ベル君よりも少し早かった男 作:ヤララントゥ
ダンジョン10層、これまでの狭い通路のような迷宮からうってかわって霧に覆われた平野のような場所が広がっている上層の終わりに近い場所でありもっとも事故が発生する階層でも有る、その最大の理由は
「ウォーシャドウはこれで最後か!?」
「カマラ様!右からキラーアントが11…12…13…17!」
「了解!」
やはりいつもより数が多い、まだ10層に潜って間もないのに群れに出くわすのは7回目だぞ!?リリもボウガンで対応してくれているが焼け石に水だ、もう少し出し惜しみたかったがやる他ないか!
「俺は菩提樹の前に立つ【パーピーヤス】!」
団子になってこちらに押し寄せて来ていたアリ共がバラバラの方向に別れていく、これこそが俺の魔法!パーピーヤスは視覚と触覚に作用する幻惑!奴等はそれぞれが別方向に向かう幻覚を追っている!やはり考える頭のない虫系には効きが良い!1回で
「カマラ様!」
「助かったぞリリ!」
すかさずリリが投げてよこした
「しかしこれが試練か…?キツくはあるが対処困難という訳でもない、もっと理不尽で絶対的な物と思っていたが…ッ!?」
今身体をかすめていった物は間違いない、人体っ!あれを反応出来ない速度で吹き飛ばした【なにか】が居る!いや、こちらに向かって来ている!
「リリぃ!そいつは!?」
「まだ息があります!」
「抱えて下がれ!」
「言われなくとも!ご武運をカマラ様!」
リリが前髪を目まで伸ばした東方風の装束を着た少女を背負い安全圏に逃げた事を確認すると武器を構え彼女が飛ばされて来た方向を睨めつける、深い霧の先から現れたのは赤、いやあれは炎っ!?
「俺は菩提樹の前に立つ!【パーピーヤス】!」
まるで見当違いな方向に吐き出された炎が百を越えていたであろうバットハットの群れを消滅させた、今度は自らのポーチから
「おいおいお前はまだ先だろう!登って来たって言うのか!?」
そこにはこの階層からは発生しないはずのモンスター、上層の階層主とも呼ばれる小竜、インファント・ドラゴンがあり得ないはずの
「なるほど…これは試練だ」
次回はちょっと遅くなるかもです