熱がこもる。いつもであれば、適当なコンテンツを通して処理していた。
適当なアダルトビデオ。書籍…。
ただ、あれが。ヘンリーが僕を抱いてから、その感覚がじりじりと体をなぶる。
「……」
触って欲しい。その手で、声で呼んで、高ぶらせて欲しい。
手が伸びる。触れれば想像で少し熱を持った芯がかたくなっていく。
「……っ」
脳裏にヘンリーが浮かぶ。背徳感と、後ろめたい快感が混ざる。
「ぁ……」
ズボンの前をくつろげて、自身を握る。ヘンリーの手だと思うと、熱が高まる。
「んぅ……っ」
目を閉じるとよりはっきりと想像できた。
『ジャプカ…ジャプカ』
何度も何度も呼びながら彼は僕を蹂躙した、優しく、だけど離さないと、しっかりと。
「は……っ」
声をこらえて、吐きだす息にすら熱がこもる。
「あ、……ヘンリー……っ」
名前を呼びながら手が止まらない。先走りで濡れていく自身を上下にしごくと、ぞくぞくした快感が体に走った。
『可愛いよジャプカ』
「……ふ、ぅっ」
突然背後からどさり、と物音がする。
ビク、と身体を震わせそちらをおそるおそる見やる。
「…な、にやってるのジャプカ」
「…あ、ヘンリー……ごめ、なさい」
ぎゅ…と顔を下げ目をつぶる。怒られる、はしたないと、気持ち悪いと。
「…ジャプカ」
「ごめ……なさい、ヘンリー」
震える声で謝罪する。ぎゅっと閉じた目からは涙がこぼれてカーペットにシミを作っていく。
と、ヘンリーが僕を優しく抱き寄せる。
「……どうして謝るの」
「え……?」
驚いて顔を上げると少し困ったような表情でヘンリーが僕を見ていた。
「……ヘンリー?」
「怒ってないの……?」
その言葉にヘンリーは少し悩むような表情をしてから僕の頭を撫でてそっと髪にキスをした。
「別に怒ってないよジャプカ、可愛いからびっくりしただけ。…俺の方が、よほど君に言い訳できないことをした」
「…でしょ?」
コツン、とおでこをくっつけ、伺うような表情で見つめるヘンリーを見て、思わず涙がポロポロ零れる。
「泣かないで、ジャプカ」
「だって、ヘンリーに嫌われたかと、思った」
ぎゅ、とヘンリーの服を握ってくるジャプカをヘンリーは優しく抱き寄せる。
「嫌われるのは俺の方だ」
「……」
その言葉に答えることができないでいるともうキスが落とされた。貪るような深いキス。
「……んっ……は……」
口内を犯しながら押し倒される。唇を離すと銀糸がつたったそれが切れるのを待ってまた深く口づける。
「んぅ……んっ」
ヘンリーが唇を離したら、どちらのとも分からない唾液が糸を引く。ぷつり、と切れる前にヘンリーの舌が僕の唇を舐める。
「は……ジャプカ」
その声色にぞくりと背中が震える。欲情している時の声音。
「……しても、いい?」
ズボンの前を開けて、少し緩くなったそこをゆるゆると弄りながら耳元で囁く。その声にゾクゾクとした感覚が背筋を走り思わず声を漏らす。
「は……ぅ、お願い。触って…」
「うん、君が許してくれるなら」
そのまま耳にキスしてから、ヘンリーはそっとそこを包み込んで、上下に動かした。
「んっ……あ、あっ……」
「……ジャプカ」
名前を呼ばれて目を開くと切なげな表情で見つめてくるヘンリーが映る。そして耳元に口を寄せられて、少し低い声で問われる。
「俺の声好き?」
「ん……ぁ、す、き……」
上ずった声で答えるとクスリと笑って耳を舐られる。
「ひぅ……っ」
「耳弱いよね」
耳元でそう囁かれてゾクゾクした感覚が体を走る。思わずヘンリーの服をぎゅっとつかむ。
「は、やく……っ」
急かすと服の上からぐり、と鈴口を指で押される。その刺激に腰が浮いてしまう。
「ん、やぁ……っ」
「…嫌?」
耳元で低い声で囁かれて思わず体が震える。焦らすように鈴口を撫で回されて、先走りの汁がじわじわと漏れてくる。
「嫌なら、しない…」
わざと音が出るように弄られ、耳を舐め回される。それだけでももう頭がくらくらしてくるというのにヘンリーは舌で耳を犯してくる。ぴちゃぴちゃと響く水音に声が漏れる。
「あっ……や、じゃない。嫌、じゃな…」
「嫌なの?」
「っ……あ、や……じゃ、な……んぅっ」
耳元から首筋に下りていき、きつく吸い上げられる。と、同時に鈴口をぐりっと押されて軽くイってしまった。
「は、あっ……」
ビクビクと体を震わせて息を吐く僕の頭をヘンリーが優しく撫でる。それすらも快感で思わず声を漏らす。
「……可愛いね、ジャプカ」
頭が回らない。ぼんやりとした感覚の中、ただヘンリーに求められていることを感じ取る。
「ジャプカ、好き」
ぎゅ、と抱きしめられて僕もヘンリーの背中に腕を回した。
「僕も……好き……」
お互いの存在を確かめ合うように抱きしめ合い、キスをする。
「ね……ジャプカ」
ヘンリーが熱っぽい瞳で見つめる。それにどくんと心臓が高鳴る。これから何をするかは言わなくてもわかる。それは僕も同じだから。
「……いいよ」
そう答えるとゆっくりと指が後ろの入り口をなぞったあと、ぬぷ、と中に入ってくる。
「ん、ぁ……」
ゆっくりと抜き差しをされて思わず声が漏れる。
「は……ジャプカ」
ぐい、と指が折り曲げられ、前立腺を押し上げられる。びくりと腰が浮き上がる。何度もそこを指で擦り上げられて体にビリビリとした快感が走る。思わずヘンリーにしがみつくと優しく頭を撫でられた。
「大丈夫?」
優しい声で問われてこくりこくりと頷くとまた指で押されたり擦られたりする。その感覚に翻弄されていると突然キスが落とされた。深く唇を合わされて舌が絡められる。
「んぅ……ふ、ぁ……」
上も下も気持ちよくて頭が蕩けそうになる。離された唇に銀の糸がつたってぷつりと切れる。ぼーっとしているとヘンリーの手が太ももに置かれ、ぐいっと脚を開かされる。そのまま太ももを舐られてビクビクと体が震える。
「んぁ……や、だ……」
「嫌?」
少し意地の悪い声でヘンリーが言う。その間もちゅうっと吸い付かれるのが気持ちよくてまた前から白い液がこぽりと溢れる。
「ふふ、気持ちよくなってるのに嫌?」
ふるふると首を振ると今度は手で扱かれながら太ももを強く吸われる。
「んぅ……っ」
ぴくぴくと体が震えてまた吐精する。
「……ジャプカ」
ヘンリーが熱く硬くなったそれを入り口に押し当てて擦り付けるように腰を動かす。
「あ……ん、入って……」
そう言ってすり寄ると深く口付けられる。そのままゆっくりと押し入ってきて思わず声が漏れる。
「んっ……あ、……」
ゆっくりと入ってくるそれの熱さと大きさに中がひくつく。
「はっ……ジャプカ」
名前を呼ばれてギュッと抱きつく。そうしていると全部入ったのか、頭を撫でられる。思わずすり寄ると耳元で愛を囁かれる。
「好きだよジャプカ」
「……僕も好き……」
その言葉にどうしようもなく嬉しくなる。ヘンリーの全てが愛おしいと思うほどに。脚をヘンリーの腰に回してぐっと力を入れると中で大きくなったような気がして少し震える。それをどう捉えたのかヘンリーが心配そうな声で聞いてくる。
「痛くない?ジャプカ」
「……大丈夫だから、動いて……ヘンリー」
少し腰を浮かして揺らすと中のものがぐちゅりと動く。それを合図にゆっくりと腰を動かされる。
「ぁ……あぁっ」
律動と共に声が漏れる。それを抑えようと手で口を覆うとやんわりと外されてまたキスされた。その間も奥を突かれて気持ち良すぎて声が抑えられない。
「んっ……ふぅっ、あ……」
揺さぶられているうちに頭の中がヘンリーで支配される。気持ちよくて、好き、とそれしか考えられなくなる。
「ジャプカ……っ」
余裕のなさそうな声で名前を呼ばれ、手を強く握られる。奥を強く突かれてまた快感が体を走り、目の前がチカチカと点滅する。
「イっ……あぁぁっ……!」
「くっ……」
お互いに達して体から力が抜ける。乱れた息を整えているとそっと頭を撫でられる。その感触に思わず目を細めると頬にキスされたあとゆっくりと引き抜かれ、後ろを向かされるとまたそこに指が入ってぐちゅぐちゅとかき回された。
「は……ジャプカ、可愛い……」
中に出したものを搔き出しながら耳元で甘く囁かれてぞわぞわとした感覚が背中を走る。
「っ……ヘンリー」
その声に気づいたのかくすりと笑われて指が引き抜かれたあと軽くキスをされる。その口づけを甘受しているとヘンリーの指が後ろにあてがわれゆっくりと入れられる。
「まだ足りない?」
そう聞かれて思わずコクリと頷く。するとヘンリーが覆いかぶさってきて、抱きしめられながらゆっくりと抜き差しされる。
「ふ……あっ……んぅ……」
徐々に激しくなる指の動きに声を抑えられないでいると、ふと背中に冷たいものが当たった。
「ジャプカ……」
耳元で名前を呼ばれてまたあの快感がくるのか、と思うとゾクゾクとした感覚が背中を走る。するとまたぐりっと前立腺を押されたかと思うとそのままぐりぐりと刺激されて思わず声が漏れる。
「っあ!?ひぁあっ」
びくんっと腰が跳ねて思わず中を強く締め付けてしまう。
「は……可愛い」
「あぅ……んぅ……」
イったあとの余韻に浸る暇もなく指で中を弄られる。
「ジャプカ、まだイけるよね?」
その言葉にまた熱が高まっていくのを感じる。再び前立腺をぐりっと押されて口からはひっきりなしに情けない声が漏れた。だがそれでも足りないというように無意識に腰を振ってしまう。すると指を2本に増やされそこを重点的に刺激された。
「ヘンリー……んぅっ」
思わず名前を呼ぶと唇が塞がれ、指の本数を増やされた。ぐちゃぐちゃという音が脳内を支配する中、快感だけが体を突き抜ける。
「ジャプカ、好きだよ……」
耳元で囁かれた言葉に思わず中を締め付けてしまうと指が引き抜かれて熱いものがそこに当てがわれる。そして一気に貫かれたかと思うと激しいピストンが始まった。
「ひぁっ!まっ……あぁんっ!」
頭が真っ白になるほどの快感にただ声を上げることしかできないでいると首筋をペロリと舐められた。
「ジャプカ」
名前を呼ばれてヘンリーの方を見るともう一度キスされる。そのまま深く舌を絡められながら奥を突かれる。
「んぅ……はぁっ、あっ……」
もう限界が近いのか中のものが膨張していくのが分かる。それに比例するように中がきゅんきゅんと疼く。
「ジャプカ、っ……好き」
耳元でそう囁かれた瞬間ドクンと脈打ったかと思うと熱いものが注がれた。同時に僕も絶頂を迎え、びくんと体を仰け反らせると同時に意識が遠のいていった……。
*
目が覚めると隣ではヘンリーがすやすやと眠っている。その寝顔はとても幼く見えて思わず笑みがこぼれる。それから彼の頰に触れるだけのキスを落とす。
窓の外は太陽が照っていて、時計を見ると起きる時間だった。
「ヘンリー、起きて。朝だよ」
軽く肩を揺すってやるとゆっくりと瞼が開かれて綺麗な青い瞳が現れる。ヘンリーはしばらくぼーっとしていたけれど徐々に意識が覚醒してきたのか僕の体に手を回してきた。そして甘えるように頰をすり寄せてくる彼に思わず笑みがこぼれた。そんな彼の髪に指を通しそっと撫でると嬉しそうに擦り寄ってくるものだから思わず胸の奥がきゅっと締め付けられる。
「おはよう、ヘンリー」
こんな日が訪れるなんて、以前の僕には想像もできなかったことだけれど。
君が与えてくれる幸せを享受して、生きていこう。