ワンダラーズ・イン・アナザー・ワールド ~男子は僕ひとりだけがクラスの女子といっしょに異世界へ送られたけど、僕が抱くことで彼女たちは強くなります。~ 作:イジー・ムラシロ
久しぶりにパンと飲み物だけでない食事をして全員が満足をした夕食の後、
アイ「これだけ能力もついてきて、道具も
ソラ「テントと寝袋があるって言っても、やっぱり屋根のある所で過ごす方が安全じゃないの?
ここってそれほど危険じゃないと思うけど…」
ルカ「でも、昨日の夜みたいにまた何かが襲ってきたらどうしよう?…」
アカリ「テントよりも小屋の方が安全みたいに感じるなー…」
ツグミが珍しく手を挙げて何かを話そうとして、全員が彼女に注目する。
ツグミ「あのね…私とナオに『地図』っていう能力があるんだけど、今、私の方がレベルが高くて…
で、この力って辺りの様子が分かるんだけど…あの、川に沿って山を下っていく方はよく見えていて、ずっと山を下るまで森が続いていて、山から下りてもしばらくずっと森なの…
で、その森を抜けると草原になってるところまで分かるの…」
アイ「じゃあ、もしここを出たらずっと森を抜けていかないとダメなのね。」
ツグミ「そう。」
ソラ「草原の向こうはまだ見えないんだ…」
ツグミ「うん、森の出口までしか分からないの…
でも、この小屋の裏からすぐに山になってるでしょ。この山のことは『地図』でも全然分からないの…」
アユミ「何にも見えないってこと?」
ツグミ「そう、もう小屋の裏から真っ白なままなの。だから…私はこの山はちょっと危険かもしれないって思うの…」
ツグミの言葉を聞いて、みんな振り返って山の方を見る。山は暗くなってきて、風が木々を
ナオ「そう言えば、昨日のゴブリンも全部山の方へ戻っていったもんね…」
アカリ「今度は別の
ツグミ「ごめんなさい…ちゃんとしたこと、分からなくて…」
真面目なツグミは本当に申し訳なさそうに頭を下げた。
ツグミのそんな様子を見て、アユミとナオがすぐにその背中や肩をさする。
アイ「あやまることじゃないよ…言ってくれてありがたいよ…」
ナオ「でも、明日出発は無理として…いつ、ここを離れるか、だね…」
アユミ「ここを離れるとして、一番大事なのはやっぱり食べ物と飲み物のことだよ…
今までもけっこうたくさん食べ物と飲み物を
アカリ「一食でそれだけ消費するってことだもんね…」
アユミ「それに、もし昨日の夜のような戦いがあったらその日は疲れて食べ物も飲み物も出せなくなるかもしれないし…」
ナオ「つまり、それだけの分の食べ物と飲み物を貯めておかないとダメってことね…」
ルカ「一週間とか10日としても、けっこうな量になるね…」
アイ「それだけの準備をしておかないといけないってことだね…」
ここ何日か、何となく食べていたものについて改めて誰もが真剣に考え始める。
アカリ「食べ物と飲み物だけじゃなくて、焚き木だって集めておかないと…森から出たらなかなか集められないと思うし…」
モア「毎日食べたり、飲んだりしている分以外で10日分でしょ?大変だよね…」
ソラ「とても明日出発なんて言えない…」
アカリ「途中にコンビニがあるわけじゃないから…」
タクミ「う~ん、意外とヤバい…」
アイ「じゃあ、もう4,5日準備に
アユミ「4,5日後に一度確認してから、ってことね。」
アイ「そう、絶対にその日に出発じゃなくて、ちゃんと準備出来てるか確かめてから…」
ナオ「引き伸ばし過ぎて、別の獣に襲われてもいけないしね…」
ゴブリンが現れたこと、武器や道具を手に入れたことで全員にこれから起こるかもしれないことが具体的に感じられるようになった。
それと同時に、自分たちが知らないことがたくさんあることも実感される。
アカリ「人里までどれぐらいあるのかな?…」
ルカ「そういうことがわからないのが難しいよね…」
ナオ「でも、私たちにこうした能力とか魔法があるってことは、私たち以外にもそういう能力を使う人がいるはずだから、そんな何十日歩いても誰にも会えないってことはないと思う。」
アイ「まあ、誰かが私たちをこの世界に呼んだわけだから、誰か人がいて何かが起こっているということだろうから…」
アユミ「でも、結局わからないことだらけだから、進みながら考えようよ。
食べ物とかが足りなそうなら何日かそこに
アカリ「焚き木も森の中にいる間に
ナオ「
いつの間にかモアが目をつぶってルカに寄りかかっている。
ルカ「そろそろ寝ないとダメみたい(笑)…」
ソラ「…で、明日からSEXはありだよね(笑)…」
タクミ「えっ?…」
アイ「え~、準備が遅れるんじゃない?」
アカリ「まあ、タクミとほか2人がいなくてもまだ6人いるから、大丈夫じゃないかな(笑)…」
アユミ「してない間にサボらなかったらね。」
ソラ「大丈夫、ちゃんと働くから!」
ソラはアイに向かって手を合わせてお願いのポーズを取る。
アイ「確かに聞いたからね…」
ルカ「そんなにしたいんだ(笑)…」
ルカだけでなく、アユミやツグミもクスクス笑う。
ソラ「私だけじゃないしょ(笑)…こちらのアカリさんだって…」
アカリ「え~、モアやナオもいるでしょ!(笑)」
モア「タクミだってヤリたいでしょ?」
タクミ「いや~、オレは…」
ソラ「そんなわけないじゃん!こいつが一番ヤリたがってるし…」
タクミ「イヤイヤ…」
ナオ「まあまあ、したい人もいるわけだし(笑)…
それにこうなってくるとタクミとヤって、レベルアップしておくのも重要だよ。」
アイ「何が起こるか分からないから…だよね…」
ソラ「じゃあ、今日はもう寝よう!明日だよ、明日…」
アカリ「ヤル気満々すぎるっての(笑)。」
全員「(笑)」
*
魔法に加えて道具も手に入れたことで、アイたちは快調に出発の準備を進めた。
道具を見つけた次の日には、アイとアカリとソラが中心になって釣りをしてマスを30~40匹ほど捕まえた。
また、新しい服装と
道具だけでなく、魔法のおかげで食料や飲料の種類も増えて、それぞれのストレージにある程度の食べ物と飲み物をストックできた。武器となる石もさらに多く集められた。
武器や
そして明日はもう出発という日。
夕食を前にアユミとナオとルカとツグミが、かまどの前に座って
そこに身体を拭いたタクミがソラといっしょにやって来る。
ソラ「ねぇ、考え込んでどうしたの?…」
ソラの声にアユミたちが顔を上げる。
アユミ「あのね…例えば誰かが体調を崩した時に、向こうにいた時はご飯があったからおかゆを作ったらよかったでしょ…でも、今はお米がないから…そんな時のための食べる物ってどうしようって…」
ソラ「ふ~ん、確かに…」
タクミ「…ああ…いいこと、思い出した…」
ナオ「いいこと、ってなに?」
タクミ「あの~、食パンと、あと紅茶と牛乳を出してもらえないかな…」
アユミたちは立ち上がってお互いの顔を見合わせるが、タクミの言う通りに食パンと紅茶、牛乳を取り出す。
するとタクミは焚き火に置いた焼き
そして食パンがカリカリに焼けたのを確かめると、ストレージからおろし金を探し出す。
よく焼けた食パンを少し冷ますと、そのカリカリのパンをおろし金で
ナオ「なるほどね…」
タクミ「前に偶然テレビを点けたらこれ作ってて、それを思い出したんだ…」
ソラ「おかゆというより、コーンフレークみたいな感じ…」
タクミがたっぷりとパン粉が入ったミルクティーをスプーンでよく混ぜる。アユミがそれを一すくい口に運ぶ。
アユミ「うん!これ、結構おいしい!」
ナオ「どれどれ…ああ…確かにいける…」
ルカ「私も…うん、おいしい!」
ソラ「私も味見させてよ…」
みんなが食べているところに、アイとアカリとモアもやって来た。
アイ「ねえ、何してるの?」
ツグミ「ああ…ちょうどいいところに来た…これ、食べてみて…」
アイ「う~ん、これ何?」
アユミ「おかゆの代わり…」
アカリ「おかゆ?でも、茶色いよ、これ?」
アイもアカリも
アカリ「あー、ミルクティーに…クルトンみたいな…何これ?」
ルカ「焼いたパンを
アイ「確かに!これはおかゆの代わりになるね…」
ソラ「っていうか、おやつに食べたいね…」
モア「え~、私も私も…」
全員が味見をしてみんなに好評だったので、タクミもホッと胸をなでおろした。
アイ「これって、誰が考えたの?」
ソラ「だから、タクミだって…」
アカリ「へぇー…」
アイ「なかなかやるじゃん…これ、ホント
タクミ「…ありがとう…」
普段アイに
アユミ「これはじゃあ、ストレージにしまっておいて…」
アイ「夕食ってなに?」
ルカ「夕食はソーセージを焼こうと思って…」
アカリ「いいね!」
ソラ「こないだは釣ったマスを焼いたし…」
ナオ「だんだん、充実してきてるでしょ?」
ルカ「確かに(笑)…」
アユミ「さあ、サッサと準備しちゃおう。」
アイ「みんなで手伝って、早く食べよう。」
全員「オーケー!」
焼き網で焼かれた大きめのソーセージをそれぞれがほおばり、新鮮な野菜のサラダを食べて皆が美味しい食事に満足する。
アイ「サラダにかかってるのって、これ、マヨネーズだよね…」
アユミ「そう(笑)…」
ルカ「出せるようになっちゃった(笑)…」
ツグミ「うれしいー…」
ソラ「あれ?ツグミが最初に言うなんて、めずらしい…」
ナオ「この子、結構なマヨラーだよ(笑)…」
ツグミ「マヨネーズ、大好きなの…」
アカリ「よかったねー(笑)…」
ソラ「私も大好き!ありがたいよ…」
モア「ルカー、ありがとう!」
こうしてこの世界にやって来てからずっと過ごしてきた小屋での最後の夕食が終わった。
全員がそれぞれ、飲み物を手にしながら、明日からのことを改めて確かめ合う。
アイ「明日はとにかく夜が明けたら起きて、パンだけ食べてすぐに出発しよう。」
ソラ「目標とか決めとく?」
ナオ「たぶんそうしない方がいいと思う。何がどうなってるのか、よく分かってないわけだし…」
アイ「うん、誰か自然のままの山とか森とかを歩いたことがある人がいたら違うだろうけど、誰もそうした経験もないし…」
アカリ「とにかく何が起こるか、分からないからね…」
ルカ「お互いに助け合わないと…」
明日からのことを想像したのか、みんなしばらくの間押し黙ってしまう。ツグミやモアは不安で表情が固くなってきた。
モア「大丈夫かな…」
ツグミ「確かに…ちょっと怖い…」
ナオ「そんなこと言っても…」
アイ「2人が怖いって言うのは分かるよ…私も結構怖いもの…でも、がんばって行かないと誰にも会えないと思うから…」
アカリ「そうだね…最終的には誰かに会いたいね…」
ソラ「人間に、ね…」
アユミ「でも、無理はしないでね…」
タクミ「そう…無理矢理遠くへ行こうとか、危険を
…明日はできるだけ体力に余裕がある間に進むのを終えよう…」
珍しくタクミが強い口調で言うのを聞いて、女の子たちはお互いの顔を見てうなずき合う。
ソラ「そうか…テントも自分たちで建てないとダメだもんね…」
タクミ「初めてテント建てたりするのって、結構手間取ることも多いから…」
ナオ「まずはゆっくりと進もう…」
アイ「分かった。とにかく無理せずに、今の状態で山や森の中を進むのを確かめながら行こう。」
アカリ「了解…」
ソラ「オーケー…」
全員がアイの言葉にうなずいた。
アイ「じゃあ、今夜はここまでにしてもう寝ようよ。」
アカリ「オーケー!」
ソラ「トイレ、済ましとこ…」
モア「私も…」
タクミ「いよいよ、出発かあ~…」
焚き火が消えて、全員が小屋の中に戻っていった…。
(第一章 終わり)
やっと第一章、終了です。終盤はエロが少なく、申し訳ありませんm(_ _)m。
いよいよ、冒険スタートです!
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