ケダモノと化した宮子によって絞りに絞られ、『遊び人』の系譜が混ざっている『術士』系らしい第三段階『妖狐娘』の底力と言うものを味わわされた翌日、もはや見慣れた宿直室の天井を見上げていた。
ピロートークで聞いたが『妖狐娘』のコンセプトは呪術によるサポーターらしく、後方支援役からは逃れられなかった模様。
攻撃手段に『狐火』と言うホーミング呪術火があったり、『狐参り』と言う危険から免れる幸運を与えると言う地味に重要なバフを掛けられたりするらしかった。
主に狐に関するスキルになる傾向があるようだな、と前日の考えが間違って無さそうで嬉しい限りだ。
宮子に絞られ、真奈美たちにも手を出し、ダンジョンから無事に戻って来たらしい『鮮血薔薇』の面々がこっそりとお邪魔して乱交パーティと化した宿直室の匂いは凄い事になっていた。
だが、既に鼻が慣れ切っているのか、もしくは適応してしまったのか分からないが、取り敢えず人の尊厳を保つために窓を開いて換気した。
明らかにむわっとした何かが宿直室の窓から出ていき、朝の爽やかな風が入り込むが中和できるまで時間が掛かりそうだった。
……芳香剤とか考えるべきだろうか、と割と真面目に考えつつ、何時の間にか宿直室の隣にある寮長室との壁が物理的に壊されて拡張されている酷い現状に気付いてしまった。
そりゃ六畳間に24名はきついよな、だからと言って薄い壁とはいえども破壊して良かったのだろうか。
「……けどちゃんと制服を畳んで被害を免れているあたり偉いよなぁ」
玲子の生真面目さが伝播しているのか、『鮮血薔薇』の面々のらしき制服は押し入れの中にしっかり仕舞われており、宮子に剥ぎ取られた俺の制服も一緒に置かれていた、非常に助かる。
……つってもまぁ、その押し入れの下側にワイシャツとかの予備があるんだけどな、上級生のお古とかもあるっぽい。
なんでも学園の女子は性行為に慣れていく過程で肉体も性的な成長が促される様で、一年で貧乳でも二年、三年と立つとグラマラスな豊満ボディになっている例もあるのだとか。
流石に個人差と言うか『遊び人』系列のスキルの悪影響である事が有力であり、特にそう言う目に遭っていた女子の成長は著しいのだとか。
心が折れていると快楽だけが唯一の慰撫なため、寵愛を受けるために身体を成長させるとかなんとか。
なので、最初に支給されていた制服が成長した身体に入らなくなる事は多々あるようで、こうして各寮の寮長が後の子のためにお古として受け取っているらしい。
もっとも消費が追いつかないので古いのと入れ替える事があるとか、生々しい被害がそこにあった。
時間もまだ早朝なので黒鵜荘に戻ってシャワーを浴びて予備に着替えて洗濯するか……。
肉々しい肌色一色な床を慎重に避けながら歩き、濡れタオルで一旦身体を拭いてから制服に袖を通す。
「……まぁ、慣れるのは別に女子だけじゃないか」
現に48発くらい吐精している愚息は今日も元気に朝勃起しており、生殖機能に問題は無さそうだ。
腹も減ってはいるが昨日よりかは飢えてない事から徐々に適応し始めているらしい、と言うかしなかったら死んでしまいます、頑張れ俺の細胞。
黒鵜荘のシャワー室の一角が使用中であるが何も聞こえてこないあたり、中でハッスルしたまま寝落ちでもしたのだろう。
起こすのも忍びないので隣合わないブースを使い、濡れタオルでは拭いきれなかった性臭やら色んな汁を洗い流していく。
そう言うプレイ用なのか全面鏡が取り付けられており、それで見た自身の姿はもやしなオタクのそれとは掛け離れていた。
所謂細マッチョのそれであり、割れている腹筋とかのせいで線の細さが異常に見える。
……二週間と半分でこれかぁ、どうなってんだこの学園は本当に。
ダンジョンへの皆勤記録は昨日で途絶えたが、それまでの積み重ねはちゃんと培っていたという事か。
「……いや、単純に夜戦のせいじゃねぇかなこれ、普段使わない筋肉使うし……」
なんてこった、俺もこの学園に毒され始めたとでも言うのか、だなんて今更な台詞を吐き捨てる。
予備の制服に着替えてから、洗濯すべく洗濯機の並ぶランドリーに脱いだ制服をぶち込んで食堂へ向かう。
この学園の制服は特別性で頑丈なので洗濯が30分程で完了するので助かるな。
人によってはシャワーを浴びている間に洗濯し、パンイチで此処へ取りに着て着替えていくとかなんとか。
食堂で日替わりの朝食をがつむしゃし、おかわりを3回して満腹な心地で洗濯物を回収して自室へと向かった。
鍵を開けてみるが案の定閂が閉まっていたので、誰も居ない事を良いことに『形態変化』で右手を細くして閂を開けた。
しれっと人外染みた事してるなぁと思いつつ、中に入ると凄い状況だった。
ベッドに磨具奈さんが仰向けになっており、そこに太志が挿入した状態で豊満な胸に顔を沈めていた。
それで描写が終わるなら普通の性行為の事後であるが、その後ろに砥蘭さんらしき線の細い清楚な感じのギャルめいた化粧をした少年が太志の尻に挿入している形で寝落ちている様子だった、尻になんかでかい張り型入ってるし、大分マニアックが過ぎるだろこの体位。
錫花さんが居ないあたり入る余地は無いと諦めて自分の寮に戻っているらしい、クンニぐらいしかできないだろこの体勢だと。
……芸術的な光景だったので学生手帳でパシャリと撮り、太志に思い出として送っておいた、幸せそうだしな。
いやぁ、良い事したなぁ、と額に存在しない汗を拭いてその場をクールに去ろうと出て行こうとしたら、背後を取られたので立ち止まる。
「やぁ、君が太志のパーティリーダーの竜胆くんだね」
「そんな貴方は砥蘭さん、ですね」
渋々と後ろを振り返ると中性的な顔つきをした砥蘭さんがハイライトの無い顔で立っていた。
せめて何かしら着るべきではなかろうか、と着ていたブレザーを脱いで渡すと困惑した表情を浮かべられた。
ありがとう、と呟いてブレザーは返された、成る程露出の気がある人かぁ……。
と思っていたら投げ出されたベッドのシーツをローマの人の様に身体に巻いた、芸達者だな。
「くふふ、君はボクの事をそう言う目で見ないんだね」
「いやまぁ、人の性癖を否定する事はしない事にしてますよ。それにまぁ……、骨格が男じゃなければなぁって感じの容姿してますしね。あ、俺はノンケですが、二次元ならギリって感じです」
「……君も大概な性癖してるね? まぁ、いいか。さっきの写真、ボクにもくれるかな」
「あ、了解です。磨具奈さんに聞いてから消そうかと思ってたんで、はい」
「ありがとね。くふふ、漸く太志の処女を手に入れられたからね、記念になるよ」
……もしや、倶楽部の参加条件に太志のケツの処女を求めたのだろうか。
すらっとした身体に対して肉棒の大きさがアンマッチだ、いや、だからこそ需要があるのだろうか。
そんな視線に気づいたのか、唇を妖艶に舐めた砥蘭さんは此方にしなだれかかって囁いた。
「ボクの身体に興味あるのかい?」
「あー……、昨夜24連戦以上してるんで今は勘弁して欲しいかなぁと。それにまぁ女体に飽きたらお願いするかもですね」
「……化け物かい君、まだ一年生だろう?」
「第二段階『怪物王』のクラスではありますので」
「ふーん、そっか。……太志も随分と博打な事をしたね、君みたいな怪物の懐に入り込むだなんて」
「倶楽部の件ですかね。あと一人で作れるんですけど」
「くふふ、念を押さなくても良いよ、分かってるんでしょ。そのためだけに太志はボクに奉げたんだからね」
砥蘭さん対策で錫花さんが先に奪ってそうな気がするが、そこらへんは判断の違いだろうか。
流石に太志のプリケツを見る趣味は無いので確認はしないが。
繋がったままの二人の接合部を隠す様な位置に座った砥蘭さんは、黒い長髪を靡かせて足を組んだ。
……下半身を隠せばそれなりの肢体に見えなくもないか、太志に拒絶されない様に調整したんだろうなぁと思うと若干尊敬の念を送らざるを得ないな。
ただ、笑みを浮かべる時とかちょっとした時に男の骨格がまろび出るから無しだな、すまん太志一人で死んでくれ。
「参年寅組、『遊び人』系第三段階『傾奇者』砥蘭。契約により
「……あぁ、確かに歌舞伎って男性が女形とかしますもんね」
「くふふ、まぁ、そう言う事だね。……いやほら、この学園って同性愛が禁止だから肩身狭くてね。変装して女装男子してたらこんなクラスにスキップしちゃってね」
「お家が歌舞伎な感じですか?」
「いいや? 精々が舞程度だよ、もっとも男色趣味の禿爺とかの前でさせられる感じのね」
「華族もやっぱり人なんですねぇ」
「そうだね、特権階級に胡坐掻いている馬鹿ばっかりさ。だから、容易く騙し抜かれるのさ」
「と、言うと?」
「ちょっとお薬をお酒に少々、ね」
あぁ、意識混濁させてヤった振りだけして誤魔化してたのか、地味にえげつないな。
『遊び人』第三段階の『女衒』がエロスキル特化の女性特効である様に、『傾奇者』は男性でありながら男性を誘惑する事に特化したクラスであるのだとか。
睡眠や催眠に意識の混濁などの偏った状態異常のエキスパートらしく、特に男性特効があるという部分が実に尖っている。
「太志が死んだって聞かされてからちょっと壊れちゃってね。その廃棄場所としてこの学園が選ばれたらしくてね。自暴自棄だったボクは何度も死に戻りしちゃってるんだ。磨具奈の所のマッチョメン居るじゃん、あいつら全員男色でね、表向きは磨具奈に隷属してる振りしてるけど、本当はボクの下僕なんだよ。まぁ、掘られるのはボクなんだけどね、くふふふふ」
「え、って事は固有武装での武器ニーで隷属しないって噂は」
「あ、それは本当。マーラって言われる煩悩の化身を模倣した固有武装でね、若い女が跨っていればその内本霊が宿るんじゃないかってコンセプトだったみたいだけど、成功しちゃったんだよね。でも流石に弱い分霊だったから、こうして第三段階へ至った太志に隷属を奪い取られてる」
「へぇ、え、それ大丈夫なんですか?」
「あぁ、大丈夫大丈夫、あらゆる煩悩の化身の分霊だから、寝取られも癖の内なんだよね。それはそれで、って感じで納得してるよ」
随分とフレンドリーに話すなと思っていたところに、話題に上がったからか気配を感じた、……砥蘭さんの尻の方から。
あの、その固有武装って今何処にあるんですかね、そう言えばでかめな張り型挿入してたなぁあんた。
「……くふふ、マーラって男根のメタファーだからね、今はもうボクの虜だよ」
どうやら磨具奈さんの問題は解決したらしい、良いのかそれで。
円満に解決したなら良いんだろうか……、まぁ、いいか、当人が良いなら。
なお、固有武装『
ついでにマーラの分霊憑きでスウィングもしてくれるんだとか、遠隔バイブディルドかよ。
これからは砥蘭さんのお尻に仕舞われるそうで、分霊的にもオッケーだそうでwin-winな関係なのだとか。
「因みにダンジョンへの意欲はあります?」
「んー、無いよ?」
「ですよねー……、なんかそんな感じはしてました」
「くふふ、と言うか磨具奈を連れて行くんだからあの子の倶楽部の事管理する人が居るでしょ」
「何というか背徳的な関係な感じですね……」
「まぁ、家が近所ってだけだけど幼馴染みたいなものだったからねぇ……。それなりの情はあるんだよねぇ。磨具奈は巨砲主義と言うか、武器はでかくて硬いのが一番強いって考えだから、そもそも鍛冶屋の頭領としては駄目なんだよねぇ。ボクがあいつらを弟子扱いにしてなかったらあの倶楽部潰れてるからねぇ」
「えぇと、それはどう言う?」
「単純な話だよ、背丈を越える武器以外の扱いが雑なんだよ磨具奈は。だから細々とした鍛冶屋の仕事はしてないんだよね、『巨匠』だなんてもんになっちゃったから尚更にね」
「えぇ……」
大太刀や重厚なクレイモアなど、背丈を越える様な武器を作る時は本気モードが入り、ちゃんとしたものができるがそれ以外は興が乗らず最低限の仕上がりになるのだとか。
腐っても鍛冶屋の娘なのでその最低限の技術で大概は十分なのらしい、確かに『蛮鬼剣』はしっかりメンテナンスされてたもんな。
……そして、その最低限の技術を仕込まれたあのマッチョメンたちが居れば、武器のメンテナンスをメインとするあの倶楽部は成り立つ訳だ、成る程、磨具奈さん要らないわあの倶楽部。
本来なら倶楽部を抜けた磨具奈さんが此方の倶楽部に入り、砥蘭さんが『火具土』に入って部長をすべきだが、砥蘭さんとお弟子さんたちとのあれこれがあるので磨具奈さんが表向きの部長として居る必要があるのか、ややこしいな。
そこらへんは当人同士で既に了解を得ているので、問題は無いらしい、本当かぁ?
「まぁ、男の尻に興味が出たら気軽に言ってよ、そこらの女では味わえない快楽を教えてあげるから」
オナニーに飽きてアナルでドライオーガズムを試してみたくなる様な感覚だろうか、決してホモやゲイでは無いが違いがあるのだろうかとは思ってしまう、少しだけ気になるな知的好奇心として。
それはまるで生涯禁煙を誓っているが知的好奇心で一本くらいは吸ってみたいと思う様な感覚である。
……あぁ、いや、太志に聞けば良いか、この人が掘るだけで済ます感じでは無いし。
「少しだけ気になってましたけど、太志に感想聞くんで大丈夫です」
「……くふふ、そうかい。それじゃあ、宜しくね部長君」
朝っぱらからとんでもなく情報カロリーのある人と出会っちまったなぁと思いつつ、差し出された細い手を握り返して握手をした。
なお、その後の授業に太志が来る事は無かった、ボラギノールとか後で差し入れるべきか。
翠先生に同室が故に不在の理由を尋ねられた際に、死ぬ程疲れてる様だったから起こさなかった、と返したらネタが通じたらしく苦笑を浮かべて受理された。
クラスメイトの一人が小休憩時に、翠先生は俺の嫁だかんな、と突っかかって来た時はうざかったが、そういう年頃なのだろうと応援を兼ねて肩ポンしたら足元ガクつかせていたのは何でだろうな。
あぁ、もしかしたら申組の学生決闘の事を知っていたのかも知れないな、そりゃ肩に手を置かれたら怖いか。
因みに『
カマキリみたいな見た目の怪物で美女に化けて男性を性的に誘ってから食べる逸話があったります(ド直球
本来なら牝のカマキリらしいですが、雄牛にも変化できるらしいんで両性類だなと採用しました。
『花魁』と書いてサキュバスと読む原作なので、似たようなの無いかなと探したらぴったりなのあって草生えました。
補修レイドは……
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オリジナルレイド
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轟天石榴山