※この作品はR-18です。

青い蕾の誘惑  幼い少女のエロ短編集   作:みなぽん

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団地の子 秘密基地の3人 白井遥香14歳

 夏の終わりの夕方、団地のコンクリートは昼の熱をまだ残していた。

 古いブランコが、ぎい、と小さく鳴る。

 

 大野純也は、その音を聞きながらベンチに座っていた。団地の中庭は、幼い頃から変わらない遊び場だ。ペンキの剥げた鉄棒、少し歪んだ滑り台、砂の少ない砂場。どれも小さい頃には大きな冒険の舞台だった。

 

「純也、ぼーっとしてんなよ」

 

 声をかけてきたのは城戸辰哉だった。少し日に焼けた顔で、スポーツバッグを肩にかけている。中学に入ってから野球部に入った辰哉は、背もぐんと伸びていた。

 

「別に、ぼーっとしてねえよ」

 

「してただろ」

 

 二人がいつものように軽口を叩き合っていると、団地の階段の上から声がした。

 

「二人とも、またケンカしてるの?」

 

 ゆっくりとした足取りで降りてくる少女。

 白井遥香だった。

 

 薄い色の髪。雪のように白い肌。光に弱い瞳を守るための薄い色のサングラス。遥香はアルビノの体質で、生まれつき体が弱かった。学校を休むことも多い。それでも、三人の中では昔から一番よく笑う子だった。

 

「ケンカじゃねえよ」

「そうそう、いつものやつ」

 

 辰哉と純也が同時に言うと、遥香は小さく笑った。

 

 その笑顔を見ると、純也はいつも胸の奥が少しだけくすぐったくなる。昔はそんなことなかった。三人で鬼ごっこをして、団地の階段を駆け回って、泥だらけになって遊んでいた頃は。

 

 でも、中学生になってから、少しずつ何かが変わってきた。

 

 遥香がブランコに座ると、純也はなんとなく隣のベンチから立ち上がり、ブランコの後ろに回って軽く押してやる。

 

「ありがと」

 

 風に揺れる白い髪が、夕焼けの光を受けてほんのり赤く染まる。

 

 辰哉はそれを見ながら、鉄棒にぶら下がっていた。

 

「遥香、今日学校来てたの?」

 

「うん。午後だけ」

 

「大丈夫なのかよ」

 

「ちょっとだけなら平気」

 

 遥香はそう言ったが、純也は知っていた。無理をしているときの遥香は、少しだけ声が細くなる。

 

 ブランコがゆっくり揺れる。

 

 団地の向こうで、夕飯の匂いが流れてきた。味噌汁と、焼き魚の匂い。

 

「なあ、覚えてる?」

遥香が言った。

 

「なにを?」と辰哉。

 

「この公園でさ、三人で秘密基地作ったでしょ」

 

「あー、あったな」

 

 純也も思い出した。段ボールとブルーシートで作った、小さな“基地”。雨の日に全部崩れてしまって、三人で大泣きした。

 

「将来もずっと三人で遊ぶって言ったんだよ」

 

 遥香が少し笑う。

 

「小学生の約束じゃん」と辰哉が言う。

 

「でも、ちょっと寂しいなって思った」

 

 その言葉に、純也の胸が少しだけきゅっと締めつけられた。

 

 沈黙が落ちる。

 

 団地の窓に灯りがつき始めていた。

 

 辰哉がぽつりと言った。

 

「なあ遥香」

 

「うん?」

 

「もしさ、体が丈夫だったら、何したい?」

 

 遥香は少しだけ考えた。

 

 それから、ゆっくりと答えた。

 

「三人で遠くまで自転車で行ってみたい」

 

「遠くって?」

 

「海」

 

 純也は思わず笑った。

 

「ここから海まで、めちゃくちゃ遠いぞ」

 

「知ってる」

 

 遥香も笑った。

 

「だからいいんじゃない」

 

 その笑顔を見て、純也は思った。

 この時間が、ずっと続けばいいのに、と。

 

 でも同時に、分かってもいた。

 

 もう子どもの頃とは違う。

 

 辰哉も、遥香も、自分も、少しずつ変わっていく。

 胸の奥に生まれたこの気持ちの名前も、たぶん三人とも気づき始めている。

 

 夕焼けが、団地の壁を赤く染めていた。

 

 ブランコはゆっくりと止まり、遥香の足が砂に触れた。

 

「純也」

 

「ん?」

 

「今度さ」

 

 遥香は少しだけ恥ずかしそうに言った。

 

「三人で、また秘密基地作ろうよ」

 

 辰哉が笑う。

 

「中学生がやることかよ」

 

「いいじゃん」

 

 純也は少しだけ考えてから言った。

 

「…やるか」

 

 遥香の顔が、ぱっと明るくなった。

 

 その笑顔を見て、純也は思った。

 

 たぶんこの時間は、ずっと続くわけじゃない。

 でも、だからこそ――

 

 今、この瞬間が、きっと一番大事なんだ。

 

 団地の夜風が、静かに三人の間を通り抜けていった。

団地の裏にある雑木林は、子どもたちの秘密の場所だった。

 大きな木が何本も並び、外から見るとただの林だが、奥に入ると団地の建物も道路も見えなくなる。三人にとっては、昔からの「冒険の場所」だった。

 

 土曜日の午後、純也と辰哉は両手いっぱいに段ボールやブルーシートを抱えて林に入っていた。

 

「お前、ほんとにやる気なんだな」

 

 辰哉が呆れたように言う。

 

「遥香が言い出したんだろ。だったら作るしかない」

 

「まあな」

 

 二人は小学生の頃と同じ場所に木の枝を立て、ブルーシートをかけて、段ボールで壁を作っていく。手際はあの頃よりずっと良かった。背も伸びて、力も強くなっている。

 

「こんなもんか?」

 

「…意外とちゃんとしてるな」

 

 小さな三角形の空間ができあがった。

 大人ならしゃがまないと入れないようなサイズだが、中学生の三人ならなんとか座れる。

 

 そこへ、林の入口から遥香がやってきた。

 

 白い帽子をかぶり、長袖の薄いパーカーを着ている。光を避けるための服装だ。

 

「できた?」

 

 少し息を弾ませている。

 

「おう」

 

 純也がシートをめくる。

 

「どうぞ、秘密基地へ」

 

 遥香は少し楽しそうに笑って、しゃがみ込みながら中に入った。

 

「わあ…」

 

 中は思ったより暗くて、外の音も少し遠くなる。ブルーシート越しの光が柔らかく差し込み、秘密の部屋みたいだった。

 

「懐かしい」

 

 遥香が小さく言う。

 

 純也と辰哉も中に入ると、三人は自然と向かい合う形になった。

 

 ……思ったより、近い。

 

 膝と膝が触れそうな距離だ。

 

 純也はなんとなく視線を逸らした。

 

「狭っ」

 

 辰哉が笑う。

 

「でも秘密基地ってこんなもんだろ」

 

 遥香は壁の段ボールを軽く触る。

 

「子どもの頃と同じ匂い」

 

「段ボールの匂いな」

 

「そう、それ」

 

 三人は少し笑った。

 

 外では風が木の葉を揺らしている。

 シートがかすかにパタパタと鳴る。

 

 狭い空間の中で、三人の呼吸だけが妙に近かった。

 

 遥香が少し咳をした。

 

「大丈夫か?」

 

 純也が思わず身を乗り出す。

 

「うん、平気」

 

 でも距離が近すぎて、遥香の顔がすぐ目の前にあった。

 白い肌。薄い色のまつげ。サングラスの奥の瞳。

 

 純也は慌てて体を引いた。

 

 辰哉がその様子をちらっと見て、にやっと笑う。

 

「純也、顔赤いぞ」

 

「赤くねえよ」

 

「赤いって」

 

「うるせえ」

 

 遥香は二人のやり取りを見てくすくす笑った。

 

 その笑い声が、小さな空間にやわらかく響く。

 

「なんかさ」

 

 遥香が言った。

 

「ここにいると、時間止まってるみたい」

 

「団地の外と別の世界みたいだよな」

 

 辰哉がうなずく。

 

 純也は黙っていた。

 

 狭い空間。近すぎる距離。

 遥香の肩が、ほんの少し自分の腕に触れている。

 

 それだけで心臓が妙に速くなる。

 

 子どもの頃は、こんなことなかった。

 

 遥香がふと外を見た。

 

「もしさ」

 

「うん?」

 

「この秘密基地、本当に秘密だったらどうする?」

 

「どういう意味?」

 

「ここは三人だけの場所」

 

 遥香は少し照れくさそうに言った。

 

「純ちゃん、辰くん、女の子の体に興味ない?」

 

 

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遥香の言葉に、純也と辰哉の動きが止まった。

 

「……なに言ってんだよ」

辰哉の声はわずかに震えていた。

 

遥香はゆっくりとサングラスを外した。瞳は真珠のように淡い色で、まばたきとともに長い睫毛が揺れる。

「だって二人とも私の体のこと、気にしてるんでしょ?」

細い指先がパーカーの裾を掴む。

布一枚隔てた肌が透けるように白く見える。

 

「待てよ……」

純也が立ち上がろうとするのを、遥香の手が制した。

「お願い。今日は大丈夫だから」

 

細い指がボタンを一つずつ外していく。白いブラウスの隙間から浮かび上がる鎖骨のライン。透き通るような肌に影を作る薄い陰影。

 

「やっぱり綺麗だね」

辰哉が吐息混じりにつぶやく。

 

「でしょ?」

遥香は微笑んだ。ブラウスを脱ぎ捨てると、病的に細い腕と透き通るような肩甲骨が露わになる。胸元には透けそうなベージュのキャミソール。

 

純也の喉が鳴った。

(俺……なんてこと考えてんだ)

視線を逸らせない自分が情けなかった。

 

「どうする? 見るのやめる?」

遥香が挑発するように首を傾げる。

その仕草があまりにも色っぽくて――二人は無言で首を横に振った。

 

次の瞬間、遥香はキャミソールの肩紐をそっと落とした。

肋骨が浮き出た胸元と、僅かに膨らんだ乳首。ピンク色の突起が痛々しいほど鮮やかだった。

「もっと近くで見て」

 

彼女の声は蜜のように甘い。

 

辰哉が息を呑む音が聞こえる。

純也は思わず手を伸ばしかけた――が、遥香の指がその手を握った。

「触っちゃダメ。でも見てて」

 

細い指先が腹筋の縁をなぞる。

皮膚が薄く透けるような腹部から太腿へと滑り落ちていく動き。

「二人とも……勃ってるよね?」

その問いに答えられないまま、二人はズボンの中で脈打つものを意識させられた。

 

「私も興奮してきた」

遥香の声が掠れる。

「見てて……私イクところ」

そう言って片手を秘所へ這わせる。

短パンの布越しに指が蠢くたび、微かな水音が木漏れ日の隙間に滲む。

 

「あ……」

小さく漏れた声に応じるように、辰哉がベルトを外す音が響いた。

続いて純也もジャージのファスナーを引き下げると、熱を持ったものが解放された。

 

「みんな一緒……」

遥香の瞳が潤んでいる。

三人分の浅い呼吸が狭い空間に溶け合う。

 

純也は遥香の指先に釘付けになりながら右手を動かす。

(これが……女子のオナニー……)

目眩がするほどの現実感に圧倒されながらも、快感が脳天まで突き抜けた。

 

同じく辰哉も必死にしごいている。彼の額に浮かぶ汗の粒。

「あぁ……遥香っ!」

我慢できない呻きが漏れた刹那――

遥香の背筋が弓なりに反った。

 

「んぅ……っ!」

声にならない叫びと共に全身が痙攣する。

太腿を伝う透明な雫。

瞬間、純也も限界を迎えた。

「うっ……!」

 

熱い飛沫がブルーシートに跳ね返る。

続けて辰哉も腰を震わせながら放った。

濃厚な匂いが籠もった空間に充満する。

 

余韻の中で三人は息を切らしていた。

秘密基地の木々がざわめく音だけが外界との唯一の繋がりだ。

「私たち……変なのかな?」

遥香が小さく笑った。

 

「いや……すごくエロかった」

辰哉が正直に呟く。

純也は何も言えないまま、自分の垂れ流した液の跡を見つめていた。

 

誰かが咳払いをする。

「片付けるか?」

「うん」

三人とも少しだけバツが悪そうに立ち上がる。

汚れたブルーシートを巻きながら遥香が振り向いた。

「またしようね」

 

その言葉に純也は胸が痛んだ。

(これが俺たちの友情なのか――恋なのか)

シートの埃臭い匂いの中で、確かな体温だけが現実だった。

 

 

あの日から一週間後。再び秘密基地に集まった三人の間に漂う空気は、明らかに違っていた。

 

「……ホントにやんのか?」

辰哉の声には躊躇があった。だがその瞳は期待を隠せていない。

純也も口を開かないまま、地面の乾いた小枝を踏んでしまった。音が嫌に響く。

 

遥香がゆっくりと白い靴下を脱いだ。しなやかな指先が脛にかかる。

「怖い?」

からかうような口調なのに、サングラス越しの瞳は不安げに揺れている。

 

「怖いってゆうか……」

純也が言いかけると、遥香の指先がそっと彼の掌に触れた。

氷のような冷たさに、反射的に手を引っ込めそうになる。けれど――。

 

「もっと触りたいでしょ?」

囁く声に逆らえず、純也は恐る恐る遥香の手を包み込んだ。細く折れそうな指。

辰哉も黙って覗き込む。

 

「じゃあ……次は君たちも」

遥香の視線が二人の下半身に注がれる。

ためらいながらも純也がベルトを緩めた瞬間、辰哉も覚悟を決めたようにジッパーを下ろした。

 

ふわりと広がる雄の匂いに、遥香が小さく息を飲む。

「すご……大きくなってる」

好奇心に満ちた声。純也のそれはすでに熱を帯び、辰哉のも同様だった。

 

「触ってもいい?」

遥香が二人を交互に見る。

頷くのがやっとの純也に対して、辰哉は勢いよく首を縦に振った。

 

柔らかな指先が辰哉の先端に触れた途端、「うっ」と低い呻きが漏れる。

「温かい……それに硬い」

その言葉だけで純也の背筋が粟立った。

 

「純ちゃんも」

名前を呼ばれた瞬間、全身が火照る。

遥香の白い指が輪を作り、自分の敏感な箇所を包み込む――想像するだけで暴発しそうだ。

 

「あっ……」

予想以上の感触に声が漏れた。優しく握られただけで頭が白くなる。

辰哉のほうからは粘つく水音が聞こえ始める。

 

「遥香……俺も触っていい?」

辰哉が尋ねると、彼女は少し迷ってから頷いた。

短パンを膝まで引き下げられる時、遥香は小さく「恥ずかしい……」と呟いた。

 

細い脚の間。薄桃色の花弁がわずかに開いている。

純也はゴクリと唾を飲み込む音を抑えられなかった。

 

「触るよ」

辰哉の指がそこに滑り込む。

「ん……っ」

遥香の背中が小さく跳ねる。

 

「濡れてる……」

辰哉の声には驚嘆と喜びが入り混じっていた。

純也も我慢できずに覗き込むと、確かに蜜のような液体が指先に絡んでいる。

 

「純ちゃん……舐めてみて」

遥香の声は官能的で危うい。

目を合わせることもできず、純也は震える舌を伸ばした。

塩気のある甘さが口中に広がる。

 

「あっ……やっ……」

初めて聞く高い声に驚いた。

遥香は純也の頭を抱え込みながら腰をくねらせている。

 

「俺も……」

辰哉が遥香の胸に顔を寄せる。薄い乳房を口に含むと、「ひゃんっ」と細い悲鳴。

三人の体から立ち昇る熱気が狭いスペースを満たしていく。

 

純也は再び遥香の指が触れるのを感じた。今度は激しく上下する動き。

「出る……!」

警告する間もなく白濁が噴き出した。

辰哉もほとんど同時。「うぁ……っ」

遥香の腹から胸にかけて二人分の欲望が散った。

 

「ふふ……どっちもたくさん……」

荒い呼吸の中で遥香が笑う。

純也と辰哉は言葉を失い、ただ見つめ合うしかなかった。

 

静寂を破ったのは木の葉擦れの音。鳥のさえずり。

急に現実が押し寄せてきて三人は我に返る。

 

「片付けよっか」

遥香がティッシュで自分の体を拭う。二人も慌てて衣服を整えた。

 

帰り道、誰も何も話さなかった。

団地に戻る橋の上で遥香がぽつりと言う。

「また……したい?」

 

純也は真っ赤になって俯いた。

辰哉が代わりに答える。「当たり前だろ」

 

その答えに遥香は嬉しそうに笑った。

「じゃあ次の金曜ね」

夕陽に染まる彼女の横顔はあまりに美しく――そして危うかった。

秘密基地の記憶が三人の胸に刻まれる。

友情と呼ぶには過ぎた感情と、性と呼ぶには脆すぎる愛情の狭間で。

団地の窓から漏れる夕食の匂いに背を向けながら、彼らは明日に向かって歩き出した。

 

 

秘密基地の中に沈黙が落ちた。

ブルーシートの隙間から差し込む光が三人の輪郭をぼんやりと照らしている。

 

「ねぇ……」

遥香が先に口を開いた。指先が辰哉のシャツの裾を摘んでいる。

「本当にいいの?」

確認するような問いに純也の喉が詰まる。いいも悪いもない。

ここまで来てしまったのだ。

 

「遥香が決めれば」

辰哉の声は緊張に震えている。純也は唇を噛みしめた。

 

「じゃあ……三人で」

その言葉に血が逆流するような衝撃を覚えた。

(三人で?)

 

「順番にっていうことでいい?」

遥香の提案はあまりに冷静で残酷だった。

(そういうことか――選択肢があることに安心すればいいのか?)

 

最初に名前を呼ばれたのは辰哉だった。

「んっ……」

遥香が辰哉の上に跨る。白い太腿が薄闇に浮かび上がる。

純也は歯を食いしばりながらも目を離せなかった。

 

 

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「力を抜いて」

遥香の囁きに従って辰哉が仰向けになる。

細い指が導き、二人の肉体が密着する瞬間――

「あっ……」

高い声。純也の鼻腔に甘い汗の匂いが届く。

 

辰哉の苦悶と悦楽の表情。結合部から漏れる水音。

(これがセックス……)

 

やがて遥香が振り返る。「次は純ちゃん」

呼び方が普段とは違っていた。

まるで別人のような眼差し。白い髪が乱れ、汗で貼りついている。

 

「入れて」

言われるままに膝をつく。震える手でベルトを外す音だけが大きく響く。

「ゆっくりね」

導かれるままに進む。熱い肉に包まれる衝撃。

「うっ……」

声を漏らさぬよう唇を噛む。遥香の背中が弓なりに反る。

 

外の木々が風に揺れる音。セミの声。

現実と夢の境目が溶けていく。

 

「動いて」

促されるまま腰を動かす。痛みと快感の狭間で神経が痺れる。

頭上で遥香が喘ぐ。「辰哉……触って」

 

指示に従い辰哉が後ろから遥香の胸に手を添える。

三人分の吐息と摩擦音が混ざり合う。

「二人とも……すごい……」

遥香の声が涙混じりに変わる。

 

純也は限界を感じていた。(もう……)

 

「出していいよ」

許可を得る前に熱が弾けた。

「んんっ……!」

遥香の背中が跳ねる。遅れて辰哉も呻き声を上げる。

 

 

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無垢な獣たちの檻

吐き出した熱がシートに染みる感触。

(終わった……)

そう思ったのも束の間。

辰哉が突然、遥香の顎を掴んだ。

 

「おい……次は俺の番だろ」

 

有無を言わせぬ力強さに遥香の瞳が揺れる。

「待って……まだ……」

抗議の声は純也の手で遮られた。背後から彼女の腰を押さえつける。

 

「純ちゃんまで……?」

怯えと期待が入り混じった表情。白い頬に朱が走る。

 

「二人とも一緒に……なんて」

 

辰哉がズボンを下ろし、隆起したものを見せつける。

「ほら」

 

屈辱と背徳感で思考が麻痺する。それでも純也は止められない。

細い腰を引き寄せると、まだ湿り気を帯びた割れ目に押し当てた。

 

「んっ……あぁっ!」

貫く衝撃に遥香の体が弓なりに反る。前からは辰哉が迫る。

 

「舐めろよ」

傲然とした命令。遥香は震える唇で辰哉の先端を包み込んだ。

 

「ん……んぐっ……」

異物を呑み込む音が鼓膜を犯す。背後では純也の抽送が始まる。

「柔らかいな……」

呟きながら深く突き上げると、遥香の体が痙攣した。

 

「じゅんちゃん……まってぇ……」

懇願は辰哉への奉仕で途切れる。「じゅるっ……」

下品な水音が交差する。

 

(俺は今……何をしてる?)

疑問符が脳裏をよぎるが、腰の動きは止まらない。背中に当たる汗ばんだ乳房。

爪がシートを掻きむしる音。

 

「もっと強く吸えよ!」

辰哉の罵声。遥香が咽せても構わず腰を押し付ける。

 

「うぐっ……!」

嘔吐きの波を無理やり飲み下す遥香。涙が頬を伝い落ちる。

 

(可哀想だと思わないのか?)

良心の呵責と征服欲の間で純也の精神が軋む。

それでも律動は加速する。「あぁっ……!」

 

悲鳴に似た嬌声。

遥香の内壁が不規則に収縮する。

「イキそう……だろ?」

耳元で囁くと遥香がコクコクと頷いた。

 

「なら辰哉のやつ咥えながらイけよ」

残酷な指示。遥香は虚ろな目で従う。

 

「ん゛ん゛っ!!」

喉奥まで埋めたまま絶頂を迎える遥香。その痙攣が純也にも伝播する。

 

「くっ……出る……!」

警告よりも早く二度目の放出。同時に辰哉も果てる。

「ぐぁっ……飲め!」

遥香の口腔へ大量の精が流れ込む。

 

「ゲホッ……げぇっ……」

吐き戻した白濁がシートに撒き散らされる。

三人分の荒い呼吸だけが木霊する。

 

数秒の沈黙。破ったのは遥香の嗚咽だった。

「ひどいよぉ……」

嗚咽と同時に新たな熱が股間を濡らす。(失禁か……)

 

辰哉が舌打ちする。「汚ねぇな」

その言葉に純也の胸が潰れた。

(最低だ俺たち)

 

しかし遥香は泣きながら笑っていた。

「でも……すごく感じちゃった……」

驚愕の告白。白い肌が妖しく輝く。

 

「またしようね……三人で」

哀しいほど穏やかな声。恐怖と興奮が純也の血管を駆け巡る。

(ああ……もう戻れない)

秘密基地の木々がざわめく。

青春の果てない闇に三人は沈んでいった。

 

10年後の春。

純也は朝食の卵焼きを皿に移しながらリビングの方を見やった。

ソファーでは辰哉が新聞を読み、その隣で遥香が大きなお腹を優しく撫でている。

 

「おはよう」

 

遥香がこちらに気づき微笑む。少し丸みを帯びた輪郭。それでも透けるような白い肌は健在だ。左手薬指のダイヤモンドが朝日に煌めく。

 

「お腹、張ってる?」

テーブルに皿を置くとすぐに遥香の傍らに座る。

「うん……時々ね」

その答えに辰哉が新聞から顔を上げる。

「そろそろだよな。予定日まであと何週間だっけ?」

「5週間。もうすぐ二人のお母さんだよ」

 

茶目っ気たっぷりに言う遥香に二人は照れ笑いを交わす。

窓の外には桜が満開だった。

かつて三人で通った団地の風景も今は懐かしい。

 

「実はね」

妊娠中のつわりも収まってきた頃、遥香が突然切り出した。

「あの団地……取り壊されるんだって」

 

純也が箸を止める。「嘘だろ?」

 

「本当。お父さんが役所の人に聞いたって」

遥香の手が無意識に腹部を覆う。守るべき命がある今、あの場所への感慨は格別だろう。

 

「最後に見に行こうぜ」

辰哉の提案で週末に三人は幼き日々を過ごした地を訪れた。

建設中の高層マンションが並ぶ中、ぽつんと取り残されたように佇む古びた団地。

錆びたブランコは撤去され、砂場もなくなっていた。

 

「変わったな……」

純也の呟きに遥香が小さく頷く。

「でも変わらないものもある」

辰哉が指さす方向。植え込みの陰に朽ち果てた秘密基地の柱材が辛うじて残っていた。

 

三人は言葉もなく廃墟のような木材を見つめる。10年前の夏の匂いが蘇る。

「ここが始まりだったんだね」

遥香の声は少し潤んでいた。

 

「あの頃の俺たち見たらさ」

辰哉が目を細める。「今こうして結婚して同居して……しかも家族増やすなんて絶対信じねぇよ」

 

「絶対だな」

純也も同意する。思春期の混沌を越え辿り着いた奇跡のような幸福。

 

「純也さん」

不意に遥香が夫を呼んだ。「私たち幸せだね?」

 

「ああ」即答する。「お前たちがいる限り必ず」

 

辰哉が羨ましそうに口を尖らせる。

「おいおい!俺は置いてけぼりかよ」

「冗談だよ辰くん」遥香が彼の肩に頭を預ける。「家族三人で生きていこうね」

 

現在に戻る。

食卓の上の写真立てには三人で撮ったウェディングフォト。純白のドレスとタキシード。そしてその横には新しく増えた家族写真。産院の廊下で眠る新生児を挟み込み三方向から寄り添う三人の顔。

 

「今度の週末、赤ちゃん用品買いに行こうぜ」

辰哉が提案すると遥香が嬉しそうに頷く。

「お揃いのスタイが欲しいなぁ」

 

「また金かかるな……」

純也が苦笑するも決して否定しない。医師として働き始めた辰哉の給料と看護師の妻と二人で養う小さな命への投資は惜しくない。

 

「大丈夫だよ」

遥香が夫の手を取り腹部へ導く。「この子もきっと良い子だから」

 

温もりを感じながら純也は思う。(あの秘密基地で芽生えた歪な感情が……いまこんな形に花開くとは)

 

玄関チャイムが鳴り辰哉が出迎える。

「よっ!産婦人科からの検診結果だ」

封筒を受け取ると三人は自然と並んでソファーに座る。

「さて……お腹の中の天使さんはどんな顔してんのかな?」

辰哉の言葉に純也は未来への希望を噛みしめる。

(どこまでもいこう。遥香と辰哉と一緒に)

 

夕陽が寝室の壁を茜色に染め上げる頃、遥香が眠りについた。胎動を感じる腹部を撫でる二つの掌。純也と辰哉の間柄は最早親友を超え兄弟を超えた存在だ。

 

「純也」

暗闇で辰哉の声。「お前……後悔してないよな?」

「してない」

即答する。

「俺たちが選んだ道だ。三人で幸せになるって決めた日から」

 

窓の外には満天の星空。かつて団地の狭い秘密基地で三人は誓った。あの日見た光は確かに形を変えて今もなお三人の心を繋いでいる。

 

翌朝、遥香が目覚めると両側に純也と辰哉が寄り添っていた。

「夢見てた?」と彼女が微笑む。「うん……すごく幸せな夢」

辰哉が答える。「俺たちの未来が続いていく夢だよ」

 

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