決戦の時を備えるエルスタイン王国。その様子を見るエルスタインの女帝エリーゼは、曇った顔を浮かべていた。
エリーゼ「……………。」
◇◆◇
………ああ、今でも思い出す…あの時の忌々しい記憶が………!!
余はエルスタイン王国の王女として生まれ、民を愛し、民から愛される理想の王女であった。
じゃが、本来の余は精神的に脆く、民からどう見られ、どう悪く思っている事を誰よりも心配しておった。
ああ…今でも己を嫌っている…余りのストレスを感じた余は、全てをさらけ出したい想いを抱く様になってしまった。
それがあの忌まわしきドミナスどもに陵辱され、余はアンナと共に雌豚へと堕とされた…。
快楽を身に委ねながら堕ちてゆく余は、己を呪った。だがその呪いが、エルスタインを生まれ変わる奇跡の様な物じゃった。
「闇よ!!ドミナスどもを皆殺しをしろッ!!そして、我がエルスタインを救ってくれッ!!!」
下衆どもに陵辱される余は、我を帰り、こう叫んだ。するとどうした事か、天から裂け目が現れ、そこから異形の魔神が君臨した。
余は異形の魔神と契約を交わし、魔神は余に邪剣を授けた。
その剣は禍々しい力を宿す魔剣。使用者やその周辺の魂を喰らう力を宿す魔剣であった。
更に魔神はかつての余の穢れた身体を洗い流すかの様に、新しい姿へと転生させてれた。すると余の身体が、幼くも禍々しい力を宿す女帝へと変えてくれた。
魔神に感謝する余は、まずはドミナスの王をその剣で斬り殺した。そしてその後にドミナスどもを蹂躙し、奴らは圧倒的な戦力の差で呆気なく降伏した。
余は魔剣と共にエルスタインを新生エルスタインを生まれ変わらせた。民達は余を神として拝み、余の存在自体が神格化していた。
じゃが、ここでふと思った事だ。かつての余は精神が脆かった貧弱な王女だったが、今ではそんなくだらん物は感じない様になっていた。
今の余はあの時の余ではない。余は己の野心の為に、黒の国と契約を交わし、自ら闇の化身と化した。
◇◆◇
「……リーゼ…様…!」
「エリーゼ…様!!」
「エリーゼ様ッ!!」
エリーゼ「はっ!!」
エリーゼは夢から覚まし、彼女の背後にはアンナがいた。
アンナ「うたた寝してましたが、大丈夫ですか?」
エリーゼ「いや、あの時の忌々しい記憶が戻ってきただけだ。」
エリーゼは顔をぶんぶんと横張った後、王室へ向かった。
◇◆◇
エリーゼ「我が魔剣よ。調子はどうだ?」
エリーゼの王室に飾っているその魔剣は、禍々しく、紅く、そして黒く染まっていた。魔剣はエリーゼをじっと見つめている。
エリーゼ「随分と暴れたい気分じゃな…お主の気持ちはわかるが、まだ解放する時間はまだ早い。」
魔剣はエリーゼの事を聞いたのか、赤い光を納めた。
「さてリリィとやらよ、貴様らがここへ来る事を待っておるぞ。そして、余を退屈させるんじゃないぞ?」
バルコニーから遠くへ眺めるエリーゼは、悪魔の笑みを浮かべていた。
エリーゼ「我が剣も、貴様らの魂を喰らいたくて仕方がないのじゃよ。」
次回、決戦に備える白百合は、霊剣と出会う