※この作品はR-18です。

綾~許されぬ愛と家族の形~   作:松原隼人

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第57章 さくらの恋

2023年4月。父隼人42歳、母綾41歳、長女愛菜21歳大学4年生、次女さくら18歳大学1年生、三女結絆6歳小学1年生。4月、結絆が小学校に入学した。新しいランドセルを背負って登校するその小さな姿に、僕の胸には万感の思いがこみ上げた。綾もまた、結絆を出産した時のことを思い出しているようだった。大学では、さくらが中高と続けていた新体操部に入部した。そう、4年生の先輩には愛菜がいる。

 

5月に入り、愛菜から「今、うちの大学では大変なことになっているの」と、僕と綾に報告があった。                                    

「医学部に入ったさくらが大学の男子学生にモテモテでさあ、身長155cmと小柄で、可愛いさくらが大学で大人気みたいなんだ。可愛い上に医学部って、結構話題になってるし。それで、私の妹ってことも知れ渡っていて、『松原の妹紹介してくれ』とか『愛菜の妹、彼氏いるの?』って何回も聞かれて、ちょっと困ってるの」。                

愛菜は困ったふりをしながらも、どこか嬉しそうな笑顔だった。

 

その夜、夕食時に愛菜が「さくら、モテモテじゃん。どうするの? よりどりみどりだね」とからかった。                                  

「でも、なんかみんなイマイチなんだよね」とさくら。                

綾が「じゃあ、誰か好きな人いるの?」と尋ねると、さくらはドライフラワーにしたバラの花をそっと見つめ、「うん」と静かに、しかしはっきりと頷いた。

 

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「杉浦さんが好き」。

 

さくらは、頬を染めながらも、真剣な瞳で告白した。                 

「杉浦さんって、杉浦先生のことだよね?」と、綾が優しく問いかけた。        

「そう、杉浦さん。2年生の」。さくらは答えた。                   

「杉浦さんって呼んでるの? 杉浦先生のこと」。綾が尋ねると、さくらは恥じらいを隠しきれない様子で続けた。                               

「うん、構内ですれ違う時、いつも『さくらちゃん』って声かけてくれて。私は『杉浦先生』って呼んだら、『もう先生じゃないから杉浦さんか、慎吾さんか、慎吾君でいいよ』って言ってくれたんだけど、でも恥ずかしくて名前でなんか呼べないから、『杉浦さん』って呼んでるの。でね、来週、二人で遊びに行く約束したんだ」。              

さくらが恥ずかしそうに、でもちょっぴり嬉しそうに話すと、愛菜が「えええっ!? そうなの!? で、どこに行くの!?」と驚きの表情で身を乗り出した。          

「うん、ディズニーランド」。

「えー! 完全デートじゃん!」と綾が嬉しそうに声を上げた。            

「たぶん、告白されると思う。そんな予感がするの」と、さくらは胸の高鳴りを抑えきれないように語った。                                

「えっ、告白されたらどうするの?」と愛菜が尋ねた。                

「うん、お付き合いしたい……。杉浦さん、小論文の指導をしてくれた時に、とっても優しくて、いい匂いがして、勉強してるのに、ドキドキしてたんだ。それでね、絶対に合格して、杉浦さんに喜んでもらいたかったの」。さくらは、あの時の純粋な気持ちを正直に打ち明けてくれた。

 

その夜、僕はベッドで綾とさくらの新たな恋について語り合った。          

「さくら、本当に嬉しそうだったね。なんか、初々しくて、見ているこっちが照れちゃった」と綾が微笑んだ。                                

「さくらには幸せになってほしいな。だけど、合格できたのは杉浦先生の力が一番大きかったわけだね。僕と綾の神社のお参りじゃなくて……」

 

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6月のある日曜日。さくらは朝5時から台所で、愛しい彼とのディズニーデートのためお弁当作りに励んでいた。綾が起きてきて「何か手伝おうか?」と言ったが、さくらは「自分でするから、ママは寝ていて」と、お弁当作りに夢中だった。

 

午前8時、杉浦さんが迎えに来た。「では、行ってきます」。杉浦さんが笑顔で僕たちに挨拶をすると、さくらは喜びを弾けさせるように、手作りのお弁当を持ってディズニーランドへ出かけた。

 

午前9時にパークに到着。日曜日なので、かなりの混雑だったが、待ち時間も二人にとっては愛おしい時間だった。パークに入場すると、周りは恋人たちで溢れていた。最初はぎこちなかった二人だったが、周囲のカップルが手をつないでいるのを見て、自然と互いの手をそっと握り合った。さくらは、胸がときめくのを感じていた。

 

様々な乗り物に乗り、昼食はパーク外のピクニックエリアで、さくら手作りのお弁当を一緒に食べた。おにぎり、ウインナー、玉子焼き、手作りコロッケ、野菜サラダ、サンドイッチ、フルーツにはメロンとイチゴなど、愛情と工夫が詰まった豪華な内容だった。

 

夕方、パレードを見た。運良くベンチが開いていたので、二人はそこに座った。周りは恋人同士で溢れていた。語り合う恋人たち、パレードを見ている恋人たち、抱き合う恋人たち、キスする恋人たち。

 

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杉浦「今日は楽しかった。さくらちゃん、ありがとう」。杉浦さんが遠くのパレードを見ながら、そっと切り出した。                            

 

さくら「私の方こそありがとうございます。誘っていただいて、本当に嬉しかったです」。                           杉浦「断られるかなって思ったけど、思い切って誘ってよかった……」。        

 

さくら「断るなんてないですよ。とっても嬉しかったんです」。

 

どちらからともなく手が触れ合い、お互いの手を握り合った。さくらは恥ずかしさに頬を染め、下を向いたままだった。

 

杉浦「さくらちゃん、僕、さくらちゃんのことが好きなんだ。小論文の指導しているときからずっと。一生懸命目標に向かっているさくらちゃんのことを応援しているうちに、だんだん好きになっていった。試験前だから気持ちは抑えていたけど、合格したってお母さんから電話をもらって、本当に自分のことのように嬉しかったんだ。さくらちゃんの同じ学部で勉強できるって」。

 

さくら「好きって言ってもらえて嬉しいです。私も、勉強しているときからずっとずっと好きでした。杉浦さんのこと。本当に優しく一生懸命に教えてくれて……。私も、自分の気持ち、ずっと押さえていました」。

 

さくらは、うつむいていた顔を上げ、杉浦さんを真っ直ぐに見つめた。

 

杉浦「さくらちゃん、僕と付き合ってもらえませんか?」。               

さくら「はい」。

 

しばらく二人は見つめ合いながら、無言の時間が続いた。さくらはほんの少しだけ杉浦さんに近づき、そっと、祈るように目を閉じた。その瞬間、シンデレラ城の向こうに大きな花火が上がり、さくらの唇に杉浦さんの唇が優しく、そっと触れた。どのくらいの時間だっただろうか。長くもあり、短くも感じたキスだった。それは、メロンとイチゴの味がした。

 

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杉浦「杉浦さんって、ちょっとよそよそしいから、下の名前で呼んでいいよ」。   

 

さくら「えっ、じゃあ、慎吾さん」。

 

杉浦「慎吾君でいいよ」。

 

さくら「じゃあ、慎吾君。今日はとっても楽しかった。ありがとう」。

 

さくらはそう言うと、慎吾君の頬にキスをし、幸せをかみしめるように肩にもたれかかった。

 

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自宅のチャイムが鳴り、綾が玄関で出迎えた。自宅では僕と綾、愛菜と結絆が、さくらの帰りを心待ちにしていた。                             

「あっ、おかえり。杉浦さん、今日はありがとう。ケーキ買ってあるから、ちょっと寄って行って!」と、綾が半ば強引に杉浦さんを中に招き入れた。             

「あっ、では少しだけ」と、杉浦さんは少し恥ずかしそうに家に入った。

 

「どう、楽しかった? ディズニーランド!」と、愛菜が早速興味津々に尋ねた。「結絆も行きたかったー、ディズニーランド!」と、結絆が少しふくれっ面になった。しばらく和やかに話が続いた後、慎吾君が家族全員に向けて「僕、今日さくらちゃんに交際を申し込みました」と宣言した。何となく予想はしていたけど、突然だったので僕たちもちょっとびっくりした。さくらも驚きの表情で「杉浦さん、急に……」と顔を赤らめた。

 

「それで、さくらは?」と、愛菜が前のめりになって返事を聞きたがった。       

「はいって答えたよ」とさくらが答えると、「おめでとー!」と綾と愛菜が拍手喝采。結絆もつられて拍手をした。

 

「では、よろしくおねがいします」と、慎吾君は深く頭を下げて帰っていった。     

「さくら、よかったね。お風呂に入ったら、あとでお礼の電話をした方がいいわよ」綾が嬉しそうにさくらに微笑みかけた。

 

入浴後、さくらはキッチンの陰に隠れて電話をしていた。               

「今日はありがとう……びっくりしたよ、パパとママに、交際って……来週? 慎吾君は?……御法川教授の講義は取った方がいいかな?……えっ、カレーとか、中華だったらエビチリかな? あと、お寿司も、慎吾君は?」。さくらの嬉しそうな声が、キッチンの奥から聞こえてきた。

 

「さっきケーキ食べてるときは『杉浦さん』って呼んでたよね? 私たちの前では恥ずかしかったんだね、『慎吾君』って呼ぶのが」と、綾がクスっと笑いながら言った。僕と綾は、さくらの彼氏「慎吾君」と、さくらの初々しい交際を、これからも温かく見守っていこうと思った。




松原隼人:1980年5月12日生まれ 1998年7月5日(18歳2か月)初体験 システムエンジニア 月収40-50万円 身長175cm
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松原 綾:1981年7月5日生まれ 1998年7月5日(17歳)初体験 桑都八王子東高校新体操部キャプテン イラストレーター ペンネーム愛桜(あいさ) 月収50-80万円 身長163cm Fカップ
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松原愛菜(まな):2001年9月26日生まれ(長女)K大学法学部法学科4年 新体操部 弁護士志望 身長165cm Eカップ 2020年3月(18歳6か月)初体験
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松原さくら:2004年11月10日生まれ(次女)K大学医学部1年 新体操部 産婦人科医志望 身長155cm Bカップ 2020年3月(15歳)ファーストキス 2022年8月レイプ未遂被害 2023年6月(大学1年)から慎吾と交際
____________________________________________松原結絆(ゆいな):2017年2月6日生まれ(三女)小学校1年
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松原忠晴:1950年8月31日生まれ 2006年7月7日死去(55歳) 隼人と綾の父
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松原清美:1952年3月10日生まれ 2006年6月15日死去(54歳) 隼人と綾の母
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小川結翔(ゆいと):2001年生まれ K大学法学部政治学科4年 身長180cm イケメン 成績優秀 バドミントン部 2017年7月(高1)から愛菜と交際 一人っ子 巨根(平常時:長さ13cm、太さ3cm 勃起時:長さ18cm、太さ5cm)睾丸は砲丸投げのボールくらい 政治経済に興味があり、将来は新聞やテレビ報道の分野に進みたい
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小川真一郎:1961年生まれ 結翔の父 区議会議員 子供の教育問題に取り組む文教委員 巨根
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小川由美子:1964年生まれ 結翔の母 専業主婦 フラワーアレンジメント教室を開いている
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杉浦慎吾:2003年生まれ K大学医学部2年 さくらの小論文の家庭教師 2023年6月(大学2年)からさくらと交際
____________________________________________田島 蒼(あお):2004年4月12日生まれ K大学付属K男子高校3年 さくらと同級生の彼氏 サッカー部 身長164cm 2017年に父は家出 2021年3月に母は失踪 2022年9月15日首吊り自殺   
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吉田有紗:1964年生まれ 弁護士 K女子中学校高校出身 K女子高校同窓会長
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高畑みずき:1964年生まれ K女子高校養護教諭
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島田弥生:2023年当時40歳前後 産婦人科医師(A病院勤務) K大学医学部産婦人科所属 
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茗ケ原(みょうがはら)みゆき:1986年生まれ 2011年25歳で妊娠 2012年26歳で結婚 2014年28歳で独立しイタリアンレストラン「Mother」
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茗ケ原(みょうがはら)健一:1986年生まれ みゆきの夫 婿養子
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茗ケ原(みょうがはら)裕之:1969年生まれ 陽子の兄 みゆきの父
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茗ケ原(みょうがはら)陽子:1970年生まれ 裕之の妹 みゆきの母 2014年乳がんで死去(44歳)
____________________________________________鈴木聖羅(せいら):2001年生まれ 愛菜の中学校からの大親友 K大学4年 新体操部 彼氏は健太君
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山田美咲:綾の桑都八王子東高校の同級生 新体操部副キャプテン ケーキ作りが趣味
____________________________________________水野さん:2020年当時30歳くらい 綾のイラスト担当敏腕編集者
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