※この作品はR-18です。

綾~許されぬ愛と家族の形~   作:松原隼人

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第20章 引っ越し

2014年5月。隼人34歳、綾32歳、長女愛菜12歳中学1年生、次女さくら9歳小学4年生。愛菜の進学をきっかけに、手狭になった調布市のマンションから、都内の広いマンションへ引っ越そうと考えていた。希望は4LDKで駅近。夫婦の寝室、夫婦の仕事部屋、愛菜の部屋、さくらの部屋、リビング、ダイニング、キッチンと、それぞれがゆったり過ごせる空間が欲しかった。特に、綾の大きな喘ぎ声対策のため、防音がしっかりしたマンションは必須だった。僕たちのプライベートな時間については、より一層注意を払う必要があった。

 

今までは僕も綾も仕事があるのでセックスは夜間にしていたのだが、愛菜とさくらが成長し、夜更かしをすることも多くなったため、最近は夜のセックスを控えていた。そこで、今の夫婦生活は、もっぱら愛菜とさくらが登校した後に愛し合うようにしていた。けれども、日中にカーテンを閉めて薄暗くしても、どうしても気分が乗らなかった。やはり夜のほうが盛り上がるのは否めないのだが、そうもいかないのが悩みだった。

 

そこで、夕食後に愛菜とさくらに留守番を頼んで、時々綾と二人きりで夜出かけ、ラブホテルに行くこともあった。「どこに行くの?」と愛菜には聞かれたが、「ちょっとドライブ」とだけ答えるようにしていた。愛菜とさくらは「ふーん」と、何となく素っ気ない返事をするだけだった。愛菜とさくらには幼児期から家庭で性教育をしてきたし、愛菜が通う中学校でも1年生からしっかりと性教育をカリキュラムに取り込んでいた。だから、もしかしたら僕と綾の「夜のドライブ」に、愛菜はとっくに勘づいているのかもしれなかった。しかし、綾との軽いキスやハグくらいなら、愛菜とさくらの目の前で行ってもいいかなと思っていた。僕と綾が仲睦まじくしている様子は、子供たちの心身に良い影響を与えるはずだ。

 

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2014年8月。隼人34歳、綾33歳、愛菜12歳中学1年生、さくら9歳小学4年生。子供たちが夏休みに入り、僕と綾は本格的に物件探しに取り掛かった。4LDKで駅近、そして防音がしっかりしているマンションとなると、都内では選択肢も限られていた。新築だと最低1億5千万円から数億円以上、中古でも8千万円から数億円以上が相場だった。父の遺産が1億円以上残っていたとはいえ、数億円の物件はさすがに難しかった。僕たちは新築は諦め、中古で1億円程度のマンションに絞って探し始めた。夏休みだったので、愛菜とさくらも一緒に内見に向かった。中古でも築年数が浅い物件は2億円以上した。しかし、綾と愛菜、さくらは、なるべく新しいマンションがよかったらしい。物件選びは年を越し、来年はさくらの中学受験もあるため、そろそろ決めたいところだった。さくらもとても優秀で、愛菜と同じK女子中学校が希望だった。親としては、美人で聡明な姉妹が本当に自慢だった。

 

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2015年1月。隼人34歳、綾33歳、愛菜13歳中学1年生、さくら10歳小学4年生。今年の冬休みは、物件探しに全力を費やした。たぶん20件以上は見て回ったはずだ。その甲斐あって、都内23区内ではないが、三鷹市に築年数3年、4LDK、駅近の理想的な物件を見つけた。前オーナーが音楽関係の仕事をしていたらしく、防音室があったのだ。そこを僕と綾の寝室にできそうだった。これで夜間のセックスも心配なくできると考えた。綾の喘ぎ声も安心して響かせられそうだった。ただし、価格は1億4千万円。父の遺産で何とか購入できる額だったが、それでも大きな買い物だった。

 

その夜、家族会議を開いた。綾はほぼこの物件に決めたようで、愛菜とさくらもとても気に入っていた。こうなると、僕の出る幕はなかった。会議はあっという間に3分で終了した。次の日曜日、僕たちは不動産屋に出向き、購入の意思を伝えた。1億4千万円也。お金の受け渡しは口座振替としたが、僕の銀行口座は1日の振り込み限度額が1千万円までだったので、14日間に分けての振り込みとなった。雪解けの頃、ようやく契約が完了した。

 

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2015年3月。隼人34歳、綾33歳、愛菜13歳中学1年生、さくら10歳小学4年生。新年度を目前に控え、引っ越しで大忙しの毎日となった。綾は台所やリビング、僕は夫婦の部屋と仕事関係の書類、愛菜とさくらはそれぞれの部屋の荷造りに取り掛かった。父が亡くなって実家を処分した時の荷物もクローゼットの奥に溜まっており、愛菜とさくらに梱包をお願いした。引っ越し作業は1週間以上かかったが、新しい住まいでの生活に、皆が心躍らせていた。

 

とりあえず新居に荷物を搬入し、調布市の古いマンションを引き払った。大量の段ボールが部屋中に所狭しと置かれていた。それぞれの部屋にベッドだけ準備し、寝られるようにだけはした。「まあ、ゆっくりとそれぞれの荷物を収めていこう」と僕は皆に声をかけ、その夜はささやかな引っ越し祝いをした。まだ料理ができる状態ではなかったので、コンビニでお弁当を買ってきて、僕と綾はビールで、愛菜とさくらはオレンジジュースで乾杯をした。

 

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翌日から、それぞれが荷物の整理に取り掛かった。愛菜とさくらは自分の部屋の片づけを担当し、さらに、父の遺品を空いているクローゼットに仕舞うことも頼んだ。綾は台所やリビングの片づけ、そしてお世話になっている人たちに引っ越しを知らせるハガキ書きに大忙しだった。父の相続や認知の件でお世話になった弁護士の吉田先生にも「転居挨拶状」としてハガキを出した。実は吉田先生は愛菜が在学しているK女子中学校の出身で、愛菜の先輩にあたるということが後に分かった。中学受験の際には相談に乗ってもらったこともあり、愛菜が合格したことを聞いて合格祝いもいただいた。1か月ほどかけて荷物の整理をし、ようやく新居の形が出来上がった。




松原隼人:1980年5月12日生まれ 1998年7月5日(18歳2か月)初体験
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松原 綾:1981年7月5日生まれ 1998年7月5日(17歳)初体験 桑都八王子東高校新体操部キャプテン
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松原愛菜(まな):2001年9月26日生まれ(長女)K大学付属K女子中学校1年生
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松原さくら:2004年11月10日生まれ(次女)小学校4年生
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松原忠晴:1950年8月31日生まれ 2006年7月7日死去(55歳) 隼人と綾の父
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松原清美:1952年3月10日生まれ 2006年6月15日死去(54歳) 隼人と綾の母
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吉田有紗:1964年生まれ 弁護士 K女子中学校出身
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山田美咲:綾の桑都八王子東高校の同級生 新体操部副キャプテン ケーキ作りが趣味

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