※この作品はR-18です。

綾~許されぬ愛と家族の形~   作:松原隼人

53 / 130
第53章 結絆出産時の出来事

2023年1月。父隼人42歳、母綾41歳、長女愛菜21歳大学3年生、次女さくら18歳高校3年生、三女結絆5歳。さくらはあの事件以来、夜間緊急でお世話になったA病院で臨床心理士の山本先生のフォローを受けていた。事情を説明してもらい、1月19日に島田先生と面会できるようセッティングしてくれた。午前9時30分、僕と綾、愛菜、さくら、結絆の家族全員でA病院に到着した。朝の病棟回診後の午前10時が面会の約束だった。

 

島田先生は臨床心理面談室で僕たちを笑顔で温かく迎えてくれた。40歳前後の穏やかな感じの先生だ。                                   

島田「山本先生からお話を伺ったときはびっくりしました」。              

僕と綾「覚えていてくれたんですね?」と感激の声を上げた。             

島田先生は結絆を見て微笑み、「あの時のお産のことはよく覚えています。もう6年も経つんですね」と語った。                               

「あのお産は、お母様の綾さんが妊娠高血圧を合併し、さらに子癇発作を起こし、母子ともに危険な状態でした。だから、とてもよく覚えているんです。ただ、大変なお産というのは結構あって、それだけだったら私も記憶に残っていなかったかもしれません。綾さんのお言葉がとても印象的で、心に深く刺さったんです」。

 

綾は不安そうに尋ねた。「私、何か失礼なことでも言ったんでしょうか?」。       

島田先生は首を横に振った。「いいえ、そうではありません。子癇発作を起こしかけ、また胎児心拍数が低下して緊急帝王切開の必要になり、早朝にお父様の隼人さんにお電話をしました」。

僕は、あの日の朝のことを鮮明に思い出した。スマホの呼び出し音は今でも耳に残っている。                             島田先生は続けた。「病棟中に緊張感が走る中、『私は死んでもいいからお腹の赤ちゃんを助けてください!』と綾さんが薄れる意識の中で口走ったんです。ただ、妊婦さんの中にはそのようにお腹の赤ちゃんを助けて、私はどうなってもいい……とおっしゃる方も稀にいらっしゃるんですが、続けて出た言葉に衝撃を受けたんです」。

 

____________________________________________

 

綾は身を乗り出して聞いた。「私は、なんて言ったんですか?」。

 

島田先生は、その言葉を再び口にした。「『私は死んでもいいからお腹の赤ちゃんを助けてください! でも、私も死ぬことはできないんです、〇〇や、〇〇のために……だから私の命も助けてください!』」。                             

「〇〇が誰なのか具体的な名前は覚えていませんが、たぶん愛菜さんとさくらさんだったと思います。この妊婦さんは、何か大きなことを抱えていらっしゃる、ご自分のお子さんたちのために……と、その時思いました」。

 

結絆の出産の時は、僕と綾の秘密はすでに愛菜やさくらと十分に話し合い、消化できていたはずだった。だが、綾は生まれてくる結絆とともに、3人の子供たちの将来に無意識のうちに大きな不安を抱えていたのだ、と僕は悟った。愛菜とさくらは涙をため、綾をじっと見つめていた。

 

島田先生が「そろそろお昼ですね。一緒に病院のレストランで昼食でもいかがですか?」と、温かく誘ってくれた。




松原隼人:1980年5月12日生まれ 1998年7月5日(18歳2か月)初体験 システムエンジニア 月収40-50万円 身長175cm
____________________________________________
松原 綾:1981年7月5日生まれ 1998年7月5日(17歳)初体験 桑都八王子東高校新体操部キャプテン イラストレーター ペンネーム愛桜(あいさ) 月収50-80万円 身長163cm Fカップ
____________________________________________
松原愛菜(まな):2001年9月26日生まれ(長女)K大学法学部法学科3年 新体操部 弁護士志望 身長165cm Eカップ 2020年3月(18歳6か月)初体験
____________________________________________
松原さくら:2004年11月10日生まれ(次女)K大学付属K女子高校3年 新体操部 産婦人科医志望 身長155cm Bカップ 2020年3月(15歳)ファーストキス 2022年8月レイプ未遂被害
____________________________________________松原結絆(ゆいな):2017年2月6日生まれ(三女)
____________________________________________
松原忠晴:1950年8月31日生まれ 2006年7月7日死去(55歳) 隼人と綾の父
____________________________________________
松原清美:1952年3月10日生まれ 2006年6月15日死去(54歳) 隼人と綾の母
____________________________________________
小川結翔(ゆいと):2001年生まれ K大学法学部政治学科3年 身長180cm イケメン 成績優秀 バドミントン部 2017年7月(高1)から愛菜と交際 一人っ子 巨根(平常時:長さ13cm、太さ3cm 勃起時:長さ18cm、太さ5cm)睾丸は砲丸投げのボールくらい 政治経済に興味があり、将来は新聞やテレビ報道の分野に進みたい
____________________________________________
小川真一郎:1961年生まれ 結翔の父 区議会議員 子供の教育問題に取り組む文教委員 巨根
____________________________________________ 
小川由美子:1964年生まれ 結翔の母 専業主婦 フラワーアレンジメント教室を開いている
____________________________________________田島 蒼(あお):2004年4月12日生まれ K大学付属K男子高校3年 さくらと同級生の彼氏 サッカー部 身長164cm 2017年に父は家出 2021年3月に母は失踪 2022年9月15日首吊り自殺   
____________________________________________
吉田有紗:1964年生まれ 弁護士 K女子中学校高校出身 K女子高校同窓会長
____________________________________________
高畑みずき:1964年生まれ K女子高校養護教諭
____________________________________________
島田弥生:2023年当時40歳前後 産婦人科医師(A病院勤務) K大学医学部産婦人科所属 
____________________________________________
茗ケ原(みょうがはら)みゆき:1986年生まれ 2011年25歳で妊娠 2012年26歳で結婚 2014年28歳で独立しイタリアンレストラン「Mother」
____________________________________________ 
茗ケ原(みょうがはら)健一:1986年生まれ みゆきの夫 婿養子
____________________________________________  
茗ケ原(みょうがはら)裕之:1969年生まれ 陽子の兄 みゆきの父
____________________________________________
茗ケ原(みょうがはら)陽子:1970年生まれ 裕之の妹 みゆきの母 2014年乳がんで死去(44歳)
____________________________________________鈴木聖羅(せいら):2001年生まれ 愛菜の中学校からの大親友 K大学3年 新体操部 彼氏は健太君
____________________________________________
山田美咲:綾の桑都八王子東高校の同級生 新体操部副キャプテン ケーキ作りが趣味
____________________________________________水野さん:2020年当時30歳くらい 綾のイラスト担当敏腕編集者
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。