セクハラしてたらメイドハーレムが出来ていた 作:上り坂は下り坂
無事三人を契約魔法から解放する事に成功。
今までは送り込まれた貴族家の事を言おうとした瞬間に締まっていたらしい首が締まらなくなったらしい。
よくよく考えてみると、間者であることを言っても締まらなかった辺り本当にメイド達の事はどうでも良いのだろう。あくまで保身。自分達の家に繋がる情報を断つ為だけの契約魔法……嘆かわしい。
ともあれ、三人を縛る魔法は消えた。それにより判明したのは三つの貴族家。
シャオを送り込んできたのは、王国南部のハイド伯爵家。
レインを送り込んできたのは、王国北部のケリュオン子爵家。
ユーラを送り込んできたのは、王国東部にあるリーデース侯爵家。
名だたる貴族家からの刺客だが、俺を害する指示を与えていたのはハイド伯爵家のみ。
他の二家は、あくまで縁を持ちたいのと、ちょっとした情報の横流しだけ。しかし二人を使い捨ての駒にしていたのは確実だ。
なにせ、二人の首にあった紋様は剣が連なったもの。おそらく首を刎ねる類のものだ。
発動にはかなりの魔力が必要な筈だが、二人はそこそこの魔力を持っている。おそらくちゃんと首が飛んでいただろう。
魔力の凝りも複雑且つ中々のもので、解すのに時間を要した。
そのせいか二人は現在俺のベッドで息を荒げながら寝転んでいるのだが……。ほんのりと快楽もあったのか、パンティのクロッチ部分が濡れて変色していた。眼福だがやっぱり股間に悪い。
「聞きたい事は色々あるが、二人とも、今はゆっくり休め。シャオ、お前は平気だな?」
「……? はい」
「じゃあ、これから買い物に行くぞ。それも平民に紛れる為に私服でな。詰まるところ……デートだ」
「はい……えっ? えぇぇえええ!?」
驚くシャオを他所に、俺は貴族にしてはかなり粗末な衣服をタンスから取り出していくのだった。
===
ユーラとレインには通常通りの業務に戻る事と、行動自体はこれまでと変えないように書き置きをして、シャオと屋敷を出た。
馬車は目立つので控えて、徒歩で貴族街を歩き、平民街に繋がる門ではヘクトル家の家紋を見せて通り抜ける。
平民街に来たらまずは宿を取って、そこで平民っぽく着替えたいのだが…………綺麗で賑やかな街とか見たらテンション上がるよね。名所の観光気分だ。
「おおっ! これが王都か! 中々の賑わいだな!」
美しい街並み。家屋の壁材は白、屋根材はオレンジ色で揃えてあるのか規則だってはいるが、だからこそ光る職人達の遊び心。
露出させる柱を多くしたり、窓の配置やベランダの数。屋根の大きさや角度、ドアの色味だったりでどの家もちゃんと見分けられる。
が、それでも家主達は家が分かりにくいのか、ベランダなどの花々で個性を見せている。それがまた華やかに街を彩っているのだから結果オーライかもしれないな。
そこから少し目線を下げれば大通り。
馬車が複数台通っても余裕のある幅広の道路がズドンと突き抜けており、その両隣にはそれでもなお広い歩道。その道なりには多種多様な店が立ち並ぶ。
王都の門に近いところは屋台通りになっているのか、カラフルな布が日除けと天幕を兼ねて張られている。
そんな道を多くの人が行き交っており、人種も様々。
人間、獣人、エルフ、ドワーフ、その他あまり数は多くない鬼人や魔人、滅多に見ない竜人と言われる者の姿まである。
「流石王都。中々と言う言葉は失礼に値する。素晴らしい街だ。こうも種族間の隔たり無く共生出来ているのは見事と言う他無い」
とは言っても、仄暗いイメージのある奴隷も其処彼処にいる。
しかし奴隷はこの世界では必要な文化だ。
と言うのも、魔力と言う力が全存在に宿っているこの世界では、全員が銃火器を標準装備していると言っても良い。
力の使い方を知っているか否かと言う違いはあるが、時々生まれる天才が世を引っ掻き回す話など数多ある。
それ故に魔法などの知識は貴族がその多くを独占、秘匿していると言って良いだろう。
知識の制限と言う話なら避妊魔法は最たるものだな。
魔物と言う人類の敵が居る以上、人はよく死ぬ。放っておけば村ごと滅びる。
気軽に人は滅びるものだから、妊娠する機会を積極的に奪う避妊魔法を民間には秘匿する事を貴族やその屋敷で働く者は義務付けられている。
と、話が逸れたが、魔力と言う凶器の使い方を知らないせいで、貧困に喘ぐ事も多いのだ。それ故に身を売って奴隷となり、家族や村に金を渡し、同時に口減らしもする。
簡単に餓死されるよりも、労働力になってくれる方が
……まあ、それが幸福かどうかはまた別だが、それこそ奴隷の主は奴隷の生活を保障しなければならないので、一定以上の財産を持っていないと買う事も出来ない。
「ヴィクトル様、契約魔法と奴隷は何が違うのでしょうか……」
「良い質問だな。端的に言うなら、奴隷は首輪と言う“物”を付けている。ここで重要なのがその首輪。奴隷契約には首輪に彫った刻印と、魔物から取れる魔力を保持する石——魔石が嵌め込まれているんだ。つまり、刻印を魔力で維持する必要は無い。そして魔法自体もキーワードを設定する事で誰でも発動可能。魔石内部の魔力は有限だが、魔石を取り替えるだけで良い。たったそれだけで誰でも、何度でも、契約魔法を使える様にしている」
「逃げた場合は……?」
「奴隷が逃げても、自身で首輪は外せない。まず無理だろうが、仮に逃げる事が出来たとしても、奴隷である事実から逃れる事は出来ないんだよ」
それが現実だ。だが奴隷には期間や返済金額などがちゃんとある。真っ当な場所で真っ当に働けば、長くても十年で平民に戻れる筈だ。
少なくとも我が国ではそう言う決まり事が作られている。
……犯罪奴隷や終身奴隷ともなると話は変わってくるのだが、それは置いておこう。今シャオに言っても暗くさせるだけだ。
程なくして宿を見つけたシャオに案内されて、少し高級そうな宿で一室取る事にした。泊まる訳ではない。着替えなどをしたいだけだ。
……と言う事で。
貴族特有の滑らかな手触りの服から、ゴワゴワの低品質な衣服へとちぇーんじ。
「シャオ……お前町娘の格好似合うな。すごく可愛いぞ」
シャオの格好はいわゆるディアンドル。
襟ぐりが広いワンピースと言った感じか? コルセットの様に紐で胴回りを締めるので、胸元がより強調されている。スカート丈は長めだが、非常にセクシー且つ可愛くて魅力的だ。
「ちょっと……恥ずかしい、ですねっ! ……あ、あの! ヴィクトル様も、とっても格好良い……です……!」
「ん? そうか? ……まあ、シャオにとって格好良く映っているならそれで良いか」
うちのメイド服はきっちりしていて露出が少ない分、こう言った服は落差で恥ずかしいのだろう。
しかし朱の差した頬はシャオには最高のメイクとなっている。そんな状態でも腕を寄せてじもじする所為で余計に控えめな胸が盛り上がって……押し倒してぇ〜。
「一先ずは買い物だな。王都土産を色々買いたいのと、観光。後アレだ。シャオおすすめの紅茶の茶葉でも買いに行こう!」
「っ! ……はい……はいっ! 私なんかで良ければ、ご満足行くまでご案内します!」
「ああ。楽しみにしている」
それでも今は楽しそうに笑えていて良かった。少しずつ意識改革して行こう。
*****
何故だろう、なんなんだろう。このお方の思考が読めない。
私を魔法から解放して、その後、で、でで、デート……とか。
その、すごく嬉しいけど。正直もうヴィクトル様以外の人の下につきたいとか思えないけど。でもやっぱり分からないが勝つ。
ヴィクトル様からしたら、私は殺そうとしてきた人。私が分かりやすく惚れてたとしても、絶対に危機感はある筈。なのに……。
何度も受け入れて胸に抱いてくれる。
何度も可愛いって、凄いって、褒めてくれる。
今も、私なんかの手を取ってくれて、笑い掛けてくれる。
目を……合わせられない。心臓が痛い。小さいなんて理由で名付けられた嫌いな名前が……好きな人から呼ばれるたびに好きになる。ずっとずっと顔が熱い。
どうして? どうして? どうして?
すき、すき……好き。
心がぐるぐる回る。もう、ずっとこのままで居たい。手を引かれていたい。貴方の居る方向に、私は進みたい。
私は……シャオは……貴方のモノになりたい。
熱心に料理の本を漁る横顔が素敵。
私の知らないメイドに贈る本なのは少し複雑だけれど。
髪を飾るリボンを選ぶその横顔が綺麗。
これも私の知らないメイド宛て。
屋台の肉串を美味しそうに頬張る姿は可愛らしい。口一杯に頬張った所為で口元にソースが付いてしまっている。
欲張って両手に肉串を持っていたので、私が拭いた。この布は洗わなくても良いかもしれない。
次は革細工の店。ここではやけに拘って首輪を買っていた。
また私の知らないメイド宛て。赤と青の首輪の内側にそのメイドの名前とヴィクトル様のお名前を彫ってもらっていた。とてもモヤモヤするけど……でも私にはそんな権利は無い。
お昼は私が行ってみたかったお店に連れて行く事に。
故郷は好きじゃ無いけど、故郷のご飯は好きだった。それと良く似た匂いをさせるご飯屋さん。
店主は赤い髪で、私の姿を見て嬉しそうに微笑んでいた。
「こっちは平和で楽しいだろう? 格好良いボーイフレンドも居て羨ましいねえ」
微笑みながら、そう言った。
同郷だった。一瞬、心が凍った。右手が服のポケットを探した。
でもそれは本当に一瞬のことで。ヴィクトル様が、私の手を握ってくれていた。指を絡めて、まるで本当の恋人がするような繋ぎ方。
「自慢の
「……まあね。故郷を出て二十年にはなるよ。店を持つのも苦労してねえ。つい数年前にようやっとオープンしたのさ! お嬢ちゃん、ぜひ味わっていっておくれよ。サービスしとくよ!」
「あ、ありがとう……ございます!」
店主は、私達の仕事が変わる前にあそこを出ていたんだ。無関係……なのに、私は……。
「シャオ、俺を見ろ。デート中に他の男に余所見するな。俺だけを見ていろ」
ヴィクトル様、だけを……。見て……。
「そ、そんなの恥ずかし過ぎますっ……!」
「さっきは俺のものになるーって言ってたのにな〜」
「そそそれは!? あのっ……でもぉ……」
冷えた心は、都度赤熱していく。
ヴィクトル様は私を気遣ってくれているんだ。私が話していない私の過去を、察しているんだ。
恐る恐る目線を上げる。
綺麗な赤い瞳と目が合うと、「それで良い」って目で言いながら笑ってくれる。
その笑顔が眩しくて逸らしてしまうのに、見ろって言うんだ。見たら褒めてくれるんだ。……とても酷い人。
申し訳無さも、罪悪感も、償いたい罪の意識も、全部貴方の命令と言う言い訳で薄れさせてくれる。
店主が運んできた独特の香りのご飯を私はちゃんと味わえなかった。
ただ一つだけ味わえたのは、幸せの味。
肩を触れ合わせて、笑いながら、私の故郷の味をヴィクトル様が美味しいと言って食べてくれた。それがとても嬉しかった。
お昼の後は茶葉を探しに王都を散策。
今度は私がヴィクトル様の手を引いて、分不相応だけど、精一杯美味しい紅茶を味わって欲しくて色んなことを話した。
産地や、収穫した時期、乾燥にかけた時間や気候。保存状態を見て周り、ヴィクトル様に相応しい物を厳選した。
ヴィクトル様はずっと微笑んでいた。私を見つめてくれていた。
見守るように、大切なものを愛でるように、私が笑えば笑ってくれて、私の選んだ茶葉とは別に、一緒に茶葉を選んだりもした。
茶葉の香りを嗅ぐために顔を寄せたその際に頬が触れ合って、また私は幸せを感じた。
ああ、もっとこうして居たい。ずっとこうして居たい。
命令して欲しい……側にいろって、ずっと一緒に居ろって言って欲しい。
きっと一生消えないこの罪を抱えたまま、貴方に侍る理由を……どうか私に下さい。
===
時間はあっという間に過ぎて行く。気付けば宿に戻っていて、まだ日は高いけど、帰る支度をしなくては。
部屋は一つ。ヴィクトル様は後ろを向いてくれている。私の着替えが終わるのを待ってくれている。
紐を緩め、袖から腕を抜き、服を脱ぐ。……脱いで、そのままヴィクトル様の前に身体を晒す。
「ヴィクトル……様……。シャオを……一度だけで良いので……シャオを、抱いてくれませんか……」
「…………」
「わたっ、私っ、いのちねらっ……ひぐっ、狙ったのに……おかしなこと言ってるの分かってますっ。でも、でもぉ! もうやだ! ヴィクトル様が良い! ずっと貴方の下に居たい! でも私は罪人だから!! でも、今はまだ! 貴方の“彼女”っだから! 今、抱いて下さい……。ただの町娘の、シャオを……抱いてぇ……」
声が震える。涙が勝手に出てくる。
もう二度と、ヴィクトル様に会えなくても良いように。言い訳をくれた今だけでいいから、私に……思い出を下さい。
「シャオ、苦しいか?」
「苦しい、苦しいよ。幸せと後悔でずっとずっと痛いの……」
「お前はその苦しさをどうしたい。忘れたいか? 忘れたく無いか?」
「忘れたい。でも忘れたく無い。だって、こんな私を受け入れてくれたヴィクトル様を忘れたく無いから!」
貧相な自分の身体が悲しい。魅力が無いから、ヴィクトル様は抱いてくれない。私なんかじゃ、やっぱり釣り合わない。取り合ってもくれない。
「シャオ、誘うときに辛そうな顔をするな。抱くものも抱けない。全く……手の掛かるメイドだ」
ヴィクトル様に唐突に腕を引かれて、ベッドに引き倒される。
そして、首に手が掛かった。
ああ……これはこれで、良い。ヴィクトル様になら、悔いは無い。
「阿呆か。こんな所で身を委ねるな。今から俺が魔法を掛けてやる。俺を殺そうとした罰だ。一生消さない、消させない罰の証を刻んでやる。それを以て、お前の贖罪とする。さぁて、どんな内容が良いかな?」
「…………一生、ヴィクトル様から離れられない様にして下さい。貴方の命令に絶対服従。貴方だけのモノにして、ください」
私にとって得しか無い。でも一般的には最上級の呪い。それで良い。それが良い。私の全てを塗り潰して……。
「おいおい、お前の要求を飲んだら罰にならんだろう? そうだなぁ……俺の事がたまらなく好きになる魔法だ。俺にされる全ての事が嬉しいと感じる様になる。そら、出来た」
それは果たして罰なのか分からない。現状と違いが無さすぎて分からない。ヴィクトル様の手は私の首からどんどん降りていって、最終的にお腹に触れていた。魔力を流すと下腹部に新たな紋様が浮かび上がった。
それはただのハートマーク。少し装飾がされただけのもの。
「えっと……あの……?」
「効果の程を試してみるか? お前の場合は罪悪感が常に魔法を発動させるだろうからな」
ニヒルな顔も格好良い。そのままどんどん近付いてきて覆い被さられて……ヴィクトル様の顔が目の前に……。
唇が、触れ合う。
魔法の内容は『ヴィクトル様を堪らなく好きになる』『何をされても嬉しくなる』。
胸が高鳴る。幸せで満ちる。言ってた通りだ。
これが罰で良いの? こんな罰、あって良いの?
「効果の程はどうだ?」
「……すきぃ、だいすきぃ。うれしい、うれしい! もっと、罰ください。シャオに罰、ください!」
凄い魔法。凄い、本当に凄い。涙が出るくらい嬉しい。
「良い顔だ。そのままもう一度、俺を誘ってみろ」
「はい……! シャオの事、抱いて下さい! シャオはヴィクトル様のものだから、何されても嬉しくなって、好きになっちゃうからぁ! 好きにして下さい!」
口角が上がって止まらない。頬が緩んで戻らない。身体が熱い。あそこがすごく濡れている。
ヴィクトル様に見られてるだけで感じちゃう。
「シャオ、今すごくエロいぞお前。抱きたくて堪らない」
本当……? 本当……!? じゃあもっと、もっと誘う! 足を持ち上げて、自分であそこを何度も開いて閉じて、もっと欲しいってアピールする! 今の私、えっちかなあ? ヴィクトル様興奮しててくれるかな?
怖いくらい鋭い瞳が私の身体を舐め回してる。
乱暴に服を脱いだヴィクトル様の身体凄い……おちんちんなんて、お風呂の時よりずっとおっきいっ! あれ、欲しい……格好良い。全部全部好きぃ。
「ください。……シャオの事、メチャクチャにして、ください」
「ああ、前戯はまた今度だ」
また……今度っ!? また、してくれる……ああっ、その言葉だけでお腹がキュンキュン締まって……なにか、くるっ、きちゃうっ。
「ああ゛っ!? うぐっ! うぅっ! あっ、あ、な、にゃんか、きたぁ……」
まだ触れられても無いのに、身体が震える。一瞬お股からお漏らししたかも……掛かってない? ヴィクトル様に掛かってないよね? 掛かってたら、また罰貰えるのかなあ……?
「すごいな、想像だけでイったのか。エロ過ぎるだろうが」
「えろ……ならもっとイきます。いっぱいイきます!」
「おう、いっぱいイけ。シャオ、まんこ開いて」
言われるままに、指であそこ——まんこを開く。いっぱい見せ付けるみたいに開く。ヴィクトル様の視線に犯されて、それにすら興奮しながら。
あっ、ああっ、当たってる。熱くて大きくて固いのが。
お腹の中にずりゅって……くるしいっ……でも嬉しい! ヴィクトル様がくれるもの全てが愛おしい!
私は傷つけられて当然なのに、何をされても文句を言えないのに、ずっと私を大切にしてくれる。きっとこんな人はもう居ない! もう出会えない! 私の全てを捧げるの……ヴィクトル様の為に、私の全部……!
私の中の何かを引き裂いて、ヴィクトル様で満たされる。身体の中にヴィクトル様が居る。
「しぁ、わしぇ……しゅごぃぃ、しゅごいぃ♡」
「処女だったのか。少しゆっくり行こうか」
お腹の内側がパンパンで、息をするのも苦しい。でも嬉しい。
勝手に足が動いてヴィクトル様の腰を挟んでもっと奥へと招き入れる。痛い、でも幸せ。苦しい、でも嬉しい。
腕もヴィクトル様の逞しい身体に回して、全身でアピールする。したいよって。もっと欲しいって。
私が針を刺そうとした所へと口を持っていってキスする。何度も何度も口付けて、ごめんなさいと舐める。
私なんかの言葉じゃ軽過ぎる。でも謝りたい。償いたい。
一心不乱に、自分から腰を振っていた。
ヴィクトル様に無礼にも抱き付いて、しがみ付いて、私の貧相な身体を擦り付けて、色んな想いを伝えようとしていた。
言葉にしたら、全部が軽くて飛んでいっちゃいそうで。だから行動で示す事にした。口から出るのは胸に溜まり過ぎて溢れてしまったヴィクトル様への好意だけで良い。
死ぬなんて生温い。私は一生このお方の下で、このお方をお慕いしながら、この罰を誇りに生きていくの。死ぬまで生きて、ヴィクトル様をお支えするんだ。
「すき! すきぃ! ヴィクトル様っ、すきい!」
「シャオ……! 良いぞっ、気持ち良い! 一発早速出してやるから受け止めろ!」
「ふあい! 下さい! お子種いっぱいくださあい!」
ばちゅん! ばちゅん! と重たい肉のぶつかる音。
はあ、はあ、と私とヴィクトル様の荒い呼吸。
汗の鼻をつく匂いと、ヴィクトル様の雄の匂いで頭がくらくら。
思考が回らない。でも本能で分かる。この人の子を産むんだ。産みたいんだ。
精一杯お腹を締めて、精一杯しがみ付く。きっとこうすれば子どもが出来やすい筈だ。
「うあぁっ!? くっ、出る! 孕めシャオ!」
ヴィクトル様の雄々しい声と共に、お腹の中でおちんちんがドクンドクンと脈打つ。
私もまた、よく分からないままに声を出し、何度も何度もお腹を締め付ける。
お腹に溜まっていく熱は、幸せそのもの。
私のような女には勿体無い幸せ。ヴィクトル様を殺そうとした私が本来受け取ってはいけない幸せ。
ヴィクトル様のお心は未だ分からない。
メイドだからと嘯かれるけど、きっとそれ以上の何かがある。いや……無くてもいい。有ってもいい。
私はこのお方に選ばれて、私が一生尽くすと選んだんだ。
誰にも求められず、誰にも必要とされなかった、ただの駒だった私はもう居ない。
「ヴィクトル……さま……。シャオは、生涯貴方様に、忠誠を——」
心から溢れた言葉に、人差し指を立てられた。唇に触れたその指も愛おしい。
「忠誠じゃなくて、愛を誓え。なんでも言うことを聞く人間に魅力は無い。己が意志と、己が思考、そして確固たる信念を持つんだ」
確固たる信念。……私の信念は————ヴィクトル様だ。
「はいっ! ヴィクトル様に、愛を……心からの愛を誓います♡」
「ああ、良い瞳だ。これからも俺のメイドとして、よろしく頼むぞ?」
「はい!」
満たされる。全てがヴィクトル様で塗り替えられて、満たされる。
心も身体も、私の人生も……。
本能をぶつけた交尾では無く、愛に溢れた口付けを交わす。
ずっと繋がったまま、お腹の熱を確かに感じたまま。
私は今、ヴィクトル様の女になれた。
「よし、それじゃあこのまま第二回戦と行こう」
「……へっ?」
「俺も数日出来てなくて溜まってたんだ。あと三回は付き合ってくれ! なに、ちゃんと気持ち良くしてやるからな?」
「……あ、えっと……え?」
その後、私は肉欲に飲まれ、気付けばヴィクトル様の精に塗れていた。
足腰がガクガクと震えて立つことさえままならない。
仮にも戦闘民族の生まれなのに、ヴィクトル様のおちんちんはまだまだ元気だったのに。……不甲斐無い。屋敷に帰ったら鍛えよう。ヴィクトル様の精力にお応えできる様にならなくちゃっ。
なんとか屋敷まで帰ってきた私達。
ヴィクトル様の事は一先ずユーラとレインに預けて、私は一人自室を目指す。
別れ際、心底まで心配そうなヴィクトル様の表情に悶えそうになる心は押し込めて、後で解放しよう。
と、そんな私の目の前に、ピンク色の髪の少女が現れた。
「どうやらお情けを頂けたようですね? シャオさん」
「ハルラ……さん。……はい。私の様な者まで受け入れてくださいました」
「何度出されましたか?」
「えっ」
何故、その様なことを聞くのか分からない。でも、何か凄みを感じて思わず答えてしまった。
「たったの四回ですか」
……たったの? あれを? あれを“たったの四回”と言ったのこの子?
「最近の私は持って十回です。時々一回で落とされますが、ヴィクトル様の雄モードは破壊的なので仕方ありません」
雄モード……? あれは雄モードじゃない? ずっと私を支えて、背中と頭を撫で続け、愛を囁いてくれたあれは違うと言うの?
ハルラさんは歴戦の猛者の出立ちのまま歩き出すと、私の肩を支えてくれる。
「先ずは部屋まで送りましょう。そのあと情報交換です。今日のヴィル君……こほん、ヴィクトル様のことを聞かせて下さい。代わりに体力作りやえっちのトレーニング方を伝授しましょう」
「……はい。よろしくお願いしますっ……!」
なんだろう。……これは本当になんだろう。……でも、不思議と絆を感じる。ハルラさんはきっとヴィクトル様を愛してる。それが分かるのに嫌悪感は無く、何か戦友のような……背中を預けあった友のような。
この屋敷のメイド達と育んだ友情とは違う、ヴィクトル様に頂いた愛とも違う、何か温かく力強いものを新たに私は知ったのだった。
*****
自室のベッドにて寝転びながら、今日のデートのクライマックスを振り返る。
シャオの下腹部に施したあの刻印、その場凌ぎのただの嘘だったんだけど、いつまで持つかねえ。
シャオの心が自立できるまで嘘がもてば良し。もたない時は……ちょっと魔法書漁って代替刻印さがすかあ。
「予定外の一人目攻略。流してもらう予定の、嘘でも有り本当でも有る情報もシャオに渡し済み。……明日はユーラかレインか、どっちにするか」
翌日の予定を立てながら、風呂場へ向かう。
シャオはノックアウトしたので今日はユーラとレインと三人でお風呂だ。
「ちょっとでも仲良くならないとな」