【百合に挟まれるハーレム王】美少女百合カップルから疑似彼氏を頼まれたけど、どう考えても俺に欲情してる件 作:かくろう
「はいっ、ワンツーワンツー♪ そこでターンッ」
鏡張りの広いフロアでダンスを踊る美少女達。
フローリングに擦りつけられるトレーニングシューズのキュ、キュ、という音が耳心地が良い。
まもなく始まるキングキャッスルプロデュースのアイドルプロジェクトに向けて、ダンスの最終調整に入ったところだ。
レッスンは定期的に行なわれて、初めの頃に比べてみんなかなり上手くなった。俺は素人なので細かい善し悪しは分からないが、アイドル特有の柔らかい動きで見ているだけで応援したくなってくる。
運動が苦手な小春ですらしっかりと振り付けが完璧になっており、躍ってみた動画で人気を博しているキラキラアリスの二人と息ぴったりだ。
一応おさらいしておくと、今回のアイドルプロジェクトはキラキラアリスとホワイトミルクがコラボして小春、姉ちゃんペア。恵梨香、美緒奈さんペアの四人でスペシャルユニットを組んでキングキャッスルの全国店舗をアイドル活動して回る。
具体的にはどちらかのコンビに小春、姉ちゃんペアか恵梨香、美緒奈さんペアが加わる四人ユニットでそれぞれ近場の店舗を回り、その日の終わりに同じ宿泊施設で夜のミーティングとケアをする。
それぞれのスケジュール的にライブを行えない日もあるので基本的にどちらかのユニットが活動する日が多くなりそうだ。
学生の身分でもあるので基本的には週に一回である。
ミニホールでのライブも予定されており、テレビやネット番組への出演も予定されているそうだ。
そして夏休みの最終日においては大規模ライブハウスを借り切って解散ライブを行なう計画になっている。
俺は彼女達が全国を回っている間の精神的、肉体的ケア係を担っており、主にマッサージやエッチで精神と体力の回復を図る。
俺の神力は女の子達の体を望む姿にパワーアップさせることができる。
だからそこにいるだけで彼女達にとっては癒やしとなるし、精力的になるし、元気や活力の源になるのだ。
普通にイチャイチャするだけで元気になってくれるのは間違いないのだが、俺が彼女達と体を寄せ合うと高確率で発情してしまうのでエッチの回数は自然と上がっていくのである。
本来は美緒奈さんは店長なので店舗を離れるのは好ましくないが、勤務の合間を縫ってイベントに参加するつもりらしい。
「はい、それでは今日のレッスンはここまで。皆さんとても素晴らしいです。本番もこれでいきましょう」
『ありがとうございましたっ』
ダンス講師の女性にお礼を言い、退出した後に俺の仕事が始まる。
「みんなお疲れさま」
レッスンが終わった彼女達にねぎらいの言葉を掛けながらタオルを渡していく。
額から頬に掛けて流れる汗がキラキラとライトに反射する姿が美しく、彼女達の魅力を一層引き出している。
「にーちゃんどうだった?」
「ああ。綺麗だったよ。本物のアイドルみたいだった」
「ふへへぇ、やったねっ」
それぞれがそれぞれに個性がある踊り方をしており、本物のアイドルように一人一人に魅力がある。
しかして彼女達は素人だ。キラアリの二人は踊ってみた動画などをしているのでダンスの経験がある。
美緒奈さんもメイドカフェのサービスの一つにダンスリクエストがあるので踊りのレッスンは定期的に受けているらしい。
姉ちゃんと恵梨香は持ち前の運動センスで掴みが早かった。
だが小春はもともと運動音痴なところがあり、こういった激しい動きのダンスはむしろ苦手な分野であるはずだった。
「小春、大変じゃなかったか」
「うん。ギリギリついて行けてる感じかな。順平ちゃんの恩恵がなかったら無理だったかも」
美緒奈さんが言っていた神力の恩恵である。もともと運動が苦手だった小春ですら、回を追うごとに動きが良くなり、ダンスらしさが増している。
しかもここがスゴいところなのだが、急激に上手くなるのではなく、その人が一番魅力的に映る絶妙な個性が出るように成長させていく。
切れのあるダンス、柔らかいダンス、甘みを感じる可愛い動きが目立つダンスなど。
小春の場合は素人っぽさというか、見守ってあげたくなるような辿々しさが残る。俺もその方が小春らしいって思ったりもしている。
無論、小春がキレキレのダンスを踊ってもギャップがあって良いと思うが。
なにより小春にしてもほぼ全員が踊っていると別のところが激しく踊り始めるから目の保養になってしまう。保養になるのと同時に、俺の彼女達が欲望の視線に晒される未来に少し辟易してしまうのも事実だ。
だがそんなことでいちいち心を砕くような余裕のない男ではいけない。彼女達は一生懸命練習し、真剣にアイドル活動をしようとしているのだから、一番応援しなきゃいけない俺が器の小さいことを言っていてはハーレム王の名が廃る。
美緒奈さんの望む王の姿ってヤツに近づくためには、こんな小さなことでやきもきせず、恋人達を信用して堂々と構えているくらいでなければな。
「よし、それじゃあマッサージしようか」
「ウチからお願い~ッ、めっちゃ疲れたぁ~」
ここからが俺の仕事だ。
レッスンを終えて披露している彼女達の体に神力を注入すること。それが俺に与えられた仕事の一つだ。
これまで習ってきたところによると、神力というのは心の力だそうだ。
つまり俺が彼女達を好きであるほど、その力は大きくなる。そして逆もしかり。
俺の神力が強くなっているイコール、彼女達に愛されている証左なのだ。
「そんじゃあ足からやるか。みんないるから順番にな」
「わーいっ♪ 早く早くぅ」
ルームシューズと靴下を脱がして有紗の素足に指を添えると、運動で高まった熱量と興奮が伝わってくる。
普通のマッサージではなく、指先に神力を込めて体の隅々まで行き渡らせるイメージらしい。なので俺の心からのねぎらいを彼女鬼伝えるつもりで指先に込める。
「はふっ、んっ……なんかじわじわあったかいよぉ♡ にーちゃんのエッチな波動伝わる~」
「なぜエッチと決めつけるのかなぁ?」
謂れのない罪をかぶせられようとしているので、全力で弁解する必要があるだろう。
決して有紗の生足に興奮している訳ではないのだ。
「あひゃん♡ なんか力はいってるよぉ、やっぱり興奮してるぅ」
「ちょっとちょっと有紗ちゃん。マジでエッチなことになるからあんまり煽らないで」
希良里の声で少しだけ理性が戻ってきた。有紗は既に顔を赤くして息が弾み始めていたところなので本当に危ない。
この神力ってヤツはコントロールを誤るとどこでも女の子を発情させてしまうから危険だ。
しっかりと癒やしだけを与えられるように訓練している最中だが、女の子が魅力的だとどうしても欲情が強くなってしまう。
俺ってそんなに節操なしなんだろうか。希良里は希良里で止めようとしつつも生足を見せつけてくるから逆張りで煽っているとしか思えない。
「順平様、この場合は有紗ちゃんの方がエッチな雰囲気出しているのが原因ですよ」
「な、なるほど」
美緒奈さんが先んじて俺の心を読んでフォローしてくれた。
「あ、あの、フォローはありがたいんですけど、その」
「はい?」
可愛らしく小首をかしげて笑顔を向けてくる美緒奈さんにときめきそうになる。
それはそうとて、俺は彼女に”様付け”で呼ばれるようになった。
「その、普段から様付けってなんとかなりませんかね?」
「ダメですか?」
きゅるるん♡とかエフェクトが掛かりそうなキラキラフェイスで言われたら断ることができない。
一応俺を王に掲げるという彼女の目的の一環なのだが、彼女の中では様付けが一番自然な呼び方らしい。
神力で意識をコントロールされていないことは分かったが、このナチュラルキラーな魅力でコントロールされている俺は大概チョロいのかもしれない。
「あ、いえ。そのままで大丈夫っす」
「ありがとうございます♡」
「にーちゃん美緒奈ちゃんにデレデレすぎぃ。やっぱ大人の魅力なのかなぁ」
「俺はそんなに分かりやすいのだろうか」
「美緒奈さんの魅力はどっちかっていうとナチュラルキラーなところだと思う」
みんなはとても仲が良い。こういう会話にも一切の貴賤がなく、日を追うごとに遠慮し合う仲でなくなっていくのだ。
時々女子会もしているみたいだし、俺の恋人というコミュニティの中でみんなが仲良くなろうとしているのが伝わってくる。
そんな彼女達との思い出作りが幕を開けるのだ。
「さあ皆さんッ、本番まであと少しッ。みんなで全国回りましょうっ」
『おーっ!』
夏休み本番。これから楽しくなりそうだ。
◇◇◇
【side小春】
ダンスレッスンが終わり、順平ちゃんによるストレスケアの時間になった。
みんなが思い思いに靴下を脱いで生足を出し、なまめかしい動きをして順平ちゃんを誘惑し始める。
やっぱりみんな順平ちゃんに欲情して欲しいって思ってるんだ。
私もそうだった。順平ちゃんの神力を浴びるととっても幸せになって、疲れなんて吹っ飛んでしまう。
隣で有紗ちゃんの足の裏へマッサージしている順平ちゃんの指先を見ているだけで心が熱くなる。
セクシーな動きで皮膚を押し込む指先を見ると、私の中でジワジワと上がってくる熱量によって下着の奥に湿り気を感じた。
「こらこら有紗ちゃん。おとなしくマッサージを受けなさい」
「えー、ウチはちゃんと受けてるだけだよぉ。たまたま足を置いてる場所が場所なだけだよぉ」
有紗ちゃんは足を揉んでもらいながら反対の足で順平ちゃんのおちんちんをこすり始める。
いつもの悪戯なので本人もそんなに気にしていないが、実はそれなりに欲情が高まっているのが分かる。
それはみんなの性欲が強い、とかではなく……、順平ちゃんのそばにいると自然と生命力の高まりを感じて、それが性欲という形で現れているような気がする。
神力っていうのは生命力そのものであり、性の交わりがそれをもっとも強く生起させることができるからなんだと思う。
私たちはあの手この手で順平ちゃんにその気になってもらおうと色々なことを画策するんだ。
「ああん♡ にーちゃんのマッサージ気持ちいい~♡」
「変な声出すなよ。ムラムラしちゃうだろ」
「むしろしてよぉ」
悪戯を仕掛ける有紗ちゃんを適当にいなして希良里ちゃんのマッサージに入り、神力を通しながら筋肉をほぐしていった。
そしていよいよ私の番になり、順平ちゃんは足下に座り込んで靴下を脱いだ私の足を触る。
「んっ……」
「小春、色っぽい声出すなよ」
「ご、ごめん」
そうは言っても順平ちゃんの指からは心地よい神力がジワジワと入り込んで思わず声を上げてしまう。
使い慣れていない疲労した筋肉が癒やされていき、ゲームの回復魔法ってこんな感じなのかなぁ、なんて考えていた。
昔から順平ちゃんや花恋ちゃんが遊んでいたゲームを横で眺めるのが好きだった私は、すっかりゲーム知識も豊富になっている。
厳密に言うとゲームをプレイしている順平ちゃんを眺めるのが好きだったんだけど、ゲームのイベント一つ一つに一喜一憂している表情を見るのが楽しかったんだ。
順平ちゃんは私が退屈しないように話しかけてくれたり、花恋ちゃんも話題を振ってくれたりしていた。
樋口家の二人に青春時代をずっと捧げてきたから、私の価値観はほとんど順平ちゃんに寄っている。
普通は一人プレイ用のゲームを横で眺めているだけなんてしないだろうけど、私はその時間が好きだったし、順平ちゃんも察してくれて無理に別のことをしようとはしなかった。
(こ・は・る)
「んっ……ふぅ……(あれ?)」
ふと気がついた。順平ちゃんが指先でマッサージしながら足の筋肉にリズムを刻んでいる。
(あ・と・で・へ・や・に・き・て)
「あ……」
それは順平ちゃんからのメッセージだった。モールス信号のようなもので、多分、私にしか分からない。
実はこれ、私たちの間で一時期流行った遊びだった。昔から”夫婦”なんてからかわれていた私たちは、その名の通り長年連れ添った夫婦のようにツーカーの仲と言わんばかりに”無言の意思疎通”が出来ていた。
今になってみれば、それは魂同士の繋がりであり、神力の前兆のようなものが働いていたのだと分かる。
それで一時期、私たちがどれくらい無言で意思の疎通ができるか、というのを試す遊びが流行ったのだ。
肩をトントンと叩いて相手が何を言いたいのが当てる。ほとんどそれだけの事から始まったんだけど、だんだんと教室で内緒話するときの暗号みたいになった。
それが長じて体の一部をノックして意志を伝える疑似モールス信号みたいな技が身についていった。
これは花恋ちゃんにも内緒にしている、二人だけの秘密だった。
みんなには申し訳ないという思いもありつつ、私だけが知っている順平ちゃんとの秘密があるような気がして嬉しくなる。
別に優越感とか感じてみんなにマウントを取ろうなんて思ってない。それでも、他の子にはない自分だけの特別があることが嬉しかった。
私は揉まれている足の筋肉をクイクイと動かして順平ちゃんの信号に返信する。
(す・ぐ・い・く・ね)
揉み込んでいる指の動きがエッチになった。順平ちゃんが私との時間に興奮を強くしてくれたことが嬉しくなり、股の間にジワリと熱量が集まった。
「ねーねー。小春ちゃんとにーちゃん、なんか雰囲気怪しくない?」
「えっ、そ、そう?」
少々ギクリとして思わず声がうわずってしまった。
有紗ちゃんはいつの間にか私の肩に首を乗せて横顔を覗いてくる。
「なーんか嬉しそう」
「うーん、なんだろう。私たちに内緒で約束交わしてない?」
希良里ちゃんの鋭い指摘は的を射る発言だった。
「美緒奈さん、二人の神力どうなってますか? なんかテレパシー的な内緒話してたりしませんか?」
「うーん、そうですねぇ。順平様に触って頂けるのが嬉しい、みたいな感情は見えるのですが……特にテレパシー的な流れは見えません」
どうやらバレていないらしいことに安堵するも、それすら見抜かれてしまうのではないかと肝を冷やす。
別に悪いことをしている訳でもないのに、ちょっとドキドキしてしまった。