※この作品はR-18です。

綾~許されぬ愛と家族の形~   作:松原隼人

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第16章 弁護士探し

2006年11月。隼人26歳、綾25歳、愛菜5歳、さくら2歳。綾の強い決意を受け、その翌月から僕たちは認知に向けて動き出した。手始めは、僕たちの特別な事情を理解し、助けてくれる弁護士を探すことだった。

 

ネットの情報から何人かの弁護士をピックアップし、面会を重ねた。まず、山下という弁護士とアポイントを取り、これまでの綾との関係、2人の子供がいること、そして僕たちの希望を、正直にすべて話した。すると、彼の第一声は「へえ、妹さんなんですよね?」と、まるで非難するような口ぶりだった。僕と綾は、その瞬間に席を立ち、その弁護士事務所を後にした。

 

他の弁護士たちも同様だった。言葉遣いは丁寧でも、どこか冷たい態度で、僕たちを好奇の目で見ていた。弁護士探しが困難を極める中、綾がふと口にした。「吉田先生に頼んでみよう」。父の公正証書作成と相続でお世話になった、あの弁護士だ。

 

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ネットで「吉田有紗 弁護士」と検索すると、彼女が所属する弁護士事務所のホームページがヒットした。経歴を見ると、年齢は42歳。専門は離婚問題、DV、女性の人権、家族関係、相続など、僕たちの抱える問題に深く関わる分野を扱っていた。わらにもすがる思いでアポイントを取り、翌12月に面会した。

 

緊張しながら僕と綾は吉田先生の事務所を訪れた。「お久しぶりです」と挨拶をし、父の相続について改めてお礼を述べた。吉田先生は42歳にはとても見えず、20代後半から30歳くらいに見える若々しい方だった。しかも、彼女は綾と同じ2児のママであり、仕事をバリバリこなすキャリアウーマンだった。綾にとっては、まるで頼れるお姉さんのように感じられたのかもしれなかった。

 

僕たちは、時間をかけて僕たちの「すべて」を話した。吉田先生は最初こそ驚いた様子だったが、すぐに表情を引き締め、「そうですか、ところで愛菜ちゃんとさくらちゃんはお元気ですか?」と尋ねてくれた。僕は、これまでの弁護士たちが僕たちの「秘密」にしか目を向けなかった中で、最初に愛菜とさくらのことを気遣ってくれたことに、驚きと同時に大きな喜びを感じた。そして、たった一度の依頼主の子供の名前や生年月日を、彼女がきちんと覚えていてくれたことに、僕たちは深く感動した。

 

その瞬間、僕と綾は、この吉田先生に僕たち家族の命運を託す決心をした。




松原隼人:1980年5月12日生まれ 1998年7月5日(18歳2か月)初体験
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松原 綾:1981年7月5日生まれ 1998年7月5日(17歳)初体験 桑都八王子東高校新体操部キャプテン
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松原愛菜(まな):2001年9月26日生まれ(長女)
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松原さくら:2004年11月10日生まれ(次女)
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松原忠晴:1950年8月31日生まれ 2006年7月7日死去(55歳) 隼人と綾の父
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松原清美:1952年3月10日生まれ 2006年6月15日死去(54歳) 隼人と綾の母
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吉田有紗:1964年生まれ 弁護士
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山田美咲:綾の桑都八王子東高校の同級生 新体操部副キャプテン ケーキ作りが趣味
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