※この作品はR-18です。

ベル君よりも少し早かった男   作:ヤララントゥ

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ミアハ・ファミリアの一件の後我々は馬車に揺られ(俺持ちである)迷宮都市(オラリオ)の壁の外に出ていた

 

「馬車の旅というのも良いものですねカマラ様」

「ああ!次は最高の車と馬を借りるぞ、必ずだ!」

 

車はともかく馬が高かったのだ!オラリオ驚異の技術力のお陰でそこまで揺れは酷くは無いがやはり一回は最高の物を知っておきたい

 

「…いつか黒竜を捕まえて馬車を引かせるというのも有りか…」

「本当に捕まえられたなら上に乗って飛ばした方が楽しそうですねぇ…」

「とんでもない野望を語ってるね君達」

 

俺とリリの益体のない会話にツッコミを入れるのは同行しているヘスティア様だ、今回の目的はミアハ・ファミリアからのクエストであるモンスターの卵の納品なのだが弁当まで買ってきて完全にピクニック気分だ、ヘスティア様が楽しそうで俺も嬉しい!

 

「そろそろ着くよ」

「やっとか、ではさっさと終わらせてしまおう」

 

御者(ナァーザ)が馬を止めた場所はブラッド・サウルスの巣、これは本来レベル4相当のモンスターなのだが迷宮の外のモンスターは著しく弱体化しているため俺一人でも十分に討伐できる、というか本来レベル2であるナァーザがいれば油断さえしなければ問題無く倒せる相手では有るのだが彼女のトラウマがそれを許さなかった

 

「コイツがどれだけ持つか…」

 

少し前に生活費以外のほぼ全財産を使って買った戦棒がインファント・ドラゴンとの戦いで溶けて無くなってしまったせいで今回の武器は歪んだ金属棒、強欲渇望(ラーヴァナ)変身は親しい人間以外に見せれば面倒な事になりかねない以上これしか選択肢が無かったのだ

 

「まあステイタスのすり合わせと新しい能力(スキル)の試運転にはちょうど良いか」

「カマラ!こっちも準備出来たよ!」

 

ナァーザがモンスターを呼び寄せる臭い袋を投げよこす、臭いな!モンスター共はこんな臭いが好きなのか!?イカれた生物共だ…あいつら生物なのか?

 

「Gaaaaaa!!!」

「来たか!」

 

聞いていた通りだが大きいな!インファント・ドラゴンに匹敵するんじゃないか?俺がその巨体に驚いている隙に短めの前足が振り下ろされる

 

「っと…()()()()()()()()()()()()()()()

 

弱体化しているとはいえそこそこの威力を誇る一撃を片手で受け止める、これで新能力の検証は出来たな

 

悪竜殺(ヴリトラハン)

常時発動(パッシブスキル)

・竜と相対時、全能力に広域補正

・水中行動時に動作補正

 

水中の方は試せんかったがもう用は済んだ、後は殲滅するのみよ!そう思った俺は鉄棒を大きく振りかぶってブラッドサウルスの頭に叩き込み…

 

「折れたぁ!!?」

 

冗談だろう!?当たってすらいないんだぞ!風圧だけで折れたってのか!?【強欲渇望(ラーヴァナ)】も間に合わん!

 

「カマラ様!?」

 

リリが心配してくれて…多分に呆れの感情を感じるが心配してくれているようだ、もうだいぶ晒してしまった気がするがこれ以上の無様は晒せん!勢いそのままブラッドサウルスの脳天に拳を叩き込む!

 

「ええ…()()レベル2だけどあんな事出来なかったよ?」

 

沈み込むような鈍い音がしたかと思えば重いものが水に落ちた時の音になり今度は手応えが無くなった、まあ要するに拳でブラッドサウルスを殴り砕いたと言うわけだ

 

位階昇華(レベルアップ)と言うのはここまで変わるのか…楽しみになって来たな!」

 

カマラ・デーヴァ

[Lv2]

 力:I0

 耐久:I0

 器用:I0

 敏捷:I0

 魔力∶I0

 

降魔I

 

《魔法》

【パーピーヤス】

《詠唱》俺は菩提樹の前に立つ

・幻惑魔法

 

《スキル》

強欲渇望(ラーヴァナ)

・獲得する事象に超大補正

・勝利した相手からの収奪権限

 

自在魔(パンチャ)

・収奪を終えた相手との相対時、全能力に高域補正

 

 

「さてと、問題はピクニックどころでは無くなってしまった事だな…」

 

周囲にはブラッドサウルスの血と肉が飛び散っている、迷宮内とは違って直ぐには塵にならないのかいくら待っても綺麗にはならない、その上モンスター寄せのせいでドンドン後続が集まってくるときた、結局弁当は帰りの馬車の中で食べることになってしまった

 

******

そして我々がオラリオに戻り時間にして数時間、ナァーザ本人が言っていたように最後の材料(モンスターの卵)さえあれば完成する状況だったのだろう、彼等は想像も出来ないような口惜しさを感じながら過ごしていたのだろう

 

「だが、それも今日で終わる」

「そうですね、カマラ様」

「ああ、最初こそどうしてやろうかと思ったけど丸く収まって良かったよ」

 

ミアハ様達が新薬の調合に勤しむ中我らヘスティア・ファミリアはおやつの時間を堪能していた、三人とも料理の腕は上がってきたと思っていたがやはり甘いものに関しては買ったほうが良い

 

「そうだカマラ様、明後日あたりの晩にお部屋にお邪魔しますね」

「そうか!楽しみにしておくとしよう!」

「君達!スル事にはもう文句は言わないけどいいかげん別の所で…」

(早くヘスティア様も混ざりに来れば良いでしょうに…)

「しかしどんな薬が出来ているのやら」

「この状況をひっくり返す事が出来るほどの物です、想像だにしないものが出て来てもおかしくない…と言うより出て来ると考えたほうが正しいでしょうね」

 

その会話を終えた俺とリリはしばらく顔を見合わせると心の中で通じ合う、我々の間には言葉などもう必要無い事を感じあい、その事実に充足感を得る、そして最後の確認の為に口を開いた

 

「交渉は任せる10年2割、行けそうか?」

「カマラ様は甘い方ですねぇ…50年1割までやってみせますよ」

「鬼かい君達は!?ボクは君達をそんな風に育てた覚えは無いぞ!」

 

まあかくしてミアハ・ファミリアでの事件は幕を閉じたのであった!




中途半端な終わり方になっちゃった…

ちなみにカマラ君の得意料理は夢で習ったインド料理
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