ベル君よりも少し早かった男 作:ヤララントゥ
その日の俺は薄暗い場末の連れ込み宿というものに来ていた、もちろん一人ではない、連れ込み宿というからには連れ込む相手が必要である
「ねえ…カマラ考え直すとかは」
「お前ほどの女を抱けるのに考え直せと?うん!無いな!」
相手はヘスティア様の神友の眷属である
「こういう所を使うのは初めてだな!リリとはあえて
(ヘスティア様かわいそう)
翌朝のヘスティア様が真っ赤になってモジモジしているのが可愛いのだ!廃教会の薄い壁の何十倍も分厚いヘスティア様の最後の一線がヤスリがけされるようにゆっくり、しかし確実に削れているのを確認すると言い表しようの無い快感があるのだ…さて非常にゆっくりとしたナァーザの歩みに合わせて宿の廊下を歩き、とうとう目的の部屋の前にたどり着くと彼女は目をつむり大きな、大きなため息を吐くと何度目かもわからない確認の言葉を口にする
「本当に一回…その、シたら全部無かった事にしてくれるんだよね…」
「もちろん!俺はウソはつかんぞ!」
それを聞いたナァーザはとうとう覚悟を決めたのか自ら部屋のドアを開け、外套のボタンに手を伸ばし……………
そうなれば話は簡単だったんだがなぁ!現実逃避を止め事実を直視すれば恐ろしいオーラを漂わせ満面の笑みを浮かべるリリと長い髪を逆立たせ怒り狂うヘスティア様の目の前で一人の
「本当にすまなかったカマラ!この通りだ!」
さてなぜ俺がミアハ様による極東の神秘DOGEZAを見る事になっているのか、その理由はまあだいたい30分ほど前に遡る
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「ミアハ様!ナァーザ!邪魔をするぞ!」
「いらっしゃいカマラ、この上級回復薬と精神力回復薬のそれぞれ六本づつ十二本セット買わない?安くしとくよ」
「いや、今回は買い物ではない!がポーションが切れていたので頂こう!少し別口で用があって来たのだ!ミアハ様はご在宅か!?」
「なんだカマラか、俺に何か用があるのか?」
奥から出てきた黒髪の美青年はこの青の薬舗の主神ミアハ様である、ヘスティア様の友神だけあって実に慈悲深い男神で駆け出しの頃は彼から頂けるポーションがどれだけありがたかったか…
「カマラ様ちょっとコレ失礼しますね」
「?もちろんいいが…」
先程買ったポーションを訝しげな目で見ていたリリが瓶を手に取り中身を飲み始める、ミアハ様は不思議そうな表情で彼女を見ているが何を思いついたのやら…
「ボロい商売ですねぇ」
ここからは早かった!何が良かったって笑顔でブチギレるリリの表情が素晴らしい、普段から常に笑顔なのだがたまにはこういう表情も悪くない、そんなリリに見惚れている間に
「困ったな…」
本当に困った、こういう時の解決法はだいたい二つ賠償か当該眷属への追放処罰、もしくはその両方だがここに問題がある、まず賠償で解決するという方法だがミアハ・ファミリアは詐欺に手を出すほど金に困っているファミリアだその解決法は無いと考えたほうが良い
「まったくその手の男は捕まってしまった時点で負けなんです!あとはもう自分しか見えないようにするか自分がいないと生活できないくらいにするかの2択しかないんです!」
「師匠…」
「ボクが言えた事じゃないけど君達ただれ過ぎじゃないかい!?」
あっちはあっちで盛り上がっているな…良い解決法でも見つけたのだろうか…?残る可能性は該当眷属への追放処罰だがこれをしてしまうとミアハ・ファミリア唯一の眷属がいなくなってしまいファミリアが消滅、ただただ神一人と犬人一人が路頭に迷うだけの結果になる、ミアハ様にはお世話になったのでこれも無しだ、かといって次から気をつけるようにでは済まない問題だ、結果としてどう話を進めても全員が損をする最悪な状態で話が膠着しているのである!
「賠償の方はどれだけ時間がかかっても必ず…!」
ミアハ様もこう言っているが現状客が俺だけの店では厳しい、これがミアハ様もヘスティア様も居ない所での話ならそれこそ身体で払って貰おうかグヘヘヘへで良かったんだが今この状況でやるとヘスティア様に嫌われる、これはとても哀しい
「なにか…無いのか…状況を変えられるなにかが!」
このカマラ・デーヴァこれまでの人生でここまで追い詰められたのは初めてだ!そう考えている時大きな音を立ててclosedだったはずの扉が開かれた
「相変わらずしけた店だなミアハ!」
現れたのは
「おお、アミッド殿!先日はどうも世話になった」
「ええ、お怪我はどうですか?」
「ああ、おかげさまで全快だ!しかし貴女も大変だな…」
「ええ、ついこの間も…」
我々が世間話をしている間もミアハ様とディアンケヒト様の険悪なやり取りが続いている、良いぞ!そのまま場を乱せるだけ乱して行ってくれ…!というか聖女の出汁は本来の想定とは別の需要で売れそうだな!口に出ていたらしい殴られた
「次来るまでに金を用意しておくんだなミアハ!」
「それではまた、カマラさんもお怪我の無いように」
言うだけ言って帰ってしまった、まあこれで十分仕切り直しの空気にはなった!事態の先送りでしかないが今日の所はここらで帰る事に…
「あの薬が完成すれば…」
「その話詳しく聞かせて貰おうか!」