セクハラしてたらメイドハーレムが出来ていた 作:上り坂は下り坂
ヘクトル領領都は、かなり広い。広大な街の中心には一本の大きな道路が敷かれており、そこから網目状に広がっていく。
その大きな道の先、少しの坂を上がった先にヘクトル邸はある。
先程、領都は広いと言ったが、実は我が家の敷地が領都の二割の面積を占めている。と言うのも、守護獣が眠る山を擁しているからだ。
山の管理の為に麓に建てられたヘクトル邸。そのヘクトル邸から南側へと徐々に広がる様につくられた街。要は、北側はほぼ我が家の敷地になっているのだ。
今となっては分かりやすいシンボル扱いの山だが、実際はかなりの劇物。しかしその為に設けた広い敷地のお陰で、いざと言う時に領都の全ての民を抱え込む事も出来る作りとなっている。
さて、山の南に発展する様に作られたヘクトル邸と領都だが、では北側は?
答えは最低限の維持管理に努めている、と言うものだ。別に禁忌や掟があって近付いてはならないなんて事はない。
なんなら、守護獣と呼ばれているタイラント種がどこで眠っているのかさえ今となっては定かではない。
だから俺とジニアがめっちゃ訓練したり山で青姦してもなんの問題も無かったんですよね〜。
現在俺は、その山の麓をぐるりと回り込む様に散歩中だ。
ベルトの街にて冒険者ギルドの支部長を務めていたエルフのティアを伴って。
エルフは自然に詳しいと聞くし、支部長をしていたのならより多くの情報に触れてきた筈。俺の家の建築予定地に検討をつけるためのアドバイザーとしても頼りに出来るだろう。
「久しぶり……と言うにはあまり日は経ってないか、ティア。随分と早かったな」
「ご無沙汰しております、ヴィクトル様。今ここに居ることについては、私自身、驚いています。あのギルドは逞しかった……長命なエルフに依存しない形を以前から模索してくれていた様で、こうして今、貴方にお会いする事が叶いました」
ティアは立ち止まると、俺に向かって跪いた。
相も変わらず長い谷間とスリットから覗く健康的な太ももが艶かしい奴だ。
俺は褒めるように彼女の頭を撫でる。
すると、たったそれだけでティアの口から艶っぽい声が漏れ出た。
「あぁっと、済まない。もう少し制御した方が良さそうだな……」
「い、いえ……気持ち良いです」
「そりゃ良かったよ……。ともあれ、ようこそティア。そしてこれからよろしく。あと、出来ればもっと肩の力を抜け。俺が気疲れしてしまう」
「……ふふ。貴方がそう仰るならそうしましょうか」
彼女と過ごした時間は短い。交わした言葉も特別多くは無い。
それでも、何度も肌を重ね、抱き合い、そして孕んでもおかしく無いくらい種付けした。
肉体によるコミュニケーションは想像以上に効率的で円滑なのかもしれない。俺とティアは慣れた調子と感覚で青い空の下を、緑のカーペットを踏みしめながら歩き出す。
さてと。まず聞きたいのは、ベルトの街でゴブリン被害に遭った残りの女性陣の事かな。
「他の子達は今はどうしてる?」
「受付嬢のリシューは、魔物性被害者に向けた講習や訓練などをギルドが受け持つようにと提案し、それをなんとか押し通していましたよ。戦わなければ身を売るしか無い女性冒険者達にとっては大きな希望の光になったでしょうね」
ミリア、マロン、メノウの人間三人組は、ゴブリンアヴェンジャーとなっているらしい。復讐の炎で恐怖を克服し、自分達の二の舞を作らないようにと、新人女性冒険者にも積極的に声を掛けてはゴブリンの討伐訓練をつけているのだとか。
エルフの美少女幼馴染コンビのイリスとアーシャは、森の歩き方や魔法の講習を開いているのだとか。しっかりお金は取るようだが、新人冒険者にはかなりお手頃価格にしているそうだ。
最悪の敗北を味わった彼女達は、一級品の気配への鋭敏さを獲得したらしく、特に男相手に不意をつかれる事はまず無い。講習の金額が高いとイチャモンを付けてくる相手には、自分達がゴブリンに犯されたと言う事を触れ回った上で叩きのめし、相手をゴブリン以下に貶め、それを認めた場合のみ金額をまけてやると言う徹底ぶり。
強い芯を持った良い女になったな。
鬼人の美人ソロ冒険者のジヴィア、彼女は一人、旅に出たらしい。
元々流浪の旅をしていた彼女は野営中にゴブリンの群れに襲われたと言う経緯だったようで、本来の旅に戻ったのだろう。
それでも、旅に出る前には色んな冒険者に堂々と自分の経緯を語り、その上で近接戦闘訓練を無料で開き続けてくれたのだとか。
またいつか会えると良いな。その時には、また極甘えっちで蕩かしてやりたいものだ。
「はははっ! 皆、逞しくなったな!」
「貴方のお陰ですよ? 最も毛嫌いする筈の貴族の子息が、あんなにも情熱的に抱いてくださったのですから。ゴブリンの子を孕んだ様子もありませんし。もっと言うなら、貴方の子を孕んでいたいと皆が口々に呟いていたくらいです。改めて、彼女達の心を救って頂き感謝申しあげます」
「はいはい、それは何度も受け取ったよ。俺は良い女を沢山抱けて良い思いさせてもらったんだけどな」
嘘でもなんでも無く本心なのに、ティアは仕方のない人を見るような目を向けてくる。
恩を着せる積もりでやった事ならまだしも、俺の偽善で傷心中の女に断り難い言葉を使って抱いたに過ぎない。故に貰える感謝には限りがある。
なのに、だ。いつまでも尊敬した風に俺を見てくるティアには、お仕置きとして魔力をぶっかけてやろう。
「ん゛っっ♡♡ ……あっ♡ お待ち下……ゔっ♡」
「俺は感謝されたいんじゃない。それに今は下見中だ、早く行くぞ」
「まって……♡ くださ、い……んふぅ♡」
四回程絶頂した所で魔力のぶっかけを止め、改めてティアと散歩を再開した。
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「ふぅ。なかなか歩いたな。大体これで真北辺りに来たか? 側には小川も流れてるし、長閑でなかなか良いんじゃないか?」
「そ、そうで、すね……この辺りは魔力も綺麗ですし……んっ♡ ヴィクトル、様……その、少しだけ休みませんか? よろしければ……私を使って、とか……♡」
なかなか興味深い提案だった。
太陽もだいぶ高く上がっており、歩き出してからおよそ二時間は経っているか。
俺はティアの提案に賛成し、麓の木の根元で木漏れ日を浴びながら腰を下ろす。そしてティアは俺の上に腰を下ろしますと。
「あっ、ぎだぁ、これ欲しかったのぉ……!」
悦ぶ彼女を見てもっと喜ばせたいと思うのが俺の性。
一番奥で種の代わりに魔を吐き出し、そのまま何度も突き上げる。
「おぅ♡ おぉん♡ だめ、あぁっ……ああぁぁぁぁ♡♡」
喜ぶティアに追い討つ様に種を放つ。
その種に含まれる魔力でティアはまた喜んだ。
俺も乱れるティアの姿に気を良くし、やっぱりまだまだ突き上げる。いや、押し倒して打ち下ろす。
木々の間に響くどちゅっどちゅっと言う音。もう一つ響くのはティアの全力の色っぽい声。
人目も憚らず、ほじって耕し、溢れるほど植え付けた種。
ティアの満足気な顔を見て、俺もようやく矛を納めた。
さ〜て。ヤる事やって落ち着いたら、次はちゃんと下見をしないとな。
「じゅるるるっ、じゅぷ、じゅぷ、ずぷぷ〜♡ じゅぽ、じゅぽ、ちゅぅぅ〜♡」
「ティア? そろそろ掃除は良いぞ?」
「んちゅぱっ♡ そうれふか? では、ちゅっ♡ このくらいで、続きはまた後ほど……♡」
「俺の事情は話した通りなんだが、その為の下見だ。協力してくれ」
「承りました」
何故かびちょびちょになった服を干していたティアは、ようやく服を着てくれた。
俺もまた何故か乱れていた服を着直し、ティアと唇を啄みあいながら周辺を見て回る。
「ふむ。存外悪く無いですね。地盤は魔法で固められますし、広範囲に渡って人目もありません。戦闘メイドの教育にも良いでしょうし、奥方様のスローライフ用のエリアを設けておけば、問題は無さそうです」
「うん、とても参考になる。では第一候補地を此処としようか」
俺達は山の北側をたっぷりいちゃいちゃ散策した後、候補地を決めた。
だがしかし、特別大きく無いとは言え山の外周はまだ半分もある。俺達は腕を組んで歩き出し、途中何度かの休憩(意味深)を挟みながら幾つかの候補地を見つけていった。
家に戻って来たのは日が暮れる少し前頃。昼食はティアに教えて貰いながら採った山菜や木の実を茹でこぼしたり生で食べ、最後にティアも食べるなどした。ミリアリアにも今度教えてやろうと思う。
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その日の晩。
俺の客人として共に食卓を囲んだ元支部長のティアを連れて父の執務室に向かう。昼間見つけた場所を報告すると、詳細な地図を広げた父上が当たりをつけて検討したのち、真北の第一候補地に戦闘メイド養成所を兼ねた俺の屋敷を建てる事が決まった。
屋敷が建つまでには大体半年は掛かるそうで、その間、俺には連れて行きたいメイドを選抜しろと命が下った。
引き抜いてはいけないメイドは居るかと問えば、父は戦闘メイド以外に互換性の無い者は居ないと言ってのけた。
これは我が家にとどまらず、貴族全体で見ても当然の方針だ。
唯一性や無二の存在と言う、替えの利かない人材を使用人にはしない。
これは当たり前の事ではあるが、それを破って戦闘メイドを育成したのが我がヘクトル家。
きっかけはジニア達三人。突出した戦闘能力を持った者達だが、女故に騎士団に入れられず、腐らせるのは勿体無いと言う理由で発足された部隊だ。
貴族にとって使用人と言うのはある種の弱点であり、女性使用人は何かと襲われやすい立場でもある。なので、護身術がてらに戦闘面も教育する事が今では我が家の習わしとなっているとか。
閑話休題。
故の質問だったが、父上が断言した以上、本当に問題は無いのだろう。俺は容赦無く、俺が抱いたメイド達を列挙していった。
「うむ、構わない。だが一つ条件がある。新たにヘクトル家のメイド見習いを雇い入れ、その教育に力を入れろ。現状、一代とは言え家を分ける事になる。教育の仕方もメイド達に仕込むと良い。執事や男手はどうする?」
「そちらはおそらく不要かと。俺が欲しく無いと言う訳では無く、単純に、戦闘訓練を施す上で身体強化は必須。日々の暮らしの中でも積極的に使用させる事になると思うので、その機会を奪いたく無いのです」
「分かった。ではそのようにすると良い」
父上は当主としての厳格な顔で了承を下すと、ふっと顔を緩める。
それは父としての顔。何処か懐かしむような、思い耽るような……。
一度遠くを見つめた父上は、今の俺を見て改めて笑った。
「……騎士爵は序列で見れば最下位だ。それでもお前はいち貴族家の当主になる。分からない事は聞け。いつでも良い。そして、責任を持って事に当たれ。己の行動の全てが家に関わると思え。……分かったな、ヴィクトル」
……不思議な感覚だ。
最近、時々忘れる。自分が転生者である事を。
前世の記憶を持ち、もう一人の両親を持つこの俺が、この家の子どもとして馴染み切っている気がする。
そしてそれを……俺は嬉しいと感じている。
目の前の父を敬愛していると断言出来る。
いつも和かな母に「愛している」と、きっと言えてしまう。
ヴィートリヒ兄上にも、ヴァート兄上にも、トリアーナ姉上にも、トトアにも、きっと俺は家族として愛を告げられると思う。
前世の俺が偏屈な人間だったとは言わない。けれど、きっと今の俺のように素直では無かったことは確信出来る。
——不思議な感覚だ。とても嬉しいのに、少し寂しい。
「はい、父上。己に恥じ無い自分になります。出来る限り、精一杯を尽くして、俺は——いいえ。私は、人の上に立てる人間になります」
差し出された手を静かに取る。
握ったその手は互いに硬く、厚く。
しかして、父の方がずっと重たかった。
何故か熱くなった目頭。それを見られたく無くて俯くと、父もまた立ち上がって窓の方へと歩いていった。
「もう行け。おやすみ、ヴィクトル」
「……はい、父上。おやすみなさい」
二つの声は揺れていた。何かを堪えるように。今はまだ見せたくないからと。
きっと、俺達は不器用では無い。互いに察しているし理解もしている。
それが分かるくらいには、俺は父上を好いていたのだと自覚した。
同席させてしまったティアに詫びた後、俺は一人静かに眠ったのだった。