※この作品はR-18です。

綾~許されぬ愛と家族の形~   作:松原隼人

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第54章 決意

A病院のレストランでは、事前購入の食券方式だった。僕たち家族5人はみんなでラーメンを注文し、島田先生は本日のランチを選んだ。6人で一つのテーブルを囲み、和やかな雰囲気に包まれた。

 

ほどなくして食券番号が呼ばれ、それぞれカウンターに食事を取りに行った。島田先生がさくらに目を向け、優しく語りかけた。「さくらちゃん、医学部志望なんですってね、山本先生から聞きました。しかも、産婦人科だとか」。さくらは肩を落として言った。「はい、でも内部推薦は受けられませんでした」。

 

島田先生は、さくらの気持ちに寄り添うように続けた。「あんなことがあったら、勉強が手につかないのは当たり前ですよ。大切なのは切り替えです。一般入試に挑戦するという方法もありますよ」。そして、具体的な道筋を示した。「他の高校の生徒と同じ土俵で戦うんです。確か、医学部の定員は100名で、そのうち40名は内部進学で決まりますから、一般入試での定員は60名ほどですよね。非常に狭き門ではありますが、挑戦してみてはどうでしょうか?」。さくらは、その言葉にじっと耳を傾け、深く考えていた。

 

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島田先生は、産婦人科医の現状について、さらに詳しく話してくれた。「産婦人科医は今、なり手がいなく、非常に少ないんです。大変な激務ですし、訴訟のリスクが他の臨床科と比べて圧倒的に多く、人気がないんです。そのため、医学部卒業生は耳鼻科や眼科、皮膚科のようなマイナー科に進む人がとても多いんですよ。だから、地方都市ではお産ができる施設がなくて、赤ちゃんを産むことができなくなっているんです」。

 

しかし、彼女の言葉には、深い情熱が宿っていた。「実は、来年、私はK大学の産婦人科の医局を辞めて、地元の佐賀に戻ろうと思っています。内科医の主人は、私の地元で開業する予定です。産婦人科医は、赤ちゃんの命を守ることも重要ですが、同時に命がけで赤ちゃんを産むお母さんの命も守らなければならない。それは、松原さんのご出産から教えていただきました。さくらちゃん、あの夜の診察の時、とても辛かったと思います。でもあなたは歯を食いしばってよく耐えましたね。もう一度、立ち上がってほしいと私は思います」。

 

その時、ピーピーピーと島田先生の院内PHSが鳴った。「ちょっと、呼ばれたみたいなのでこれで失礼します」。そう言って島田先生は席を後にした。本日のランチには、ほとんど手が付けられていなかった。

 

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結絆の出産時のこと、綾の無意識の気持ち、産婦人科医のなり手不足、地方での出産の困難、そして、あの夜の涙の診察のこと、一般入試のこと。島田先生から伺ったすべてのことが、さくらの心の中で、確かな光となって蘇っていた。

 

「ラーメン伸びちゃうから早く食べようか」。僕がみんなに声をかけると、家族は無言でラーメンを食べ進めた。

 

沈黙の中、さくらが、その澄んだ瞳に揺るぎない決意を宿して、力強く言った。

 

「パパ、ママ、お姉ちゃん。私、一般でやってみる」。

 

その言葉の後、さくらはラーメンのどんぶりに口を付け、珍しくスープの最後の一滴まで飲み干した。それは、さくらの過去の悲しみと、未来への覚悟を、すべて飲み込むかのような一杯だった。




松原隼人:1980年5月12日生まれ 1998年7月5日(18歳2か月)初体験 システムエンジニア 月収40-50万円 身長175cm
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松原 綾:1981年7月5日生まれ 1998年7月5日(17歳)初体験 桑都八王子東高校新体操部キャプテン イラストレーター ペンネーム愛桜(あいさ) 月収50-80万円 身長163cm Fカップ
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松原愛菜(まな):2001年9月26日生まれ(長女)K大学法学部法学科3年 新体操部 弁護士志望 身長165cm Eカップ 2020年3月(18歳6か月)初体験
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松原さくら:2004年11月10日生まれ(次女)K大学付属K女子高校3年 新体操部 産婦人科医志望 身長155cm Bカップ 2020年3月(15歳)ファーストキス 2022年8月レイプ未遂被害
____________________________________________松原結絆(ゆいな):2017年2月6日生まれ(三女)
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松原忠晴:1950年8月31日生まれ 2006年7月7日死去(55歳) 隼人と綾の父
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松原清美:1952年3月10日生まれ 2006年6月15日死去(54歳) 隼人と綾の母
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小川結翔(ゆいと):2001年生まれ K大学法学部政治学科3年 身長180cm イケメン 成績優秀 バドミントン部 2017年7月(高1)から愛菜と交際 一人っ子 巨根(平常時:長さ13cm、太さ3cm 勃起時:長さ18cm、太さ5cm)睾丸は砲丸投げのボールくらい 政治経済に興味があり、将来は新聞やテレビ報道の分野に進みたい
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小川真一郎:1961年生まれ 結翔の父 区議会議員 子供の教育問題に取り組む文教委員 巨根
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小川由美子:1964年生まれ 結翔の母 専業主婦 フラワーアレンジメント教室を開いている
____________________________________________田島 蒼(あお):2004年4月12日生まれ K大学付属K男子高校3年 さくらと同級生の彼氏 サッカー部 身長164cm 2017年に父は家出 2021年3月に母は失踪 2022年9月15日首吊り自殺   
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吉田有紗:1964年生まれ 弁護士 K女子中学校高校出身 K女子高校同窓会長
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高畑みずき:1964年生まれ K女子高校養護教諭
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島田弥生:2023年当時40歳前後 産婦人科医師(A病院勤務) K大学医学部産婦人科所属 佐賀県出身 
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茗ケ原(みょうがはら)みゆき:1986年生まれ 2011年25歳で妊娠 2012年26歳で結婚 2014年28歳で独立しイタリアンレストラン「Mother」
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茗ケ原(みょうがはら)健一:1986年生まれ みゆきの夫 婿養子
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茗ケ原(みょうがはら)裕之:1969年生まれ 陽子の兄 みゆきの父
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茗ケ原(みょうがはら)陽子:1970年生まれ 裕之の妹 みゆきの母 2014年乳がんで死去(44歳)
____________________________________________鈴木聖羅(せいら):2001年生まれ 愛菜の中学校からの大親友 K大学3年 新体操部 彼氏は健太君
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山田美咲:綾の桑都八王子東高校の同級生 新体操部副キャプテン ケーキ作りが趣味
____________________________________________水野さん:2020年当時30歳くらい 綾のイラスト担当敏腕編集者
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