セクハラしてたらメイドハーレムが出来ていた 作:上り坂は下り坂
俺が本を読み漁って暫く、寝息が一つ聞こえてくる。それはユーラのもの。色々な緊張の糸が切れたからか寝付きが良かった。
しかし妹は違うようだ。布が擦れる音がして、軽い足音がこちらに近付いてくる。ソファを回り込み俺の隣にやってくると、ぽすんと腰掛けた。
「ヴィクトル様、ありがと。ございます」
「お礼は健康体となって俺に尽くす事で返してくれ」
「本、読みたいです」
「魔法が使えないと読んでも仕方が無い。使う事も、解除する事も出来ない」
「……じゃあ、教えてください」
この子の言語にも慣れてきたから分かるが、良い様にされてきた事が相当に悔しかった様だ。
俺の袖を掴み、非力な身体で、精一杯のアピールをしている。首を横に振ればさらに近付いて腕を取り、それでも横に振れば俺の膝の上に乗り、それでも横に振れば服を脱ぎ始めた。
「リンナ、お前の焦りは理解出来る。しかし魔法は安易に広められない。お前の立場もまだ不確かだ。教えるにはそれ相応の信用や契約が必要なんだよ」
レインに教えたのは、知識では無く技術の一端。あの小規模な水を放つ魔法の使用感を覚え込ませただけ。魔法について学んでいない以上、魔法を使用出来ても広く活用は出来ない。だから大した問題にはならない。
リンナは技術体系や、その理論を知りたがっている。それは秘中の秘。貴族の特権だ。うちのメイドは比較的多くの者が魔法を行使するが、それはしっかりと雇い入れた上で契約を結んでいる。市井に魔法を広め過ぎないようにする為の措置だ。
「リンナ、お前が信用を勝ち取る為には能力を示し、メイドとして仕事を熟す必要がある。その為にも、お前は良く寝て食べて運動しなければならない」
「むぅ……。えっちな事、してもだめ、ですか?」
「だめだ。えっちはしても良いが、魔法はだめだ」
乱れた服はそのままに、リンナは俺の膝の上に乗ると、俺の肩に顎を乗せて身を委ねた。
「ヴィクトル様、貴族様じゃない、みたい。凄く、あたたかい。おとーさんが、居るなら、ヴィクトル様みたいな、人が良いな……」
「お父さんは娘とえっちしないぞ」
「禁断のかんけー。えっち、だね」
「うむ、それはえっちだが、ダメだぞ」
「……ぱーぱ」
死にそう。俺の理性が。
パジャマの前をはだけた年頃の女の子が耳元で囁く言葉としては非常に倒錯的だ。
本を読むどころでは無くなってしまいそうなのでリンナの背を優しく叩き、頭を撫でる。そして抱き上げてベッドへと寝かせる。
「ぱぱ、いじわる、だね」
「次ぱぱって言ったら股を裂くからな」
「ふふ、ふふふ、こわぁい。……ヴィクトル、様。ありがと。好き」
吊り橋効果による感情の勘違いだったらパパ泣きそ。
リンナにそっとキスをして、寝息を立てるまで側に居てやり、その後再び俺は読書に戻るのだった。
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俺の今の身体は若くタフなので、一徹ぐらいどうと言うことは無い。
何度も読んだ本達ではあったが、改めて読んで見れば発見も多かった。視界共有の紋様もしっかりと記載があり、やはりあの荒屋に着いてからの事は筒抜けであると見て良いだろう。
「あー、パーティ面倒臭ぇなあ」
ハイド伯爵はどうとでもしてやる、俺は殺されかけたのだから、殺す直前までなら向こうも文句は言えまい。
ケリュオン子爵は問い詰めるほどでは無いので見逃す。レインの事情は兎も角、攻撃する意図は無く、レインに無理をさせる積りも無かった。俺を風呂場で性的に襲おうとしたのはレインの独断で、死に急いでいたが故の浅慮。なので子爵とは会話だけで済むだろう。
んでリーデース侯爵、引いてはスティア・リーデース……曲者過ぎる。会ってみないとどうにも出来ない。
思考を切り上げ伸びをしていると、ドアがノックされたのでこちらから開けてやる。
「あ、ヴィクトル様っ! おはようございます! 知らない気配がありますけど大丈夫ですか……?」
「おはようございます、ヴィクトル様。ユーラさんまでベッドで寝ていると言う事はそう言う事なのでしょうか?」
やってきたのはシャオとレインの二人。ベッドで熟睡しているのはユーラとリンナ。
俺は二人に向けて人差し指を立ててボリュームを落とさせる。
「訳あってリンナと言うユーラの妹を迎えた。肉体関係はまだ無い。昨晩遅くまで行動していたから、もう少しだけ寝かせてやってくれ」
二人は揃って静かに頭を下げた。
次に俺の着替えを手伝う様に指示を出したのだが、服を脱がされた。それも下着まで。シャオとレインが俺の左右に膝立ち、そのまま二人同時に息子を舐められる。
二つの感触の違う舌が、熱い吐息と共に俺の息子を這い回り、だんだんと勃起させられていく。
「……二人が寝てるのにそれはどうなんだ?」
「性欲処理も私達メイドの仕事のうちですので……♡」
「ヴィクトル様は毎日出さないと満足しないと聞き及びました……! どうぞシャオ達を使ってスッキリなさって下さい……!」
「シャオ、誰に聞いた?」
「ハルラ先輩です!」
今度あいつをハメ潰してやろう。なに、罰じゃ無い。お礼だ。きっとハルラも喜んで受け取ってくれるに違いない。
「今更俺も我慢出来ん。静かに、こっそり、だぞ」
「「はい……♡」」
二人を起こさない様にしながら、俺はシャオとレインの身体を堪能させて貰うのだった。
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時は流れてお昼時。
今日はユーラとの時間を取る予定だったのだが、リンナも一緒に交流を図っていこうと思う。
本当は王都を観光しながらユーラの好きな辛い物巡りをしていこうと思っていたのだが、リンナが増え、二人を守る意味でも外出が出来ない。
なので、今回は普通にお菓子を食べ、ダラダラと語らい、リンナのリハビリをしようと言う話になった。
「リンナはクッキーは好きか?」
「好き、です。あとヴィクトル様、も好きです」
「え、リンナ……?」
「そうか、ではクッキーは多めに出すとしよう。あと俺もリンナの事は嫌いじゃないぞ」
「ヴィクトル、様……?」
リンナが席を動かして俺の隣にわざわざ腰掛けくっついてくる。それを見てユーラがさらに動揺する。
手招きしてみれば、おずおずとユーラも寄ってくる。
「仲良くなっただけだ。手は出してない。安心してくれ」
ユーラの顔へと手を伸ばし、反射で目を瞑った彼女の眉間に寄った皺を摘む。
「んゅっ! ……こほんっ。それなら、まあ……」
眉間を摘んだ流れで頬に手を添え、顎を軽く持ってみる。
……顔ちっさ。肌もすべすべ。なんでこんな美人がそこら中を闊歩してるんだろうか、この世界は。戦いが身近な所為で、良い顔の女は優先的に子を産んだのだろうか? その因子が定着して美人オンリーワールドなのだろうか。
顎に手を添え、親指で唇をなぞり、弄ぶ。
気付けば、すっかりヒロインを捕らえた悪役がやりそうな言動をしていた。
するとユーラは何を勘違いしたのか、頬を赤らめて瞳を閉じ、唇を差し出してくる。
「ヴィクトル様、なら。おねえちゃん、良いよ?」
「何が良いのかは知らないが、貰っておくか」
ちゅっ、と触れるだけのキスをする。
「え……これ、だけ……? あ、いやっ違っ!?」
ユーラの口から咄嗟に漏れた声は物足りなさを伝えるものだった。
自然と俺の口角も上がるわな。
「では追加しておこう」
空に上がった時の様に、長く重ね合わせるキス。
ユーラの力んでいた唇が徐々に柔くなり、俺を受け入れ始める。そのタイミングで舌でくすぐる様に唇を撫でれば、ユーラも真似をする様に舌を出す。互いの舌をつつきあい、触れ合わせ、少しずつ絡めあっていく。
ユーラの瞳はすっかり潤み、太ももを擦り合わせていた。どうやらこの子はキスがお気に召した様だ。
「お菓子よりもキスの方が好きそうだな」
「…………ぁ、ぅ……はぃ……」
顔を赤くして目を逸らして恥じらう姿は少しいじらしく、悪戯したくなってしまう。
妹の安全を得た安心で心が緩んでいるユーラは非常に脆く、数日前と違って今では何をしても許してくれそうなちょろさを感じるので、追加攻撃をしてやろうかと言う所で背中をつつかれる。
後ろを見れば、リンナが自分の唇を指差し、うーっと突き出していた。表情は真顔に近いのだが、少しは照れているのか幾分血色が良く見える。
「仕方のない姉妹だな」
隣に座るリンナの脇へと手を差し込んで持ち上げ膝の上に乗せる。これで顔の高さが合ったので、昨晩にもしたソフトタッチのキスをする。
「ちゅぅ……ふふ。もっとしても良いです、よ?」
「ユーラ、リンナとしても良いか?」
「え! いや、でも……あの、私……。私とも……して頂ける、なら……」
そう言って俺の服をくいっと引っ張るユーラの顔はとても赤かった。
「おねえちゃん、可愛い、でしょう?」
「ああ、お前達を守る道を選んで良かったと、今噛み締めているよ。姉妹揃って可愛らしいな」
せっかくなのでシャオに紅茶を淹れてもらい、屋敷にストックしていたクッキーと、他に焼き菓子を用意させ、俺達は何でもない事も、大事な事も話し合った。勿論適度にキスもした。なんならキスがご褒美の様になって、二人が何かを喋る度にキスしていた気もする。
非常に楽しかったので問題無い。
しかしずっと座り続けるのは肉付きの薄いリンナには辛い筈だ。適度に立たせ、エスコートしてやりながら室内を歩かせる。
俺の部屋はかなり広い。端から端までで十メートルは余裕である。その距離をリンナに往復させ、帰って来たら偉業を達成したかの様に褒め称えてキスをした。
子どもの面倒を見ている気分だった。リンナは十七歳だ。何かがおかしかったが、誰も何も言わなかった。
リンナが歩けば褒め、駆け足になれば抱き締め、転けそうな時には全力で助けた。父性にも似た何かを俺は獲得した気がした。
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そうして時間はあっという間に過ぎて行き、夕食。
俺は家族との食事があるので、部屋にリンナユーラの分を用意させる様に言って、窓際には何があっても近付かない様に言い含める。
「お前達を狙う者が居るかもしれない。気をつけてくれ」
「畏まりました、ヴィクトル様」
「ん、気を付け、ます」
「よろしい」
別れ際に二人とキスを交わし、食事に赴く。
家族に昨晩から今日に至るまでの事を話し、おそらく間者の心配はもう無いと言う事を知らせる。そこからさらに、あの三人と一人は面白いので自分が雇う旨も告げる。
「ヴィル、貴方の好きにして構いませんが、彼女達の命の安全を保証出来るのですか? 情報は時に命よりも重たい物なのですよ」
「承知しています。成人のパーティにて、少し
「——スティア様ね。私が知る限りでも情報は少ないわ。容姿は優れているらしいけど、それ以上の事がわからない。それが一番怖いわね。……外から見たヴィルでもあるかもしれないけど」
母上のお言葉はいつも正しい。
そうなのだ、あの四人は向こうの家の情報を少なからず知っている。どの様な人間が働いていて、どの様な生活をしていて、領内の様子もある程度は分かっている。
その家の者のメイドに対する対応や、他の人間に対する対応、様々な観点から人間性を測ることは容易であり、情報の有る無しで立ち回り方も変わると言うもの。
今回姉上が情報が無いと言ったスティア嬢の話ですら、ユーラとリンナからある程度は引き出せた。しかしそれでも見えて来ない部分があるのが恐ろしいが……。
あの四人が間者としての業務を怠り、裏切りが判明するまでは大丈夫だろうが、ヘクトル領に帰ったその後の安全を確約出来ない。
目下注力するべきは陛下との謁見なのだが、どうにも忙しないな。
「つまり、ヴィクトルが社交界をサボり続けた所為だな」
「そうですね、ヴィルの自業自得です」
「悪いけどヴィル、仕方無いわ。頑張ってね?」
「……自覚はしていましたが、こうも実害を伴ってくるとぐうの音も出ませんね。ですが、だからこそ出会えた者達である事も事実。巡り合わせは大切にして行きたいと思います」
「お姉ちゃんには巡り合わせよりもメイドが大切に見えるけどー?」
「騎士とも仲良くしてる筈なんだけどな……」
小さな笑いが起こり、和やかに食事は進んでいった。
結局、最終的には俺がどうするか、俺がどこまでやれるかと言う話に落ち着いてしまうので仕方がないが、なるようになるしか無いな。
部屋に戻るとユーラとリンナが出迎えてくれた。
リンナは新たにメイド服に身を包んでおり、大変可愛らしい。
しかしこの後、俺は入浴に向かう予定なのだが……。
「リンナもお供、させて頂き、ます」
「決してお邪魔は致しません。これからもお仕えするならば見学は大事だと思い……如何でしょうか?」
「まっ、今なら何をするにもリハビリになるだろう。分かった、今日は五人で風呂に入るとしよう」
俺はユーラとリンナを伴い、レインとシャオが待つ浴場まで向かった。