※この作品はR-18です。

母の写真 日常の向こう側   作:松田義和

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第七章 お茶会メンバー

……ちょっと、ここで補足しておこうと思う。

母さんたち四人組――つまりいつものお茶会メンバーのことだ。

最近はあの人たちの名前がよく出てくるし、僕自身も以前とは違った気持ちで彼女たちを見るようになってきた。

だから、少し整理しておきたい。

 

まず、トシマサのお母さん。名前はイクミさん。

母さんより5歳くらい年上で、たしか50代に入ったところだったと思う。

長年、町の蕎麦屋を切り盛りしてきた人で、そのせいか体格はしっかりしている。

背は高くないけれど、腰が据わっている感じというか、自然と周りを落ち着かせる雰囲気がある。

仕事の手際も早くて、どこか肝が据わってるような、頼れる人。

僕にとっては、まさにジブリアニメに出てくる“お母さん”のような存在だ。

たとえば『魔女の宅急便』のパン屋の奥さんとか、ああいう感じ。

ひとこと言えば、すぐに場を仕切って、みんなを安心させてくれるような人。

 

次に、マサユキのお母さん――ユキさん。

こちらは母さんより3歳ほど年下。つまり、40代半ば。

それもあって、どこか若々しくて、少しはかなげな雰囲気をまとっている。

ユキさんは昔からあまり前に出るタイプじゃなくて、控えめで、でも芯のある人だ。

誰かに似てると思っていたけれど、最近ようやく思い出した。

女優の木村多江さん。あの静かで、奥ゆかしい空気感。

それを少し柔らかくしたような感じだ。

……ちょっと言い過ぎかもしれないけど、実際、すごく綺麗な人だと思う。

僕は小学生の頃から、どこか密かに憧れていた。

口には出さないけど、今でも彼女を見ると、少しだけ胸がざわつく。

まあ、そんなことは誰にも言わないけれど。

 

そして、ユウナさん。ユイちゃんのママ。

この人は、うちの母さんと同い年くらい。

見た目も考え方も落ち着いていて、でもどこか上品で、リーダー気質がある。

何かと「じゃあ私がやるわ」と動き出す人で、旅行の話も最初に切り出したのが彼女だった。

物腰は柔らかいけど、芯は強くて、話をまとめるのが上手。

最近「誰かに似てる」と思ったら、アニメ『ガンダムジークアクス』の主人公の母親の雰囲気に近い。

あのテキパキした感じとか、気づいたら場を整えてくれているところとか。

“キャリアウーマン”ってほどではないけど、家庭の中の司令塔というか――そんな印象だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

……で、最後にうちの母さん。

これは完全に主観だけど、やっぱり一番綺麗だと思う。

スタイルもいいし、年齢よりずっと若く見える。

友だちと並んでいるとき、なんとなく周囲がぱっと華やぐような、そんな存在感がある。

本人はそんなつもりないだろうけど、笑ったときの目元とか、動きのひとつひとつが自然に人を惹きつけてしまう。

僕は母さんのそんなところを、昔からよく知っている。

 

思うんだけど――

この四人、年齢も性格も違うのに、どこかで“良いライバル”みたいな空気がある。

もちろん競い合ってるわけじゃない。

でもそれぞれに魅力があって、それぞれに家庭を守ってきた誇りがあって。

だからこそ、いま一緒にいると、あの頃の“少女時代”を思い出すみたいに、明るく笑い合えるのかもしれない。

 

そして、その輪の中にいる母さんが、最近なんとなく元気に見える。

誰かと並んで、笑って、おしゃべりして――そんな姿を見ていると、

息子としてはちょっとだけ複雑な気もするけど、

でもそれと同時に、安心するような気持ちもある。

 

……それでいいのかもしれない。

母さんにも、母さんだけの時間と、母さんだけの仲間があっていい。

そう思えるようになった自分にも、少し驚いているけれど。

 

 

 

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