※この作品はR-18です。

綾~許されぬ愛と家族の形~   作:松原隼人

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第36章 愛菜(まな)と結翔(ゆいと)

 

2020年7月。父隼人40歳、母綾39歳、長女愛菜18歳大学1年生、次女さくら15歳高校1年生、三女結絆3歳。愛菜と結翔君がお付き合いを始めて3年の月日が流れた。今も二人はとても仲睦まじく、良い関係を続けていた。結翔君は誠実な好青年で、父親である僕も彼には全幅の信頼を置いていた。大学では引き続きバドミントン部に所属し、汗を流す日々。愛菜も新体操部に所属し、大学総体を目指して練習に励んでいた。お互い新しい先輩や同年代の友達もでき、充実した忙しい毎日を送っていた。結翔君は先輩からも可愛がられ、男友達との関係も大切にしていた。

 

しかし、最近、愛菜はこれが少し不満だった。結翔君が友達との付き合いを優先するため、愛菜と会う時間が少なくなっているというのだ。僕は愛菜に「男の友達は将来とても大事だから、少しは目をつぶってあげてもいいと思うよ。あまり束縛しすぎるのはどうかな?」とアドバイスした。だが、僕の助言は愛菜には響かなかったようだった。綾も同じような意見で、「結翔君のことを信じてあげなよ」と愛菜を慰めていた。

 

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結翔君との間に若干のすれ違いが起こりつつあった10月のある夜、聖羅から電話があった。聖羅は愛菜の中学時代からの親友で、高校の卒業旅行も一緒に行った仲だ。夕食の最中だったが、愛菜はすぐに自分の部屋に戻り、聖羅と2時間以上も話し込んでいた。電話が終わったのはもう夜の8時半を過ぎていた。

 

愛菜がリビングに戻ってきた。その顔は、歯を食いしばり、口を真一文字に閉じ、怒りに震えていた。目にはうっすらと涙が滲んでいた。「愛菜、どうしたの?」綾が心配そうに尋ねた。さくらも、どうしていいか分からない様子で立ち尽くしていた。愛菜は拳を握り締め、一言も言葉を発しなかった。「愛菜、大丈夫?」綾が愛菜の肩を抱くと、愛菜の目から大粒の涙がとめどなくこぼれ落ちた。

 

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「結翔が、風俗に行った……」愛菜が、震える声でポツリと話し始めた。聖羅の話によると、結翔君は部活の先輩に誘われて新宿の風俗店に行ったそうだ。聖羅の彼氏である健太君も一緒だったという。健太君がうっかり聖羅にそのことを話してしまい、その聖羅からの電話だったのだ。健太君と聖羅も今、この件で大揉めのようだった。

 

「愛菜、ショックだったね。結翔君はひどいね」と、綾が愛菜に寄り添うように言った。

「だけど、先輩の誘いじゃ、断れなかったんじゃないかな? 風俗にも色々あるし、一度くらいだったら許してやってもいいと思うよ」                     

僕は、何とか二人の関係がこれ以上悪くならないように配慮したつもりだった。しかし、愛菜は僕の言葉を遮るように叫んだ。                        

「許せるわけないじゃん!! ソープで本番したんだよ! 私、彼女じゃないの?!」

 

綾も「本番?! 絶対許せないよ! 何言ってるのパパは!」と激しく怒り、さくらも「結翔君ひどい!」、幼い結絆までもが「結翔くん、ダメ!」と、女性陣から総攻撃を食らった。愛菜はそのまま自分の部屋に戻り、二度と出てこなかった。

 

僕は綾に「そんなに怒らなくても……男同士には色々な付き合いがあるんだって」と言い訳めいた言葉を口にした。                              

すると綾から、「分かってる、隼人の言うこともわかるよ。結翔君も男だし、男同士の付き合いもあるだろうしね。だけど、だったら、バレないようにしなきゃダメでしょ。結翔君はとってもいい子だし、愛菜のことを大事に思ってくれてるのも知ってるけど、今は愛菜の味方しないと駄目だよ」と、手厳しいお説教を食らった。翌朝、愛菜は大学を休んだ。結翔君からの電話は着信拒否、LINEもブロックしたままだった。

 

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その夜、僕のスマホに結翔君からLINEが来た。愛菜と連絡が取れないため、僕と会いたいとのことだった。翌日、僕は綾や愛菜には内緒で、結翔君と近くの喫茶店で会うことにした。

 

「すいません。愛菜さんを傷つけてしまいました」。結翔君は僕に会うなり、深く頭を下げた。                 「仕方ないよな、先輩の誘いは断れないもんな」と、僕は彼に同情した。        

結翔君によると、確かにお店の女の子といわゆる「本番行為」をしたのは事実だという。だが、それは遊びで、気持ちは一切なかったと。今も愛菜のことが一番好きで、何とか許してほしい、そのためなら何でもすると、彼は必死に訴えかけた。

 

僕は、その誠実な言葉と、追い詰められた彼の様子に、結翔君が可哀想になった。「愛菜に話してみるよ、結翔君の気持ちを。僕からも会うように説得してみる」と伝えると、結翔君は「ありがとうございます。今回は申し訳ありませんでした」と再び頭を下げ、二人で喫茶店を後にした。

 

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「私、結翔と別れる」。

 

その夜、愛菜が宣言した。僕にとって、それは最悪の事態だった。僕は今日、結翔君に会ったこと、そして彼の偽りのない気持ちを愛菜に伝えた。しかし、愛菜の決心は固く、揺るがなかった。

 

「どうせ別れるつもりなら、最後に一度、直接会って話してみたら?」と、僕は最後の勝負に出た。愛菜はしばらく考えた後、「どうせ最後なら、会って文句も言いたいし」と言って、会うことを承諾した。

 

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翌週、結翔君が僕たちの自宅を訪れた。愛菜は無言でリビングの椅子に座り、結翔君は向かいに座った。僕と綾はさくらと結絆を連れて外に出た。

 

話し合いが2時間を超えた頃、僕のスマホに結翔君から電話が来た。「話が終わりました」。僕たちは家に戻ると、綾が「愛菜、どうするの?」と尋ねた。

 

すると愛菜は、どこか吹っ切れたような、さばさばした様子で言った。          

「今回だけは許すことにした。だけど次やったら速攻別れる。あと、頭は坊主。それから、チン毛半分剃りの刑」。

 

「チン毛半分剃りの刑?ってなに?」と綾が目を丸くした。             

「昔、パパがやったやつ」と、愛菜が得意げに答えた。                

「ああ、あの『20のひ』ね!」と、綾は大笑いした。僕が愛菜のために盲腸の傷跡がよく見えるように右半分の陰毛を剃った、あの時のことだ。

 

さくらが笑いをこらえながら「結翔君、可哀想……」と、わざと同情するふりをした。

「チン毛半分剃りの刑は可哀想だよ、やめてあげなよ」と綾が言うと、結翔君は悲しそうな顔で                                                        「もう、執行されました」と答えた。

「えっ、もう剃ったの?!」と綾が驚きの表情。

「いいえ、剃られました。愛菜に。お風呂場で……」結翔君は下腹部を押さえながら、神妙な面持ちで答えた。

 

さらに、電気シェーバーを手にしながら、愛菜が高らかに宣告した。「あと、エッチ1か月禁止の刑!」。                                   

「1か月は可哀想だよ」と綾が言うと、結翔君は「僕が悪いので、仕方ありません」と、全てを受け入れるように答えた。

 

こうして、愛菜による「裁判」は終わり、結翔君には厳しい判決が下されたのだった。

 

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2週間後、愛菜が真新しいグッチのバッグを持って外出から戻ってきた。        

「愛菜、それどうしたの?」と綾がびっくりした表情で尋ねた。            

「結翔に買ってもらったの」と、愛菜はご機嫌な様子で答えた。            

「高かったんじゃない?いくらしたの?」と綾。                   

「30万円くらい」と、愛菜は平然と答えた。

 

後で聞いた話だが、結翔君は「エッチ1か月禁止の刑」が辛すぎて、刑期を半分の2週間に短縮してほしいと愛菜にお願いしたそうだ。そこで愛菜が出した条件が、このグッチのバッグを買うことだった。こうして、結翔君が一生懸命貯めたアルバイト代30万円は、愛菜のグッチのバッグに消えたのだった。

 

翌日、愛菜は真新しいグッチのバッグを片手に、途中で「ラージサイズ」のコンドームを買って、足取りも軽やかに、結翔君とのデートに出かけていった。




松原隼人:1980年5月12日生まれ 1998年7月5日(18歳2か月)初体験 システムエンジニア 月収40-50万円 身長175cm
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松原 綾:1981年7月5日生まれ 1998年7月5日(17歳)初体験 桑都八王子東高校新体操部キャプテン イラストレーター ペンネーム愛桜(あいさ) 月収50-80万円 身長163cm Fカップ
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松原愛菜(まな):2001年9月26日生まれ(長女)K大学法学部法学科1年 新体操部 弁護士志望 身長165cm Eカップ 2020年3月(18歳6か月)初体験
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松原さくら:2004年11月10日生まれ(次女)K大学付属K女子高校1年 新体操部 産婦人科医志望 身長155cm Bカップ 2020年3月(15歳)ファーストキス
____________________________________________松原結絆(ゆいな):2017年2月6日生まれ(三女)
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松原忠晴:1950年8月31日生まれ 2006年7月7日死去(55歳) 隼人と綾の父
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松原清美:1952年3月10日生まれ 2006年6月15日死去(54歳) 隼人と綾の母
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小川結翔(ゆいと):2001年生まれ K大学法学部政治学科1年 身長180cm イケメン 成績優秀 バドミントン部 2017年7月(高1)から愛菜と交際 一人っ子 巨根(平常時:長さ13cm、太さ3cm 勃起時:長さ18cm、太さ5cm)睾丸は砲丸投げのボールくらい 政治経済に興味があり、将来は新聞やテレビ報道の分野に進みたい
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小川真一郎:1961年生まれ 結翔の父 区議会議員
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小川由美子:1964年生まれ 結翔の母 専業主婦
____________________________________________田島 蒼(あお):2004年生まれ K大学付属K男子高校1年 さくらと同級生の彼氏 サッカー部 身長164cm     
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吉田有紗:1964年生まれ 弁護士 K女子中学校高校出身 K女子高校同窓会長
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高畑みずき:1964年生まれ K女子高校養護教諭
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茗ケ原(みょうがはら)みゆき:1986年生まれ 2012年26歳で結婚 2014年28歳で独立しイタリアンレストラン「Mother」
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茗ケ原(みょうがはら)健一:1986年生まれ みゆきの夫 婿養子
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茗ケ原(みょうがはら)裕之:1969年生まれ みゆきの父
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30年前の妹:1970年生まれ みゆきの母 2014年乳がんで死去(44歳)
____________________________________________鈴木聖羅(せいら):2001年生まれ 愛菜の中学校からの大親友 K大学1年 新体操部 彼氏は健太君
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山田美咲:綾の桑都八王子東高校の同級生 新体操部副キャプテン ケーキ作りが趣味
____________________________________________水野さん:2020年当時30歳くらい 綾のイラスト担当敏腕編集者

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