※この作品はR-18です。

母の写真 日常の向こう側   作:松田義和

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第四十一章 廊下での出来事

動画ファイルに指を滑らせる。

読み込みのあと、画面が暗転し、やがて映像が始まった。

 

映っていたのは――

旅館の廊下だった。

 

薄暗い照明。

木製の柱と障子の影が静かに揺れている。

誰もいない、静かな廊下。

……いや、違う。

 

カメラがぶれながら、奥に歩み寄る。

何かを探すような視点。

 

その先に、母さんの姿があった。

 

浴衣姿。

髪が乱れていて、帯もゆるんでいる。

よろけるように、壁に手をつきながら歩いている。

 

酔っていた。

 

明らかに、前後不覚の状態だった。

 

時折、何かをつぶやいているようだが、音はない。

足元がおぼつかず、ふらつきながら壁に肩を預けている。

その表情には笑みのようなものが浮かんでいたが、

どこか虚ろで、視点が定まっていなかった。

 

これはラウンジで飲んだ後だ。僕はこの状態の母さんを迎えに行ったことが何度かある。無防備にも程がある。

この状態でどこかへ向かおうとしていたのか。

 

カメラは、その後ろ姿をじりじりと追っていく。

距離を保ちながら、だが確実に“狙っている”視線。

 

母さんは一度、振り返った。

けれど、カメラには気づいていない。

視線は通り過ぎ、ふたたび前を向く。

 

 

映像は切れずに、そのまま続いていた。

 

 

画面の端から――誰かの手が映り込んだ。

 

一瞬、カメラが揺れる。

  

 

「大丈夫ですか?」

 

 

ミキオだった。

 

 

母さんはふらつきながら、ミキオに気づく。

そして、振り返った。

 

何かを言おうとしている。

「だいじょう……ぶ……です……」

 

言葉にならない。

呂律が回っていないのがわかる。

母さんの口元が震えていた。

 

それでも、頑張って伝えようとしていた。

「大丈夫です」と。

きっとそれだけを。

 

ミキオは母さんの肩に手を添えた。

 

「危ないから、一度座りましょう」

 

そう言って、母さんをやさしく導くように、その場にしゃがませた。

 

母さんは抵抗するでもなく、

されるがままに、床の上に座り込んだ。

 

体が少し傾いている。

自分を支えることもままならない様子だった。

 

カメラはその一部始終を、まるで意図されたような距離感で捉えていた。

 

ミキオは一度スマホの画面を見て、何かを確認するように操作した。

 

そして、ふたたび母さんのそばに座り、

「大丈夫ですか?」と、もう一度尋ねた。

 

母さんは、ゆっくりと、かすかに頷いた。

 

その目が、どこを見ているのかはわからなかった。

 

僕はスマホを持つ手に、じっとりと汗を感じた。

 

映像は、まだ続いていた。

 

 

母さんが床上に座ったまま、ぼんやりと俯いている。

浴衣の裾が少し乱れ、肩も揺れていた。

意識はあるのか――それすらもはっきりしない。

 

そのとき、ミキオが立ち上がった。

 

スマホを手に持ち、ゆっくりとカメラの向きを変える。

 

まずは母さんの姿を正面から捉えるように撮る。

座ったまま動かない母さん。

うつむいた顔が、影になって見えにくい。

だが、その姿ははっきり映っていた。

 

次に、ミキオはスマホを持った手を――左右の廊下へと振る。

 

右へ。

そして、左へ。

 

廊下は静まり返っていた。

物音ひとつない。

誰の足音も、人影も、なかった。

 

「……誰もいないな」

 

ミキオが、小さく呟いた。

その声はカメラ越しでもはっきりと聞き取れた。

 

確認。

そう、それは明らかに確認の動きだった。

 

そして彼は、ふたたびゆっくりとカメラを母さんに向けた。

 

今度は、少し距離を詰めて。

母さんの顔が、画面いっぱいに映る。

頬は赤く、目は半分閉じかけている。

 

抵抗する様子はなかった。

 

その画面を見つめながら、僕の背中にじわじわと冷たい汗が滲んでいく。

 

これは――

ただの動画じゃない。

ただの記録ですら、もうない。

 

これから何かが始まる、その準備だった。

 

僕はスマホを握りしめたまま、指一本動かせずにいた

 

 

映像の中で、ミキオはしゃがみ込み、母さんにそっと手を添えた。

彼女の腕の下へ手をまわし、やさしく抱き起こすような仕草。

 

「……大丈夫ですか?」

 

また、その問いかけ。

 

口調は変わらない。

静かで、やさしくて、まるで気遣うように聞こえる。

けれど、もう僕の中ではその声が――

ただのセリフのようにしか聞こえなかった。

 

母さんは微かに頷いた。

だが、それが“理解している反応”なのか、

あるいはただ頷いただけなのか――判別はつかない。

 

そのままミキオは、母さんの体を支えたまま、

ゆっくりと浴衣の両肩に手をかけた。

 

そして――

 

肩口を、滑らせるようにして下ろしていった。

 

画面の中で、母さんの肌が露わになっていく。

 

白く、柔らかな肩のライン。

鎖骨、首筋、腕の上部までが、

ゆっくりと、浴衣の生地からこぼれていくようにあらわれた。

 

母さんは目を閉じたまま、何も言わない。

拒まない。

ただ、されるがままにそこにいる。

 

浴衣が、肩から完全に落ちた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

視界に映る母さんの表情は穏やかで、

それが逆に、見ているこちらの心をえぐった。

 

「……ちょっと疲れちゃいましたね」

 

ミキオの声がまた聞こえた。

 

まるで看病するかのような口調だった。

でも――その手は、明らかに“看病”のものではなかった。

 

画面の中で、その手が母さんの頬へ、首筋へ、そしてさらに下へと移っていく。

 

僕はスマホを握る指先に、痛みを感じていた。

力を込めすぎていたことにも気づかないほど、

僕はその画面に――釘付けにされていた。

 

画面が途切れる。

 

そして再び映像が流れた時、僕は息を呑んだ。

 

ミキオは自分の浴衣の前をはだけて硬く勃起したペニスを剥き出しにしていた。

 

そして母さんの手をとると

 

「さあ、お母さん、握ってみてください」

 

と母さんの手にそのモノを握らせた。

 

さらに近づいて母さんの顔に触れるほどのところで

 

「お母さん、口でしてくれないかな。ほら、口を開けて」

 

意識が朦朧としている母さんは言われるままに口を開ける。

 

 

いや、ダメだ!ダメだ!母さん!そんなやつの言うことを聞くな!ダメだ!口を閉じて!母さん!

 

僕がいくら叫んだところでこれはもう起きた出来事の記録だ。変えることはできない。

 

 

ミキオの太いペニスが母さんの口内を犯していく。

 

初めは無反応だった母さんも無意識の内にだろうか、手でしごき始め明らかにフェラを始めた。

 

「そうだ、上手いじゃないか、もっと頭を動かして奥まで咥えろ」

 

言われる通りにダラダラと涎を垂らしながら奥まで咥えていく母さん。

 

 

【挿絵表示】

 

 

僕は絶望感とともに異様な程の興奮を覚えていた、我慢できずペニスをしごく。

 

だが、不意にミキオは母さんの口からペニスを離した。

 

「誰か来やがった」

 

と忌々しそうに呟くと母さんを抱え起こした。

 

 

映像が終わると、画面は暗転した。

それでも、僕の目にはまだ、あの光景が焼きついたままだった。

 

部屋に戻る前に――こんなことがあったなんて。

 

僕は、ただただ驚いていた。

 

いや、本当は、

どこかで「何かあったのかもしれない」と感じていたのかもしれない。

でも、それはあくまでぼんやりとした不安であって、

こうして“映像”という形で突きつけられるとは、思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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