モブ整備員の俺がワルキューレのメンバーたちと愛し合う話 作:ruchino
一糸まとわぬ姿の少女が背を覆うほどの髪を微かに揺らしながら薄暗い室内を横切る。
彼女は慣れた足取りで部屋の隅まで辿り着くと、キャビネットの上に置かれている小型冷蔵庫の扉を開けた。
点灯した庫内灯の明かりが闇に沈んだ寝室内を薄っすらと照らし、色気を感じさせる大人びた少女の顔を艶やかに浮かび上がらせる。
「そろそろ無くなっちゃいそうだなぁ。また買わないと」
彼女、マキナ・中島は積むように並べられたペットボトルから三本選び取ると冷蔵庫の扉をぱたんと閉じる。
それらを抱えながら室内を再び横断するように移動し、大きなベッドの上で身体を横たえている少女たちに声をかけた。
「二人とも、お水持って来たよ。次のライブも近いから喉は労わらなくちゃ。はい、レイレイ」
「ん、ありがとう」
小柄な身体と尖った耳が特徴的な少女、レイナ・プラウラーは気怠そうに身体を起こしてマキナからペットボトルを受け取った。
そんな彼女を見てにっこりと微笑むと、マキナはその隣で同じように横になっているもう一人の少女の方を向く。
「クモクモも」
「た……助かるわ、マキナ」
続けてペットボトルを差し出せば、神秘的な雰囲気が印象的な美雲・ギンヌメールが緩慢な動きでそれを受け取る。
しかし、己の口から発せられた声が普段のそれからは想像できないほどに枯れていたからか、彼女は鋭い美を描く目を微かに丸くしていた。
自分自身と同じように裸身を晒している二人が喉を潤すのを見届けると、マキナもベッドの端に腰かけてペットボトルの栓を開ける。
彼女が水を飲み終えて大きく息を吐けば、豊かな曲線を描く肢体の胸元でたわわに実った果実がたぷたぷん♥と大きく揺れた。
「……ふぅ。レイレイ、映像をお願いしてもいい? 彼の姿を見たくて」
「もちろん。私もそろそろ見るのを再開したくてウズウズしてた」
レイナは頷くとサイドテーブルの上に置かれてる小型のデバイスを操作し、三人それぞれの眼前に映像を表示させる。
それは星間複合企業体ケイオスの惑星ラグナにおける支部、その一画にある格納庫を映し出していた。
すでに夜が更けつつある格納庫内は大半の明かりが消えて濃い暗闇に包まれているが、仄かに明るい片隅でつなぎ姿の青年が機体と向き合って黙々と作業を続けている。
映像は彼が整備している姿をマイクロドローンを用いて気づかれない遠目から密かに映し続けており、端的に言ってしまえば盗撮しているのであった。
当然の話だが、ラグナ支部内を盗撮することなど許されるはずもない。
マキナたち三人が所属しているワルキューレはケイオスの情報・芸能部門に在籍している戦術音楽ユニットではあるが、そんな彼女たちであっても同様なのは言うまでもないだろう。
しかし、メカニックとして優れた腕を持つマキナと優秀なハッカーであるレイナが手を組んで及んでいる行為に誰が気づくことが出来るというのか。
「バイタルサインは……良好っと。あぁ、ホントにカッコいい♥」
マキナは映像を眺めながらうっとりとした表情を浮かべ、熱を滲ませた吐息を零す。
青年をいまも盗撮し続けているマイクロドローンはこのためだけにマキナとレイナによって密かに造られた逸品で、ワルキューレと共に作戦に当たるΔ小隊が用いるドローンの性能を優に上回っている。
そのうえで盗撮し続けることに優れているのは当然として、それ以外にも盗撮の対象である青年のバイタルサインを常時観測したり、彼に接触した相手の情報を瞬時に収集して記録するなど、通常のドローンには搭載されないような機能を幾つも有していた。
「本当ね。見て、彼の姿を見ていたら濡れてきちゃったわ♥ さっきオナニーしたばかりだというのに♥」
「クモクモ、声が枯れちゃいそうなくらいすっごいオホ声上げてたもんね♥ まぁ、私もおまんこがキュンキュンしちゃって仕方ないんだけど♥」
「あっ、あ、だめ……ダメ、もう我慢できないっ♥ するするっ、しちゃうわぁっっ。今日もう何回目か忘れたけど、おまんこをまたぐっちゅぐちゅに掻き回して気持ちよくぅぅぅ――――あ゛ぁ゛っ、ん゛っっ♥♥ お゛ぉ゛っっ、お゛ーっ゛♥♥♥」
美雲は白魚のような指の大半を蜜壺に突っ込むと同時に、野太い声を上げながら芸術的なまでに美しい身体を大きく跳ねさせる。
蜜壺を激しく掻き回す淫猥な水音が室内に響くが、美雲が自慰に耽っているその隣でレイナは格納庫を映し出した映像を見ながら少しばかり険しい表情を浮かべていた。
「レイレイ、どうしたの?」
「……マキナ、これ」
レイナは自分自身が見ていたそれをマキナが見ている画面にも同じように表示させる。
彼女が眺めていたのは、ラグナ支部で整備員として働いている彼が今日一日で視線を合わせた女性の詳細をまとめたリストだった。
それは一目では確認し切れないほどにとても長く、マキナもリストに視線を落としながら思わず眉をひそめずにはいられなかった。
「こんなに?」
ラグナ支部はマクロス・エリシオンをそのまま支部の建物としても活用しており、その機体が巨大であるように勤めている人も多い。
麓にあるバレッタシティにも多くの人が行き来しているわけで、視線を合わせた女性という条件だけで列挙すればその対象となる人の数が膨大になってしまうのは当然のことと言えよう。
しかし、そんな理屈もマキナとレイナには一切関係ないようだった。
「彼が誠実で謙虚で仕事熱心で優しいからいまのところ表面化していないけど、この中の誰が狙っていてもおかしくはない」
「そうだね。むしろ、誰も興味を示してないことが信じられないくらい。
……レイレイ、ごめん。いまの無し、忘れて」
余程思い描きたくない想像だったのか、マキナは首を左右に振るとばつが悪そうな表情を浮かべて謝った。
「うぅん、気にしなくていい。だけど、マキナ……そういうことが起こらない保証はない。だから、そろそろ行動を起こすべき。
私も美雲も、マキナと同じ気持ち」
「――――そうだね、私たちだっていっぱい頑張ったんだもん。フレフレみたいに恋に生きたっていいよね?」
マキナは宙に映し出されている青年の姿を指でそっとなぞりながら微笑を零す。
「すぐに迎えに行くから。待っててね、ダーリン♥」
普段は優しく明るい笑みを浮かべる彼女の唇が歪んだ弧を描き、その瞳は闇に濡れたように仄かに暗い光を放っていた。