2001年12月。隼人21歳、綾20歳、愛菜3か月。僕たちの生活に新たな喜びが加わったのは、愛菜を連れての公園デビューだった。綾と僕、そしてベビーカーに揺れる愛菜の3人で、近所の公園へ足繁く通った。そこでは、同じように小さな子供を持つ親御さんたちと自然と仲良くなり、子育ての悩みを共有し、情報交換に花を咲かせた。お互いの苗字は個人情報として深く詮索しなかったが、子供たちの名前は皆が知っていた。愛菜ちゃん、大樹君、華子ちゃん……。
自然と、親同士の呼び名は子供の名前を冠したものになった。「愛菜ちゃんのママ、愛菜ちゃんのパパ」「大樹君のママ、大樹のパパ」「華子ちゃんのママ、華子ちゃんのパパ」と。初めて「愛菜ちゃんのママ、パパ」と呼ばれた瞬間、僕と綾は顔を見合わせ、喜びが込み上げてくるのを抑えきれずに笑い合った。それは、ささやかながらも確かな幸せを感じた一瞬であり、僕たちの心に、新たな、温かい感情が満ち溢れたようだった。
____________________________________________
その夜、僕は綾と欲望のままに交わった。日中のささやかな喜びが、熱情となって解き放たれるかのようだった。いつにもまして激しく、互いの肉体を求め合い、朝まで貪るように5度も情事を重ねた。明かりが差し込む明け方、疲れて眠りについた綾の寝顔に、熱い感謝のキスをそっと落とした。
綾が高校2年生の時、僕たちは初めて結ばれた。そして3年後、僕たちは小さな命を授かった。僕と綾の関係は、決して公にできない秘密。子供を授かっても、その愛の形を堂々と語れない歯がゆさが常にあった。だが、「愛菜ちゃんのママ」「愛菜ちゃんのパパ」と呼ばれた時、僕たちは社会の中で「夫婦」として認められたような、確かな充足感を得た。愛菜、ありがとう…君がくれたこのささやかな呼び名が、僕と綾を真の夫婦にしてくれたんだ。僕と綾は、君のパパとママだよ。この幸せを、何があっても守り抜く決意を新たにした。
____________________________________________
2002年1月。隼人21歳、綾20歳。愛菜4か月。最近の綾は、まるで月の満ち欠けのように、日々新たな美しさを開花させ、その存在そのものがセクシーになっていた。出産後の綾の吐息の匂いは、出産前とは明らかに変わっていた。それは僕の嗅覚を本能的に、そして容赦なく貫き、僕の奥底に眠る性欲を激しく、止めどなく掻き立てた。綾の吐息の匂いは決して不快なものではなかった。むしろ、熟れた果実が放つ蜜の香りのように、成熟した女性だけが持ち得る、抗いがたいほどの誘惑に満ちた春の香りだった。
松原隼人:1980年5月12日生まれ 1998年7月5日(18歳2か月)初体験
____________________________________________
松原 綾:1981年7月5日生まれ 1998年7月5日(17歳)初体験
____________________________________________
松原