ワンダラーズ・イン・アナザー・ワールド ~男子は僕ひとりだけがクラスの女子といっしょに異世界へ送られたけど、僕が抱くことで彼女たちは強くなります。~ 作:イジー・ムラシロ
小屋の前に並べた
アユミ「え~と、まずなんか色の付いたタグみたいなのがついてる大きな袋があるでしょ?それに……なになに……その袋にそれぞれの服が入ってるんだって…」
アイ「服?」
ナオ「ホント?」
ルカ「やったー!」
アカリ「どの袋が誰のか、分かる?」
アユミ「なんか、色がそれぞれを指してるみたい……え~と、赤がアイで、青がアカリ。黄色がソラで、白が私だって。
それで……黄緑色がツグミで…ナオが赤紫。緑色がモアで、青紫がルカで、最後に黒がタクミ君だって。」
ソラ「なになに、私、何色だって?」
モア「私ももう一ぺん。」
みんなが本を覗き込み、互いの色を確かめて袋に向かう。
アイ「でも、でっかい袋だけど…何が入ってんの?」
アユミ「え~と、ズボンとシャツと上着と…あと、マントとか
全員が袋を開けて中身を引っ張り出す。と、その時、ルカが何か声を上げた。
ルカ「ねえ、何か能力、付いたみたい…」
ナオ「なに?なんでこんなタイミングで?…」
ルカが言ったので全員がステイタスを確認するとルカとアユミ、そしてナオに『下着』という能力が確かにある。
アユミが
アユミ「『下着』は……『パンツやショーツ、ブラジャー、インナーのシャツ、靴下などが出せる。
サイズもそれぞれ、S、M、L、ブラジャーについてはカップ数に合わせたサイズが出せる。また、保温用兼作業用の手袋も出せる。』だって…」
ソラ「…またまたチートじゃん(笑)…」
アカリ「この服だって立派なチートだって(笑)…」
アイ「(笑)とにかく、その下着、出せる?」
ナオ「たぶん大丈夫…」
ナオとアユミ、ルカがそれぞれ下着を出してみる。
すると、その場にパンツやショーツ、シャツやブラ、靴下、そして軍手が一度に散乱した。
ソラ「出るのはいいんだけど…いちいち散らばるのね……」
ルカ「ゴメンね…なんか散らかっちゃって……」
アイ「ルカやアユミのせいじゃないって…」
モア「ねえ!Fのブラある?」
アカリ「自分で拾って確かめなよ(笑)…」
タクミ「あの~、男物ってあるかな?~」
ツグミ「ここに落ちてるの、そうじゃないかな…」
ナオ「男はあんただけだから、サイズも大丈夫じゃないの…」
それぞれが散らばった下着を
アユミ「どう?みんな、自分のもの、分かった?…」
アカリ「こっちはオーケーだよ。」
ツグミ「私も大丈夫そう…」
アイ「じゃあ、引っ張り出した服も確認しようよ。」
ナオ「ついでに着替えだね…」
ソラ「やっと着替えられるー……」
アユミ「ホントだね…」
アイ「一週間もこのワイシャツのままだったから…」
タクミ「よ、よかった、服があって…」
アカリ「確かに(笑)…ずっとパンイチのままじゃ、ねえ(笑)…」
ルカ「(笑)…」
全員がずっと着たまんまの制服、そして下着も脱いで、出てきた下着と袋に入っていた衣服に着替えた。
入っていたのはややゆったりとしたズボンと、これも腕のところが
ただそのベストも男のタクミは腰までの長さだが、女性用はもう少しお尻の辺りまでの長さがあり、少しスカートのようになっている。
その毛織のベストの上から
モア「ズボン、ベルトじゃなくて
ツグミ「で、上からするベルトはこれでいいの?……」
アイ「このベルトのところに剣とかを差すのかな?」
一応例の本に
だが袋にはどうやって着るのか、書かれていない衣類もある。
ルカ「これがマントで…マント以外にも、なんか長いガウンみたいのや、毛皮のコートみたいのもあるけど……」
アカリ「だんだん暑くなってくるのに、そんなの着る?」
ナオ「それってみんな、冬用じゃない?」
アユミ「どれをいつ着るかまでは書いてないね……」
タクミ「マントもそうかな?」
タクミは引っ張り出したマントの上下が分からず、ぐるぐる回すようにどこが上かを探している。
アカリ「タクミ、フードが付いてるのが上に決まってんじゃん…」
ナオ「マントは防寒もあるけど、防風とか防砂とか、
ツグミ「これ、全部着るんじゃないよね……」
ソラ「これから暑くなっから、無理に着ることないしょ。」
ルカ「この毛皮のコート、毛のついた方が内側になってる…」
アユミ「ガウンとかコートはやっぱり防寒具じゃないかな…」
アイ「とりあえずズボンとシャツとベストと着とけばいいんじゃない…」
ある子は袋の中身を取り出し、ある子は袋の中に頭を突っ込んで他に何が入っているのかを調べる。
全員が着替えをしながら
ソラ「でも、この服、何枚ずつ入ってんの?5枚ずつぐらい…」
アユミ「うん、5枚ずつ…」
ツグミ「この靴も5足ずつあるよ。
アカリ「靴ってさ、なんか古い形してるけど、靴底、ちゃんとゴムのソールだよ(笑)…」
ソラ「…チートばっかり、ウケる(笑)…」
ナオ「でも、革だと
アイ「せっかくの
全員「(笑)」
それぞれが自分のことを表している袋の中の服装に着替えると、上着やズボンの
アイたちはお互いの様子を
アカリ「でもさ、これってサイズがちょうどじゃん……」
ルカ「ねえ…」
ソラ「めっちゃキモイんだけど……」
モア「靴もピッタリ!」
アカリ「
女の子たちは袋から出てきた服が、丈から太さ、手足の長さ、細かいサイズまでがきっちり合っていることに気持ち悪がりながら、お互いにちゃんと着れているのかをチェックした。
ルカ「ホント……どっかでずっと見てたのかな?……」
アイ「だとしたら、今も見てんのかな…」
ナオ「ホントに気持ち悪いよね……」
ソラ「会ったら絶対にぶっ飛ばしてやる‼」
アユミ「まあまあ、落ち着いて……」
ツグミ「それにしてもこの服、みんな同じ色だね…」
衣服の色はズボンが濃い灰色で、シャツは白、チョッキは茶色か少し赤っぽい茶色。マントは全て灰色。
ソラ「色味が地味すぎるよ…」
アイ「だね…」
ナオ「でもさ…私たちって他所の世界から来たわけでしょ。
あんまり派手な格好で目立たない方がよくない?能力もあるし、気を付けないとすぐ目をつけられるような気がするけど……」
ルカ「言えてる…こんな地味な方がいいと思うよ……」
アカリ「そうか、ただでさえ黒髪に黒い瞳って目立ちそうだもんね……」
モア「オシャレじゃないけど……」
ルカ「仕方ないよ……」
アイとアカリは何度も後ろを向いたりしながらお互いの服装を見比べた。2人とも何かが気になっているようだ。
アイ「この服装って、多少女性っぽくしてるとこもあるけど…基本は男物だよね…」
アカリ「私もそう思う。」
タクミ「スカートって、全然無いの?」
ルカ「うん、一枚も入ってないの…」
モア「パンツスタイルってどう?アイとかはいわゆる剣士とかだからパンツでもわかるけど…
魔法使いって、なんか足元までの長いマントで、フードで顔を隠して…みたいな…」
ナオ「言ってることは分かるけど…」
アイやアカリは着替えた
アイ「でも昨日の戦いでも分かったけど、結局パンツスタイルの方が戦いやすいよ。」
ツグミ「特にあの魔法使いの長い服は邪魔そうだね…」
アカリ「でも結局のところ、これって男装でしょ?どうなのかな?それともこの世界の女の人ってこんな格好してるのかな?……」
タクミ「パンツしかないなら、そうかもしれないけど…」
ナオ「でも、この服装見てると古い時代のようだから、あんまり女性ばかりのグループって知られない方がいいんじゃないかな…」
ソラ「それって襲われるってこと?」
ナオ「そう。やっぱり治安とか悪い感じがするから…」
アイ「まあ、とにかく新しい服が手に入っただけでもオーケーとしようよ…じゃ、次の袋ね。」
服や靴が入っていたのと同じように各々の色のタグが付いている袋がもう一種類ある。何かが包まれているのか、太い丸太のような形状をしている。
アユミ「これって……寝袋らしいよ…」
アイ「とりあえず一つ、開けてみようよ。
タクミが自分の色の付いた袋を開くと丸められた寝袋が現れた。それを見て、タクミは興奮しだす。
タクミ「これって、かなりいいものだよ……これは厳寒地用にも使えるシュラフだよ…」
ナオ「それって、そんなにいいの?」
タクミ「うん。これってかなりフカフカで軽いけど、たぶん中はダウンだと思う…かなり上等だよ…」
ソラ「これあると何がいいの?」
タクミ「これでテントがあると極端な話、真冬の夜でも過ごせるから。どうしても、っていう場合でも一晩過ごせるよ。」
アイ「…あんまり有ってほしくない、どうしても、だけど…」
ナオ「でも、これからどうなるか分からないからそういう時にも役に立つものがあるのはいいんじゃない?
無くてどうしよう、って言わなくてすむわけだから…」
ルカ「やっぱり無いよりはある方がいいよ……」
アイ「で、……そのテントはあるのかな?」
アユミ「こっちの大きい袋がテントみたい。」
ひときわ大きな袋の中には大きな袋が一つとそれよりやや小さい袋が三つ、入っている。
ルカ「これ、どれもかなり重いよ…」
アユミ「なんか、大きいのが12人用のテントで、小さいのが3,4人用のテントだって…」
ソラ「テントって、デカイのが一つあったらいいんじゃないの?」
タクミ「デカいテントって、全員で入れるからいいんだけど、それだけ広い場所が必要なわけ。
例えば森の中とかだとそんなに広くて平たい場所がないかもしれないから、そうなるとバラバラに別れた方がいいこともあると思う。」
アカリ「なるほど…」
袋の中で骨組みらしきものがガチャガチャ音を立てる様子を見て、何人かの女の子はちょっと不安そうな顔をした。
モア「テント建てるのって、めんどくない?」
アウトドアに
タクミ「これってたぶんロッジ型のテントみたいだから、それほど難しくないよ。これだけ人数もいるし。
それにストレージがあるから、骨組みをある程度組み立てた状態でストレージにしまってたら、建てる時もそれほど面倒くさくないよ。」
ナオ「つまり、ここである程度建てた状態にしておく、ってことね。」
タクミ「そう。ただ、ペグとか木づちとかロープとかが
ツグミ「テントがあるから、あると思うけど…」
ソラ「そうじゃなきゃおかしいでしょ。」
アイ「じゃあ、他の袋も確認してからテントも建ててみようよ。」
他に目立つのは細長い袋がいくつもあることだ。
細長い袋は長いものと中くらいのもの、そして短いものの三種類。それに加えて一つだけ長くて大きな袋もある。
アイ「これって、武器じゃない…」
アカリ「確かに、そんな形してる!」
アユミ「正解!え~と、まず一番長いのが
ソラ「槍と矛って、何が違うの?」
アイ「槍の方は
モア「穂って?」
アイ「槍とか矛の先に付いてる、刃物の部分のこと。」
アカリ「実戦じゃ、どっちも突いたり切ったり
ルカ「中ぐらいの長さの袋は二つあるけど…」
アユミ「一つは私とかナオ、ツグミ、モアが使うための
ナオ「棍って何?」
タクミ「棍って、木の棒のこと。鉄製の武器は付いてなくて、そのまま叩いたり、突いたりする武器。」
ソラ「ふ~ん。」
アユミ「で、小さい方の袋に剣が入ってるって。剣はアイとアカリとソラとルカと、あと、タクミ君。」
アカリ「じゃあ、とにかく袋を開けようよ。」
それぞれが自分の武器を探して手に取ってみる。と、剣が入っている袋に何か入っている。
アイ「これ、ナイフだよ…数、いっぱいあるよ…それに革の入れ物も全部についてる…」
アユミ「え~と、ナイフは全員分あるみたい。」
アイ「あと、
ソラ「これをこの腰のベルトに付けんの?」
アイ「たぶん…アユミ、本に付け方って書いてる?」
アユミ「大丈夫、ちゃんと付け方も書いてあるよ。」
ナオ「
アカリが剣を抜いて軽く振ってみる。その様子を見てアイも
アカリ「ねえ、この剣、すごいよ!すごく軽い!」
アイ「どれどれ、う~ん、これって鉄製じゃないよ。軽すぎるし、色もちょっと青っぽいし…」
アカリ「なんか、ガラスみたいな感じだけど…何なのこれ?」
アユミ「なんか、武器に使われているのはオリハルコンだって…」
ツグミ「…オリハルコンって、何?聞いたことないけど…」
だがソラはオリハルコンという名前を聞いて、一人ゲラゲラ笑い出す。
ソラ「(笑)…オリハルコンってダイヤモンドより硬いっていう、RPGとかファンタジーに出てくる
アイ「って、私たち、やっぱりゲームの世界にいるの?」
モア「マジで?ウケるんだけど(笑)。」
ソラ「マジでそうかもしんない(笑)。」
ナオ「笑えないけど……でも、その本にそう書いてる以上、ホントにゲームの中にいるのかも……」
タクミ「…………」
ソラ「まあ、とにかく一番いいのをくれたんでしょ。アイも言ってたけど、もらえるもんは何でも貰っとこ(笑)」
モアやソラが笑っている間に、ツグミやナオ、アユミも杖を取り出した。
杖自体は白く、軽い木で出来ていて、頭とお尻には金属が
この被せ物もアイやアカリが手にしている剣と同じように青っぽい色をしている。
ツグミ「この杖の先とお尻についてる金属も、その何とかかんとかいうの?」
ソラ「オリハルコンね…」
ナオ「杖って、ずっと地面を突いてるとだんだん
アユミ「何も書いてないけど…先にもついてるってことは、魔法を使う時に役に立つのかな?……」
ツグミ「よく分からないね…」
ソラ「そういうことをちゃんと書いてて欲しいね…」
アイはみんなと離れて何度も剣を振るう。そして
アイ「この剣、気を付けないとダメだ…すごく軽いのに、もの
ルカ「じゃあ、他の武器も相当いいものなんだね……」
アイやアユミ以外も各々自分の武器を手に取ってみるが、それを振ってるうちに昨日の夜のことを思い出してきた。
モア「こういうの、昨日の夜に欲しかったね…」
ソラ「言える!何で今日なのかな……役に立たねー…」
タクミ「なんか、レベルアップでもしたのかな…だから武器が出てきたとか……」
ナオ「レベルアップみたいなのは、何も感じなかったね…」
アカリ「う~ん、あんまり関係なさそうな気がするけど……」
アユミ「まあ、昨日は武器が無くても追い払えたし、これからは要るようになるかもしれないし……」
ソラ「この武器って、持ち歩かないといけないわけ?」
アカリ「別にそんな必要ないんじゃない?使わない時はストレージに入れとけばいいんだし…」
ルカ「矛なんて、長いし場所取るもんね…」
アイ「じゃあ、こっちの袋は何になるの?」
アイはもう一つの大きな袋を手にする。袋を開けるとガラガラと多くの木製の武具が出てきた。
アユミ「これには……
アカリ「なるほど…普段はこれで
アイは入ってる武具を一つ々々確認する。
アイ「
ルカ「稽古って、こんな木の棒で練習して、痛くないの?」
アカリ「残念ながら、やっぱ痛い…木剣って竹刀みたいに打撃を弱めたりしないからね…」
アイ「防具もないし…」
ツグミ「こんなので練習して大丈夫?…」
アイ「でも、真剣では練習できないわけだから、無いよりはずっといいよ。」
ソラ「えー、これでアイとかに叩かれたら痛てぇよー…」
アカリ「そこは手加減するから…」
アイ「それはどうかな?(笑)…」
ソラ「ほら!こいつ、こんなこと言ってるよー…」
アユミ「ハイハイ…残りの袋も確認しないと……」
まだ大きな袋が三つも残っていて、ルカがその一つを開けてみる。
ルカ「ねえ、みんな!いろんな調理器具が入ってるよ!お
ソラ「マジで!」
ナオ「えー、全部引っ張り出そうよ!」
袋の中身を出すと調理器具だけでなく、日常生活のための道具がたくさん出てきた。
調理器具では大小の鍋やボールに加えて大きな焼き
ナオ「包丁とかもあるかな?」
ツグミ「大丈夫。包丁も三つあるし、お
ルカ「ナイフもフォークもスプーンも数あるし…トングや鍋つかみも…」
アユミ「計量カップに計量スプーンまで入ってる(笑)。」
ソラ「お店出すんじゃないって(笑)。」
これまで家で使ってたような物が並んで、みんな苦笑いを浮かべる。
タクミ「こっちは
アカリ「スコップとかシャベルとかもあるけど、いいの?(笑)」
アイ「これはやすりかな…それに巻き
ソラ「何これ?
ルカ「これたぶん針と糸だよ…」
アカリ「マジで?
アユミ「誰か、まな板見てない?」
ツグミ「ここに木製のまな板、3枚もあるよ。
モア「この変な道具って、何?」
タクミ「これは
あとはバケツがあって洗面器とタライがあって、木づちに金づちに
アイ「何?私たち、ここでDIYして生きてっけこと?」
ソラ「ちょっと至れり尽くせり過ぎない(笑)。」
ソラだけでなく、ナオやアカリも
モアは木の板でできた道具を持ち上げて、首をかしげた。
モア「この波々となってる板は?」
ツグミ「それっておばあちゃんの家で見たことあるよ。それで洗濯するんだって…」
ナオ「洗濯板だって……」
モア「こんなんで洗濯なんてできんの?」
板の形と洗濯が全然結びつかないモアにツグミが説明する。
ツグミ「服に洗剤をかけて、それからこの波形のところでゴシゴシ
モア「ウソだー。」
ナオ「ホントだよ。洗濯機ができるまで、そうやって洗濯してたんだって…」
ソラ「『
ナオ「擦ったりして、始めて汚れが布から離れていくんだって…」
ソラ「へぇー…」
アカリ「明日からみんな、交代で洗濯だね。」
モア「えー、たいへんすぎるよー…」
全員「(笑)」
モアが大きな声を出すのを見て、みんなが笑った。
別の袋を見ると、大量の紐とペグ、そして釘をはじめ、大小の洗濯ばさみや安全ピン、
ルカ「ホントに何でも
ナオが同じ袋に入っていた大きめの袋を開ける。
ナオ「ねぇ、これってブラシとか
アカリ「なになに?見せて見せて?」
モア「ホントだ…他のは何?」
ナオ「他は髪留めのピンとかゴムとか…」
アイ「ねえ、私にも見せて…」
ナオが袋の中身を取り出すとブラシと櫛は人数分より多くあり、髪留めのピンやゴムも形状ごとに小分けにされて大量に入っている。さらに理髪店や美容院で見るようなハサミまである。
モア「コスメはないね……」
アユミ「せめて髪だけでも整えたかったから……」
ナオ「そうね、これぐらいは欲しかったね。」
アイ「こんなハサミあってもさ、誰か髪切れるの?」
アイが理髪用のハサミをチョキチョキと開いたり閉じたりするのを見て、ルカが恥ずかしそうに手を挙げた。
ソラ「えー、ルカって髪切って整えられるの?」
アイ「すげえよ!」
ルカ「…違うの…昨日、『理髪・美髪』という能力が付いたから…でも、まだ付いたばっかだし…上手くできるかどうか、わかんないよ…」
アカリ「
ナオ「でも…鏡も無しでいいの?…」
するとタクミが最後に残った袋を指差す。
タクミ「これって、鏡じゃないかな……この袋、スゲー重かったし……」
ソラ「どれどれ…重い、これ!」
アユミ「気をつけてね……鏡だと危ないよ…」
慌ててタクミやルカがソラに手を貸して中のものを引っ張り出す。するとやはりそれは布に
それ以外にも半身を写すための四角い鏡が一枚と手鏡が3枚入っていた。
ルカ「なんか凄いね……」
ナオ「鏡もチートだよ。この小屋もガラス窓じゃなかったから、たぶんこの世界にはまだガラスはないと思う。そこにこんなおっきい鏡なんて……」
モア「鏡って、いつでもあるんじゃないんだ……」
アユミ「そう、昔は金属を磨いて、そこに写った姿を見てたから…」
アイ「でも、これって普段私たちが使ってるのと同じでしょ。」
ソラ「だから、チートなんだって(笑)…」
ルカ「こんなものまであるって……」
改めて袋から出てきた大量の武器や道具を
アカリ「お礼を言えばいいのかどうか……」
ソラ「こんなの要らないから、帰りの乗り物を用意して欲しいんだけど…」
ナオ「まあ、気持ちはわかるけど……とにかく生活に必要なものはいろいろ
アユミ「まあまあ、とりあえず貰ったものを使って、今晩はハムかソーセージでも焼こうよ…」
ソラ「それ、大賛成‼」
モア「アガるー‼」
アイ「じゃあ、とにかくこの袋をまずは片付けよう!(笑)」
アユミの言葉で元気づいた一同は、それぞれに作業を始めた。
楽しんでくださった方や今後が気になるという方は、お気に入りや評価をいただければ励みになります。
また、面白かったところや気になったところなどの感想もいただければ幸いです。よろしくお願いします。