爆乳な義母と義姉と義妹をハーレムに入れて、ドスケベな毎日を送る話。 作:音有五角
――君は才能がある。
別れた旦那――轟 蓮との、始まりの言葉であった。10も年上で「本物」の天才ファッションデザイナーだ。彼は当時、齢三十にして学生デザイナーの登竜門とも言われるほどの、大手コンテストの審査員を務めていた。凛子はその時大学生で、最優秀賞を受賞し、ファッション界の金の卵として頭角を現した。晴れやかなスタート。期待された才能。それでいておっぱ……器量の良い容姿なのだから、注目が多く集まった。そしてその注目はさらに集まることとなる。轟 蓮と婚約したのだ。
轟は二十代の時に国際的な賞を受賞し、世界的にも注目されている一流のファッションデザイナーである。そんな天才と新人賞を受賞した美女との夫婦。界隈が妙に沸き立ち、そして凛子への期待は大きく高まった。実際、ファッションデザイナー同士の夫婦というのはそう珍しい話ではない。むしろ有名な夫婦が何組かいるほどだ。日本も例外ではない。そしてその前例は偉大なる実績を残しており、轟夫婦もそうなるのではないかという声が上がるのは、仕方のないことであった。
そして轟も凛子に期待をした。君は才能がある。君と共にいれば、より高みを目指せる。
凛子もその言葉を信じた。若さもあり、夢に見合う実績も残した。そうして月日が経過していき、二人の娘も授かった。
一見すると、順風満帆なセレブ夫婦。
しかし現実はそんなに甘くなかった。
結論から言うと。
凛子に、そんな才能と熱意もなかったのだ。
☆
轟は自身のブランドを立ち上げている。現在、それは日本を代表するブランドであり、大きな評価を得ている。対して凛子は企業に属するいわゆる正社員雇用で、轟のような有名人でも賞の受賞者でもない。特段それは変わったことでもなければ、失敗でもないのだが、旦那との対比があまりにも大きかった。旦那は界隈を引っ張る「トップ」プロ。妻は「普通」のプロ。轟が凛子に失望したのは、そういうことなのであった。
凛子の熱意が次第に落ち着いていったのも、二人のすれ違いを強くした。子供が出来てからの彼女はファッションデザイナーとして頂点に立ちたい、というよりも、母として生きることに生きがいを感じるようになった。
家のことを凛子がする度に、轟は「無駄なことを」「何故、自ら才能を枯らす」「母としての務めなどする必要はない」などと罵倒した。凛子は辟易とした。価値観が根本的に違い過ぎる。たしかに若いころは勢いがあったから、轟と共に世界の頂点を目指そうと思った。自分は特別な人間なのだと思った。だけど、年をとるたびに。子供が出来たことをきっかけに、変わっていった。自分にそういう才能はないとしか思えず、そもそもそれほどの熱意もなかったのだ。
「大体、あなた、当たり前のように愛人を家に連れてこないで。娘の教育に悪いわ」
豪華なベッドの上で、愛人と共に寝る夫の姿を見るのはもはや日常であった。海外で知り合ったのか、外国の女であることもある。二人、三人、四人と連れ込んでくることもあった。それが当たり前だという顔で。
「混ざればいいじゃないか。その爆乳は一級品だ、迎え入れてやろう。乱交はいいものだぞ?」
「はぁ。短小早漏チンポなのに、よくやるわね……」
「っ!? お前ごときが、私を侮辱するとは」
「あなたはいつだってそう。自分が中心に世界が回っていると思っている」
轟は良い意味でも悪い意味でも破天荒で、天才肌であった。彼にとって女は、欲望を満たし、そして仕事へのモチベーションへとつなげる、いわば嗜好品のようなものなのだ。子どもなど眼中になく、金で適当に食わせるだけ。実際、彼にはそう出来るだけの財力も権力もあるのだ。
凛子は我慢した。だが、娘を連れて、お金をためてやがて出ていった。幸い、轟は結婚生活にも娘にも興味を示さなかった。ただ、別れ際に「抱かれたくなったら、いつでも連絡してくるといい。お前に快楽を思い出させてやる」と、やたら上から目線に言われた。まあようするに、凛子のおっぱいにだけは興味を示しているのである。というかむしろ、それにしか興味を示していない。
己を高める存在、ではなく。
欲望を満たしてくれる嗜好品。
轟にとって、凛子はそういう存在になったのだ。
(なんでこんなにも合わない人と、結婚したのかしら……はぁ)
夢に酔っていた。
――若さって、嫌だわ。
☆
「轟 蓮、か……やっぱりな」
僕が言うと、轟が首を傾げた。
「やはり? なにを言っている」
「……こっちの話だ。今、なにをしようとしていた?」
「元妻へ会いに来ただけだが?」
「凛子の胸めがけて手を伸ばしただろう」
「なんの話だ? 貴様が勝手に興奮して、手を出してきただけだろう?」
あくまでもとぼけるつもりのようだ。まあたしかに、映像を撮ったわけではないから証拠がない。触らせていたら話は別だったが、そんなことさせるわけがない。パイタッチしていたら腕と首を切り落としても足りないくらい大罪である。
「私には用事がないわ。帰ってちょうだい。大体、こんな朝からなによ」
凛子が言い放つ。
言葉だけは強気だが、少し声音が震えている気がした。
「凛子、貴様は俺の女だ。会いに行くのは当然の権利だろう?」
「あなたの女なんかじゃ――」
「くくくっ。明後日のパーティ、共に楽しもうじゃないか」
その言葉に、凛子は言葉を詰まらせた。パーティ?
轟は僕を睨みつけ、最後にこう言い残した。
「どこの馬の骨だか知らんが。調子に乗るな」
その視線は、僕が凛子の手を握った、右手に注がれていた。
★
と、まあ、かなり心配な出来事があったのだが、とりあえず仕事へ向かうしかない。そして不安な時間を過ごしたあと、すぐに家へ戻り、轟のことを凛子に聞こうとした。しかし彼女は頑なに語ることを拒んだ。あと露骨に不機嫌であった。
「あの人とはなんでもないわよ」
「本当に?」
「もう別れているの。関係ないわ。ちょっとしつこくつきまとわれているけど、大丈夫。追い出すだけよ」
何故か、維持を張っている。そして娘達の前では、轟の話をしようともしない。話題を逸らす。誤魔化す。どこまでも凛子らしくない立ち振る舞いであった。
仕方ないから、二人きりの時を見計らうしかない。しつこくなるが、リビングで洗い物をする凛子に問いかける。
「パーティーっていうのは?」
「仕事のことよ。会社同士が共同で仕事をするの。その中心が、轟の会社」
なるほど。界隈のことはわからないが、テレビでも取り上げられ、あらゆる表彰を受けているほどの実力者だ。牽引しているのだろう。
「なによ、私があの人と寄りを戻そうとしているのに見えるの? ありえない。絶対にありえないわよ!!!」
ヒステリックに大声を上げる。
……まぁ、前の旦那……つまり、轟のことを僕に語らなかったし、娘組も僕に語ろうとしなかった。
踏み込まれたくない領域なのはわかっている。けど、今朝無視出来ない事態が起きたのだ。スルーというわけにはいかない。
しかし凛子はどんどん感情的になるばかりであった。
「私のこと、信用出来ないのね」
「そんなこと言ってないよ」
「なにも心配なんていらないのよ。あんな人に、私は……母は負けないのよ」
このままだと明日、凛子は轟へ会いに行くことになる。おっぱいを触ろうとした、あの醜悪な手を思い出す。思わず僕も感情的になりそうにはなる。だけど、そんなことをしてもなにも意味ないだろう。
「わかった。これ以上は、聞かないよ」
二階へ上がると、通路に彩芽と結衣が心配そうにこちらを見ていた。彩芽が胸に手を当てながら、不安げな声を上げる。
「どうしたの? なんだか今日、二人とも喧嘩している……」
「今朝、轟 蓮に会ったんだ。それ以降、ちょっとね」
「っ!」
彩芽が自分の右腕を左手でぎゅっと触れる。結衣が僕達を見た。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、とりあえず部屋に入ろ……」
結衣の部屋に、僕達三人が集まった。個室に爆乳美少女二人。いつもならこれだけで勃起してしまうが、今はそれどころじゃないだろう。
凛子を待ち伏せしていたこと、胸を触ろうとしていたこと、そして明日凛子が轟へ会うことになっていることを話すと、彩芽が体を震わせ、両手で顔を覆い泣き始めた。
「うっ、ご、ごめんなさい、ちょっと昔を思い出して……」
「お姉ちゃん!」
結衣が彩芽を抱きしめる。二人も冷静ではいられないようだ。
「三人共、轟のことを話さないから、そうだろうとは思っていたけど……悪い思い出があるみたいだね」
結衣が彩芽を抱きしめながら、僕に言った。
「……お母さんがお父さんに会いに行く必要なんて、ない。会社同士の仕事だとしても、関係ないもん」
「止めるのは難しいと思うよ。あの様子だと、会いに行くことに意味があると思っているみたいだから」
彩芽が涙目になりながら、僕を見上げた。
「そんなっ、冷たい! お母さんがあんな人と会うの、嫌じゃないの? 私は嫌!」
「そりゃ、僕だって止めたいけどね。信用してほしいと言われたら、これ以上はなにも言えないよ」
「嘘! ハルくん、本当はどうしたいの? 絶対に止めたいはずだよ!」
「僕の気持ち的には止めたいさ。でも、凛子の気持ちを尊重したいと考えているよ」
「私は……私は、絶対にいやっ! お母さんが可哀想!」
彩芽は泣きながら、部屋を出ていった。本気で母が心配なのだろう。
結衣がしゅんと顔を俯かせた。そしてぽつりぽつり、と轟 蓮がどんな父親だったかを話してくれた。
家にいつも愛人を連れていたこと。轟 蓮の欲望にまみれた考え。凛子のことは欲望を満たすための道具としか見ていなかったこと。娘のことを目障りなものとしか見ていなかったこと。そして家を出る決意を硬くした出来事である、彩芽が暴力を振るわれた過去。
僕は結衣の頭を撫でた。
「ありがとうね。本当は、話したくなかったんだよね」
「お父さんこと、思い出したくなくて……それで……ごめんね、お兄ちゃん」
結衣も泣き出して、僕の胸に飛び込んだ。
「お兄ちゃん……」
「ん?」
「怖い……」
僕は結衣をぎゅっと抱きしめた。轟 蓮が彼女達に与えた傷は、かなり深いもののようだ。
★
部屋を出ると、ちょうど彩芽が二階へ上がってきていた。
「……お母さん、なにも心配いらないからって。そればっかり」
「そうだろうね」
「どうして、どうしてなの? ハルくん、私、わからないよ……」
僕は首を横に振る。
「こればかりは、凛子の考えだからね……でも、やっぱり心配だ。僕には僕の出来ることをやってみる。幸い、今朝は一つ証拠を掴んだからね」
「証拠……?」
「ここへ移動する前。交番にはさ、その地域の事件やらなにやら、色々とアーカイブが残っているわけなんだけど。現状把握のために、この地域で対応した事件のことは勉強したんだ。ほら、今月ひったくり何件とか、そういう張り出しあるでしょ? 簡単にいえば、ああいうのを子細に把握するのが、最初にやる仕事なわけ。最近、ここの家に下着泥棒が入ったんだよね?」
「え? そ、そんな話、聞いてないよ?」
「不安にさせるからって、凛子が意図的に隠したのかな。まぁ、被害者は凛子だからね」
「っ!?」
「まさか轟 蓮……というか、前の旦那関連だとは思っていなかったけどさ。この辺り、結構稼ぎ良い人とか多いからさ。空き巣とかにも狙われているんだよ。それで、凛子やみんなことが心配になってさ。自分になにか出来ることをって思って、実はこっそり庭に隠しカメラをつけていたんだ」
僕はポケットからSDカードを取り出した。
「もしかして……」
「今朝、待ち伏せしていただけあってね。また凛子の下着を狙ったみたいだ」
彩芽が体を震わせ、僕の胸に飛び込む。つまり今朝、庭に轟 蓮が来て、下着を漁っていたことになる。恐ろしい話だ。
「ごめんね、ハルくん……冷たいだなんて、言って。こんなに優しくて、強い人なのに……私、ダメなお義姉ちゃんだね」
「そんなことないよ……朝、みんなで凛子を見送ろう。心配だろうけど、ね」
「うん……」
★
自分は母なのだと、凛子は何度も言い聞かせた。
立派なお母さんとはなんだろう。
ちゃんとしたお母さんとはなんだろう。
自分もかつては子供であったはずなのに、上手にそのことを考えることが出来ない。目の前の二人を育てて、愛するのに、精一杯だったのだ。
自分は立派なお母さんだろうか。
ちゃんと母の役目を果たせているだろうか。
自信はあまり、なかった。
轟 蓮は娘のことを全く考えない。視界に入れさえしない。名前を呼んだこともない。女を連れて、セックスばかりしている。そんなに元気いっぱいなおチンポでもないのに。
こんな父親なら、いない方がマシだ。教育によくない。挙句、愛人どもは凛子や娘に嫉妬して、嫌がらせをする。
それでも彩芽も結衣も可愛らしく、美しく、心優しい可憐な女の子として育っていく。しかし轟 蓮のせいで、まともな環境で育て上げられていないというのが真実だった。
「最近のお前は……子供が出来てからのお前には、ガッカリだ」
轟 蓮は凛子に言った。
「お前には……いや、お前だけを期待していた。お前だけが、私の隣に立てる唯一の才能だったのだ。それを……それをお前は」
轟 蓮は凛子を女、もとい性を満たす道具であると同時に、自身がもっとも関心を持つ……つまり仕事、ファッションデザインのパートナーとして、凛子を見出していた。病的なほどに大きな期待を寄せ、彼女こそが自分の横に立てる天才だと信じたのである。
実際、彼は孤独な天才であった。あまりに卓越した天才は、他の追随を許さない。羨望。嫉妬。欲望。あらゆるものが渦巻き、寄り、そして彼を歪ませた。
若い頃の彼は今とは違い、どちらかというと誠実な性格をしていたのだという。曲がったことが嫌いで、性に対してもいい加減ではなかった。
しかし世界を舞台に戦い、彼の実力についていける者が一人、また一人といなくなった。そしてそのあまりに飛びぬけている才能が周囲に認知された途端、多くの者が彼を利用しようとしたり、または嫉妬で嫌がらせをするようになった。
中には、信用した人間が金目当てで裏切ったこともあった。
やがて彼は世界に失望した。
自分の周りには、凡人しかいないのだと、そう考えるようになったのだ。
彼を裏切らなかったのは力と金。そして女とのセックスであった。
そんな彼にとって、凛子は希望であった。
ようやく自分の横に立てる人間が現れたと、そう思ったのだ。
しかしそれは、彼のエゴであった。
轟 蓮の期待が、凛子の求める幸せとはかけ離れているものだったからだ。
(私は家族といられれば、それでいいのよ……彩芽と結衣が、こんなにも可愛くて優しい娘に育って。それが私にとって幸せなのよ)
凛子は母であった。
轟 蓮は孤独な天才であった。
(私は母……母よ。なのに……なのに……)
引き金となった出来事。運命の日。
轟 蓮が激高し、彩芽の腕をタバコで焼いた日だ。
あの日。凛子は実感した。
自分は、立派な母をやれていない。
歪んだ家庭環境にずっと娘を置いて、そのままにして。そうして招いた結果だ。
轟 蓮の愛人は、凛子に言い放った。
「ねぇ、知っている? 別にアンタの子供なんてどーでもいいんだけど。助けたの、止めたの、私なのよ?」
それに関しては真実であった。愛人は人間としての良心に、さすがに咎められて轟 蓮を引き離したのだ。
「娘が腕焼かれている時に、アンタどこでなにしていたのよ?」
「っ」
「クソみたいなお母さんよね、アンタ。乳だけデカくてさ。セックスしか取り柄ないんじゃなーい?www」
晴樹を引き取ったのも、自分が母としての欲求を満たすための行為だったのかもしれない。
言い方は悪いが、身寄りのない可哀そうな子供を育てることで、自分はやはり「立派な母」なのだという実感を求めたのだ。
だけど、それは一時しのぎでしかなかった。
脳裏をよぎるのは後悔。もっと別の道があったのではないか。
そして……月日が流れ、轟 蓮はまた凛子へ近づくようになった。
娘達にもバレ始め、不安にさせている。怖がらせている。
自分は母。
今度こそ、立派な母にならないといけない。
もう負けたくないと思った。轟 蓮から、逃げない。
母として、娘を守るのだと。
★
どこか、重苦しい空気のまま朝を迎える。
今日の凛子の朝は早かった。
玄関で、彩芽は「絶対、絶対に気をつけてね」と念を押し、結衣は凛子に抱きついた。僕が最後に現れると、凛子は悲し気に眉をひそめた。
「晴樹……私のこと、幻滅、しちゃったかしら」
「どうして?」
「昨日、あんなにヒステリックになっちゃって……オバさんって、思われちゃったかしら」
そんなことを、言っていた。結衣が凛子から離れる。僕は凛子に近づき……スーツの上から、おっぱいを揉んだ。
「ひゃっ♡」
「愛しているよ、凛子」
「ば、バカ、こういう時は、キスするのよ♡ なんでおっぱい揉むのよ♡ しかも乳首の辺りを突いていたわよ♡」
「僕なりの愛情表現だよ」
「も、もうっ……うふふ、私も愛している」
笑顔で言って、凛子はドアに手をかけた。
「彩芽、結衣。お母さん、行ってくるから」
★
車を三台使い、従業員十名以上で移動する中々に大きなイベントだ。凛子以外には重役なども参加しており、そして他の会社からも多くの者が参加している。
豪奢とした建物は、果たしてここは日本なのかと疑うほどのものであった。中世のような門。広々とした庭。大きな噴水。
誰もが息を飲んだ。そして感じた。
圧倒的な力。金。権力。それを五感で感じることが出来る。
凛子としては、懐かしい、と感じた。
嫌な思い出が沸々と蘇る。本当は、あんな顔を見たくもない。
凛子の会社は最後に到着したようだ。駐車場にはすでに車が複数止まっている。豪華な建物の前で、それぞれのメンバーが辿り着くと、扉が開かれた。
正装した轟 蓮が自ら、全員を出迎える。ちらり、と凛子を見て、一瞬だけ下卑た笑みを浮かべる。その視線はしっかりと、舐め回すように爆乳へ注がれていた。
「ようこそ、みなさん。本日は楽しい催しに致しましょう」