お仕置きしましょうか?」
何故か全裸で俺のベッドに潜り込んでいるジニアを見なかった事にして、俺は今日と言う日を満たされて終える為に目を瞑る。
息子を舐め上げられ、チンポを扱かれ、顔中を啄まれようと目を瞑った。
生温かい肉にチンポが包まれ、ずっちゅずっちゅと音が響き、ベッドが軋む音が鳴ろうとも目を…………瞑れる訳ないんだよなァァ!!
「我慢の限界だぞ! 後悔する程泣かせるからな!」
「あっ……はいっ。いっぱい犯して孕ませてください……!」
結局、朝までジニアを抱いた。
朝になって起こしに来たウィノも抱いて、隣で締まりの良い尻を丸出しで夢見心地で眠るジニアに突っ込みながら起こした。
俺の本質はもうあれだ。うちのメイドが大好きなんだ。
大好きなメイド達の為に俺に宿る力を使えたなら、それこそが本望だなと、そう強く思ったよ。