ワンダラーズ・イン・アナザー・ワールド ~男子は僕ひとりだけがクラスの女子といっしょに異世界へ送られたけど、僕が抱くことで彼女たちは強くなります。~ 作:イジー・ムラシロ
アイたちは辺りが明るくなるともう起き出した。
村の男たちは遅くまでお酒を飲んでいたが、お酒を飲まない彼女たちは陽が落ち、真っ暗になってしばらくして宿に戻り、そのまま眠ってしまった。
交代で顔を洗っている間に、何人かで朝食の準備をする。みんなは食事をしながら改めて今日これからのことを相談した。
アイ「どうする?やっぱりゴブリン退治をした山のところまで戻る?」
ソラ「う~ん…」
ルカ「キトルさんは村で練習してもいいみたいに言ってたけど…」
アユミ「でも、やっぱ魔法の練習はできないんじゃない?」
ナオ「できないっていうか、しない方がいいと思う…
ナニさんも魔法には注意しろって言ってたから…」
アカリ「それは魔法を見られるな、ってことでしょ」
ナオ「そう…」
ソラ「じゃあ、やっぱ山のところへ行くしかないしょ…」
アユミ「もう少し近くでいいところがあればね…」
小一時間ほどかけてまたあの山の
アイ「アユミの言うのは分かるけど、あそこが一番気にせずに何でもできんじゃない?」
アカリ「それマジ…魔法でも技でも、いろいろ試したいじゃん?」
ナオ「それはそう…」
アイやナオの言葉を聞いて、ツグミが少し小首をかしげる。
ツグミ「でもキトルさんは村長さんの許可を得ないと、って言ってたよね…」
ルカ「そうだ…」
ツグミに言われて、みんなは互いに顔を見合わせる。
アカリ「誰か村長さんにその話、した?」
アイ「私はしてない…」
アユミ「私も…」
ナオ「そういう話をする雰囲気じゃなかったね…」
ソラ「確かに…」
ツグミ「じゃあ、誰か村長さんの家への行き方、分かる?…」
モア「う~んと…それはねー…」
ツグミは不安そうな顔をするが、アカリが笑顔で答える。
アカリ「大丈夫。もう2回も村長の家からここまで来たから、大体の行き方は分かるよ…」
ソラ「ホント?」
ナオ「私も分かるよ…」
モア「へぇー…私、全然わかんないけど…」
アイ「あんたねー…」
全員「(笑)…」
モアが自信満々で分からないと言うので、他のみんなは吹き出してしまう。
アイ「とにかく、アカリとナオに村長の家への行き方を教えてもらおう…」
ソラ「また全員で行く?」
アイ「私とアカリとナオが行けばいいと思う。他のみんなは出発の準備しておいて…」
アカリ「オーケー。」
アユミ「私も行こうか?」
アイ「ありがとう…でもナオとアカリが来てくれれば大丈夫。」
アユミ「わかった…」
アイとアカリとナオは急いで食事を済ませると、
残ったメンバーは宿の
アユミ「武術や魔法の練習をするのもいいけど、洗濯もしなきゃいけないね…」
ソラ「身体も洗いたいかな…」
ルカ「だったら、余計に洗濯しないと…」
タクミ「洗濯も意外と肉体労働だ…」
タクミもレアでの日々を思い出したのか、ポツンとつぶやいた。ソラはその言葉を聞き逃さない。
ソラ「だから、あんたもがんばってくれなきゃ…」
モア「そうそう、がんばってくれなきゃ(笑)」
ツグミ「タクミ君だけじゃ、ダメだよ…」
ルカ「ソラもモアも洗濯、手伝ってね(笑)。」
モア「え~…」
ソラ「どうしようかな?(笑)…」
アユミ「2人はそんなのばっかり(笑)…」
アユミはいつも調子のいいソラとモアの様子にクスクス笑う。
ルカ「あと、何かいつもと
モア「違うのって?」
アユミ「夕食に、ってこと。最近パンと飲み物にハムかソーセージばっかりでしょ…」
ツグミ「そうだね…」
ソラ「何かできそう?」
ルカ「えーと…」
ルカとアユミは空で自分たちのステイタスを確かめる。
アユミ「カツオ
ソラもツグミもちょっと
ツグミ「パンとハム以外のものが食べたいね…」
ソラ「分かる…美味しいんだけど、最近ずっとそれだから…」
アユミ「わかった(笑)…」
ルカ「でも、大量に準備しなきゃダメだから、手伝ってね。」
ツグミ「うん、わかった…」
ソラ「もちろん!やらせてもらいますよ。」
アユミ「ホント、ソラは調子いいんだから(笑)…」
アユミたちが話している間にアイたちが戻ってきた。
アイ「ただいまー…」
アユミ「お帰りなさい…どうだった?」
ナオ「大丈夫。山の麓ならいつまでいてもいいって…」
アイ「戻ってきた時に、また村長さんに知らせてほしいって…」
ツグミ「よかった…」
ルカ「じゃあ、出発だね…」
アイ「すぐに行こう!」
アイの指示で、みんなはすぐにゴブリン退治をした山の麓へと出発した。
すぐにソラがアカリに今晩の料理の話を始める。
ソラ「あのさ、アユミがいつもと違う料理、作ってくれるって。」
アカリ「いつもと違うのって、どんなの?」
ソラ「え~と…何だっけ?」
アイ「分かってないじゃん。」
ルカ「(笑)…」
いい
アユミ「まだちゃんと決めてないけど…レンズ豆もあるからスープみたいなのができればいいかな…」
アカリ「ちゃんと決めてなくて大丈夫?」
ナオ「スープぐらいなら、作りながらあるもの入れていく感じでも大丈夫だよ…」
アユミ「まあ肉を
ソラ「へぇー…」
そんな話をしながら歩いているうちに、ナオはいつの間にかタクミの腕を取って自分の腕を
タクミはそんなナオの様子にあたふたする。
タクミ「あの~、ナオさん…」
ナオ「うん?どうかした?」
タクミ「いや~、その近いんじゃないかな…」
そんな2人に気づいて、アカリもタクミに自分の腕を絡める。
タクミはナオとアカリに
アカリ「あれ~?
タクミ「いや…その近すぎるけど…」
アユミやツグミはナオやアカリの様子に目を丸くして、ソラはゲラゲラ笑い出した。
ソラ「タクミ、すっかり捕まっちゃったんだ(笑)…」
ナオ「そう、今日は逃がさないから…」
タクミ「え~と…」
アイも
アイ「テント建てたり、他の準備をしてからね…」
タクミ「えっ?」
ナオ「了解。ちゃんとやることはやるから…」
ソラ「やってからヤルんだ(笑)…」
モア「ズルーい!」
モアは
ナオ「今日は私が最初にスルから(笑)…」
モア「ブー!」
ソラ「で、いっしょするのはアカリ?」
アイ「まだ経験のある子と少ない子がいっしょにしてくれる方がいいんだけど…」
アカリはタクミの腕を引っ張りながら笑う。
アカリ「分かってるって。ただタクミをおもちゃにしてるだけだから(笑)…」
アユミ「おもちゃって(笑)…」
ツグミ「…」
タクミは顔を真っ赤にして両脇にいるナオとアカリを見る。
タクミ「あの~、もう腕、離してくんないかな…」
ナオ「ダメー…山に着くまでこうしてるの…」
アカリ「そうそう、こうして遊んでるだけだから…」
アイ「え~とね…で、誰がナオといっしょにするの?」
ルカ「私はアユミちゃんと夕食の準備しなきゃ…」
ナオ「じゃあツグミ、一緒にしようよ。」
ツグミ「えっ?」
アカリ「それがいいんじゃない。魔法の練習は明日でいいじゃん…」
モア「えー、私、余っちゃうよ…」
アユミ「じゃあ夕食、手伝ってくれない?」
モア「う~ん…」
モアはまだタクミとするのが
それを見て、アカリはタクミから離れてモアのそばへ行く。
アカリ「明日、ヤラせてあげるから…それじゃダメ?」
モア「わかった…ただ、今はタクミの腕、持ってていい?」
アカリ「もちろんいいよ(笑)…」
アカリに言われてモアは喜んでタクミのところへ行き、さっきまでアカリが持っていたタクミの腕を手にとって引っ張った。
モア「イェーイ、イェーイ!」
タクミ「あの~…イテッ。」
ナオ「あんまり強く引っ張らないでよ…私まで引っ張られちゃうでしょ…」
モア「イェーイ‼」
全員「(笑)…」
モアがすぐに機嫌を直したので、他の女の子はみんな笑ってしまった。
話している間にみんなはゴブリン退治をした場所へと戻ってきた。
アイたちはすぐにテントを建てたり、かまどを造ったりして日常生活が送れるような準備をしていく。
それぞれが準備できると、集まって改めてこれからのことを話す。
アイ「じゃあ、武術ができるメンバーは集まって武術のスキルや身体能力の変化を確かめよう。」
アカリ「ナオはどうすんの?まだ昼まで結構時間あるけど…」
ナオ「個人的には今からシてもいいんだけど…」
ツグミ「ちょっとだけ魔法の練習しない?…」
ソラ「そう言うと思った(笑)…」
モア「それがいいー!」
ルカ「ツグミちゃんとナオちゃんがタクミ君とシちゃうと、モアちゃんひとりぼっちになっちゃうからね(笑)…」
ナオ「わかった(笑)…午前中はみんなと練習するよ…」
アユミ「ソラはどうするの?」
ソラ「今日はアイとかと武術の練習する。」
アイ「オーケー…じゃあ、タクミもこっち来て。」
タクミ「…ハイ…」
アイやアカリと向こうへ行こうとするタクミにナオが声をかける。
ナオ「タクミ、あんたは疲れないぐらいでいいから…」
アカリ「あんたもなに言ってんの(笑)…」
アユミ「ナオもエッチのことになるとワガママだね…」
ナオ「まあ、いいじゃん(笑)…」
アイ「ハイハイ…こっちも気をつけるから、そっちも気をつけてね」
アカリ「何かあったら言ってね。」
ツグミ「うん、わかった…」
ナオ「了解(笑)…」
ナオとツグミとモアは魔法の、アイとアカリとソラとルカ、そしてタクミは武術の練習をそれぞれ分かれて始めた。
アイたちは前方転回やバック転のようなアクロバティックな動きをしてみたり、木から飛び降りながら剣を使ったり、手裏剣を投げたりしてみる。
対してナオたちは『ウィンド』や『ウォーター』のような攻撃魔法や防御魔法の練習をする。
ナオたち魔法使いのグループもアイたち武人たちのグループも、やってみると明らかに何日か前よりも出来ることが増えていたり、能力が上がっているのが分かる。
ツグミ「「ウィンド・フラッシュ」も「ウィンド・ブロウ」も力が強くなってる…」
モア「やっぱり!」
アユミ「ちょっと見て…」
アユミが、モアが「ウィンド・フラッシュ」で切って落とした枝を
ナオ「確かに
ツグミ「だよね…」
アユミ「今回のクエストでしっかり魔法使ったのって、2日ぐらいでしょ…」
モア「それでも何か、グッと力が増えた感じ…」
ナオはうなずきながら、少し考えている。
ナオ「『ウィンド』の威力が増してるってことは、他の魔法もおんなじだから…
『ファイア』とかはこれから使う時注意しないと…」
その言葉を聞いて、モアも珍しく
そんなナオたちのところに一段落したアイたちもやって来た。
アイ「お疲れー…」
アユミ「お疲れ様…そっちはどうだった…」
アカリ「昨日言ったみたいに、やっぱいろいろ出来ることが増えて感じ…」
ソラ「まあ、個人差もあるけどね…」
ルカ「まあね…」
うつむきがちなルカとタクミを見て、アユミとツグミは少し表情を
ルカ「アイとかアカリみたいにはいかないね…」
アイ「まあ今日はアクロバティックな動きが多かったから…」
アカリ「剣や
タクミ「なんかオレ…何もできない感じ…」
ソラは肩を落とすタクミの腰を軽く叩く。
ソラ「ドンマイ、ドンマイ…ゴブリン退治でちゃんと働いてたじゃん…」
ナオ「そうそう、タクミもルカも十二分に戦力だよ…」
ルカ「うん…」
能力の変化と共にそれぞれの差が少しずつ見えてきて、お互いのことを意識せずにはいられなくなってきた。
アイはまだ少しうつむき加減のタクミとルカの肩を叩くと、全員を見渡して声をかける。
アイ「まだ時間もあるし、それぞれに練習して出来ることをちょっとずつ増やしてこう。」
ナオ「だよね…」
アユミ「昼食にしよう…」
アイとアユミの言葉に
その様子にツグミとアカリはホッと息を
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