※この作品はR-18です。

【百合に挟まれるハーレム王】美少女百合カップルから疑似彼氏を頼まれたけど、どう考えても俺に欲情してる件   作:かくろう

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姉ちゃんはどうして俺を好きになったの?

 免許合宿は無事に終え、念願の運転免許を取得した俺達は家へと帰ってきた。

 

 俺達は希良里(きらり)の家ではなく、自分達の実家へと戻り、母ちゃんに真相を聞くことにした。

 

「ただいま母ちゃん」

 

「お帰り順平、花恋(かれん)。免許は取れた?」

「ああ。無事に全員合格できたよ」

 

「そっか、おめでとう~」

 

「母ちゃん、一つ聞きたいことがあるんだ」

「どうした改まって」

 

「姉ちゃんと俺は、義理の姉弟なのか?」

 

「イエース正解っ! 花恋(かれん)は養女なんだな~。高校卒業したら伝えるつもりだったけど、姉ちゃんから聞いたの?」

 

「随分軽いね。まあ実際そんなに驚いてはいないけど」

 

「だろうね。花恋(かれん)はね、知り合い夫婦の子供なんだ。お前が赤ん坊の時に引き取ったのさ」

 

「なるほど……」

「……」

「……」

 

 母ちゃんは話は終わったとばかりにおやつをムシャムシャと食べ始める。

 

「え、それだけ?」

 

「別にそれ以外なにもないよ。残念ながら養女なのは姉ちゃんの方でお前じゃない。だから親子丼ルートはないよっ! 残念だったな小僧ッ!!」

 

「気色悪い事抜かすなよ……。一体なんの話をしとるんだ愚母めが」

 

 母親とそんな事になるなんてホラー案件でしかない。

 

 姉ちゃんは可愛いが母ちゃんとなんて考えるだけで怖気(おぞけ)がするわ。

 

「まあアレだ。姉ちゃんはお前が大好きだからちゃんと向き合ってやれよ」

 

「えっ、なんで母ちゃんがそれ知ってるんだ」

 

「だって姉ちゃんがあんまり順平のこと好きすぎるから早めに教えてやったんだもん。姉弟愛のことで(うつ)になりそうだったからな」

 

 姉ちゃんそこまで悩んでたのか。豪気に見えても実際はナイーブなんだよなぁ。

 

 さて、おちゃらけた話し方をする愚母の話はウザくて長いので聞き出した情報をまとめるとしよう。

 

 いわく、姉ちゃん・花恋(かれん)はウチの母ちゃんの友人夫婦の娘である。

 

 事故で亡くなった両親の代わりに引き取ることになった。

 

 ということらしい。

 

 乳飲み子だった姉ちゃんを引き取った時には既に俺が生まれていたので姉弟として育てたわけだ。

 

 以上である。なにかドラマチックな展開になるかと思いきや、別にそんな事はなかった。

 

 母が終始明るく話すので悲壮感は全然ないし、姉ちゃん自身もとっくに受け入れているから何も問題は無い。

 

 むしろ、血のつながりがないことによって俺への感情に納得がいったと、姉ちゃん自身は言っている。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 母の話が終わり、俺は姉ちゃんと二人きりで部屋に戻った。

 今日は久しぶりに自分の部屋で寝ることになったが、俺の膝には姉ちゃんが乗っかり、「頭を撫で撫でしろ」とのご命令を受けたのでそうしている。

 

 姉ちゃんは俺の胸板に頭を擦りつけながら甘えてくる。

 

 傍若無人な暴君である樋口花恋(かれん)という女性は途轍(とてつ)も無い甘えん坊なのだ。

 

 感情のコントロールが下手で、他人に、特に好きな人に対して自分の気持ちを表現することができない超絶ツンデレさんだった訳である。

 

「初めて順平を男だって意識したのは……小春(こはる)と出会ったその時だったよ」

 

「あの時か……」

 

 小春(こはる)との出会いは姉ちゃんと一緒に歩いて居る時に小春(こはる)をナンパから助けた事がきっかけだ。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 あれはもう6年近くも前の話になるんだな。

 

 俺は中学1年。姉ちゃんが2年の時の事。学校帰りに二人で歩いていると、同じ中学の制服を着た女の子が男達に囲まれている場面に遭遇した。

 

『姉ちゃん、あれナンパじゃないか? 女の子怖がってる』

 

 その時に一瞬の迷い無く走り出した俺を見て、姉ちゃんは初めて俺を男だと意識した。

 

 たったそれだけの事であるが、あの頃の俺はまだ道場の中でかなり弱い方だったから大人の男を相手に喧嘩できるほど強くもなかったし、勇気がある方でも無かった。

 

 でも小春(こはる)が同じ中学の制服を着ているのを見て、そこから逃げる自分が許せない……そんな思考が頭を駆け巡り、次の瞬間には走り出していた。

 

 結局ナンパ男達を撃退したのは姉ちゃんであり、俺はぶん殴られてその場に無様な格好でうずくまってしまうという醜態(しゅうたい)をさらしたに過ぎない。

 

 かっこ悪いにもほどがある……が、実は姉ちゃんと同じく、小春(こはる)もその瞬間に俺を男として意識していたと聞いている。

 

 姉ちゃんの中で、それまでの俺は自分より弱いナヨっちい奴でしかなく、あくまで弟であり庇護の対象であった。

 

 だが、自分よりも素早く女の子を助けるという選択をした俺を見て男であると意識することになったのだ。

 

 小春(こはる)を見た瞬間に怖がっている女の子にヘラヘラしながら行く手を阻んでいる男達に対する怒りや、困っている女の子を助けなきゃという気持ち。

 

 でも怖いという感情もあって……。

 

 だけどなにより、それを助けない選択をした自分を、俺は絶対に許せないだろうって気持ちが一気に噴き出して、気が付いたら男達の間に割って入っていた。

 

 後悔したくなかったんだ。だから迷わなかった。

 

 自分でもあれだけ迷い無く勇気ある行動ができたのは、それまでの人生で初めてだった。

 

 姉ちゃんはそんな俺を見て、初めて俺を勇気ある男だと認めてくれたのだろう。

 

 いわく、その時はまだその感情が恋愛のそれだとは思っていなかった。

 

「だけどさ、その頃から順平、どんどん男らしくなっていったんだよな……」

 

 姉ちゃんの瞳が俺を見上げる。真っ直ぐに見つめるその視線に吸い寄せられるように、俺はその唇に吸い付いた。

 

 

「んぅ……ちゅ……くふぅ♡ でかくなっていく順平が、どんどん好きになっていった。変だよな……。それまで弟だって意識しかなかったのに……」

 

 ウットリと見つめる眼差しは恋する乙女のそれそのものだ。

 

 姉ちゃんが愛おしい。そんな感情が強くなる。

 

 胸板に擦りつけてくる頭がこそばゆい。

 

「デッカいよなぁ順平の身体……。あたしさ、いつも順平のこと目で追ってた。道場でどんどん強くなっていく順平を見て、いつしか男として見てる自分に気が付いたんだ」

 

 だが姉ちゃんにとってそれは苦悩の始まりでもあったのだ。

 

 なにしろ俺は血の繋がった弟。当時はそう思っていただけに、その感情が許されない事だと信じて疑わなかった。

 

 俺に悟られないように当たりがキツくなり、ついつい悪態を突いて暴力的になってしまう自分に自己嫌悪するようになったらしい。

 

「そんで、小春(こはる)と付き合うようになったきっかけはなんだったんだ?」

 

「うん……。あの出会いからずっと、小春(こはる)とは仲良くしてたのは知ってるよな?」

 

「ああ」

 

 姉ちゃんと小春(こはる)は親友と言えるレベルで仲が良かった。

 こんな性格だから男女ともに怖がられるか、媚びられるかのどっちかが多かった。

 

 でも小春(こはる)と知り合ってからは姉ちゃんの態度は柔らかくなり、友達も増えるようになっていったのを覚えている。

 

小春(こはる)はさ、自分じゃ全然自信が無いとか言ってるけど、実際は人の痛みが分かる凄いヤツなんだよな」

 

「ああ。それは分かる。小春(こはる)は包容力があるっていうか、側に居ると心安らぐことが多かったよな、昔から」

 

 料理は上手いし、優しいし、包容力があるし、何よりアイドル顔負けの容姿に胸がデカい。

 

 男が惚れない要素がどこにもないのだ。

 

 加えて惚れた相手には一途で、母性も強い。俺もすっかりやられてしまった。

 

「うん。だからさ……きっと将来順平を取り合うことになったときに勝てないって思ったんだ。その頃には小春(こはる)もどうしようもないくらい順平の事が好きだって気が付いてた……だから」

 

 だから、小春(こはる)と俺を取り合うことがないようにして、なおかつ自分も傷付かないようにするにはどうしたらいいか。

 

 そのように考えるようになったらしい。

 

 順番を整理しよう。

 

 小春(こはる)を助けた時、姉ちゃんは初めて俺を男だと認識した。

 その時点ではまだ恋愛感情だとは思ってなかった。

 

 身体が成長していく俺を見て、徐々にその気持ちが強くなっていく事に気が付いた。

 

「道場の交流試合でさ、向谷(むかいだに)ってヤツと戦った時あったろ?」

「ああ、あの人か。すげぇ強かったよな」

 

 向谷ってのは他流試合をした時に相手チームの大将戦で戦った男だ。

 

 違う学校の俺と同じくらいデカい男で、めちゃくちゃ強かったのを覚えてる。

 

 今ではいいライバルだが、当初は才能を笠に着たすげぇ嫌な奴だったな。

 

 試合の最中に応援に来ていた有紗(ありさ)達を口説こうとしていたので激闘の末にぶちのめした。

 

 余談だが……向谷はその試合をきっかけに才能にかまけていた自分を見直すことができた、と言って感謝されることとなり、それ以降は互いに強さを切磋琢磨するいいライバルになっている。まあそんなに頻繁に連絡を取っているわけではないけど。

 

「あの試合の順平、すげぇ格好いいって思ったんだ……。戦ってる順平の姿見て……、その……」

 

 姉ちゃんはもの凄く恥ずかしそうに頬を赤らめて目を逸らしてしまった。

 

「すげぇ、濡れた……その日から、順平オカズにしてオナニーが止まらなくなっちゃったんだ」

 

 まさかのカミングアウトである。少し前の俺だったら戸惑いの方が強かったかもしれんが、今はそんな姉ちゃんを可愛いとすら思える。

 

 それが俺が中学2年。姉ちゃんが中学3年の頃だ。

 

 その後、俺を完全に男としてしか見られなくなった姉ちゃんは思い悩むようになる。

 

 そしてそれを見かねた母ちゃんが養女であることをカミングアウトしたという流れらしい。

 

「順平と恋をしていいんだって知ったとき、あたしの中に二つの感情が生まれた。順平と恋をしたいって気持ちと、他の子に取られたら取り返しが付かないって焦り」

 

 そしてその相手はもっとも身近な人物。小春(こはる)だった。

 

小春(こはる)が順平を好きなのは誰が見ても明らかだった。お前は有紗(ありさ)達に夢中だから気が付いてなかっただろ」

 

「お恥ずかしい限りだ」

 

「でも、結果的にそれが私に今回の計画を思いつかせるきっかけになった。だから私は本心を隠して小春(こはる)に告白したんだ。 『私はレズだから付き合って欲しい』って」

 

「姉ちゃんは実際レズだったのか? 予想だけど、本当は違ったんじゃないか?」

 

有紗(ありさ)達と一緒さ。あたしは順平を取り合わないために、『レズになった』んだ」

 

 俺を取り合わない為にレズになる。その意味について、姉ちゃんは語り始めた……。

 

 

◇◇◇

 

【side花恋(かれん)

 

 順平を男として意識し、もうどうしようもないくらい順平の事が好きになっていると意識し始めた時、あたしが思ったのは、如何にして順平と添い遂げるかだった。

 

 まず、あたしが順平と一対一で恋人になる。

 これはほぼ不可能だと思った。

 

 あたしは可愛くないし、ちんちくりんだし、ただでさえ有紗(ありさ)希良里(きらり)、なにより小春(こはる)のような魅力的な女の子達が順平の周りには多すぎる。

 

 そして三人とも、順平に恋している事は間違いないという確信があった。

 

 そのことに気が付いたのはまず小春(こはる)の気持ち。

 

 有紗(ありさ)希良里(きらり)も同じように順平に恋をしていると確信を持ったのはもう少し後になる。

 

 だからあたしはまず小春(こはる)から懐柔することにした。

 

 

 

 今からあたしは最低の告白をしようと思う……。

 

 

 

 あたしは自分の気持ちを偽って小春(こはる)にレズだと嘘をついた。

 

 でも、結果的にあたしは本当にレズビアンになっていくことになる。

 

 小春(こはる)はあたしの気持ちを受け入れてくれた。

 

 当時は何故受け入れてくれたのか分からなかったけど、実は小春(こはる)もあたしと同じ想いを抱いていたことが後で分かった。

 

 小春(こはる)は、あたしの真意を見抜いていたんだ。たぶん、無意識に。

 

 彼女と付き合い始めたのは1年と数ヶ月ほど前。だけど最初は本当に友達の延長みたいな感じだった。

 

 小春(こはる)は料理が上手だし、笑顔が可愛い。話も合うし……何より優しくて一緒にいて楽しかった。

 

 あたしは、そんな小春(こはる)にどんどん惹かれていった。自分が女である事も忘れるほどに、愛おしくなっていったんだ。

 

 あれはあたしが高校卒業を控えた頃、時期としては丁度今ぐらいの季節だった。

 

 あたしは小春(こはる)に初めてエッチを迫った。

 興味はあったし、その頃には小春(こはる)の事もどうしようもないくらい好きになってしまって、衝動を抑える事ができなかった。

 

 小春(こはる)を無理やり押さえつけて、唇を奪った。

 

 泣いた……。小春(こはる)は初めてあたしを拒絶した。

 

 その涙で我に返ったあたしは、自分がどれだけ愚かな行為をしたのか悟った。

 

 泣きじゃくる小春(こはる)の涙が、あたしの罪深さを象徴していた。

 

 正気に戻ったあたしは誠心誠意土下座して謝り、自分の本心を打ち明けた。

 

 自分の考えと、小春(こはる)への想いと、順平に対する気持ち。

 

 自分の全てを曝け出し、どうしたいのかを全て伝えた……。

 

 小春(こはる)は、あたしの全てを(ゆる)し、受け入れてくれた。

 

 全ては順平と結ばれるため。全ては好きな人と添い遂げるために。

 

 加えて、小春(こはる)はあたしの愛にも応えてくれた。その時点で順平と同じくらい小春(こはる)のことも好きになっていたあたしは、自分の想いを叶える為に、いや、欲望を叶える為に小春(こはる)に甘えた。

 

 そして小春(こはる)も、同じ想いで受け入れてくれた。

 

 それから、一年間……、あたしは小春(こはる)と共に性感帯の開発に努めた。

 

 そして、性癖が目覚めていった。

 

 小春(こはる)は順平に染められることを……、あたしは順平に奪われることを望むようになる。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 小春(こはる)とのエッチが回数を重ねていくごとに、二人の想いはどんどん大きくなっていった。

 

 時を同じくして、あたし達と同じかそれ以上に強い想いを順平に向けている二人と意見を通じ合わせた。

 

 有紗(ありさ)希良里(きらり)だ。なんと二人はあたしと同じように、もっと前から自分達がレズになって順平と結ばれるための計画を進めていた。

 

 考え方ややり方までそっくりだった事に驚きつつも、そのことに気が付いたのは偶然二人のエッチをあたしが覗いてしまった事がきっかけだった。

 

 二人はあたしなんかよりよっぽど理性的に、計画的に順平との思いを成就するための計画を進めていた。

 

 ファーストキスすら順平のために保持し、陰毛を除去して体型を磨き上げる。

 

 その努力も全て順平のため。その頃には既に有名なインフルエンサーマーケティングで社会的地位すら手に入れているほどの執念だった。

 

 あたしは二人に自分の計画の事を話した。いや、あたしのは計画なんて呼べるようなものではなかったけど、思いが同じである事を伝えた。

 

 それは、二人が協力して順平に迫ったら、確実にあたしだけが取り残されると分かっていたからだ。

 

 有紗(ありさ)希良里(きらり)小春(こはる)が大好きだった。だからきっと小春(こはる)の事も誘って取り込むだろう事は予想が付いた。

 

 あたしは二人が直接の行動に移してない事に安堵したが、二人は……いや、特に希良里(きらり)の執念は凄まじかった。

 

 有紗(ありさ)も同じ想いを抱いてはいたものの、直接の行動に移すほどの意志力はなかった。

 

 それを勇気と呼ぶか、異常性と呼ぶかは人によって分かれるところだけど、希良里(きらり)はあたしの願望すら見破っていた。

 

『私達が先に仕掛けてもいい? その方が花恋(かれん)ちゃんは嬉しいよね♪』

 

 その時のあたしは、きっと小春(こはる)や順平に指摘された時のような酷い顔をしていたに違いなかった。

 

 そうして、百合で挟むというあたし達四人の計画が始まった。

 

 

 小春(こはる)はまだ半信半疑だったが、あたしは希良里(きらり)のもたらす様々なアイデアを元にして計画を練った。

 

 単純なハーレムでは順平は受け入れてくれないかもしれない。

 

 だから互いに愛し合う百合カップルで挟むことで、順平の逃げ道をなくしていく。

 

 

 でも、よくよく考えたら最初から四人で順平を囲んでしまえばハーレムを受け入れてくれたかもしれない。

 

 そんな単純なことで良かったんだと気が付いたのは、実際に順平と触れ合ったこの二週間での話だ。

 

 

 それでも、結果的にあたし達はこれで良かったんだと思う。

 

 だってお互いが愛し合っていれば順平を取り合って醜い争いをしなくて済む意識の防波堤ができる。

 

 いや、心の誓いと言ってもいいかもしれない。

 

 

 互いに愛し合い、もっとも愛する順平を悲しませるようなことをしない心があれば、あたし達はきっと順平を囲んで幸福を手にすることができるからだ。

 

 

 あたし達にとって1番大事なのは順平が幸せになること。

 

 順平にとっての幸せが、あたし達の中にいる誰か一人だけだったら、その時は潔く諦めよう。

 

 だけど、あたし達だって幸せになりたい。順平と幸せになりたい。

 

 

 そして誰一人不幸になって欲しいとは思ってない。失恋して欲しくない。

 

 この先の未来で、誰一人として順平以外の誰かと新しい関係を結ぶビジョンなんて1ミリも想像できなかった。

 

 

 だからこその百合だったのだ。それは順平にとって本当に幸せになり得るのかという疑問もあった。

 

 順平の幸せをエゴで決めつけて奪ってしまわないか。

 

 だけど希良里(きらり)はいった。

 

『兄ちゃんはきっと受け入れてくれる』と。

『だって兄ちゃんはあたし達二人のこと大好きだから』と。

『気が付いてないけど小春(こはる)ちゃんの事も大好きだから』と。

 

 そして、

 

花恋(かれん)ちゃんの事もきっと好きになってくれる』……と。

 

 有紗(ありさ)も、希良里(きらり)も、そして小春(こはる)も……あたしの為に動いてくれた。

 

 あたしのために、いや、本来は自らの幸福の為というのが大きいけれど……それでもあたしの為に計画に協力してくれたんだ。

 

 あたし達全員で、順平を幸せにするって誓ったんだ。

 四人の中で、きっとあたしだけが自分のエゴで動いていたに違いない。

 

 それでも、彼女達の思いに報いるためにも、あたしだって全力で順平を愛するって誓ったんだ……。

 

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