※この作品はR-18です。

モンスターファックアンドスラッシュ   作:不落八十八

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#48

 いやぁ~、久々に暴れた気がするなぁ、としみじみと感じてしまう程に身体を動かした一日だった。

 使役したモンスターたちの奮闘を後ろで眺めているよりも、自ら前に出て大暴れした方が爽快だな。

 午前中には性欲の化身だったのが、暴虐の化身と切り替わったかの様に、超重量チェインハンマーと『軽量鎚』を使っての無双を楽しんでしまった。

 

「……もしや、生命力の昂りの発散方法は性欲じゃなくても良いのでは?」

 

 そんな事を思いつつ、太志たちを連れて『聖堂』のある広場へと向かっていく。

 海燕荘へと向かう前にサブクラスを取得できる経験値を得た一二三姉妹を『聖堂』に送り出し、果てしないランダムガチャを『龗人』の瞬発力と直感でサクっと完了させた。

 一美は、『情景師(ジオラマー)』のサブクラスを取得して、足元に立体的なジオラママップを作り出す事のできる戦場に必須なスキルを手に入れた。

 上空から写真を撮ったかのようなリアルな模型と言う形で3次元的に表現する事のできる『情景造形(ジオラマ)』は玄室と回廊のみの今の階層では微妙であるが、劇的に変わると言われている捨階層から活躍してくれる事だろう。

 二美は、『棒占師(ダウザー)』のサブクラスを取得し、失せ物から探し物まで幅広く使える『棒占(ダウジング)』によりゲートの発見を高める物珍しいクラスを得た。

 L型のダウジング棒を召喚し、探したい物を脳裏に浮かばせると手にしたそれらが指し示すと言うシンプルでありながら汎用性の高いスキルを手に入れた事はダンジョン攻略の速度を上げられる事だろう。

 ……もっとも、近くにあるかは別なんだけどな、既知外領域だからくっそ広いし。

 三美は『吹出師(バブラー)』のサブクラスを取得し、漫画の吹き出しや擬音を現実にする言わばジョジョ4部のエコーズのスタンドめいた事が出来るテクニカルなスキルを扱えるようになった。

 擬音を物体に貼り付ける事の出来るスキル『貼付(テクスチャ)』により、硬い物も“ぐんにゃり”と曲がったりするし、石に“びよーん”とすればゴムの様に伸びたりもするので、咄嗟の判断力が必要になるがテクニカルな事ができる面白いスキルだった。

 趣味の模型、ダウンジング、読書(漫画)が色濃く出たユニークなサブクラスを取得した一二三姉妹は小躍りしながら喜んでいたので微笑ましく見届けた。

 

「……竜胆殿?」

「これ経由でチェンジ結果をガチャれるんだよ」

「成程?」

 

 首元をトントンしながら『隷属首輪』を指しながら太志に弁明する。

 普遍的なアーキタイプなクラス及びサブクラスが発現しなかった事に訝しんでいたようで、普通らしさ皆無な個性的なパーティとなった事を理由に疑念を抱いたらしいがお前らのクラスは別途だぞ。

 まぁ、確かに『龗人』『落書き師』『黒魔術師』『妖狐娘』と来て『情景師』『棒占師』『吹出師』と学生手帳に無いレアクラスがくれば疑念を抱くのも無理ないか。

 ……と言うか、地味に全員が手帳記載されてないクラスなんだよなこのパーティ、異色が過ぎるだろ。

 バレたら面倒な事になるな、と思ったが学生手帳のプロフィール欄は文字化けしてるから肝心な情報を抜き取る事は不可能だろうし、いざとなれば裏面に隠されている爪楊枝の先で押してリセットするタイプの初期化ボタンで始末してしまえばいいだろう。

 中間試験前にリセットを掛けて提出記録を誤魔化すのも有りだな、第三段階に至っている事もあり『聖堂』の利用は当分先だろうしな。

 

「そうだ、宮子。中間試験などで実技試験を突破してない場合って何かあるのか?」

「え? ご主人君は既に第弐階層突破してるわよね?」

「クラスが特殊過ぎるんで隠蔽のために事前でリセットを掛けるから今回は免れそうに無いんだ。次回以降なら時期的に第三段階に至っても早熟で済ませられるが、一期だと可笑しいだろ周りの進捗からして」

「あぁ、確かにね。二期ぐらいに第二段階に上がる生徒もちらほら居たし、ダンジョンダイブ日数的に誤魔化しきれるわね」

「……おや、となると拙も事前リセットを掛ける必要あるのでは」

「はっはっは、気付いてしまったか。まぁ、仲良く補習受けようぜ。って事で何やるのって聞きたかった訳だ」

「そう言う事ね。私の時にはレイドクエストへの強制参加が補習内容だったわね。……ほんと、酷い目に遭ったわ。レイド空間内はサンドボックス型の世界って言うのかしらね、仮に死んでもリスポーンするから羅城門のダンジョンと違って記憶を持ち越せるの。補習内容もレイドクエストへの参加だけが条件だから、レイド攻略に積極的にならなくても良い事もあってベースポイントでの乱交が横行していたわ」

「……あぁ、成程、死んでも記憶が残ってるから鍛える事を止めた罰としてはそれで十分な訳か。キャンプ内での出来事を通じて学園風紀に染める役割もあるって事か。……ははぁ、反吐が出る」

「っと、竜胆殿押さえて押さえて。不機嫌オーラが撒き散らされておりますぞ」

「わりぃ、可哀想なのは抜ける性ではあるが、リアルでは抜けない性なんだ」

「……んふふ、大丈夫よご主人君。私はもう貴方のお陰で救われてるから。……それでも思うところがあるのなら、上書きしてくれると嬉しいわ」

 

 そう宮子は細い目を少し開けて二マッと笑みを浮かべて妖艶に挑発してきた。

 客観的には俺の行動は似たようなものだが、そこに情があるかどうかで見え方は変わってくるものだ。

 しなだれかかって来た宮子の細い腰を抱き、器用に腰に巻かれていたふわふわ尻尾が俺の腕に絡みついてきた事もあり、宮子からの俺への情愛を確かに感じる事が出来る。

 ……いやまぁ、それは宮子だけではなく他の娘も同じなんだけども、もはや後宮ハーレムと化しているけども、立つと決めたのだから貫き通さないといけない信条でもある。

 それにまぁショップ『鮮血望鏡』が完成して経営を始めたら否応にもリーダーとしての風格が問われる訳だ、情けない姿を見せて舐められる訳にもいかないしな。

 かと言ってクラスアンタッチャブルと化している叶馬君めいた感じなのはちょっとご遠慮願うが、流石にあそこまで怪獣極めるのはちょっとね……。

 

「……男の甲斐性の見せ所かねぇ。とりま太志、補習はそう言う感じで情報を集めておいてくれると助かる」

「あいあい、承知しましたぞ。と、言っても補習クエストは通年である程度決まっているものがある様なので直ぐに集まりましょうな」

「毎回同じなのが選ばれてるって事か?」

「みたいでござるなぁ。ざっと調べた感じでは、幾つかのレイドクエストがローテーションされている様ですな。何かしらの問題などが見受けられたら確認のために生徒を送る、そんな雑な対応で済ましているようでござるよ」

「……本格的に俺らDクラス職員じゃねぇか、管理人に直談判しても無駄そうだな」

「ですな。すっぱ抜いた情報に依れば此度の補習クエストは『餓者髑髏城』『テュイルリー興廃園』『轟天の石榴山』が選ばれる可能性は高い様ですな。『餓者髑髏城』は最近見つかったレイドで引き続きの調査のために。『テュイルリー興廃園』は諸外国で攻略済みとされたレイドが復活した事でその調査。『轟天の石榴山』は活性の兆しがあったから取り敢えず、と言う感じですな」

「レイドクエストは今の所5パターン見つかっていて、『王権(ダイアデム)』『付喪(レガリア)』『根源(プリミティブ)』『伝承(レジェンド)』『侵略(バルバロイ)』と分類分けされているわね。簡単に説明していくと、ボス討伐、クリアアイテム取得、特定属性アイテムの回収、ストーリークリア、乱入総力戦、って感じね。『侵略』と『根源』は少な目で、他の3つが多い印象ね」

「……なんだ、レイドクエストって言うからには強い敵と戦うだけの決戦型かと思ったら違うんですね」

「集団戦をするクエストだから理由はそれぞれなのよ」

「『餓者髑髏城』は『付喪』、『テュイルリー興廃園』は『伝承』、『轟天の石榴山』は『王権』と資料には書かれておりましたな」

 

 ……もしやと思うが職員室にお邪魔して閲覧した情報じゃないだろうなそれ、だったら正確性に頷けるんだけどもリスク高くないか。

 と、思ったが大概の教師がSSRな性教師である事を思い出して、逆に笊かと思い直した。

 えーと、『餓者髑髏城』は『付喪』と言う事はレイドの核となるアイテムを手に入れれば良くて、『テュイルリー興廃園』は『伝承』だからストーリーをクリア、『轟天の石榴山』は『王権』だからボスを倒せば良い訳だな。

 

「因みにこれ、誰が名付けてるんだ?」

「中を覗いて専門のクラスを派遣して名付けをしているって聞いた事があるわね」

「その割には餓者髑髏って名前なのに『付喪』なんすね、『王権』だと思うっすけども」

「アレじゃない、餓者髑髏の形をした城がドーンっとあるのよ」

「それなら……大分安直っすね?」

「『文官』でレイド関係に強いサブクラスがあったりするんじゃないか? 現に一美の『情景師』はサーチした範囲の地形をすっぱ抜ける訳だし、空間に作用するスキルもあってもおかしくはないしな」

「『テュイルリー興廃園』はフランスのテュイルリー宮殿での8月10日事件を元にしてるのかしらね。そうなると興廃園って部分がちょっと良く分からないけども」

「字面的に復興と廃園を掛けているとしたら宮子の言った8月10日事件の後の話かもな。宮殿前の庭園が舞台だとしたらオペラ座あたりがギミックに組み込まれてそうだな」

「『轟天の石榴山』は……良く分からんな。石榴山なんてもんあったか?」

「轟天の石榴、山、で分けられてる?」

「どっかーん、するザクロ?」

「……火山地帯と言う事?」

 

 一二三姉妹が小首を傾げながらシンクロしたポーズを取ると小動物みたいで可愛いな、顔が無表情なので機敏が分かり辛いが。

 火山地帯の大ボスを討伐するクエスト、って事かねぇ、それなら耐火耐性のバグってる今の俺ならカモかもしれん。

 よく分からんフランスっぽい『テュイルリー興廃園』は無しだな、謎解きは出来なさそうだ。

 そうなると『餓者髑髏城』か『轟天の石榴山』のレイドを選ぶべきだろうな。

 クリアアイテムを取得するか、ボスを倒すか、の二択である訳だが長年攻略されていないレイドであると言う事はその難易度も高いんだろうな。

 ……と、思いつつも補習クエストでリスポン祭りする様な場所に送るか、と疑念が浮かぶ。

 ベースキャンプで乱交が恒例となるとリスポン回数は少ないと言うか皆無に近い筈だ、そうなるとどうしてそこに生徒を送る必要があるのかが分からない。

 何せ、『文官』の現状を見て見ぬ振りしている性風紀乱れた学園を良しとする教師陣だぞ、と言うか女教師はその一部になってる始末なんだぞ。

 

「……もしかして、俺ら深読みし過ぎたか?」

「と、言いますと?」

「いや、その……、太志の兄の顛末から、やばい事を隠してる裏組織のお膝元と考えて警戒してたが、何と言うかやる事成す事がなぁなぁでお粗末過ぎるなぁ、と。そもそも生徒にレイドの調査を行わせる時点でお抱えの部隊を持ってませんって言っているようなもんだろ? 宮子のさっきの話もあくまで噂であって確定じゃない訳だし。学園上層部に買収された生徒が調査に入って見聞きしたのを伝えて名前付けしてるだけなんじゃねぇか?」

「……『轟天の石榴山』が天まで届く様な標高のザクロの生ってる山、って事? 『餓者髑髏城』も見たまんまの事を言ってるって事かしら」

「『テュイルリー興廃園』は外国で攻略されたから『伝承』らしい名前をしてるだけ、とかな」

「……学園側の魔の一手を警戒し過ぎていた、と言う事ですかな?」

「あぁ、だってさぁ……。じゃねぇとうちのクラスのアレが暢気に歩いてるの可笑しいだろ」

 

 うちの問題児ことアンタッチャブル叶馬君を思い浮かべたであろう太志がスンっと真顔になり、瞑目してから重々しく頷いた。

 太志の『工作』スキルでこそこそしている俺らと違い、学園内を威風堂々している叶馬君パーティに学園が何かしたと言う話はさっぱり聞いて来ない。

 明らかな実力を惜しみなく披露しているアレを青田買いをしようと画策しない学園側の挙動が奇妙過ぎる、どう見てもダンジョンを保守するのにうってつけの人材と成り得る人物だろうに。

 これがアニメや漫画の世界なら、学園の秘密裏に作られた部隊の1人となって高難度ダンジョンをクリアするための尖兵みたいな展開になっていても可笑しくないだろう、だってあれどう見ても狂人系の主人公かなにかだよ。

 

「まだ、レベルが低いとかそう言う感じで見守ってる段階、とかか?」

「有り得ますな、最低でも第四段階まで繰り上がらないとお呼びではない、と言う方針なのやも」

「……けど、そこまで行ったら学園側に第五段階へ至った化け物とかが居ないと制御できないよな」

「……確かに、そうですな。となれば……」

 

 やっぱり学園側の上層部、何処ぞのケイト・マークソンめいて行き当たりばったりなポンコツなのではなかろうか。

 俺がそっち側ならダンジョン攻略のためもっと実力主義なカリキュラムにするだろうし……。

 ……もしや、そもそもの前提が間違ってたりするか?

 

「まさか、真面目にダンジョン攻略と言うか保守をする気が無かったり?」

 

 俺のぽろっと零れた言葉に全員が、あぁ~、と納得めいた声を漏らした。

 磨具奈さんが言っていた様に、代々繋いで来た厳格なお役目であると捉える物が減り、実益に眼が眩んで腐り切った奴らが若い俺らを踏み台に甘い汁を吸うためだけに運営していたとすれば、大体の事が納得で片付くのだ。

 こんな性に乱れた風紀へしてるのも自分たちが摘まみ食いするための土壌であったり、卒業OGをその手の風俗産業に横流すための措置であったりしたならばどうだろうか、男は此処以外のダンジョンの管理をするための警備員などへ斡旋していたりしてそうだ。

 ワンチャン、性行為によって何かしらのエネルギーが産まれていてそれを利用している、みたいなどんでん返しが無い限りは覆らない事だろう。

 いやぁ、どうなんだろうな、羅城門のダンジョンがそもそも俺らの考えているゲーム的なダンジョン的な代物ではなく、全く別物であればそう言う可能性も出てくるんだろうか。

 

「何気なく羅城門のアレをダンジョンって呼んでたが、別物だったりする可能性はあったりするんだろうか?」

「ふむ、羅城門に関しては非常に強固なセキュリティが成されていた事もあって手を出せておりませぬが、兄のノートにはこう書かれておりましたな。黄泉比良坂(よもつひらさか)、と。どうやらこれが羅城門のダンジョンの名前だそうで、世界の各地に天然ダンジョンなるものがあったりするそうですぞ」

「……あの世とこの世の境目の道じゃねぇか」

 

 黄泉比良坂とは日本神話にて、黄泉の国へと行ったイザナミを追いかけたイザナギが用いた道の事だ。

 確か、イザナギが現世へと帰る時にイザナミと二度と会わぬ様にと入口に大きな石を置いて封印したんだっけな。

 ……羅城門のある鳥居の奥にあったな、注連縄と呪符っぽいので封印されてたあのでけぇ岩が、つまりはそう言う事な訳だ。

 あぁ、だから死んでも帰って来られるのか、羅城門に魂を登録して保護してるから。

 ダンジョンの中はあの世だから、肉体ではなく魂の方に比重が傾くから魂さえ無事なら修復が可能、だから五体満足で帰って来られる訳か、成程ね。

 もしや、その時に物質的な肉体ではなくアストラル体に変換されてたりするか?

 それならばレベルで肉体の強さが変わると言うのも頷けるし、外に戻って来て魂の強さに肉体が引っ張られて強化されている事にも納得がいく。

 羅城門によりアストラル体となりダンジョンこと黄泉比良坂へとアクセスし、瘴気と言うかアストラルが実体化したモンスターを倒す事で経験値と言う名の追加アストラルをアストラル体に溜め込んで、『聖堂』と言う変換機でアストラルを使って魂を強化する、そうすると魂魄の関係により魂の強さに肉体が引っ張られ力を得られると言うサイクルなのだろう。

 ダンジョンと『聖堂』がセットで見つかると言う点が少し引っ掛かるが、Fateの世界の様に地球に意思があってガイア的なカウンターとして異物のダンジョンを切除するための術として『聖堂』を作っているかもしれない。

 ……随分とご都合主義な考えであるが、それは流石に人間に期待し過ぎじゃなかろうか。

 いやまぁ、オーパーツなので古代文明が作った可能性も無きにしも非ずか、随分とぶっ飛んでるなこの世界。

 

「……ある意味、この学園に来て良かったかもしんねぇな。羅城門がぶっ壊れて中からモンスターが宜しくニキーしてきたら、市井の一般モブのままだと何の抵抗も出来ずに死ぬじゃねぇか……」

「……ですなぁ」

 

 魂魄結晶と言う超絶希少アイテムの存在を知っている俺らは真奈美たちに知られぬ様に名前を伏せた。

 しかし、その可能性を考えれば最初の特別実習で学園が死ぬが良いしてくるのが意味不明なんだよな、慣習にしては殺意が高いと言うか……。

 あぁ、もしかして魂魄結晶をダンジョンに貢ぐ事で羅城門の耐久力を回復とか維持に使用してらっしゃる?

 魂魄エネルギーを燃料にして稼働してたりしますかね羅城門と言う魂魄保護機。

 ……うぁああ、すっげぇその可能性が高いなぁ、と言う事は一般生徒の役割って魂魄結晶を捧げる事だけで、後はもう出涸らしを搾り取るためだけの学園生活だったりするのか?

 六年制の専門学校扱いなのもそう言う事か、定期実技試験内容に組み込んでダンジョンに行かせる事である程度寿命を補償させて、急な突然死を大量発生させない様に仕向けてたりしてそうだ。

 

「待てよ、その仮説が合ってるなら、アストラル体にアストラルを食わせ続ければ寿命が、生命力が満ちると言う事か……?」

「あの、竜胆殿? 発想が斜め上と言うか思考で行間が抜けているのでとんでもない持論になってるんですがそれは」

「……宮子、ちょっと今『狐火』出せるか? クリスタル使わずに」

「え? え、えっと、こ、こうかしら?」

 

 ボッと指先に浮かんだ『狐火』を見て、俺の仮説が当たっている可能性が高い事を確信した。

 そうだったわ、あんまりにも普通にやるもんだからそういうものだと思っていたが、『聖堂』でクラスチェンジして生えた狐耳と狐尻尾を隠しているのは明らかにスキルのそれだ、恐らく『妖狐娘』だし『変化』とかの名前だろ。

 宮子は特別実習で魂魄結晶を失っているのに、こうして外でスキルを扱う事が出来ていた。

 そうだよなぁ、アストラル=経験値の法則なら俺の中出した精液が取り込まれる過程もそれで納得できるわ。

 最初に魂魄結晶を失ってがっつり削られた魂であるが、それを補填するだけのアストラルをガッチャンコすれば元に戻るどころか、それ以上の成長をする事も出来る筈だ。

 なお、その場で試してみればこの場に居る全員が外である筈なのにクリスタルを使用せずにスキルを使えていた。

 

「えぇと、どういう事ですかな?」

「あぁ、うん。色々と考察した結果だが、失った分を補填できれば魂魄結晶は再生するんじゃねぇかな、と思ってな」

「なんと……。しかし、目の前のこれは確かに」

 

 『龗人』となった俺の規格外な生命力を精液越しに注ぎ込んだ結果だったりしねぇかな、腹ボテする量が次の周の時には引っ込んでるんだぞ、もはや俺の精液はただの精液じゃなそうだ。

 ……俺と似たような感じである叶馬君の周りでも同じ事が起きていれば、サンプルとして有り得る範疇なんだよなぁ。

 生存者として渡りを付けるべきなんだろうか、いや、でもなぁ……、怖いんだよなぁ叶馬君。

 規格外なクラスとなり尋常じゃない魂魄力を得た者から生命力を譲渡されれば、魂魄結晶を失った者も再生させる事が出来る、と言うのが仮説だろうか。

 実際、同じ第三段階だと言うのに俺と太志では文字通りの格が違う、10戦やっても10勝する未来しか見えない。

 それだけ肉体強度=魂魄力の差異があると言う事だからな、俺は1tのハンマーを持ち上げられるが、太志はできないと言うのが決定的な差だろう。

 ……いやまぁ、それだけ俺が人外になっている、という可能性も無きにしも非ずなんだよなぁ。

 そこらへん分析できるクラスの人が仲間に入ってくれると嬉しいんだが、望み薄だよなぁ……。

オリジナルレイドは……?

  • 『王権』
  • 『付喪』
  • 『根源』
  • 『伝承』
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