【百合に挟まれるハーレム王】美少女百合カップルから疑似彼氏を頼まれたけど、どう考えても俺に欲情してる件 作:かくろう
メイドカフェ【キングキャッスル】のオープンを明日に控えた本日、俺はキラキラアリスの二人と共にコラボ動画の撮影に来ていた。
「メイドカフェって本物は初めてだー。楽しみ♪」
この間のリゾートは特別店舗ということもあって、ちゃんとした店舗には初めてらしい。
俺も人生初メイドカフェだ。同じように俺も楽しみである。
「少し早いけど、入って良いってさ」
予定の時間より早く着いてしまったが、連絡をしたら入って良いとのことだったので店の入り口から入らせてもらう。
「「「お帰りなさいませ、ご主人様♡」」」
扉を開けると先頭にレオナさん。左右に立ち並ぶメイド達が一斉に可愛い声でお決まりの挨拶をしてくれた。
そしてその中で一人、ワナワナと震えて俺を指さすメイドがいた。
「な、ななななっ、なんでペー君がここにいるんですかぁっ!」
「お前が来いって言ったんじゃないか」
「そうですけどなんでオープン前日に来るんですッ!?」
「キラキラアリスとコラボするからに決まってるだろう」
「だからなんでっ!?」
「あ、俺今日、撮影係な」
俺は手に持ったスマホを掲げて見せる。
信じられないものを見たと言わんばかりの表情でワナワナと人の事を指さしてやがる。
「あれ、知らなかったのか? 俺キラキラアリスの専属カメラマン」
「し、知らなかった。二人とも教えてくんなかった」
「黙ってたら面白いと思って俺が差し止めておいた」
「ぐぬぬぬ……」
「ミメットちゃんとお知り合いだったんですか?」
「あ、レオナさんおはようございます」
「おはようございます樋口さんっ! お待ちしておりましたっ!」
約束の時間にお店に着いたときにはレオナさんが待機してくれていた。
以前は落ち着いた雰囲気の人に感じたが、今日の彼女は非常にはつらつとしている気がする。
「ミメットって言うのは?」
「あ、源氏名です。お店の中で本名を保護するための偽名ですね」
「あー、なるほど。確かに本名ではマズいですもんね」
「その通りですよペー君。ここでは
「一人称が本名になってるぞ」
「あ、間違えた。ミメットのことはミメットちゃんとお呼びくださいませ、ご主人様」
なるほど。本名を保護する為に使う名前か。噂には聞いていたが本当にそういうの付けるんだな。
「ん、と言うことは
「うん。私はルルーネ。愛称はルルちゃん。異世界のお嬢様が花嫁修業に地球にやってきたんだって」
「随分本格的な設定だな」
「うん、ちょっと覚えるの大変だった」
「姉ちゃんもあるの?」
「ああ。アタシはイヴだ。イヴ・リンカニア・エルローだ」
「随分ご立派な名前なことで」
「アタシも異世界の貴族なんだとよ」
メイドカフェといえども設定はかなり凝っているようだ。本格的なほど没入感が強くなるってことなんだろう。
「樋口さんはミメットちゃんともお知り合いなんですね」
「ええまあ。幼馴染みでして」
「ふーん、なーるほど」
「な、なんですか?」
レオナさんが意味ありげな笑みを浮かべている。
「いえ、なんでも。ところで、以前渡した名刺の意味、分かりました?」
「あ~、実はまだ……」
久しぶりの話なので何のことか説明すると、プールリゾートで彼女と初めて出会った時に渡された名刺の話だ。
アレには何か秘密があると言われているのだが、裏返したり反対から文字を読んだり、光に透かしてみたりしても意味のある何かは見えてこなかった。
「うふふ、答えが分かったら教えてくださいね♡」
満点スマイルにウィンクをされ、俺の心臓は高鳴る。
その答えは謎のまま、彼女は仕事に戻ってしまった。
「
「いえいえこちらこそ」
「楽しい撮影にしましょうっ」
「それじゃあ、本日のキャストを紹介しようと思います。と言っても、半分は見知った顔ですけどね」
今日の撮影に協力してくれるキャストは、
並み居るベテラン達を差し置いてこの三人が選ばれたのは、研修中において非常に優秀な勤務態度が評価されてのことらしい。
姉ちゃんはキッチンのリーダー。
そしてそれらを総括するのが店長のレオナさん。
他にも他店舗からの応援や、コンセプトカフェの経験者。
初期キャストは総勢で20名ほど採用しているそうだが、それらを押しのけて未経験の新人三人がそれぞれのリーダーを任されるのは異例のことらしい。
「むしろ三人に刺激をされてベテランキャスト達にも良い刺激になっているみたいですよ」
そうして始まった撮影であるが、ベテランキャスト達も意地があるのか新人達に負けじと自分達を売り込む動画撮影に積極的になることになった。
「「美味しくな~れ♪ もえもえきゅ~ん♡」」
実際見てみると感動もんだな。俺は主観視点になるように座席に座ってスマホカメラを構える。
でも彼女の生き生きしている姿を見ていると、強く成長しようとしている
恐らく間違いなく問題は起きるだろうが、お店には姉ちゃんもいるし、しっかり店長のレオナさんもいる。
あとちょっと頼りないが
動画の撮影は順調に進み、まずはキングキャッスルのメイド達によるお絵かきパフォーマンス。
それからダンスパートの撮影と進む段階でキラキラアリスとのコラボパートになり、メイド服に着替えた二人の撮影が始まった。
「ご主人様ぁ~。おひとついかが~♡」
「アリスちゃん吉原じゃないからね」
オレンジジュースを酒瓶に見立て、まるでキャバクラか
そして
さて、本来ならキラキラアリスや
◇◇◇◇◇
コラボ撮影は順調に進み、メイド姿になったキラキラアリスの二人と馬アニキ、プラスしてメイド達によるダンス対決動画の撮影を行った。
プロのメイド達は流石の風格で、ダンスもパフォーマンスも完璧だった。
撮れ高的には最高の仕上がりになりそうな素晴らしいものを見せてもらった。それに関しては流石の
そうして撮影はあっという間に終わりを迎え、明日の本格オープンに向けて今日は早めに切り上げて英気を養おうという店長レオナさんの提案によって解散となった。
勤務を終えたキャスト達が次々に退勤していくなか、俺はレオナさんに呼び止められる。
「樋口さん、少しよろしいですか?」
「はい、どうしましたレオナさん?」
下から上目遣いに見上げる視線は思わずドキドキしてしまう。
控え目に言ってもこの人綺麗過ぎるんだよな。
何というか、見た目が綺麗なだけでは片付けられない内側から滲み出る美しさというか、側に居るだけで心が沸き立ってくるような昂揚感に包まれる。
昂揚感でありながら安心感も同時に味わうという不思議な感覚だ。
全身を甘い匂いが包み込んで、愛しさからくる安らぎと、愛らしさからくる興奮とを大容量パックに詰め込んで心臓に押し込まれているような。
俺はこの人のことをほとんど知らない。向こうも条件は同じ筈。
だけど、俺は自分の中に湧き上がってくる不思議な感情を上手く言葉にすることができず立ち尽くすことしかできなかった。
「ふふ……♡」
レオナさんは、そんな俺の感情を全て見透かしたように蠱惑的な笑みを浮かべて顔を近づけてくる。
彼女の身長は152㎝の
恐らくは140台半ばほどの身長だろう。小柄な身体からは想像もできないほど大人の魅力に溢れていた。
可愛らしくて愛らしい、小動物のような見た目をしているにも関わらず、だ。
俺の身体がデカいから余計そう感じるのかもしれない。これが大人の魅力か。
でも大学に通っていてもおかしく無い年齢だと言っていたことから、年は俺や姉ちゃんとそんなに変わらない筈だ。
社会人2年目だとも言っていたな。と言うことは姉ちゃんと同い年くらいと考えるべきか。
「うふふ、気になりますか?」
「えっ? な、なにがですかっ?」
突然のことに狼狽えてしまう。悪戯っぽい、小悪魔のような微笑みを浮かべる彼女に心臓が高鳴った。
「いえ、なんでもありません♪ お引き留めしたのは大事なお話がありまして。従業員達の目があるところではちょっと。この後、お店を閉めた後でお話できませんか?」
「大事な話ですか? それでしたら後日改めてでも」
「いえ、今日お話しておきたいのです。キラキラアリスのお二人、それに
レオナさんは何故だか俺達ハーレムメンバーを全員呼び止めた。
この間のプールリゾートのことかとも思ったが、それなら
「まずはお茶を淹れてきますね」
「あ、それなら私も……」
「一体なんの話なんだろう?」
「さあ……」
また
ますます分からないが、やがて戻ってきたレオナさんは紅茶を配りながら少しずつ話始める。
「お待たせしました。お店には出していない特別な茶葉で淹れた紅茶です」
レオナさんはカップの一つ一つに丁寧な動きで注いでいく。
皆がその流れるような練熟した動作に魅入られて息を呑んだ。
姉ちゃんですらレオナさんのレベルの高さに口を半開きにして魅入られているのが分かる。
脅威の新人と、メイドとしての一流の差をまざまざと見せつけられた気分だ。
「どうぞ召し上がってください」
(あれ……?)
俺は自分のカップと皆のカップを見比べて少しの違和感に気が付く。
(俺だけカップが違う……?)
単なる偶然かとも思ったが、他全員のカップが統一されている中で一つだけ違うカップであるのは妙な違和感がある。
心なしか俺のカップだけ立派というか、一際豪華なものが使われている……?
俺はそのことをレオナさんに尋ねようかと思ったが、それを待たずして話し始めて聞きそびれてしまった。
「実はこの間のリゾートプールの動画をキングキャッスルの公式動画でも出したんですが、思いのほか好評でグループ全体にかなり良い影響を与えてくれました。そこで、キングキャッスル側からキラキラアリスとホワイトミルクの二組に、企業として正式に提携を申し出たいと考えております」
「提携、ですか?」
「そうです。メイドカフェという限られた空間の中だけの話になりますが、キラキラアリスとホワイトミルクをキングキャッスルの正式なイメージタレントとして採用し、キャンペーン活動などに参加していただきたいと提案したいのです」
「それは、事務所を通しての話なのですか?」
「はい。既に本社からお二人の所属事務所には正式なアプローチはしております。ですが、最終的な判断はタレント本人達の意思を最優先にさせるという条件で合意していただいています」
彼女達にはモデルとしての仕事もある。動画の撮影や様々な企業との提携も為されているのでそう簡単な話ではないはずだ。
でもキングキャッスルって母体がもの凄く大きな会社らしいし、難しいことは分からないが大人達の中で話は進んでいるのだろう。
「具体的にはどのようなことを求められるんでしょうか」
レオナさんの口から説明されたのは、キラキラアリスとホワイトミルクをキングキャッスルの正式なイメージタレントとして採用し、全国の店舗で行われるPR活動の矢面に立っていくことになるという話だった。
「本格的なタレント活動ですね。そうなると通常の動画やなんかの活動は難しくなっていくかも」
「はい。もちろん他企業との兼ね合いもありますから今すぐという訳ではありません。学生生活もありますし、本当に時々行われる出張にスケジュールを合わせて頂く形になります」
それからレオナさんはキラアリ側に提示するメリットなどの条件を淡々と、質問に答えながら提示していった。
そして最終的にはその破格の好条件であることと、ホワイトミルクの二人は既に了解を出して居ることも後押しして了承することとなったのだが……。
「それで、俺達が引き留められた理由はなんでしょうか?」
「はい。キラアリとホワミルがPR活動をするサポートを、ルルちゃん、イヴちゃん、ミメットちゃんの三人にお願いしたいのです。バックダンサーのようなものですね。実質的にキラキラアリスとホワイトミルクを統合し、そこに三人を加えた新しいアイドルユニットを結成する形となります」
『えええっ!?』
全員の声が驚愕に染まることになった。
「そして樋口さんには以前お願いした動画編集を初めとして、皆さんの精神的なサポートをする慰安要員として参加してほしいのです」
まさかの提案だった。