許嫁になったダウナーギャルが毎週ヤられにくる話 作:月見ハク
「んれっ、んっちゅ……ぇぁ、れ……ぁ、んっ……」
れろれろと舌同士が絡まり、一度唇が離れて糸が引くも、それが垂れる前にまた吸い付いてくる。
キスの気持ちよさで頭の後ろがじんわり熱くなっていく。
すると胸元でヌチュと音がして柔らかい感触が滑った。美玖が大きなおっぱいを密着させ、ローションを馴染ませるように体を動かしている。
(美玖が自分から、体こすりつけて……)
胸板を塗り終えると、それを広げるように俺のお腹や下腹部を体をこすり、
(これ、まさか、パイズリ……!)
ぬるぬるした柔乳に肉棒が包まれる。優しい圧迫感とぬめりでペニスが優しく愛撫されているようだ。
(やばいこれっ……熱がチンコに集まってくる)
ヌチュ、ヌチュと十分時間をかけて肉棒をローションまみれにした美玖は、さらに体を下のほうへ移動させていく。今度は太ももが彼女のローションおっぱいに挟まれる。
美玖は俺に体にこすりつけながら「んッ」「あッ」と気持ちよさそうな声を漏らしていた。ソープのマットプレイの比ではない快楽に、脳がとろけていく。
ふっと彼女の吐息がペニスをくすぐり、俺はビクンと腰を浮かせた。
美玖は目の前にある肉棒にもう一度息を吹きかけると、れろぉと裏側を舐め上げてくる。
「う゛ぅっ……」
前回よりもぬめりの増した舌の感触に、腰だけじゃなく背中も浮いてしまう。舐め方もねっとりとしていて、まるで甘いソフトクリームをゆっくり味わっているようだ。
「うッ、くぅっ……!」
舌の舐め上げに導かれるように、ジンジンとした射精感が尿道を駆けあがってくる。
俺の反応から射精が近いと察したのか、彼女はひとしきり舐め終えると今度は口を開けてあむっと咥えこんだ。
「おぅッ……!」
ジュジュジュという音とともに我慢汁が吸われていく。その吸引が尿道をつたって精巣にまで達し、濃い精液がだんだんと上がってくる。
「ひもひぃ……?」
彼女が亀頭を咥えながら上目遣いで聞いてきた。
「あっ、うっくッ……美玖のフェラ、すごいよっ……」
そう口にするので精いっぱいだった。
彼女は気を良くしたのか、頭を上下に振って口内でしごきはじめる。温かい粘膜に圧迫される気持ちよさと、ぢゅぢゅと吸い上げられる快感でいよいよ股間が発火しそうになる。
「美玖っ……ぐ、出そう」
「ん」
美玖はぷぁっとペニスから口を離すと、ゆっくり俺のほうへ顔を近づけてきた。
「おじさんの、入れるから……」
いつも挿入宣言をする俺の真似だろうか。彼女は頬を赤らめ、欲情しきったような表情で、俺の胸板にちゅうっとキスをした。
目を伏せながら、片手で俺のペニスを握って自らの股間にあてがおうとしている。
仰向けになった俺に対し、美玖は前のめりの騎乗位のような体勢でゆっくり腰を下ろしていった。
ヌルリと肉棒が熱い膣内に収納され、途端にぎゅうっと圧迫される。
「うッ、あぁぁぁ……」
情けない喘ぎ声が口から飛び出す。
彼女はグチュグチュと腰を動かし、自身のいいところに当てようとしているようだった。
「あッ、あぁんっ……んっくぅ——ッ」
一番敏感なところをこすったのか、美玖が艶っぽい喘ぎ声を上げる。腰を前後にスライドさせる、ペニスをぎゅっぎゅと締め付けてくる。
中が絶え間なく収縮して搾り取られそうだ。すでに二度も射精しているというのに、肉棒の付け根あたりに大量の精子がつっかかっているような感覚。
彼女が腰を動かすたびに、たわわに実った乳果実がたぷん、たぷんと上下に揺れる。目の前で大きく弾む巨乳。それは見惚れるほど圧巻の光景だった。
「おっぱいっ、しゃぶっていい?」
すると彼女は余裕のなさそうな顔で、ぐっと眉間にシワを寄せた。
「聞かなくてっ、いい……」
許しを得たので、手を伸ばして大きな乳房をつかむ。すると美玖は無意識になのか、しゃぶりやすいように胸を近づけてきた。
俺の上で四つん這いのような格好になりながら、一心に腰を振る。
仰向けになった俺の真上で、下を向いた乳房が激しく揺れ動いている。それをつかんで捕らえると、なおも動き回る桃色の乳首にジュルとしゃぶりついた。
「あっ、あぅッ……ん゛んっ——!」
乳首を吸引した瞬間、美玖が腰を動かしながら顎を上向かせる。
俺は両手で豊乳をつかむと、ピンと尖り立った蕾を交互に舐めた。硬くなった乳首をれろれろと舐め、舌先でころころと転がし、ローションを舐め取って唾液を塗りこんでいく。
「あッあぁんっ……! それっ、んっあぁッ――ッッ」
上から美玖の甘ったるい悲鳴が降ってくる。同時にきゅうううっと肉棒が圧迫された。
(くそ、奥が、また締まってっ……!)
俺は彼女のお尻をつかんで固定すると、本能に急かされるようにズンと突き上げた。
「あぁぁんっ——ッ」
突き上げの衝撃で美玖の体が浮かび、背中を反らせる。ズンズンとなおも押し上げると、茶色い髪が宙を舞い、彼女の体についていたローションや汗が飛び散った。
大きな乳房がこぼれるように落ち、重力を無視して浮かび上がる。
「あ゛ぁッ……! んっはぁッ――」
美玖の絶叫のような喘ぎ声に、全身が武者震いのように痙攣する。
(チンコもってかれるっ! 出る、出るっ……!)
「あぁっっ、はあぁぁっん――――ッッッ」
ビュルルルッと熱い精液が噴き上がった。ドクドクと肉棒の根元が脈動し、精巣内の精子をすべて送り出していく。快楽のシャワーを浴びたように体が打ち震え、美玖の子宮に種付けをしたという達成感で恍惚とする。
彼女も天井を向いて震えていたが、やがて自重を支えきれなくなったのかこちらへ倒れ込んできた。
受け止めようと思ったが、美玖は俺の上ではなく隣に横たわった。ローションまみれのシーツでうつ伏せになり、ビクビクと震え続けている。
その顔が、こちらを向いていた。
彼女も恍惚とした表情を浮かべ、前髪が頬に張り付いている。その色っぽい姿にドクンと心臓が脈打った。
(こんなにイった美玖、初めて見た……この顔、まずい……また勃ってきた)
「み、美玖……平気?」
すると浅く呼吸を繰り返している彼女が、声を絞り出した。
「……おじさん……まだ、おさまってないんでしょ……?」
頑張って上体を起こそうとし、その視線は俺の股間に向けられている。
また騎乗位で挿入しようとでも思っているのだろうか。
「ごめん……でも、いいの……? テスト前って言ってたのに……」
このままだと美玖が気を失うまで抱き潰してしまいそうだ。そうすると最悪前回のように彼女は帰れなくなる。
「いい……その代わり、おじさん勉強教えてよ……許嫁なんだし」
美玖はいつもの無表情ではなく、ふんわりと微笑んでいた。
(こんな顔、反則だ)
俺はプツンと理性の糸が切れたように、彼女へ覆い被さった。
「ん゛ぁっ、あっはぁぁっ……ッッ」
熱気が充満する寝室に、美玖の悲鳴のような喘ぎ声が響く。
窓の外はさっきよりも日が傾いている。彼女を抱き始めてもう数時間は経ったのだろう。
ズチュ、ズチュとゆっくり腰を振り下ろすと、美玖の膣から愛液やローションがあふれる。俺は具合のいい濡れ窟を掘削するように、正常位で彼女を犯していた。
「くそっ、またこんな締め付けてっ……!」
「あっあんッ、んぁっ、ちょ、はげしっ……」
さらに激しく突くと、その反動で彼女の足が浮き始める。バチュバチュと肉棒を押し入れるたび、足裏で宙を蹴っているようだ。
「美玖、美玖ッ、孕めっ……!」
百を超える正常位ピストンの末、ビュル、ビュルとわずかな精子が美玖の胎内へと注ぎ込まれる。
「――ぁッ……、——ッ」
彼女は絶頂の快楽で口を開くも、そこからは喉奥の音しかこぼれない。長い長い正常位セックスでイきすぎたためか、もう快感を声に変換できなくなっているのだろう。
ドク、ドクと肉棒が空っぽの精巣から何かをひり出そうとしている。それは気が狂いそうになるほどの快楽だった。
「——ぁ、はぁ……はぁ……」
とめどない絶頂が収まってきたころ、俺は正常位でつながったまま、仰向けで震えている美玖を抱き締めた。
ゆるやかな射精感を味わいながら、彼女の火照って柔らかくなったおっぱいをしゃぶる。
「はぁ……かわいい……」
「……ぁッ……ん」
美玖は小さい喘ぎ声を漏らしながらも目をつぶり、いまだに絶頂の余韻にたゆたっているようだった。
彼女のいろんなところを撫でながら、俺も体を休ませる。肌と肌をこすり合わせるだけで全身が多幸感に包まれる。
美玖も今、同じものを感じてくれているといいが。
俺は祈るような気持ちで彼女にピタリと密着した。
まぶたを開けると、窓からは夕陽が差していた。
俺はいつの間にか彼女と向かい合わせで横になり、寝入ってしまったらしい。
股間がじんわり温かいことに気づく。俺たちはつながったままだった。
「ん」と胸元で美玖がまぶたを震わせる。俺のペニスがずっと入りっぱなしのせいか、彼女はたまにピクンと反応していた。
すぅすぅと俺の胸に鼻先をくっつけて眠る姿が愛おしい。
自分では分からないが、俺の匂いには彼女を入眠させる効果でもあるのだろうか。
枕元のデジタル時計を見ると、時刻は夜7時前。
(さすがにヤりすぎた……)
途中から暴走して美玖を攻めすぎてしまった気がする。自分でも性欲旺盛なほうだとは思っていたが、彼女が相手だと歯止めがきかなくなるらしい。
起こさないようにゆっくりペニスを引き抜くと、トプと膣穴から白濁液があふれ出た。
「んッ……」
引き抜くときに中をこすった刺激のせいか、美玖が小さくうめく。ごそごそと動き、寝返りを打つように体を反対方向へ向けてしまった。
細い肩やなめらかな背中をぼーっと眺めていると、彼女がポツリとつぶやく。
「……おはよ、っす……」
「ごめん、起こしちゃった?」
「なんか、ずっと半分起きてるみたいな……おじさんのが、入ってたから……」
「そ、そっか……抜かないで寝ちゃってごめん」
「べつに、いいっす……きもちよかったんで」
見れば、美玖の耳が真っ赤に染まっている。はぁと甘いため息をつくと、恥ずかしそうに顎を引いた。
「あの……ありがと、ございます」
「えっ、さっきのセックスそんなによかった?」
「……ちがくて、別にちがわないけど、猫のこととか……いろいろ」
「ああ、そのことなら全然いいよ。むしろ美玖さんの助けになれて嬉しいっていうか、ほら許嫁としてさ、むしろこれくらいしか役に立てないのが申し訳ないっていうか、俺あんまり誰かの役に立ったこともないっていうか」
「そんなこと、ないっす」
「え?」
「真一さんは……誰かの力になってます。ずっと」
彼女が静かにつぶやいた。妙に実感のこもった言い方だ。まるでその誰かが彼女自身であるかのように。
——というか。
「え、今、俺の名前……」
「おじさんも、さん付けしなくていいんで」
「え、それって」
「さっきまで、美玖って呼び捨て……だったのに」
「ああ……」
そういえば抱いているあいだ中、ずっと美玖を呼び捨てにしていた気がする。我ながら暴走しすぎだろう。
あ、でも今彼女は呼び捨てでいいって——。
「み、美玖」
「ん……はい、なんすか」
「俺の名前も、もう一度呼んでもらえるかな」
「……また、今度でいいっすか」
美玖が珍しく俺のお願いを断った。
「あの、美玖」
「はい」
「ごめん、もう一回シてもいい?」
「……え」
さっきから耳や頬を真っ赤にしている彼女が可愛すぎて、ペニスが破裂しそうなほど勃起している。少し仮眠を取っているあいだに、精巣内に子種汁が補充されたのだろう。
腹にくっつくほど反り返っている肉棒を、彼女のお尻に押し付ける。
「うそ……あっ、ンンッ——」
俺は背後から、濡れそぼったままの膣へ挿入した。
「——んッ、あっはぁッ……あっ、アッ……」
すっかり日が沈み薄暗くなった室内で、俺はひたすら美玖の膣中をペニスでむさぼっていた。
二人で寝そべり、背後から彼女のお尻に股間を打ち付けている。体位でいえば背面寝位というやつだろうか。
ちょうど目の前にある真っ赤な耳を舐めると、美玖は毎回驚いたように喘いで膣内を締め付けてくる。おかげで彼女の耳は俺の唾液でふやけていた。
再び挿入してから体感で1時間ほど、俺は執拗に美玖への出し入れを続けていた。
「あっそこッ、あたってっ……あっあぁッ」
彼女の声はすっかりとろけた感じになり、喘ぐたびに俺の射精本能を刺激してくる。なのにいまだ吐精に至らないのは、さすがにこれが4回目の射精だからだろう。
「んぁッ、んっう゛ぅぅ――ッッ」
もう何回目か覚えていないほど、美玖がまたイった。そんな彼女が可愛くて、俺の射精感もやっと上ってくる。
最後は美玖の顔を見ながら出したい。
そう思い、俺はいったんペニスを引き抜くと彼女の肩をつかんで仰向けにした。
「——っ」
びっくりしたような顔で目を見開く美玖と、見つめ合う。
「ぁ、おじさ——あ゛ぅッ」
彼女が何かを言う前に、俺は正常位で肉棒を挿入した。気持ちのいい膣内でペニスをしごくだけの身勝手な腰振り。しかし美玖はそれでいいとばかりに、手を伸ばして俺を引き寄せてきた。
「ぐっ、濃いの出るっ……美玖の子宮に、出すよっ……!」
「んッ……」
彼女がさらにしがみついてきて、その瞳が求めるように俺の唇を見つめた。
「んっ、れぁっ……ぁ」
初めて俺のほうからキスをする。舌で唇を開かせる間もなく、彼女も舌を絡めてきた。美玖の狭い口内で俺たちの舌がとろけ合う。
濃厚なキスをしながら杭打ちのようなピストンをし続ける。二人とも汗だくだ。これが最後だと分かっているのか、美玖のほうも一心に俺を抱き締めている。
「おじさん、出してっ……」
「ぐぅっ、あぁぁっ……!」
ビュルルルッ、ビュルルッと俺は彼女の膣奥へ射精した。勝手に流れ出たのではない、俺の意思で美玖を孕ませるために精子をひり出していく。
「ああぁぁっ、はあぁぁんっ――――ッッッ」
激しく絶頂した彼女が、ビクンビクンと何度も背中を反らせる。目端に溜まった涙が、腰を浮かせた瞬間に頬へと流れる。
俺はこの日一番の幸福感を味わいながら、何度も美玖の子宮へ種付け汁を送り込んだ。
さっきまで薄暗かった外が、もうどっぷりと闇に沈んでいた。
正常位のまま何度も絶頂した俺は、しばらく震え続け、やがてペニスを引き抜けるくらい呼吸が落ち着いてきたころには、もう彼女はぐったりとしていた。
もしかしたら絶頂で失神したのかもしれない。だが静かに寝息を立てているので、疲れて寝入ってしまったのだろう。
仰向けで脱力している美玖を起こさないようにタオルケットを掛け、静かにベッドから降りる。
「おわっ」
降りる際につるりと滑って体ごと落下しそうになってしまった。ローション一本分が全部ベッドに沁み込んでいるのだから無理もない。
(シーツ三重に敷いといてよかった……)
替えのシーツもしっかり用意してある。彼女が泊まることになってもいいように。結果的にその準備は功を奏した。
「ふぅ」
覚束ない足取りでリビングに戻り、自分のスマホを手に取る。
「叔母さん……?」
見れば何回も叔母さんからの不在着信があった。
何事かと思い折り返しの電話を掛ける。コール音が鳴るあいだ、俺は寝室のドアの先にいる美玖の足を見つめていた。
『あ、真一くん? やっと連絡くれたのね』
「ごめん、ちょっと取り込み中だったから。何かあったの?」
『いえ特に急ぎってわけじゃないんだけど、今度佐原さん……美玖さんを連れて実家に戻ってきてほしいのよね』
「え゛っ」
『ほら大事でしょ、親族へのお披露目って。そこで正式に許嫁だって認めてもらわなくちゃ』
相変わらず、勝手な人たちだ。
『日程とかは追ってファックスするから、ついでに美玖さんにも伝えておいてくれる?』
「……会う機会があれば」
『会う機会って、今日会ってたんでしょ? そう聞いてるわよ』
「ああ、そうなんだ」
『ふふ、どお? 仲のほうは進展してる?』
「まあ、ぼちぼちね」
『ああよかったわぁ……これで何年後かには素敵な後継ぎを見れるかも、なんてね』
「ん? 何年後って……」
『あらごめんなさい、そんなに焦らなくてもいいからね、こういうのはデリケートな問題だし、今のご時世何が起こるか分からないし。まあ私としては、このままいい感じに仲を深めてもらって、いずれはその、ね……そういう関係になってもらえたら~なんて』
「えっと……」
なんだか認識が噛み合ってない気がする。本家としては早く美玖に妊娠してもらって、後継ぎを生んでほしいんだよな……?
「叔母さん、そういう関係って」
『いやだ言わせないでよぉ、そういう関係っていったらほら、そういう関係よ~』
「本家の人たちって、早く後継ぎがほしいんじゃ」
『そりゃ欲しいわよ、でも美玖さんってまだ学生でしょ? せめて卒業してから……なんていうのも早いかしらね。ほらなんて言ったかしらこういうの、マタハラ?』
多分その言葉の使い方は間違っているが、今はそれどころではない。
「あのさ、叔母さんたちって美玖さんに、早く子ども作れとかって」
『だからそんなこと言うわけないじゃない~、マタハラよマタハラ』
……なんてこった。
彼女は孕めと言われていたわけじゃなかった?
でもそうするとおかしい。
彼女は確かに、許嫁の役目はせっせと子作りをして早く孕むことだと、そんなようなことを言っていた。子どもができれば本家も納得するんだし、と何度か口にしていた気がする。
でも本家がそんなことを微塵も言っていなかったとすれば……美玖は美玖の意思で、俺との子作りセックスに臨んだということになる。
「……叔母さん、許嫁の話って俺より先に美玖さんのほうに打診した……んだよね多分」
『当たり前じゃない。こういうのは先に女性のほうへ聞くものよ。そうしないと真一さんがオーケーしても相手方がエヌジーだったとき、あなたが可哀想な感じになるじゃない』
「だよね……」
逆のパターンをまったく考慮されていないのが悲しいところだ。もしかしたらこれまでにもそういう話が分家筋の人たちにいっていて、何度も相手方から断られていたのかもしれない。
いや、考えるのはよそう。ただでさえ少ない自己肯定感が
『でも不思議よね、佐原さんのお宅、最初は何度も許嫁の話を断っていたのよ』
「え、そうなの?」
『そうなのよ~、でもね、真一さんの年齢伝えて顔写真送ったら、速攻でオーケーしてくれてね。顔が好みだったのかしら? そういうこともあるのねぇ……』
叔母さんが珍しがるとおり、残念ながら俺の年齢や顔が異性を引きつけるものだとは到底思えない。非常に悲しいことだが。
美玖は俺の匂いが好きと言ってくれたが、プロフィールだけで事前に好みの匂いかどうかなんて分かるはずもない。
そうすると、一つの仮説に思い至る。
(美玖は、俺のことを前から知っていた?)
「……」
俺はスマホの通話を切ると、美玖の眠る寝室へ向かった。
仰向けで静かに眠っている彼女に近づき、顔を覗き込む。
「ほんとに、不思議な子だな」
いろいろと謎が多いダウナーギャルだ。
あと何回か体を重ねたら、その謎も明かしてくれるのだろうか。
どうしてだか、近いうちに美玖のほうからすべてを話してくれるような気がした。
「……私、不思議なんすか……?」
「起きてたんだ」
「今、起きたっす……おじさんの匂い、近づいてきたんで」
「そ、そっか」
起き抜けに嬉しいことを言うのはやめてほしい。精子は枯れているのにまた襲いたくなってしまう。
彼女はゆっくり寝返りを打つと、俺のほうへ体を向けた。
「……お腹すいた」
本音が漏れたみたいに、ぼそっとつぶやく。
「そうだ、パスタ食べる? 今温めるよ!」
「シャワー浴びてからでいいっす」
「う、うん、じゃあ、いってらっしゃい」
美玖がタオルケットを巻いて立ち上がる。
「あ、ローション滑って危ないよ」
咄嗟に彼女の手をつかむと美玖もぎゅっと握り返してきた。ベッドを降りると、俺よりも覚束ない足取りでドアのところまで行く。
——と、立ち止まった彼女がこちらを振り返った。
「おじさんも浴びれば? ……ローションまみれなんだし」
「え、一緒!? いいの?」
勢い込んで聞くと、美玖が恥ずかしそうに目を逸らす。
「まあ、別に……いいっすけど」
自分で誘ってきたくせに渋々許すみたいな口調に、俺はぷっと吹き出してしまった。
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