※この作品はR-18です。

【百合に挟まれるハーレム王】美少女百合カップルから疑似彼氏を頼まれたけど、どう考えても俺に欲情してる件   作:かくろう

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取り囲まれる恵梨香

 新学期が始まった。

 高校も大学も既に始まりを迎え、俺達はいつものように学び舎に向かう電車の中にいた。

 

「えへへへ」

「どうした希良里(きらり)?」

 

 なんでか嬉しそうな笑いを浮かべる希良里(きらり)

 だがその理由も、甘ったるいものであることは明白だった。

 

 この頃の希良里(きらり)は他の人の目を気にすることなく俺に引っ付いてくる。

 

「ねえ希良里(きらり)。もう隠すのやめるの?」

「ん~。そうだなぁ。もうほとんどの人は分かっちゃってると思うんだよねぇ。だから有紗(ありさ)ちゃんも」

「察し~、ぎゅ~~♡」

 

 どうやらもう彼女達は自分達の関係を隠すつもりはないらしい。

 両サイドからくっ付いてくる二人の肩を抱き、髪を撫でてやる。その後ろには小春(こはる)がさり気なく身を寄せており、俺は新学期の朝っぱらから周囲の大注目を集めている。

 

 デカくて目立つ男が美少女を三人もはべらせていたら目立たない訳がないのだが、希良里(きらり)によればそこも計算ずくなのだという。

 

 どっちにしても馬アニキ=俺という図式はバレる。だったらこそこそ探られるよりキラキラアリスには常に俺がいることをアピールしてしまった方が良いと考えているようだ。

 

 まあ普通に考えたら隠した方が良い。だが隠そうとすることは叩かれるのが世の常だ。

 

 秘密を暴いてやろうと躍起になるヤツの脳汁を出させるくらいなら、初めから明け透けにしてしまい、最終的に受け入れられるように仕向けた方が良い。

 

 そして、複数の異性と交際していることを世間に認めさせる布石にしようと考えているらしい。

 短期的な視点ではなく、先の先の先の先まで考えての作戦だ。

 

 いらぬ誤解や世間の冷たい風を浴びることにもなろうが、それを認めさせることさえできれば、誰憚(だれはばか)ることなく皆で交際することができる。

 

 とはいえ、問題は多いだろう。まずもって親御さん達になんて説明するのか。公開することで余計な軋轢(あつれき)を生まないのか。

 知らなくても良い人にまで知らせてしまわないのか。

 

 そこで重要になってくるのが、俺達自身がどれだけ真剣であるかをアピールするかが重要になってくる。

 

 世間の風に負けているようでは周りの人達を納得させることはできない。

 

 希良里(きらり)有紗(ありさ)も、最終的には歓迎はされなくても、最悪親子の縁を切ってでも俺達全員で添い遂げるための下準備をしているのだ。

 

 もちろん、皆に認めてもらって家族全員幸せになるのが理想型だ。

 理想通りにいかなくても、誰と一緒にいるのが幸せであるか。それが彼女達の考えてるハーレムの終着点だ。

 

 これには有紗(ありさ)小春(こはる)も姉ちゃんも賛成している。

 

 まだ日の浅い若菜(わかな)紗理奈(さりな)に関してはこの考えを押し付けることはできないと言っているが、最終的には二人とも離れられないようになるくらいお互いを大切な存在になれればいいな。

 

 

 

 一駅を越える頃になると次の乗客達が乗ってくる。その中に俺達のよく見知った顔があった。

 

「おっはようっごっざいます皆さん、っていうかっ! なんで希良里(きらり)ちゃんと有紗(ありさ)ちゃんはペー君に引っ付いてるんですかッ!!」

 

「だから言っただろう。俺はモテモテなのだ」

 

 そう、次の駅で乗ってきたのは恵梨香(えりか)だ。家の位置的にこっちの駅から乗った方が近い恵梨香(えりか)はいつもこの駅で合流することが多い。

 

 遅刻の常習犯なので一緒になることは滅多にないが、今日は珍しく早起きしたらしい。

 

「マジですか。童貞野郎の卑しい妄想が生み出した負け惜しみだと思ってたのに」

「お前友達じゃなかったらぶっ飛ばしてるところだぞ」

 

「そうそう、実は私、昨日新しいお友達ができたんですよっ」

 

 話の筋をオール無視して別の話題を振ってきやがった。相変わらずフリーダムな女だな。

 

「新しいお友達?」

 

 小春(こはる)がその話題に乗っかる。

 

「なんとホワイトミルクの若菜(わかな)ちゃんなのですっ。しかもこの近くに住んでるらしいんですy――むぐぐっ」

 

 デリカシーのないことを大声で喋る恵梨香(えりか)の口を慌てて塞ぐ。

 

「バッカお前。有名人の住所バラしてどうするんだ」

「むーっ! むーっむーっ!」

 

 俺は声を潜めて恵梨香(えりか)に言い聞かせてやる。

 

「お前な。友達が家バレして迷惑行為にさらされてもいいのか?」

 

 フルフル――ッ!

 

 首を横に振る恵梨香(えりか)は何かを悟ったように大人しくなって脱力する。もう騒ぐことはないだろうと手を離した。

 

「そうでした。若菜(わかな)ちゃんは有名人なのでした」

「お前ガチファンのくせにそんな事も理解してなかったのか」

「だってぇ。話してみたら凄く話が合うんですもん。憧れの女の子が友達になってくれたから嬉しかったんです」

 

「その気持ちは分かるからさ。まあ少し落ち着け」

「わ、分かってますよ。童貞のペー君が私に説教するなんて生意気ですっ」

「まだ言うかこのアマ」

 

 その時、有紗(ありさ)が悪戯っぽい笑顔を浮かべて恵梨香(えりか)の腕を掴む。

 通勤ラッシュで混み始めた車両の中で隅っこに追いやり、俺の身体の前に持ってくる。

 

「ふやっ!? あ、有紗(ありさ)ちゃん?」

「だったら恵梨香(えりか)ちゃんもにーちゃんの魅力を共有しようよー」

 

「にょあっ!? ちょ、ちょちょちょっ、何するんですかッ」

 

 ドアの前に追いやられた恵梨香(えりか)はラッシュの人の波に呑まれて俺の身体に密着する。

 

「ほ、ほほほほっほわわわ……ぺ、ぺぺぺ、ペー君、いくら童貞拗らせたからってぇ、この可憐な美少女の身体を痴漢して味わおうなんて姑息でございますですわよおおおっ」

 

 ドアと俺に挟まれて訳の分からないことをほざいている恵梨香(えりか)にワザとくっ付いてみる。

 

「あ~~~~、電車のゆれが~~~(棒)」

 

 蹴りを出せないように足を押さえ、殴れないようにガッチリと腕を抱えて抱き締める。小ぶりなおっぱいがむにゅぅと潰れてそれなりの充実感があることを知らせてくれた。

 

 うーん、これはこれから大きくなるタイプかもしれないな。恵梨香(えりか)のママさんはおっぱい大きいし、友梨佳(ゆりか)さんという彼女の実姉もかなり大きかったから、もともと血筋的には素養はあるはずなのだ。

 

 ちなみに恵梨香(えりか)には上に年の離れた姉が2人おり、1人は実姉、1人は義理の姉だそうだ。会社勤めをしているので道場側であったことは少ないが、2人ともすごい美人である。

 

 顔を真っ赤にした恵梨香(えりか)は胸板に頭突きをかますが力が入っておらず痛くない。

 

「ぷえぇ……、ぺ、ペー君、このままホテル連れ込むんですかぁ……?」

 

 

 なぜか俺がホテル連れ込むことになっている。どっちが妄想豊かなんだかな。

 

「慌てるな恵梨香(えりか)。誰も無理やり連れ込むなんて言っていないぞ。ちゃんと手順を踏んで連れ込んでやるから安心しろ」

「そ、そうですかぁ……よかったぁ……って良くないッ! なんで連れ込もうとしてることは否定しないんですかっ」

 

 顔を真っ赤にした恵梨香(えりか)はどうにか俺の拘束から逃れようとするが、両側に有紗(ありさ)希良里(きらり)がガッチリと固めてしまって左右どちらにも逃げることができなくなっていた。

 

「あれれ~、わ、私、なんで囲まれてるんですか?」

 

「ほらほらぁ。にーちゃんとくっ付こうよ。もう聞いてるんでしょ」

「兄ちゃんには6人彼女がいるからね。経験豊富な兄ちゃんに籠絡してもらおうよぉ」

 

「ほへほへ~~っ。じゃ、じゃあアレってガチなんですかぁ? こ、小春(こはる)ちゃんも?」

「う、うん。まあね」

 

 小春(こはる)はいつの間にか恵梨香(えりか)の後ろに回り込んで後ろから抱き締めている。こはるっぱいはウブな女の子をも魅了してしまう魔性の乳だ。

 

 完全にオーバーヒートしかけているのでさすがに止めた方が良いと思い皆にストップを掛ける。

 

「みんな、恵梨香(えりか)が混乱してるからいったんストップだ」

「「「はーい♪」」」

 

「ほへ、ほへ~~……」

恵梨香(えりか)、大丈夫か?」

「はひぃ……。ほ、本当にみんな一緒に付き合ってるんですか」

「ああ、まあな」

 

(パパ達みたいなことしてる人、他にもいたんだ……)

 

「うん? 何か言ったか?」

「い、いえ、なんでもありません」

 

 

「あ、駅着いた。じゃあにーちゃん。また後でね」

 

 有紗(ありさ)達が降りる駅に到着し、まだ混乱冷めやらぬ恵梨香(えりか)を連れて下車していった。

 

 さり際に有紗(ありさ)から耳打ちされた言葉が印象に残る。

 

(ウチが恵梨香(えりか)ちゃん仲間に引き入れてみるね♡)

 

 あんまり無茶はして欲しくないが、俺も恵梨香(えりか)とは仲良くしたいと思っているので任せることにした。

 

 

◇◇◇

 

 

【side有紗(ありさ)

 新学期始まって数日。

 

 ウチは希良里(きらり)と一緒に恵梨香(えりか)ちゃん引き入れ作戦を開始した。

 

 誤解の無いように言っておくと、軽い気持ちで彼女を引き入れようとしているわけじゃない。ただ順番を見極めていただけだ。

 

 私達にとって恵梨香(えりか)ちゃんは大切なお友達。それに、同じにーちゃんを好きになった者同士だからだ。

 

 ただ、正直なところ百合ハーレム作戦の初期段階では彼女は候補から外れていた。

 

 彼女は嘘がつけない素直で純粋な性格で、駆け引きとかそういうのがこの世でもっとも苦手な人類だし、にーちゃんに対する本気度が分からなかったからだ。

 

 つまり、性別を超えた繋がりを受け入れられるかどうか。

 

 希良里(きらり)の受け売りだけど、ハーレムをやる上で必須なのはにーちゃんを中心とした女の子達が不和を起こさない関係性を築く事ができるかどうかだ。

 

 もしも新しく入った人がにーちゃんを独占したいが故に私達の関係性を壊そうとするなら、そうなる前に排除しないといけない。

 

 だからそうならない為の事前の対策。全員の繋がりを強固なものにしておくこと。

 

 最終的に全員が一丸となってにーちゃんの幸せのために動けるのが理想だ。そのために独占欲が暴走することだけはなんとしても避けないといけない。

 

 互いが互いに大切な者同士になれば、ハーレムを崩そうと考える者が出てくる可能性は低くなる。

 

 そのために必要なのがバランスだ。

 

 あくまでもハーレムの中心はにーちゃんだけ。にーちゃんより優先するものがあってはいけないんだ。

 

 そういう意味で言うなら、希良里(きらり)若菜(わかな)ちゃんの関係も、今は【希良里(きらり)>にーちゃん】になってる若菜(わかな)ちゃんの意識を【にーちゃん>他全員】レベルに持って行く必要がある。

 

 言い方は悪いけど、若菜(わかな)ちゃんは紗理奈(さりな)さんの次いでみたいなところがあった。

 元々男性嫌いの気がある若菜(わかな)ちゃんをハーレムに引き入れる必要は本来なら無かったけど、そうなると彼女から紗理奈(さりな)さんを引き剥がすことになる。

 

 私は後で知ったのだけど、希良里(きらり)若菜(わかな)ちゃんがズブズブの依存体質だと見抜いていたらしい。

 

 だから紗理奈(さりな)さんがにーちゃんに心酔してしまった今、彼女の心のバランスを保つには自分がその対象になる必要があった、と。

 

 若菜(わかな)ちゃんみたいなタイプは自分に依存させることで沼に嵌めて抜け出せなくし、その後じっくりとにーちゃんの魅力にハマらせばいいってことらしい。

 

 相変わらず希良里(きらり)の考えていることは他者からみればサイコパスも良いところだろう。

 多分、にーちゃんの幸せを阻害しようものならウチですら容赦無く排除しようとするだろうなぁ。

 

 希良里(きらり)にとって最高の望みは兄ちゃんが幸せであること。そしてその中心に自分がいることなのだから。

 まあその立場ってナチュラルに小春(こはる)ちゃんにお株を奪われてるんだけど、絶対に勝てない高みにいる小春(こはる)ちゃんにはある意味で諦めが付いているからいいんだってさ。

  

 今では小春(こはる)ちゃんでは積極的に考えつくことができないハーレム全体の運営に関する参謀になることで、にーちゃんの役に立ちたいと考えるようになった。

 

 頭の良すぎる希良里(きらり)は少々人の気持ちが考えられない時があるから、ウチがバランサーになっておかないと、それこそ不和を引き起こしかねない。

 

 希良里(きらり)だって他の人をどうでもいいと考えているわけじゃない。

 あくまで兄ちゃんが最優先すぎるが故に、ビックリするくらい冷徹になってしまうところがあるだけだ。

 

 だからウチは希良里(きらり)の百合になろうって提案を受け入れた。ウチが受け入れなければ、希良里(きらり)はどんな暴走をしていたか分からない。

 

 今の希良里(きらり)にとって、最低でも意識下において対等になっている4人。

 つまり、ウチ、希良里(きらり)小春(こはる)ちゃんに花恋(かれん)ちゃん。

 

 この4人が(はべ)るハーレムの図式だけは守りたいと考えている筈だ。その他の人達は自分がコントロールしなきゃいけないと思っているらしい。

 

 希良里(きらり)の見立てでは紗理奈(さりな)さんはほぼ心配ないらしい。完全ににーちゃんに心服してるし、ハーレムに迎合(げいごう)することに抵抗は一切ない。

 

 若菜(わかな)ちゃんの依存先が姉から希良里(きらり)に変わったことで、紗理奈(さりな)さんは自由になったから、とのことだ。

 

 恵梨香(えりか)ちゃんにしたってそうだ。

 

 彼女がにーちゃんに恋してることなんて誰が見ても分かってしまう。

 だけどそれはあくまで普通の恋愛の範疇(はんちゅう)を出ない。

 

 ウチらが計画した百合ハーレムにおいては、彼女の【ごく普通の倫理観】はむしろ弊害(へいがい)になる可能性が高いのだ。

 

 じゃあその恵梨香(えりか)ちゃんを不和なくハーレムに引き入れるにはどうしたらいいか。

 

 それは、ウチらと百合になることを受け入れれば、にーちゃんと添い遂げることができると理解してもらうことだ。

 

 いや、逆に言うなら、にーちゃんと添い遂げるために、少なくとも女同士で裸を見せ合うことを抵抗なく受け入れる意識状態。

 

 もっと言うなら、目の前に同性の裸があっても平気になってもらわないといけないのだ。

 

 ハーレムをするなら同性同士の肌が触れ合うことに抵抗があってはやっていけない。何しろ全員でにーちゃんにご奉仕しないといけないからね。

 

 前にも言ったけど、ウチらが百合になったのはお互いがにーちゃんを取り合わないようにするため。

 

 ハーレムの人数も増えてきたし、どうしたって数にあぶれる人は出てくる。そのために、にーちゃんの手が空かない時の寂しさを埋めるために、百合は必要だったんだ。

 

 言うなれば、百合を受け入れることは【(みそ)ぎ】みたいなものだ。

 その覚悟がないなら、諦めて別の恋愛を探した方が良い。

 

 まあ、最低限百合は無理でもにーちゃんが他の女の子とイチャイチャしているところを受け入れて見ていられるなら問題はないとも言える。

 

 そこに嫉妬があってはいけない。それを埋めるための百合ハーレムだ。

 

 だけど、それはあくまで計画が始まる前の段階での話だ。

 

 これも希良里(きらり)いわくだけど、もうにーちゃんは恵梨香(えりか)ちゃんのことを可愛いと認識してしまっている。

 

 彼女を他の男に渡すなんて勿体無いことできないじゃない、なんて言っているのだ。

 

 なんとも【兄ちゃん至上主義】の希良里(きらり)らしい考え方だ。極端なことを言えば、程度の差はあってもにーちゃんが気に入った女は全部引き入れようとすらするだろうな。

 

 でも恵梨香(えりか)ちゃんに関してはウチも同意見♪

 

 今更彼女が他の男のものになるところなんて見たくないからね。

 

 そんなわけで、ウチらは恵梨香(えりか)ちゃんを籠絡するための作戦に乗り出すことにしたんだ。

 

 全てはにーちゃんと皆でハッピーになるためのプロセスなんだから。

 

 前置きが長くなったけど、ウチはそんな思いを胸に、恵梨香(えりか)ちゃんにアプローチを開始した。

 

 ただ、この後に待っている展開は私達全員が予想していなかった。

 

 結論を先に言うと恵梨香(えりか)ちゃんはハーレム入りを受け入れることになるのだけれど、それはウチらが思いも寄らなかった経緯でそうなっていくことなる。

 

 

 

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