【百合に挟まれるハーレム王】美少女百合カップルから疑似彼氏を頼まれたけど、どう考えても俺に欲情してる件 作:かくろう
「じゃーねーにーちゃん♡ またあとで~!」
「おう、夕飯の買い出ししておくからな」
「今日はにーちゃんが当番だから楽しみ~♪」
「じゃあお願いね兄ちゃん。何か手伝うことがあったらやるから」
「ありがと
「うん。私も兄ちゃんの手料理楽しみ♪」
「そんな大したものはできないぞ」
「大丈夫。何を食べるかじゃなくて、誰の料理を食べるかが重要なんだもん」
嬉しい事を言ってくれる。これは気合いを入れて料理しなくてはな。
ちなみに料理当番は俺と
さっきも言ったが
俺もまだ命は惜しいので当分の間は二人で分担することになっている。
「んじゃねにーちゃん」
「兄ちゃん、またあとで」
「おう」
二人を下駄箱で見送って自分の教室に向かう。
3年生の教室は校舎の1階にあるので二人は1年生教室のある階段を上っていく。
「私達も行こうか、順平ちゃん」
「ああ」
「妬ましいぃい、妬ましいぃいぞ樋口順平~~~~」
「ひゃんっ」
「うわっ!? ビックリしたッ!?」
何事か振り返ったら同級生の男子共が雁首揃えて血涙(に見える汁)を流してハンカチを咥えている。
昭和のメロドラマか?
ビックリして寄りかかってきた
「何故だッ! 美少女インフルエンサー姉妹としてあらゆる名声をほしいままにしているキラキラアリスの二人が、どうしてデカくて冴えないすっとこどっこいにべったりなのだっ」
「誰がすっとこどっこいだ誰がッ。あとあいつら姉妹じゃねぇって
「百合は姉妹と同義なんだよっ!!」
「妄想男子舐めんなっ!!」
専門的な定義を素人に押し付けないでほしいなぁ。
「しかもなんか聞き捨てならないワードが聞こえたぞっ! 今日の当番とはどういうことだっ!」
「いや、メシの当番だって」
「なんでお前があの二人とメシの当番を決める必要があるんだっ!!」
「おかしいだろッ! 一緒に暮らしている訳でもあるまいにっ」
「幼馴染みだから」
「「「なんでその一言で片付くんだよぉおおおっ」」」
妙に勘の鋭いヤツもいるな。まあ昔から我が家とか町田家、門野家順番でご飯食べに行ったりしていたからあながち嘘でもない。
「しかもなんだっ!! 当たり前のように我らのアイドル雛町さんと一緒に登校しやがってっ」
「ふぇっ!? わ、私ッ!?」
いきなり話を振られた
おっぱいが当たって気持ち良いので役得だ。
あと、一応俺が冴えないすっとこどっこいだと言うのは訂正してもらいたいところだ。
何しろ童貞卒業したんだからな。今叫んでいる元同士達には悪いが先に行かせてもらうぜ諸君。
「校内でもイベントでもずっと一緒にいるじゃないかお前らッ!」
「この夫婦めっ!」
血涙を流す同級生達を放置して教室に向かった。
後ろの
◇◇◇◇◇
「そういえば、今週末だね、卒業旅行」
「ああ、準備抜かりないか?」
「うん。もうバッチリ」
今週末に予定している卒業旅行。
同級生の仲の良いグループ6人で温泉旅行に出かけることになっているのだ。
その中に俺と
男連中二人はこの旅行を機に彼女を作るんだと息巻いているが二人がどうしてもと言うので知り合いのツテを辿って女子を誘った。
二人は確保したがあと一人がどうしても捕まらなかったところに、意外にも
「しかし、今更だけど付いてきてくれて大丈夫だったの? 男女混合の旅行なんて」
「う、うん。ちょっと怖かったけど、順平ちゃんが一緒なら平気。せっかく卒業間近なんだもん。少しくらい高校生らしいことしたかったから」
「まあ
「ふふ……。そのおかげで私も勇気が出せたから」
「そういえば修学旅行も一緒のグループだったな俺達」
「うん。あの時は楽しかった♪」
「思えば俺達中学高校とずっと同じグループだったりすることが多かったな」
「そうだね。私、順平ちゃんがいなかったらいじめられただろうし、たぶん、引きこもりになってたもん」
それが割と冗談ではないからちょっと笑えない。
俺達の出会いは中学1年の頃まで遡る。
話せば長くなるから簡単に説明すると、今朝と同じようにナンパされていた所を俺と姉ちゃんで助け出したのがきっかけだ。
背が高かったので中学生には見えず、今ほどではないにせよかなり胸も大きかった。
詰まるところ大人顔負けの美貌の持ち主だった
そして彼女が言っている引きこもりになっていたというのも、あながち外れではないから笑えない。
中一にしてバストサイズは既に85を越えており(姉ちゃん調べ)、背丈も160センチ。
アルビノカラーにも見えるライトブラウンの髪は彼女の美貌を引き上げる。
精神が幼い状態で大人達にナンパされまくっていたら、それはもう精神を病んでもおかしくない。
そういう訳で俺と姉ちゃんで
「まあアレだな。
「うん、ごめんね、いつも迷惑かけて」
「いやぁ、俺は良いんだけどさ。それこそずっと一緒には居られないかもしれないだろ」
一応、俺と
なので単純計算であと4年は同じようにガードできたりもするけど、根本的な解決にはならないし、ようは問題の先延ばしにしかならないわけだ。
「まあ大学も同じだし、あと4年は守ってやるからその間に独り立ちしろ。何しろ
これは本当に冗談では済まされないからな。
「うん。ありがとう。あ、あのね順平ちゃん……っ」
キーンコーンカーンコーン……
何故か顔を真っ赤にして恥ずかしがった
3年生の授業は今日も午前中で終わる。
今日は料理当番なので材料の買い出しに行かねばならない。
「さて、帰るか」
「うん」
帰り際、
「お前ら当然のように一緒に帰ってるけど付き合ってないんだよなっ!?」
「それは何度も答えただろうに」
このやり取りも何度目なんだろうか。
長い付き合いであるから一緒に居ることが多いだけだと、同級生達には何度も説明しているのにこいつらは納得しようとしない。
強く否定するのもなんだか違う気がするので事実をありのままに淡々と告げるのみだ。
あまり何度も説明すると
◇◇◇◇◇
「ねえ順平ちゃん……」
「うん? どうした」
「あのね、今日、お家行ってもいい?」
「どうした急に? 姉ちゃんなら大学に行ってていないと思うぞ?」
「うん。
「姉ちゃんの奴め。母ちゃんがいないからってメシ作るのが面倒くさくなったな」
「ふふ。大丈夫だよ。
「うん? そうだなぁ。姉ちゃん美味いもの食ってる時は子供みたいな表情で喜ぶからなぁ」
この時、
「じゃあ一緒に夕食の買い出しに行こうか」
「うん、そうだね」
俺はスマホを取り出してグループトークにメッセージを入れる。
――【
するとすぐに
――【了━d(*´ ︶ `*)━解☆ 兄ちゃんのハンバーグ楽しみ~♪】(希)
――【
――【誰がするかっΣ(゜Д゜)】(順)
――【でも
――【何おっしゃいますかっ!? 笑顔こえーよっ。しないからっ! 一応恋人じゃない女性と二人きりだから報告な】(順)
――【にーちゃん真面目~♪ とりあえずりょーかい☆】(有)
こいつら俺を何だと思っているのだろうか。その辺りの分別くらいつけとるわ。
いやしかし、これからは彼女との距離感も考えて行かないといけないな。
今更ながらにそこに気が付いた。
二人同時というイレギュラーとはいえ、恋人ができた以上、お付き合いしていない女性とベタベタするような行為は控えないと。
カップル内感情を平和に保つ為にも恋人ではない女性との軽率な接触は避けないとな。
「なあ
「どうしたの順平ちゃん?」
「いや、実はな。俺、彼女ができたんだ」
「あ、そうなんだ」
「エラくあっさりしてるな」
俺達は付き合っているわけではない。
だが常に側にいるし、これまで何度も窮地を救ってきたりもしてきた。
うぬぼれる訳ではないし、恩に着せるつもりもないのだが、もう少し好ましく思ってくれてるような気がしていただけに、このあっさりした反応は軽くショックだった。
「だって、順平ちゃん格好いいし、いつか彼女できるだろうなぁって思ってたから」
そう言って寂しそうに笑う彼女を見て、自分の考えが浅はかだった事を思い知る。
「すまんな。実はつい最近の話だから言いそびれてたんだ。でも今日のことは恋人にも許可もらってるから」
「もしかして、
「ああ。実はそうなんだ」
「そっか。あーあ。とうとう順平ちゃんに彼女かぁ。まともに話せる男の人がいなくなっちゃうなぁ」
「心配しなくても許可はもらってるから、そんな急に関係性が変わるって訳でもないよ。仲の良い幼馴染みだから気心も知れてるし」
「そっか」
「うん。でも、一応彼女持ちになるから、今後は距離感に気を付けないとなって思ってさ」
「うん。分かった。私もいつまでも順平ちゃんに頼ってばかりもいられないし、一人で頑張れるようにしないとね」
今までの彼女を知っているだけに、心配になってしまう。
だけど俺が甘やかしてばかりいると彼女が成長する機会を奪ってしまうかも知れなかったことにも気が付き、今後も幼馴染みとして適切な距離感で付き合っていくようにしようと決意した。
「あ、それじゃあさっき言ってた当番って、
「まあ、そうなる。あいつも実質一人暮らしだし……うーんと」
俺は
そして三人一緒に暮らしていることも伝えた。さすがにレズのことや竿役の事は濁しておいたが……。
「あはは、なんていうか、二人らしいって言えばらしい感じがするね。でも、どっちか一方って言われるより納得感強いかも。今朝も二人との距離感がいつもと違うなって思ってたから」
「そっか。やっぱり分かっちゃうもんかな」
「うん。結構分かるよ。でも了解だよ。順平ちゃんと二人になる時は、ちゃんと二人に許可とってからにする」
「ああ。そうしてくれると助かる」
「私としては順平ちゃんに側に居てもらえるだけで十分だから……」
俺はこの時点で気が付くべきだったのかもしれない。
その時の
全てに裏で理由があったのだ。
だが俺はそのことに全く気が付かなかった。
――トクン……
心臓の音が聞こえた気がした。それは自分のものでは、なく、他の誰かの優しい音。
目の前の女の子が発しているような、そんな気がした。