ベル君よりも少し早かった男 作:ヤララントゥ
そして日の出前、そんな壁の上で彼等は対峙していた、かたや金の髪を朝の風になびかせ女神すらも嫉妬する美貌の少女、かたや体中にいくつもの種類の鱗を持ち、手には腕と同じ程の長さの分厚い鉤爪を持つ双頭四腕の怪物であった
「Aaaaaaa!」
「ふっ!」
少女は双頭四腕の怪物が吐き出した炎を細剣の一振りで両断し散らすとそのまま細剣を怪物に向けて突き出すとその場で立ち止まり相手の出方を見ようとするも怪物の姿は何処にも無い
「そこっ!」
「NAa!?」
彼女は間髪入れずに
「Rrrrr!」
炎も力も未だに叶わないと感じた怪物は背中から二対の羽を生やし毒の鱗粉を飛ばす
「【エアリエル】!」
しかしそれも彼女の
「Fireaaaaa!」
しかし怪物の狙いもそれだった、少女の魔法によって作られた空気溜まりに向け竜頭から二度目の炎が吐き出される、炎は風を飲み込みより強い爆炎となって彼女を襲うだろう、しかし少女はそのような小細工を粉砕するほどの力の持ち主だった
「Gyaaaaa!」
(
確実に重い一撃を与えた手応えはあった、彼の変身は何度も見たし見間違える事は無い、頭をよぎるのは以前自分の魔法を見せた時に彼から聞いた彼の魔法、他者の視覚と触覚を自在に操り好きな光景を見せる今まで一度もかかったことが無い魔法
(
今目の前にある景色すら定かでは無いと言うのに彼女の顔には喜びの笑みが浮かんでいた、それは彼が急速に強くなっていく事への喜びだ
「うん、本当に強くなったねカマラ、でも」
もう一度風が吹き荒れる、この状況で彼女が選んだのは全方位への叩きつけられる風圧、まさに今動きの止まった彼女に襲いかからんとしていた怪物は壁に叩きつけられ気を失う事となった
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……………………一発で気絶していたか、しかしレベルアップしたとはいえアイズ相手に一撃を入れることすらできんとはな、レベル差と言うのはまったく凄まじい物だ
「………スゥ……」
目を開けばすぐ前にアイズの顔がある、どうやら気絶した俺に膝枕をしたは良いものの自分も一緒に眠ってしまったようだ、まるで無防備な姿を見せてくれるアイズの姿に悪戯心が湧いてくる、ゆっくりと彼女のシミ一つ無い頬に手を伸ばし起きてしまわないように優しく触れる、うんとても柔らかい撥水性が高いと言うのだろうか?これが俺に何度も死を予感させたインファント・ドラゴンの炎をものともせずに突っ切ってくるのだから世界は不思議だ
「ん…」
さすがに起こしてしまったか、まあ仕方あるまいそう考えてアイズの膝から頭を持ち上げ立ち上がろうとした俺を留めるようにアイズの手のひらが額に当てられる
「どうしたアイズ?」
「うん、もうちょっとこのままが良いなって」
「…そうか」
寝起き特有の少しぼやけたような笑顔を向けられる、訓練の続きも惜しいが今日はお姫様の言う通りにしておこう、なによりこれを続けて貰えるというのなら願ったり叶ったりだしな!
「カマラは強くなったね」
「レベルアップを体験したからな」
あれは本当に凄いものだった、ヘスティア様からは気の所為だと笑われてしまったが全身に力が溢れてくるような感覚が有った、もしかすれば父の要素が他の冒険者との差異を産んでいるのかもしれないが確かめようもない異常得をしたと考えておこう
「で、どうだっただろうか?
アイズの手で自身の短い髪を梳かれながら今日の本題を切り出す
「まだ無理だと思う、カマラは強くなってるけど合ってる武器も無いしそれに中層からはもっと仲間がいる」
「やはりその二つか…武器はともかく仲間の当てがな」
「君のサポーターの子とは少し前に会ったけど中層でのサポーター活動ならともかく戦うのは無理だろうし絶対に必要だよ」
武器は人間の姿の時に作って貰うものがほとんどでスキル使用時の膂力に耐えきれず壊れてしまうことが多い、仲間に関してはこちとら零細ファミリア、武器よりも絶望的である
「いや、武器なら有るか…?」
それもとびきりのやつが、マーラ様が誕生日のプレゼントで下さった物だが重すぎてとても扱える物では無かったが今の俺ならばあるいは?
「なんだ!光明が見えてきたではないか!」
俺の未来への光を指し示すように東から太陽が顔を出し始めている、その光は霧に反射して美しい光景を作り出し俺達は一時他の事を忘れてその絶景に目を奪われていた
夜明けが俺達の逢瀬の終わりの合図、名残惜しいが今日の所は彼女ともお別れである
「父さまと母さまもこうしていたっけ」
膝枕から起き上がる時に彼女がこぼした言葉が妙に記憶に残った
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「アイズさん…あの男の人は一体…!?」
そしてその
次回人生初のR18回投稿でドキドキしてます