「チン負けザコは余計でチュウよ!」
サキュバスのエスカ。
魔族という闇属性の種族のくせに、自らを『光属性の聖職者』と称する不埒者だ。
当然、正義の闇の戦士であるDSはこの淫魔を激しく嫌っていた。
そもそも闇の魔族が聖なる者と言い張るのは、ちゃんちゃらおかしい話である。
常々そう思っていたDSは、彼女を不倶戴天の敵と見ていた。
しかし今日は違う。
彼女とのもう一つの関係とも言える、ビジネスパートナーとして会いに来たのだ。
「早速仕事の話に取り掛かろう、エスカ」
「その前に話すことがあるでチュウ」
エスカは頭半分ぐらい背が高いダフネに近づきながら言った。
ダフネが手を伸ばして彼女のおかっぱ頭を撫で出す。
エスカとダフネは友人、という間柄だった。
「……なぜ、頭を撫でているのだ、ダフネ?」
「手紙で今度会った時に、いいこいいこしてほしいでチュウ、と書いてあったずら」
「人を見る目があるダフネしゃんは、頑張り屋のあてをねぎらってくれているわけでチュウ。話なんでチュウけど……」
エスカは赤ん坊を抱いていないほうの腕を伸ばして言った。
「ここで会ったが100年目。さあ、借りたもんを返すでチュウよ?」
「借りたもの?」
「あてがあんたしゃんに貸した、音声水晶石を全部返すでチュウ」
それを聞いたミレイユの顔がひきつった。
「ディミトリ、あれをまだ返していなかったのか?」
エスカが言う音声水晶石は、『エドニア古典らくご』が収められていたものだ。
貸した水晶玉はおおよそ50個ほど。
かれこれ10年ほど、DSは借りたまま返していなかったのだ。
「さあさあ、返せ! 返せ!」
エスカが手のひらをのばして迫る。
傍から見ると、小さな女の子が悲痛な声で大人にせがむようだった。
しかしDSは怯まなかった。
『光属性の聖職者』を自称する、闇属性の淫魔のお子様相手に、良心の呵責を感じていなかったのだ。
「ふっ。お前みたいな犯罪者に返すものはどこにもない」
「どこのどなたが犯罪者でチュウか!」
DSはエスカを指さした。
ためらいの色は全く無い。
心底から彼女を『犯罪者』と思っていたのだ。
エスカがいろいろとやらかした、というのは本当のことだったが。
「己の不明を恥じるのだな、極悪人!」
「ぐぬぬぬぬ! 悪人はアンタしゃんのほうでチュウよ!」
エスカは力み過ぎておならをぶっ、と噴き出してしまった。
ついでだが実もちょびっと出てしまう。
おっぱいを吸っていた赤ん坊から笑われてしまった。
そもそも彼女はまだ子供なのだから、仕方が無いのである。
互いに睨み合っているところに、ミレイユとダフネが割って入った。
もちろん、エスカのほうに味方した。
「10年も借りたままは良くないだろう? ディミトリ、まさか捨ててしまったわけではないだろう?」
「いやまさか。あのヴィンテージ音源を捨てるなど、愚か者がする所業だ」
それに音声水晶は活用している、とDSは言った。
別の音声水晶へのダビングを行い、カイロネイア各地の村々に配ってまわっていると。
「何せカイロネイアは娯楽が少ないからな。せいぜいが山キャンプといわな釣り程度だ。幸い、エドニア古典らくごの音源は、おおむね好評のようだ」
「と、なればあてのコレクションがカイロネイアのエルフしゃんらの役に立っている、というわけでチュウね?」
旨をそらしてふてぶてしく笑うエスカを見て、DSは傲岸不遜な様子で言い放った。
「バカを言え。役に立っているのは私が複製したことだが?」
「10年も借りパクしているやつが自慢げに誇るなでチュウよ!」
エスカは赤ん坊をダフネに預け、DSにつかみかかった。
しかしがっしりと受け止められ、持ち抱えられてしまう。
「は、はなせー!」
バタバタともがくエスカのスカートがめくれ、尻と割れ目が見えてしまった。
このサキュバスがまとうスカートは、太ももを半分隠す程度の長さだった。
発情した男に迫られても致す為にだ。
足と尻を激しく動かした為、彼女の割れ目が開いて女陰が現れた。
そこからつつ、とねばっこく白い液体がこぼれ出た。ついさっき相手をした男の精液だった。
「さっさと放すでチュウ!」
「やかましいな。本意ではないが黙らせておこう」
DSは人差し指から薬指までを合せてねじると、エスカの尻穴にぶちこんだ。
「ひぐ! いぐぐぐぐっ!」
3本の指が肛門の中でぐにぐにと動き出すと、次第に顔が赤くなり、喜悦の声を放つようになった。
「ほひぃ♡ お、おちりがものすっごくあついでチュウ♡」
「気色の悪い声を出すな。尻でイクまで続けてやる」
「はひゅい♡」
指の節でエスカの肛門をこじ開け、ゆっくりと回して中をこねる。
それから前後にゆっくりと動かすと、エスカは「あぢゅい♡」と叫んで背を反らした。
女色に興味を持たぬDSだが、女の悦ばせ方ぐらいは存じていた。
それと闇の戦士でもある。暗黒の者は人の昏い部分の愉しみにも熟知しているものだ。
剣で命を奪い、性技で心を奪う。
それが為せなければ到底、闇の者を自称することはおこがましいものである。
「……も、もう限界でチュウ♡」
エスカはぐったりとなった。
ハリガタを股に突っ込んだまま立っているダフネと、彼女に抱えられている豚の脂身くさい赤ん坊が物欲しそうに眺めていた。
「ディミトリ、おらのおまんこにもあとでたーっぷり、楽しませてもらえねえずらか?」
「ばぶーばぶー! (わたしもわたしも!)」
DSは答えない。何故ならダフネはサカらせるとしつこいからだ。
指どころかちんぽで前の穴と後ろの穴をぐちゅぐちゅにしてもらおうと求めて来る。
それと、彼女が抱いているエスカの娘に嫌なものを感じた。
乳児のくせにちんぽと精液をいただこうと思ったからか、豚の足の裏の様なにおいのするフェロモンを放っていたからである。
「ところで……キファニア様は?」
身と心がとろけきって顔がふにゃりとなっているエスカに尋ねた。
「ここだべえ」
その声は天井の上から響いて来た。
金髪のエルフ。
背格好はニンゲンの十代前半の少女ぐらいで、かんばせは冷ややかなれど美しい。
彼女はひざ丈までの長さのスカートの、フリルがついたドレスをまとっていた。
左右の真っ赤で大きなリボンで髪を縛り、ツインテールにしていた。
「そこにおられたか、ミナッカミニアの女王!」
「すぐおりるべえ」
彼女は浮遊魔法を解いて落ちて来た。
スカートが翻り、すらりとした白い下腹と小ぶりの小さなお尻が見えた。
この女王も楽に男と致せるよう、下着を身に着けていなかった。
というか、この世界の女の殆どは、月経帯以外は身に着けない。スース―して気持ちがいいからである。
でないとむれむれになってかゆくなってしまう。
「ディミトリ=キョーライとミレイユ=キョーライ。それと、ダフネ=サエグサス。遠いところからはるばるご苦労さんだったべえ」
キファニアが近づくとDSはエスカを投げ捨てた。
ぎゃうん、という悲痛な叫びを耳にするが気にしない。
悪と思った者にはとことん冷酷に、が彼のモットーだからだ。
「ひどいことするべえなあ。エスカさんはかわいい女の子サキュバスだべえよ?」
「こいつの存在自体が忌々しい。何せひと時、これの仲間のせいでカイロネイアは滅びかけたからな。さて、女王」
どういう仕事になるのか話してもらおうか。
素っ気ない様子でDSが尋ねると、キファニアは満面の笑みを浮かべる。
但し、DSとミレイユを警戒させる気配があった。
「ちょっくら、取材に行ってもらいたいんだべえよ」