セクハラしてたらメイドハーレムが出来ていた 作:上り坂は下り坂
ヤンデレ姉上から地図を貰い受けてから数日後。
旅支度を終えた俺は防具と武器を身に付けたハルラとウィノをお供に一ヶ月の魔物間引きの強行軍に向かうべく早朝に屋敷の玄関先に居た。
「二人とも忘れ物は無いか?」
「保存食おっけい。テントと水筒もおっけい。防具と杖、剣もおっけい。ヴィクトルさま、ウィノだいじょぶー」
「私も大丈夫だよ! ジニアさんにも鍛えられたし、戦闘でも頼ってくれて良いからねっ」
これから俺の背中を預け、共に日々を過ごして行く仲間達が頼もしいったらない。
俺も簡単な料理やサバイバル術は身に付けたが、なにせこの子らは既に魔物の討伐経験をジニアと共に積んできたらしいからな。大いに頼らせて頂きたい所存だ。
だが!
「戦闘に限り、二人に頼らざるを得ない状況に陥った時点で逃走する。これは俺の試練だ。二人には最低限のサポートを頼むよ」
「ぶぅ〜わかった。……でも、夜はいっぱいサポートするね?」
「駄目だよウィノちゃん。野営の時は夜は交代で夜番だからね。交互にサポートするんだよ? 分かった?」
「仕方無いから半分こしたげる」
「はいはい、二人とも。夜にそんな余裕が無い可能性もあるからな。色ボケないでくれよ」
「「はーい」」
俺の頭の中はしっかり仕事を果たそうと思って張り切っていたのに、エロメイドのせいで気が抜けてしまった。
と、その時頭上に気配を感じて見上げれば、リンシャとジンジャーが降りて来ていた。
「ヴィクトル様〜もう行っちゃうの? 私の事ほったらかしてどっか行ったら駄目だからね!」
「ちょっちょっとリンシャぁ! ヴィクトル様が困って……無いけど、近過ぎぃ〜抱き付かなくても良いでしょぉぉ」
「そう言いながらジンジャーがヴィクトル様に触れたくてチラチラ視線移ってるの見えてるからね?」
「へゃ!? しょんなことにゃいよお! ゔぃっゔぃっヴィクトル様〜ちっちがうんです! ちょっと、ちょっとだけなんですぅ……!」
魔女っ子双子メイドも二年経てばすっかり“身体は”大人だ。年齢にして十九歳。肉体は完全に大人で、肉付きも良い。だがこの通り頻繁に甘えてくる様になってしまった。
散々絶頂させて、俺の立場を本能に焼き付けてしまったのかもしれない。
基本的に俺がメイド一人二人を抱いた所で精魂尽き果てる事は無く、張り合ってくるのは精々ジニアだけだ。
目の前の双子メイドは勉強と鍛錬を対価に、激し過ぎないラブラブセックスを求めてくる様になった、その弊害だな。
そんな卑しくも可愛く美しくなった二人をいっぺんに抱き寄せる。
「二人とも、行ってくる。俺が居ない間に他の男を作らないでくれよ?」
「……有り得ないし。二年間もヴィクトル様専用だったのに、今更他所の男とか無理。ヴィクトル様こそ他に女作らないでよね?」
「すぐに女の子をその気にさせちゃうヴィクトル様の方が……その、心配です」
「安心しろ、後ろの二人が絶対俺を離さないから十中八九遊ぶとか無理だ」
「一と二でやりかねないんだね。よく分かったよ」
「知らない子を孕ませちゃ駄目ですからね? ヴィクトル様のおちんぽじゃ無いとイけない身体にしちゃ駄目ですからね?」
おかしな事を言う奴らだ。やらんよそんな事。俺のする事なす事許してくれるメイドが俺は大好きなんだ。
今だって胸を揉んでも尻を揉んでも嬉しそうにしてくれる二人が好きだ。
それを知らない奴にやっても嫌われるだけだろう。俺もよく知らない相手を抱こうとは中々思わん。故に問題無い。
二人を窘めて、その唇を奪い挨拶を済ます。何せ後が詰まっているからな。
蔵書室から屋敷内程度なら出歩ける様になったリーフと犬耳がぺたんと倒れ犬尻尾がクタッと下がったヴィーナがやってくる。
「ヴィクトル様、たった一ヶ月、されど一ヶ月、寂しくなります。昨夜抱いてもらったと言うのに……申し訳ありません。リーフは貴方様の出立を喜ぶことが出来ません」
「私もです……くぅん。ご主人様……早く帰って来てくださいね?」
「リーフ、帰って来たらまた思う存分抱かせてくれ。ヴィーナ、良い子なら待ても出来るはずだ。俺の帰りを信じて待っていろ」
「……はいっ。一日中、好きになさって下さい」
「待て、頑張ります。ご褒美も……あの、下さい!」
二人を抱きしめ、舌を絡めるキスを贈る。
たったこれだけでヴィーナは軽く身体を震わせて……どうしようもなく調教されてしまったな。責任は必ず取ろう。
リーフは年をとっても見た目がほぼ変わらない。なんなら
さて、次は……ベルメルとスユか。
「ヴィクトル様〜、これ良かったら。二人で作ったお弁当ですぅ」
「野菜はスユが育てた。……ヴィクトル様に栄養いっぱいあげる。愛情も……いっぱい」
「おお、有り難いな! 三人で分けても良いか?」
「もちろんですぅ! ハルラちゃんもウィノちゃんも、ヴィクトル様をよろしくお願いしますねぇ?」
「スユからも、お願いします」
「任されましたっ!」
「んー。ウィノにお任せ」
どこまでも控えめで、どこまでも他人思いな二人だ。
二人にもたっぷりとキスをして、挨拶を終える。
残すメイドはジニアだが……まあ、あいつの場合は行き先で待ち構えていても驚かない。そのうち現れて俺の唇を勝手に味わって行くのだろう。
と言う事で、そろそろ出立しようと俺も背負い袋を持ち上げた時、トリアーナ姉上が一抱えもある袋を持ってやって来た。
「ヴィル! ヴィル! これ! 持って行って!」
後ろからトリアーナ姉上の専属メイドが制止の声を掛けるも、自ら大荷物を持って駆け寄ってくる。
足元が見えないあの状態では危ないと咄嗟に身体が動いて、姉上が躓く前に受け止める事に成功した。
その際に袋から溢れて出て来たのは、あまりお目にかかった事のない謎の道具達。これらは一体なんなんだろう。
「ヴィルっ。魔道具……これ、便利だから。火をつけるのでしょ、水を出すもの、風を起こすものと、テントの中の空間が拡張されているものと、鞄の中の空間が拡張されているものと、魔力を回復するマナポーション、傷を癒すポーション、それからそれから————」
「待って……待って待って姉上! えっ!? なんか今物凄いアイテムがいくつか出てきた気がするんですが!?」
「なんでも良いから持って行きなさい! これは貴方のために買い集めたものよ! これらを上手く使って、絶対に生きて帰ってくるの! 良いわね!」
「えっ……わっ分かりました……えっ、すごっ」
いやそもそも空間拡張された鞄に全部入れれば良かったんじゃ……姉上も抜けてるところがあるんだな。可愛いじゃないか。
以前の狂気的な感じも今は無く、俺の大好きなトリアーナ姉上だ。受け取った魔道具とやら側に置き、姉上とハグする。
「行って参ります。そして直ぐに帰って参ります」
「行ってきますのキス……して行きなさい」
「……ちゅっ……行ってきます」
「……ええ。行ってらっしゃい。帰りを楽しみに待っているわ」
すっかりキスにハマってしまった様だ。
側に置いた魔道具を拡張鞄に収めていけば全てが収納されて行き、その重さは元の鞄と一緒。こんなにも便利でファンタジー過ぎるものがあるとは知らなんだ。ぶっちゃけこの鞄とテントがあれば他に何も要らないレベルでぶっ飛びアイテムだ。姉上には地図と言い魔道具と言い、頭が上がらないな。
「それじゃあ、ハルラ、ウィノ。俺に掴まれ」
「「はい」」
二人が俺を掴むと共にサイキックを発動し、この二年で改良したサイキックの壁で俺達を包み込み浮き上がる。
「じゃあ皆んな! 行ってきます!」
大きく手を振り、俺達は一路、姉上が地図に示した最初の街へと空をすっ飛んで行くのだった。
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最初の目的地まで馬車の場合に掛かる日数は三日。空を直線で、それも高速で進み続ける俺達の場合にどれくらい掛かるのかで今回の試練の難易度が大きく変わってくるだろう。
だがサイキックは物理的な影響力を持つ非常に便利な魔法で、俺の魔法操作範囲内ならかなりの速度で動かす事が可能だ。俺自身を包む場合には俺も共に動くのだから常に前に動かすだけで魔力と集中力が続く限り進み続ける事が出来る。
しかし、腕の形態にした場合はその動きに筋肉の動きを求められるので処理が複雑化するが、ただの箱型を水平に動かすだけならなんの問題も無い。それどころか簡単過ぎて欠伸が出る。
ウィノもハルラも十数分も景色を楽しむ内に飽きてしまい、俺にもたれてうたた寝を始めてしまった。朝早く起きようとした俺に合わせてさらに早く起きたので睡眠不足だったのだろう。
俺も二人の膝枕役を買って出て、頭を撫でてやっていたら直ぐに寝息を立てていたよ。
そんな移動時間の暇に地図を見て再度情報を頭に叩き込んでやろうと思った時、丁度屋敷を出て一時間辺りだろうか? 地図にあった川の真上を通過した。それは馬車が一日目の後半に通りかかる川。
「移動に関してはサイキックが最強だな」
どうやら俺のサイキックは非常に速いらしい。しかも燃費も良し。この調子なら半日は余裕で魔法を発動させて居られる。その前に尻が痛くなるだろうが、これは幸先が良いと言うものだ。
さぁ、間引きの必要なチェックポインは数にして四十! 一日に複数箇所回れるかどうかが重要だ!
「美少女メイドを二人連れての高速行脚、悪くないな」
二つの可愛い寝顔をつんと突いて可愛がりながら、俺はサイキックを進めて行くのだった。