※この作品はR-18です。

綾~許されぬ愛と家族の形~   作:松原隼人

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第40章 交差する光と影

2021年4月。父隼人40歳、母綾39歳、長女愛菜19歳大学2年生、次女さくら16歳高校2年生、三女結絆4歳。4月。愛菜と結翔君は大学2年生となり、交際は高校1年生の頃から丸4年が経過していた。愛菜も何度か結翔君のご自宅を訪問しており、ご両親への交際のご挨拶は済ませていた。特に、お父さんの真一郎さんは、美人で聡明な愛菜のことがすっかりお気に入りで、「こんな娘が欲しかった」としょっちゅう言っているそうだ。お母さんの由美子さんも愛菜のことをとても可愛がってくれ、時々愛菜とショッピングに出かけるほどの仲だった。二人はまだ大学2年生だが、その関係は、もう何となく結婚を意識しているようにも感じられた。

 

そんな折、愛菜から僕と綾に相談があった。「結翔のご両親から、今度一緒に食事でもしませんか?ってお誘いが来たんだけど、どうしようか?」僕と綾は、これは良い機会だとすぐに感じ、「是非に」と二つ返事で承諾した。そこで、僕の方からお店の提案をした。僕たち家族お気に入りのイタリアンレストラン「Mother」だ。みゆきさんに連絡すると、僕たち家族5人と、結翔君のご家族3人の計8人で、再来週の土曜日午後5時30分に予約を入れてくれた。みゆきさんのご厚意で、その日はお店を貸し切りにしてくれることになった。

 

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その日、愛菜は朝からそわそわして落ち着かない様子だった。まるで婚約前の「両家の顔合わせ式」でもあるかのように、期待と緊張で胸を高鳴らせていた。愛菜が選んだのは、袖がないドレッシーな深紅のセミフォーマルワンピースだった。その流れるような生地は、バストからウエストにかけてのしなやかな体のラインを完璧に描き出し、目を奪われるほど美しかった。耳には、綾から借りたダイヤのピアスがさりげなく輝き、顔周りに繊細な光を添えていた。足元は、いつもよりちょっぴりヒールの高いエナメル素材の黒いパンプスで、背筋がすらりと伸びた。普段は薄いナチュラルメイクの愛菜だが、今夜は、まるで澄み渡る星空のような透明感の中に、幸せが滲み出るような大人っぽいメイクでばっちり仕上げていた。全体的にとても華やかで、19歳の女の子らしい若々しい魅力に溢れていた。

 

僕と綾はクリーニングに出したスーツとワンピースを身につけ、さくらと結絆もお気に入りのワンピースを着て、準備万端で家を出た。午後5時25分、「Mother」に到着。ほどなくして結翔君ご一家も到着した。簡単な挨拶を済ませて入店した。大きな円卓には、すでに8人分のナイフ、フォーク、スプーンなどが完璧に準備されていた。真一郎さんが「席順は、結翔と愛菜さんが隣同士で、あとは自由でいいですね」と提案し、みんなが着席した。

 

真一郎さんは愛菜を見つめ、目を細めて言った。「愛菜さん、今日は一段ときれいですね」。由美子さんも「本当に、綺麗」と続き、その言葉に愛菜は「ありがとうございます」と恥ずかしそうにお礼を言った。

 

真一郎さんは結翔君に話しかけた。「結翔、こんなにきれいなお嬢さんとお付き合いさせてもらえるなんて、お前は幸せ者だぞ。大事にしろよ」。そして続けた。「しかも、K女子高校の内部進学で法法ですよね。まさに才色兼備ですね」。彼は愛菜をべた褒めだ。結翔君は隣に座った愛菜をチラチラ見ながら、照れたように頷いていた。

 

みゆきさんがやって来て、本日のメニューを説明してくれた。メインはフランス産鴨を使ったコース料理。結絆には、特別にハンバーグのメニューが用意されていた。会食は、最初から最後まで和やかに進んだ。真一郎さんは区議会議員で、主に子供の教育問題に取り組んでおり、由美子さんは専業主婦の傍ら、自宅でフラワーアレンジメントの教室を開いていると話してくれた。僕も自宅でシステムエンジニアの仕事をしていること、綾がイラストの仕事をしていること、そしてさくらと結絆のことなどを話した。互いの家族について理解を深め合う、良い時間だった。

 

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食後のコーヒーを飲みながら、真一郎さんが何気なく尋ねてきた。「隼人さんのご両親は?」。僕が「亡くなりました。父はサラリーマンでした」と答えると、彼は続けて「綾さんのご両親は?」と聞いてきた。綾は一瞬言葉に詰まったが、「ええ、二人とも亡くなりました」と、平静を装って答えた。しかし、僕の目には、綾の顔がみるみるうちに青ざめていくのがはっきりと分かった。その瞬間から、愛菜とさくらも口数が少なくなった。奥の厨房から、みゆきさんがこの会話を聞いていた。会食は表面上は和やかに終わり、今後は定期的に両家で食事会を開こうという話が決まった。しかし、帰りの車内では、みんなが無言だった。真一郎さんに悪気があったわけではない。それでも、「隼人さんのご両親は? 綾さんのご両親は?」という何気ない問いかけが、僕たちの心に激しい嵐のようにざわめきを起こした。何かを深く思い詰めている愛菜の、冷たくなった手をさくらが強く握りしめていた。その小さな手から伝わる温もりが、僕の心に絶望の重さを教えているようだった。

 

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帰宅すると、愛菜は無理に明るく振る舞うように「今夜は楽しかったね!」と僕たちに話しかけた。綾もそれに合わせるように、「本当に結翔君のご両親も素敵な人たちだね」と笑顔で答えた。その夜、皆がそれぞれ入浴を済ませ、深夜0時頃、それぞれの部屋に戻った。しかし、結絆を除いて、家族の誰もが一睡もできなかった。

 

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翌朝。5月の澄み切った青空が広がる日曜日だというのに、いつもの朝食後のスタバへ行く気分にはなれず、何となくリビングに家族全員が集まっていた。誰が何を思い、どう考えているのか、言葉にならない重い空気が部屋に満ち、沈黙がしばらく続いた。

 

やがて、愛菜が静かに口を開いた。「私、結翔と将来、結婚したい。結翔と……」。 綾は愛菜を見つめ、優しく語りかけた。「うん、結翔君はいい子だし、ママも賛成だよ。結翔君となら、きっと幸せになれる」。

 

だが、その言葉に続く愛菜の問いは、彼女の心に深く刻まれた重荷を露わにした。「でも、いいのかな? 黙ってて……」。愛菜は、そう言うと目に大粒の涙を浮かべ、助けを求めるように家族全員を見つめた。

 

僕と綾の関係は、僕たち家族の間ではすでに話し合い、完全に分かり合えていた。今では、「そういえばそんなこともあったね」と、笑い話のように思えるほどだ。しかし、結翔君や、彼のご両親は何も知らない。この隠し続けた真実を、どうすればいいのか。何をするべきで、何をするべきでないのか。僕には分からなかった。ただただ、愛する愛菜が幸せになってくれればいい。その思いだけが、僕の胸を締め付けた。

 

「みゆきさんやご主人の健一さんに聞いてみたい。私の、この苦しい気持ちを聞いてもらいたい」。愛菜は、絞り出すような声で、必死にそう訴えた。




松原隼人:1980年5月12日生まれ 1998年7月5日(18歳2か月)初体験 システムエンジニア 月収40-50万円 身長175cm
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松原 綾:1981年7月5日生まれ 1998年7月5日(17歳)初体験 桑都八王子東高校新体操部キャプテン イラストレーター ペンネーム愛桜(あいさ) 月収50-80万円 身長163cm Fカップ
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松原愛菜(まな):2001年9月26日生まれ(長女)K大学法学部法学科2年 新体操部 弁護士志望 身長165cm Eカップ 2020年3月(18歳6か月)初体験
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松原さくら:2004年11月10日生まれ(次女)K大学付属K女子高校2年 新体操部 産婦人科医志望 身長155cm Bカップ 2020年3月(15歳)ファーストキス
____________________________________________松原結絆(ゆいな):2017年2月6日生まれ(三女)
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松原忠晴:1950年8月31日生まれ 2006年7月7日死去(55歳) 隼人と綾の父
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松原清美:1952年3月10日生まれ 2006年6月15日死去(54歳) 隼人と綾の母
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小川結翔(ゆいと):2001年生まれ K大学法学部政治学科2年 身長180cm イケメン 成績優秀 バドミントン部 2017年7月(高1)から愛菜と交際 一人っ子 巨根(平常時:長さ13cm、太さ3cm 勃起時:長さ18cm、太さ5cm)睾丸は砲丸投げのボールくらい 政治経済に興味があり、将来は新聞やテレビ報道の分野に進みたい
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小川真一郎:1961年生まれ 結翔の父 区議会議員 子供の教育問題に取り組む
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小川由美子:1964年生まれ 結翔の母 専業主婦 フラワーアレンジメント教室を開いている
____________________________________________田島 蒼(あお):2004年生まれ K大学付属K男子高校2年 さくらと同級生の彼氏 サッカー部 身長164cm     
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吉田有紗:1964年生まれ 弁護士 K女子中学校高校出身 K女子高校同窓会長
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高畑みずき:1964年生まれ K女子高校養護教諭
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茗ケ原(みょうがはら)みゆき:1986年生まれ 2012年26歳で結婚 2014年28歳で独立しイタリアンレストラン「Mother」
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茗ケ原(みょうがはら)健一:1986年生まれ みゆきの夫 婿養子
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茗ケ原(みょうがはら)裕之:1969年生まれ みゆきの父
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30年前の妹:1970年生まれ みゆきの母 2014年乳がんで死去(44歳)
____________________________________________鈴木聖羅(せいら):2001年生まれ 愛菜の中学校からの大親友 K大学2年 新体操部 彼氏は健太君
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山田美咲:綾の桑都八王子東高校の同級生 新体操部副キャプテン ケーキ作りが趣味
____________________________________________水野さん:2020年当時30歳くらい 綾のイラスト担当敏腕編集者
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