※この作品はR-18です。

青い蕾の誘惑  幼い少女のエロ短編集   作:みなぽん

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体育系元気少女とお兄ちゃん 大澤雪音 中学二年

大澤 雪音 中学二年生 

陸上部 体育系元気少女

 

 

【挿絵表示】

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私の大好きな夏雄お兄ちゃんは、あの日、絶望した顔で帰ってきた。

玄関の扉が開く音がした時、私はリビングでテレビを見ていた。

「おかえりー。」

いつものように声をかけたけれど、返事がない。

不思議に思って廊下に顔を出した私は、そこで立ち尽くしているお兄ちゃんを見た。

制服姿のまま、靴も脱がず、まるで何か大切なものを落としてきてしまった人みたいな顔をしていた。

「お兄ちゃん?」

私の呼びかけに、夏雄お兄ちゃんはゆっくり顔を上げた。

その顔を見た瞬間、胸がざわついた。

泣いているわけじゃない。

怒っているわけでもない。

ただ、何もかもが終わってしまった人の顔だった。

その日、お兄ちゃんは突然の体調不良で病院へ行っていた。

ただの風邪か、せいぜい疲れが溜まっているだけ。

家族みんなそう思っていた。

お兄ちゃん自身だってそうだったはずだ。

だから軽い気持ちで町の病院へ行って、軽い気持ちで検査を受けて、軽い気持ちで帰ってくるはずだった。

だけど違った。

病院がお兄ちゃんに告げた言葉は、あまりにも重すぎた。

癌。

それも、もう手遅れに近い状態。

余命、半年。

たった半年だった。

「雪音。」

夕食の後、お兄ちゃんは私の部屋に来た。

いつもみたいに笑って入ってくるんじゃなくて、ノックをして、少しだけ躊躇ってから扉を開けた。

私はベッドに座ったまま、お兄ちゃんを見上げる。

お兄ちゃんは少し困ったように笑った。

「ごめんな。」

その言葉の意味が分からなかった。

「え?」

「一生守ってやるって言ったけどさ。」

お兄ちゃんは窓の外を見た。

夏の夕焼けが赤く部屋を染めていた。

「お兄ちゃん、あと半年で死んじゃうらしいや。」

その瞬間、頭の中が真っ白になった。

嘘だと思った。

何かの間違いだと思った。

だって夏雄お兄ちゃんは何でもできたから。

運動神経抜群。

学業成績は県内トップクラス。

顔だってかっこいい。

性格だって最高だった。

友達はみんな言っていた。

「ねえ、一回でいいから紹介してよ。」

「雪音のお兄さんって絶対モテるでしょ。」

「いいなぁ、そんなお兄ちゃん欲しい。」

だけど私は絶対に紹介しなかった。

だってお兄ちゃんは私のお兄ちゃんだから。

誰にも取られたくなかった。

勉強もできない。

運動も苦手。

顔だって可愛くない。

何をやっても失敗ばかりの私。

そんな私に、お兄ちゃんだけはずっと言ってくれていた。

「雪音は俺の大事な妹だ。」

「雪音が困ってたら俺が守る。」

「大丈夫、お兄ちゃんがいるから。」

その言葉に何度救われたか分からない。

学校で嫌なことがあった日も。

テストで赤点を取った日も。

友達とうまくいかなかった日も。

お兄ちゃんはいつだって私の味方だった。

だから。

そんなお兄ちゃんが。

世界で一番強くて優しいお兄ちゃんが。

死ぬなんて。

そんなこと、あるわけがなかった。

「嫌だ。」

気づけば私は泣いていた。

「嫌だよ、お兄ちゃん。」

お兄ちゃんは困ったように笑った。

「俺も嫌だよ。」

初めてだった。

お兄ちゃんが弱音を吐いたのを見たのは。

「まだ大学も行きたかったし、車の免許も欲しかったし、彼女だって欲しかった。」

笑いながら言う。

でも声は震えていた。

「雪音の結婚式で泣く予定だったんだけどな。」

「そんなの嫌だ!」

私は叫んだ。

「勝手に死ぬとか許さない!」

「うん。」

「守るって言ったじゃん!」

「うん。」

「ずっと一緒だって言ったじゃん!」

お兄ちゃんは答えなかった。

代わりに、そっと私の頭を撫でた。

小さい頃から変わらない、大きな手。

私はその手が大好きだった。

「雪音。」

「……なに。」

「俺がいなくなった後も、生きろよ。」

私は首を横に振った。

「無理。」

「無理じゃない。」

「無理だもん。」

「雪音なら大丈夫だよ。」

お兄ちゃんは笑った。

病院から帰ってきた時の絶望した顔じゃない。

私の大好きな、優しい笑顔だった。

「俺の妹だからな。」

その日から、私たち兄妹の半年が始まった。

世界で一番短くて。

世界で一番大切な。

たった半年の兄妹の時間が。

 

夏雄お兄ちゃんの体は、目に見えて弱っていった。

 

あれから二ヶ月が過ぎていた。

部屋の壁は薄い。隣の部屋でエロ本のページをめくる音が、静かな夜にはやけに大きく響いていた。

お兄ちゃんは、ベッドの上で力ない手つきでそれをめくっては、ため息をついていた。病気が進行して体力が奪われていく今、視覚的な刺激だけが彼を男として繋ぎ止めている、心もとない命綱のようだった。

 

「……結局、俺セックスできなかったぁ……」

 

そのつぶやきは、あまりにも無防備で、悲痛だった。

「何のために生まれてきたんだろう」

 

廊下の暗がりで息を潛めていた私の心臓は、冷水を浴びせられたように冷たくなった。

何もかもができると思っていた兄。私の世界で一番強くて、輝いていた兄。その彼が、男としての尊厳も夢も何もかもを失い、ただ死への恐怖と虚無感の中で震えている。

 

私は、自分の部屋に戻った。

鏡の前に立つ。発育の悪い自分の体。兄が見ていた本に載っている綺麗な女性たちとは違う、貧相な体。

だけど、私にしかあげられないものがある。私にしか、お兄ちゃんを救えない。

 

私は、服を脱いだ。

ブラウスのボタンを外す指が震える。スカートが床に落ちる。下着も脱ぎ捨てて、何もない自分自身になる。

剥き出しの肌は寒くて、少し恥ずかしかった。けれど、心は不思議なほど晴れやかだった。

私は、お兄ちゃんの女になりたかった。ただの妹ではなく、彼がこの世界に生まれてきた意味になれたかった。

 

深呼吸をして、お兄ちゃんの部屋の扉を開けた。

 

「お兄ちゃん」

 

ベッドに身を起こしていたお兄ちゃんは、驚いて本を隠そうとした。けれど、その動作も途中で止まった。

扉の前に立つ、全裸の私を見て、彼は言葉を失っていた。

 

「雪音……? お前、何……」

 

「お願い、お兄ちゃん」

 

私は彼の目を真っ直ぐに見つめた。恥じらいよりも、祈るような気持ちで一歩ずつベッドに近づく。

 

「私に思い出を頂戴」

 

お兄ちゃんの顔が歪む。拒絶しようと口を開きかけたけれど、私は言葉を被せた。

 

「私を、お兄ちゃんの女にして」

 

ベッドの縁に座り、枯れ木のように細くなった彼の手を取って、自分の胸に押し当てた。

熱い。お兄ちゃんの手は、少し熱を持っていた。

 

「お兄ちゃんが生まれてきた意味は、私を幸せにするためだよ。ずっと守ってくれたじゃない。だから今度は、私がお兄ちゃんを守る」

 

彼の手が、震えながら私の肌を撫でた。

「馬鹿だな……」と、お兄ちゃんは呟いた。その目に、あの日の絶望の色はなかった。代わりに、深い慈悲と、涙ほどの温もりが浮かんでいた。

 

「ごめん、雪音。優しくできないかもしれない」

 

「いいよ。お兄ちゃんの全部が欲しいの」

 

私たちはキスをした。

初めは触れるだけだったのが、やがて深く重なり合う。お兄ちゃんの舌が私の口中を彷徨い、私は彼の背に腕を回してしがみついた。

枯れ葉のようだった彼の体が、少しずつ熱を帯びてくる。

 

彼の手が、私の胸を優しく包み込む。愛おしむように指先でなぞられ、体の芯が熱く疼いた。

「雪音……きれいだよ」

その言葉だけで、私は溶けてしまいそうだった。

 

彼は私を横たえ、痩せた体で覆いかぶさってきた。首筋に落とされるキスがくすぐったくて、甘い。

初めて触れられる場所への戸惑いと、彼を独りにさせたくないという一心で、私は足を開いた。

 

「ここ、かもしっこ……」

 

「うん、入れていい?」

 

「うん。お願い」

 

繋がる瞬間、鋭い痛みが走った。体が裂けるような感覚に、声が出そうになるのを必死に堪えた。

お兄ちゃんはそれに気づいて、動きを止めた。額を押し付け、私の目尻に落ちた涙を唇で拭う。

 

「痛いか? 無理しなくていい」

 

「大丈夫……すぐ、よくなるから。お兄ちゃん、もっと触って」

 

彼は私の手を握りしめ、指を絡ませた。微動だにせず、ただ深く繋がったまま、互いの体温を分け合う。

痛みが引いていくにつれ、お兄ちゃんが少しずつ動き始めた。

それは、決して激しいものではなかった。互いの鼓動を確かめ合うような、ゆっくりとした、深い動き。

 

「雪音……雪音……」

 

私の名前を呼ぶ声が、耳元で波のように打ち寄せる。

彼が私の中にいる。私という存在が、彼の一部を飲み込んでいる。その事実が、たまらなく愛しかった。

 

「私ね、お兄ちゃんの女になれたよ」

 

「ああ……俺の、雪音」

 

愛に満ちた、優しい波動が、私たちの間を満たしていく。

彼が深く深く突き上げるたびに、脳が痺れるような快感が背骨を駆け上がった。私は彼の名前を呼びながら、彼の背中に爪を立てた。

 

「好き、大好き……私をお兄ちゃんだけのものにして」

 

「俺もだ……お前しか、いらない」

 

繋がった箇所から、彼の涙が私の肌に落ちた。

私たちは泣きながら、互いを求め合った。

死への恐怖も、生への未練も、全てこの行為の中に溶かし合うように。一つになりたくて、何度も口づけを交わした。

 

やがて、お兄ちゃんの動きが一度大きく深くなり、彼は私の最も深い場所で、熱を放った。

私の中に広がる彼の熱。それは、彼が確かに生きていたという、何よりも重い証だった。

 

事後、汗ばむ肌を重ね合ったまま、私たちは見つめ合った。

お兄ちゃんは、私の髪を優しく撫でてくれた。その顔には、もう絶望の色はなかった。

穏やかで、どうしようもないほど優しい、愛する人の顔になっていた。

 

「ありがとう、雪音。生きてて、よかった」

 

「うん。私も、お兄ちゃんの女になれてよかった」

いた。

汗ばんだ肌が離れるのが惜しくて、私はしばらく兄の胸に頬を寄せていた。

規則正しく打つ彼の心臓の音が、今はたまらなく愛おしい。

ふと視線を落とすと、私たちを繋いでいたものが、今は力なく萎えて横たわっていた。私の血と、兄の体液で濡れたそれが、彼が確かに生きた男であるという無邪気で残酷な証拠だった。

 

もっとあげたい。

彼が「生まれてきてよかった」と心の底から思えるように、私の全部を使って彼を喜ばせたい。

私は這うようにして体をずらし、その熱の残滓に唇を寄せた。

 

「雪音……?」

 

戸惑う兄の声。けれど私は止まらなかった。

鉄錆のような、そして海のような匂い。私自身の匂いも混じっているそれを、慈しむように舌先で舐め上げた。

びくり、と兄の腰が跳ねる。

初めて触れる男の人の場所。熱くて、硬くて、どこか怖い。でも、愛する人の一部だと思えば、それがこの上なく愛おしく思えた。

 

口に含み、吸い上げる。

何が正解なのか分からないまま、ただ彼を気持ちよくさせたくて、舌を絡め、根元から先端まで丁寧に愛撫する。

「あっ……雪音、そんなこと……」

兄の手が私の髪に触れる。押し退けるのではなく、縋るように、優しく梳くように。

喉の奥まで迎え入れると、再びそれが勢いを取り戻し、私の口内を一杯にしていくのが分かった。

私の口で、兄が男として蘇る。その事実が、下半身に甘い痺れを走らせた。

 

「んっ……ぷぁ……」

 

十分に硬く、立ち上がったそれを口から離すと、糸が引いた。

私は涙目の兄を見つめ返し、そして彼の腹にまたがった。

「私が、動くから」

 

兄の手を取り、自分の胸に押し当てる。心臓の鼓動が早鐘を打っていた。

もう一度、私の中に彼を招き入れる。

手で屹立した熱を導き、ゆっくりと腰を沈めた。

 

「くっ……雪音……」

 

先ほどの痛みはもうない。あるのは、満たされる至福と、魂が溶け合うような熱だけ。

私は膝をベッドにつき、兄の肩に手を置いて、腰を動かし始めた。

兄のために。体力のない兄の代わりに。私が彼を天上へ連れて行きたくて。

 

最初はぎこちなかったリズムが、次第に激しさを増していく。

前後に揺さぶるたびに、私の奥底を兄の先端が抉る。自分の体重を使って深く深く飲み込むと、頭が真っ白になるような快感が背筋を駆け上がった。

 

「はぁっ……んっ……お兄ちゃん……!」

 

「雪音……すごいよ……気持ちいい……」

 

兄の掠れた吐息が、私の背中を押す。

見て。お兄ちゃん。私があなたを気持ちよくさせてるんだよ。あなたの全部を私が受け止めてるんだよ。

一生懸命に腰を振る。汗が顎から滴り落ちて、兄の胸板に弾ける。

太ももが痛くなっても止まらなかった。ただひたすらに、兄の快楽のために体を奉仕させる。

 

兄の手が伸びてきて、揺れる私の胸を愛おしそうに掴んだ。

指先が乳首を弾くたびに、体の中で熱い蜜が溢れ出すのが分かった。

「あっ、あっ……! 好き、お兄ちゃん……!」

 

私の動きに合わせて、兄も微かに腰を突き上げてくれる。

その連動が嬉しくて、私はさらに激しく腰を回した。

繋がった場所がきゅっと収縮し、兄を搾り取るように脈打つ。

 

「雪音……俺も……もう……」

 

「いいよ……出して……私の中にいっぱい……!」

 

兄の顔が苦悶にも似た恍惚に歪む。

その瞬間、私は最も深い場所まで兄を飲み込んで、全身の力を抜いて彼に身を委ねた。

どくり、と熱い奔流が子宮を叩く。

兄の命の証が、私の最奥で爆発する感覚に、私もまた絶頂の波に飲み込まれた。

 

「んっ……っく……!」

 

体を震わせながら、私は兄の上に崩れ落ちた。

荒い息遣いが重なり合う静かな部屋で、私は耳元で囁いた。

 

「お兄ちゃん……私、お兄ちゃんの女だよ……ずっとずっと、一番の女だよ……」

 

兄は答えず、ただ力強く私の体を抱きしめてくれた。

その腕の中だけが、私たちが永遠に生きていける、世界で唯一の場所だった。

 

⭐️奇跡

それから、私たちの半年は、秒刻みの戦いではなく、秒刻みの愛の交歓へと変わっていた。

 

毎晩、私たちは互いの体温を確かめ合った。

朝、目覚めのキスから始まり、夕方、学校から帰ってくるとベッドに倒れ込むように抱き合った。

病室で過ごす時間よりも、病院から解放された時間よりも、私たちが肌を重ねる時間が何よりもの薬だった。

私が上になり、彼が下になる。

枯れ木のような体に再び生命力が宿るのを感じながら、私は何度も腰を振った。

彼の奥に注がれる熱が、彼をこの世界に繋ぎ止める鎖だと信じて。

 

「雪音……すごいよ……」

疲労で動けない兄の代わりに、私が動く。

彼が気持ちよさそうに眉を緩めるのが嬉しくて、私はさらに深く、激しく彼を飲み込んだ。

私の声が部屋に響き、彼の吐息が私の耳を打つ。

そのたびに、私たちは確かに生きていた。

 

そんな日々を送る中で、あの日が来た。

定期検診の日。

いつものように、重い空気を背負って帰ってくると思っていた。

私は玄関で、泣き出してしまうかもしれない自分を抱きしめながら、兄を待っていた。

 

「ただいま」

 

扉が開く音。

私は息を呑んで顔を上げた。

そこにいたのは、絶望した顔の兄ではなかった。

 

「おかえり……なの、にいちゃん……?」

 

兄は、玄関に立ったまま動かなかった。

そして、ゆっくりと私を見た。

その目には、あの日と同じように涙が浮かんでいた。

でも、瞳の奥にある色は、あの時の空虚な闇とは決定的に違っていた。

 

次の瞬間、兄は鞄を放り出して、私の方へ歩み寄ってきた。

そして、震える腕で私を力強く抱きしめたのだ。

 

「おにいちゃん……? どうしたの……?」

 

抱きしめられた腕は熱くて、心臓の音が早鐘のように私の胸に伝わってくる。

私は戸惑いながら、彼の背中に手を回した。

 

「雪音……雪音……」

 

兄は私の名前を呼びながら、泣いていた。

私の肩口に顔を埋めて、大人の男が声を殺して泣いていた。

その嗚咽は、悲しみなんかじゃなかった。

ただただ、溢れ出す感情を止められないような、そんな声だった。

 

「消えたんだ」

 

「え……?」

 

「癌が……消えたんだよ!」

 

兄が顔を上げた。涙でぐしゃぐしゃになった顔が、太陽のように輝いていた。

私は自分の耳を疑った。

 

「今まで効かなかった抗がん剤が……急に効き始めたらしい。先生も信じられないって言ってた。奇跡だって……」

 

兄は私の頬を両手で包み込んだ。

その手は熱くて、力強くて、以前の何でもできた兄の手に戻っていた。

 

「お前のおかげだよ、雪音」

 

「私……?」

 

「俺はもうだめだって思ってた。生まれてきた意味なんてないって。でも……お前が俺を生かしてくれた。お前が俺に力をくれたんだ」

 

兄は泣き笑いのような顔で、私のおでこに自分のおでこを押し付けた。

 

「お前が俺を愛してくれたから……俺は死ねなかったんだ」

 

私の目からも、止めどなく涙が溢れ出した。

嘘だと思った。

夢なんじゃないかと思った。

私の大好きな兄が、世界で一番強くて優しい兄が、死なないでくれるなんて。

 

「お兄ちゃん……お兄ちゃん……!」

 

私は彼にしがみついた。

言葉にならない嗚咽が漏れた。

嬉しかった。ただただ、嬉しかった。

 

「私たち……兄妹の枠を超えちゃったね……」

 

涙を拭いながら私が言うと、兄は優しく微笑んで、私の唇にキスを落とした。

それは、今までのどのキスよりも甘く、そして確かな約束の味がした。

 

「超えてよかった。俺はお前の兄貴である前に、お前の男だから」

 

「うん……私も、お兄ちゃんの妹である前に、お兄ちゃんの女だよ」

 

私たちは見つめ合い、そして笑い合った。

もう時間は足りないなんて言わなくていい。

半年なんて短すぎるなんて言わなくていい。

 

これからは、何十年も、何十年も先まで一緒にいられる。

時には兄妹のようにじゃれ合い、時には男と女のように愛し合いながら。

私たちは二人で、新しい人生を歩んでいく。

 

「雪音」

 

「なに?」

 

「これからも、よろしくな」

 

「うん。ずっとずっと、よろしくね」

 

夕暮れの光が差し込む玄関で、私たちはもう一度強く抱きし合った。

長くて暗い夜が明けて、そこには確かな朝の光があった。

私たちの愛が起こした奇跡の朝が。

 

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