バレエ教室の床はいつも冷たく、鏡張りの壁が少女たちの華奢な体を幾重にも映し出していた。島村明日菜は他の生徒たちが帰っていくのを見ながら、わざとゆっくりとトウシューズを履き替えていた。心臓が早鐘のように打っていた。それは決して疲れのせいではなかった。
「明日菜ちゃん、ちょっと残って。」
温溝健一先生の声は柔らかく、窓から差し込む午後遅くの日差しのように温かみを帯びていた。彼が微笑むと、目が三日月のように細くなり、大学生とは思えないほど上手に子供たちを喜ばせた。
明日菜はうつむき、髪の毛の先がほんのり汗ばんでいた。彼女のバレエを始めたきっかけは、ただ母がテレビで『白鳥の湖』を見せてくれただけで、その時からこの白いチュチュに憧れていた。しかし、いざ自分がレッスンを受けていると、なかなか他の子たちのように優雅には動けなかった。腕はいつも震え、体幹も弱かった。
「アラベスクをもう一度。」
健一先生がすぐ後ろに立ち、彼の影が明日菜の華奢な体を覆った。明日菜は震えながら右足を持ち上げようとしたが、筋肉が痛むほど緊張した。すると、温かい手のひらが彼女の腰に触れ、もう一方の手がそっと太ももの下を支えた。
「ここはこう、力を抜いて。」
吐く息が耳元をかすめ、石鹸の清潔な香りがした。明日菜は目を固く閉じ、睫毛が小刻みに震えた。先生の指が彼女の皮膚の上をゆっくりと滑り、あばら骨の一本一本をなぞるように撫で上げ、最後に彼女の細い腕を掴んで、半ば強引に理想的な弧を描かせた。
「いいね、明日菜、そのまま。」
健一先生の声は少し低くなり、指は彼女のウェストのくびれで止まり、親指が腰骨のくぼみをゆっくりと撫でていた。明日菜は息が詰まりそうだった。心臓が喉から飛び出しそうなほど激しく鼓動し、お腹の奥が小さな獣がそこを引っ掻いているように、妙に痛痒かった。
「せ、先生……」
「しっ。」
健一先生は明日菜の正面に回り込み、片膝をついて彼女を見上げた。その目は優しげでありながら、探るような色を帯びていた。彼は丁寧に明日菜のトウシューズのリボンを解き、指が彼女の足首に触れると、その細さに驚いたように、何かを考え込んだ。
「僕がこっそり教えてあげる。」
彼は靴を脱ぐのを手伝いながら、目は決して明日菜の顔から離さなかった。明日菜は力なくうなずいた。喉が何かでつかえたように苦しく、もぞもぞとした感覚が胸に渦巻いていた。まるで初めてバレエの発表会を観た時のように、恐怖ではなく、もっと深いところからくる、体の芯をゆっくりと締め付けるような震えだった。
「ストレッチも、ちゃんとやらないとね」
健一先生の声は、どこか遠くから響くようだった。彼は明日菜の足首を掴んだまま、今度はその手をゆっくりと、這うように上へと滑らせ始めた。ふくらはぎの柔らかな筋をなぞり、膝の裏のくぼみを通り過ぎると、彼の大きな手のひらは明日菜の太ももの内側へと到達した。
「ここ、力が入ってるよ。ほら、こうやって柔らかくしないと」
先生の指は、レオタードの薄い布地越しに、内腿の最も柔らかい部分を押し撫でた。その指の動きは、決してバレエの指導にあるものではなかった。まるで確かめるように、形を変えるように、ねっとりと皮膚の下の肉に食い込む。明日菜は思わず足を閉じようとしたが、先生の太い腕がそれを許さず、強引に脚を開かせた。
「ひっ……」
息が漏れた。太ももの内側を撫で上げる先生の指先が、徐々に中心へと迫ってくる。その異物感と、布地の擦れる感覚に、明日菜の体は小さく跳ねた。何か言わなければならないのに、喉から言葉が絞り出せない。先生はただ「力を抜いて」と繰り返すだけで、その手は休むことなく明日菜の無垢な肌の上を這い回った。
「そう、いい子だ」
健一先生は満足げに呟くと、今度はその手を太ももから離し、明日菜の脇の下へと差し入れた。彼は後ろから彼女を抱き込むような体勢になり、そのまま手を前に回して、レオタードの胸元へと指を滑り込ませた。
「姿勢を正すには、ここも使い方を覚えないと」
先生の熱い手のひらが、明日菜のまだ発育途前の小さな膨らみを包み込んだ。明日菜は凍り付いたように硬直した。耳元で聞こえる先生の荒い息遣いと、自分の胸を圧迫する異様な重み。心臓が早鐘を打ちすぎて、めまいがした。
「せん、せい……やだ……」
か細い声で訴える明日菜を無視して、健一の指はレオタードの下の素肌を直接捉えた。そして、小さな突起を見つけ出すと、親指と人差し指で挟み込むようにして、ちゅっと摘んだ。
「あっ!」
電気が走ったような鋭い感覚に、明日菜は背中をのけ反らせた。痛いわけではない。けれど、体の芯を貫くような、今まで感じたことのない強烈な痺れが脳天まで突き抜けた。健一は容赦なく、その硬くなった小さな粒を指の腹で押し潰すように回転させ、さらに強く捏ね回した。
「やめ、て、なにか、へん、なの……っ!」
明日菜の目からとめどなく涙が溢れ出し、頬を伝って顎から滴り落ちた。内腿を這い回る感覚と、胸の先を弄られる感覚が混ざり合い、お腹の底に冷たい塊が広がっていくようだった。太ももの付け根が熱くうずき、無意識に膝が震えた。嫌悪感と、それとは全く異なる、自分でも理解できない甘い痺れがせめぎ合い、彼女の幼い理性を容赦なく削り取っていく。
「いいよ、明日菜。すごく感じやすいね」
健一の吐息が耳を濡らす。彼の手は、バレエ教師のものから、ただの男のそれへと完全に変貌していた。明日菜は鏡に映る自分の姿を見た。
男の腕に囚われ、顔を歪めて喘ぐ自分。それは、憧れていた白鳥の優雅な姿とは程遠い、無様で、どこか淫らな姿だった。
「力を抜いて」という言葉が、もはや呪いのように繰り返される。健一の指は、内腿の最も柔らかな肉を押し潰すようにして、そのさらに奥、明日菜の体の中心へと容赦なく迫ってきた。
「いやっ……そこ、は……」
明日菜は膝を必死に閉じようとしたが、男の力には敵わなかった。むしろ、その抵抗が彼を煽る結果となり、健一は太ももをさらに大きく割り開いた。レオタードのクロッチ部分が、ぴんと張り詰め、秘所の僅かな隆起を露わにする。
「見てごらん、明日菜。こんなに濡れてる」
健一の指先が、布地の上からその割れ目をなぞった。一本の線を確認するように、ゆっくりと、上から下へ。そして、下から上へ。その度に、明日菜の体はビクンと跳ねた。
「ちが、う……これは……」
汗だと言いたかったが、言葉にならなかった。事実、布地は湿り気を帯び、肌にへばりついていた。それは決して汗だけが原因ではないことを、明日菜自身が一番よく理解していた。
健一は焦ることなく、布地の上から秘所を押し潰すように揉みしだいた。指の腹で小さな豆のような硬さを探り当てると、そこを執拗に擦り上げる。
「あっ、ああっ……!」
鋭い快感が背骨を駆け上がり、明日菜は思わず声を漏らした。慌てて口元を手で覆い、必死に声を殺そうとする。嫌だ、嫌だ、と頭の中で繰り返しながら、体の奥底から湧き上がる痺れを押し殺そうと、レッスン室の床を爪先で引っ掻いた。
「声、我慢しなくていいのに」
健一の低い声が耳元で笑う。彼はレオタードの端を指で引きずり下ろした。布地が剥がれ、無防備な秘所がむき出しになる。冷たい空気が熱い肌に触れ、明日菜は激しい羞恥に顔を歪めた。
「やめっ……見ないでっ……!」
直に触れられた瞬間、明日菜の理性が焼き切れそうになった。健一の指は、濡れてひらいた花びらを左右に押し広げ、その奥の入り口を円を描くように弄った。ねっとりとした水音が、静かなレッスン室に響き渡る。
「ひぅっ……くっ……うぅっ……!」
明日菜は唇を噛み締め、喉の奥から漏れ出す喘ぎを必死に封じ込めた。涙が止まらない。こんなことされているなんて、こんな風に触られるなんて。憧れのバレエの先生に、淫らなことをされている現実が、残酷すぎて受け入れられない。
それでも、体は正直だった。健一の指が内部に侵入を試みるたびに、秘所は無意識に収縮し、彼の指を締め付けた。背筋が弓なりに反り、足先が痙攣する。
「すごいよ、明日菜。締め付けが強くて……気持ちいい」
健一の言葉が、さらに明日菜を追い詰めた。自分の体が、こんなみだらな言葉に反応している。我慢しようとすればするほど、快感は鋭さを増し、幼い体を内側から食い破ろうとしていた。
「あっ、あっ、だめっ……なにか、くるっ……!」
我慢の限界が近づいていた。お腹の底に灼熱のような塊が膨れ上がり、それが弾けようとしていた。明日菜は必死に首を振った。いやだ、こんなところで、こんなことで、達してしまうなんて。
しかし、健一の指は容赦なく、最も敏感な場所を攻め続けた。彼女の抵抗など、ただの余興として楽しむかのように。
「いやぁぁっ……!!」
明日菜の口から、悲鳴にも似た甘い声が迸り、彼女の細い体は大きく反り返り、そしてガクンと脱力した。鏡に映る自分の顔は、泣きじゃくりながらも、どこか陶然とした色を浮かべていた。それは、もう誰にも戻せない場所へ堕ちてしまったことを告げていた。
「いやぁぁっ……!!」
その悲鳴は、決して拒絶だけを表していたわけではなかった。明日菜の細い体が、まるで雷に打たれたかのように激しく痙攣した。背骨は限界まで反り返り、爪先は痙攣し、目は白濁して見開かれた。呼吸は完全に止まり、肺の中の空気すべてが、その叫びとともに搾り出されたかのようだった。
頭の中が真っ白に弾けた。それは今まで味わったことのない、圧倒的な崩壊だった。
体の芯で何かが灼熱のように膨れ上がり、耐えきれずに破裂した感覚。指先から足先まで、神経の一本一本が焼き切れるような快感が奔流となって駆け抜けた。
「あ、あぐっ……うぅっ……!」
声にならない声が漏れる。健一の指は、そんな明日菜の絶頂を逃すまいと、最も敏感な場所を容赦なく擦り上げ、さらに深く内側へと侵入していった。その瞬間、明日菜の体は再び大きく跳ねた。
ぶしゅっ……!
水が弾けるような、生々しい音がレッスン室に響いた。
明日菜の体から、勢いよく透明な液体が噴き出したのだ。それはまるで、彼女の意思とは全く無関係に、体の奥底に溜め込まれていた何かが、暴力的に解放されたかのようだった。健一の手と腕を濡らし、床に広がる汗の跡に新たな水溜まりを作っていく。
「ひっ……あ、あぁ……」
明日菜は自分の身に何が起きたのか理解できなかった。ただ、猛烈な恥辱が喉の奥から込み上げてきた。お漏らしをしてしまったのかと思った。
憧れの先生の前で、自分の体がこんなみだらな液体を撒き散らすなんて。
「やだ……漏らしちゃっ……汚いっ……私…」
明日菜は震える手で自分の股間を覆おうとしたが、健一にあっさりと掴み取られた。彼は濡れた手を顔の前にかざし、ねっとりと糸を引く液体を見つめて、恍惚とした笑みを浮かべた。
「違うよ、明日菜。これは潮だよ。君が気持ちよかった証拠だ」
健一は濡れた指先を口に含み、明日菜の体液を舐め取った。その淫らで背徳的な光景に、明日菜は目を逸らしたくなったが、体は動かなかった。
「すごいよ、初めてでこんなにイッちゃうなんて。可愛いね、明日菜」
その言葉は、残酷なほど優しく響いた。イッた。達してしまった。自分の意思に反して、幼い体は快楽に負け、男の手の中で完全に堕ちてしまった。その事実が、明日菜の胸を容赦なく締め付けた。
絶頂の余韻に、体は小刻みに震え続けていた。内臓が裏返るような虚脱感と、体の芯が熱く疼く感覚。そして、冷たい床にお尻をつけて感じる、濡れたレオタードの不快感。自分の体から出た温かい液体が、冷たくなって肌にへばりつく感触が、彼女を現実に引き戻した。
鏡を見る。そこには、目を赤く腫らし、頬を涙でぐしゃぐしゃにした、情けない少女がいた。足は大きく開かされたままで、股間は濡れ光り、男の腕の中で力なく投げ出されている。それは、白鳥になりたかった少女の姿ではなかった。欲望の餌食となり、快楽に汚された、ただの雌の姿だった。
「せんせい……おうち、かえる……」
明日菜はか細い声で呟いた。もう、ここにいたくなかった。早く逃げ出したかった。でも、腰に回された健一の腕は、鉄の枷のように彼女を逃がさなかった。
「まだだよ。レッスンはまだ終わってない」
健一の瞳は、暗い情欲に濁り、獲物を前にした猛禽類のそれのようにギラギラと輝いていた。彼の言葉は、明日菜にとって死刑宣告に等しかった。
「おうち、帰る」という彼女の切実な願いは、暖かい唇によって封じられた。
健一は抵抗できない明日菜の顎をクイと持ち上げ、無防備に開かされた唇に自分のそれを重ねた。それは優しさなど欠片もない、所有を宣言するような荒々しい口づけだった。
「んぐっ……!」
太い舌が、明日菜の小さな口腔をこじ開け、無遠慮に侵入してきた。歯列をなぞり、舌を絡め取り、唾液を注ぎ込む。タバコの苦味と、コーヒーの渋い味がした。大人の男の生々しい匂いと熱気が、息をする間も与えず明日菜を包み込む。
彼女は人形のように健一の腕の中に抱きすくめられていた。さっきの激しい絶頂の余韻で、手足にはまだ力が入らず、ただびくんびくんと小さく痙攣するだけだ。瞳は焦点が定まらず、天井の照明が涙の膜越しに滲んでいく。朦朧とする意識の中で、自分の口が男に犯されているという事実だけが、遠くから響く鐘の音のように頭を叩いていた。
「んぅ……ふぐ……っ」
息ができない。苦しい。助けてと声を出そうとしても、喉の奥からはくぐもった吐息が漏れるだけだった。健一は構わず、明日菜の頭を固定し、深く深く口内を貪った。唾液が混じり合い、彼女の顎から白い糸を引いて滴り落ちる。
唇が離れると、明日菜は激しく咳き込んだ。酸素を求めて喘ぐ彼女の耳元で、健一は熱い息を吐きながら囁いた。
「大丈夫、痛いのは最初だけだから」
その言葉の意味を理解する暇もなかった。
健一は明日菜の両足を大きく割り開かせると、その腰を引き寄せた。ズボンの金具を外す金属音が、静寂の中でやけに大きく響いた。
次の瞬間、灼熱の塊が、明日菜の濡れそぼった秘所に押し当てられた。
「え……?」
彼女の目が見開かれた。何が起ころうとしているのか、まだ幼い思考は追いつかない。ただ、自分の一番大切な場所に、異質で巨大な「何か」が迫っている恐怖だけが、背筋を凍らせた。
「いやっ、なに……? 入れないでっ!」
明日菜は慌てて身をよじり、逃げようとした。しかし、健一の腕は万力のように彼女の腰を固定し、逃げ場などどこにもなかった。
ずっ……!
「ぎゃあああぁぁぁっ!!」
世界が引き裂かれるような激痛が、明日菜の体を貫いた。
まだ発育途前で狭い通路が、大人の男の凶器を無理やりねじ込まれ、内側から暴力的に押し広げられた。肉が裂けるような、下腹を棒で突き刺されたような、あまりの痛みに視界が真っ赤に染まった。
「痛い! 痛いよぉっ! 抜いて! 先生、抜いてぇっ!」
明日菜は絶叫した。バレエで鍛えた脚が、空を切って痙攣する。爪先が床を擦り、必死に逃れようと身をよじるが、健一は容赦なくさらに奥へと突き進んだ。
「ひぐっ……ああっ……!」
異物が内臓を押し上げるような、強烈な圧迫感。
自分の体が二つに割れてしまうような恐怖。目からは止めどなく涙が溢れ出し、鼻水と涙で顔がぐしゃぐしゃになった。
「痛いか……? すぐによくなるよ」
健一は苦悶に歪む明日菜の顔を見下ろし、残酷なほど優しい声で囁いた。そして、完全に根元まで彼自身を明日菜の体内に埋め込んだ。
「あ……あぁ……」
明日菜の悲鳴は、か細い嗚咽に変わった。
痛みのあまり声も出なかった。ただ、自分のお腹の中に、熱くて硬い異物が存在しているという信じがたい感覚に、彼女はただただ戸惑うしかなかった。
(入ってる……先生のが、私の中に……)
驚愕が全身を駆け巡る。こんなことってあるのだろうか。憧れのバレエの先生が、自分の体の中に入ってきているなんて。それは童話の中の悪夢のような光景だった。
健一が腰を動かし始めると、裂けるような痛みがさらに激しくなり、そのたびに明日菜の体は電気ショックを受けたように跳ね上がった。
「いやだ……いやだよぉ……お母さん……」
助けを呼ぶ声は誰にも届かない。冷たい鏡の壁には、泣き叫ぶ幼い少女と、その背後から彼女を貪る男の姿が残酷なほど鮮明に映し出されていた。明日菜はただ、その現実を受け止めきれずに、痛みと恐怖の中で意識が遠のいていくのを感じていた。
「いやだ……いやだよぉ……」
明日菜のすすり泣きは、健一の荒い息遣いにかき消されていく。彼の動きは、痛みに身を捩らせる少女のことなど意に介さないように、乱暴で、そして容赦がなかった。パンッ、パンッと肉同士がぶつかり合う乾いた音と、結合部から漏れるぬかるんだ粘着質な水音が、静寂なレッスン室に響き渡る。
「っひぃ……あぐっ……」
突き上げられるたびに、裂けるような痛みと共に、内蔵を抉られるような違和感が走る。目の前がチカチカと明滅し、意識が何度も飛びそうになる。冷たい床に頬をつけ、髪を振り乱す明日菜の姿は、哀れなほど痛々しい。しかし、その必死な表情は逆に健一の嗜虐心を煽り立てていくようだった。
「そう、そうやって締めつけろ……良い子だ」
彼は腰の動きを一旦緩めると、明日菜の無防備な乳房を再び鷲掴みにした。痛々しいくらいに尖った先端を指で摘まみ上げ、捻るように扱く。同時にお腹の裏側を抉る角度を変えられて、痛みとは別の、じわりとした甘い痺れが胎内で生まれるのを感じて、明日菜は戸惑った。
(なんで……そんなことしたら……おかしくなる……)
痛みが段階を踏んで少しずつ馴染むにつれて、恐ろしいことに、身体が順応しようとしていた。健一が巧みに加減を変え、時に浅く、時に深く抽送を繰り返すうちに、悲鳴の合間に混じる微かな喘ぎが増えてゆく。それは、痛みへの条件反射なのか、あるいはこの異常なシチュエーション故の過剰な感受性なのか。いずれにしても、明日菜自身にはまだ理解できない領域からの悦びだった。
「あ……あふっ……」
「声が変わってきたな……感じてるんだろう?」
健一の問いかけは嘲笑めいていたが、確かに彼女の声音は苦し紛れの悲鳴よりも湿っぽい嬌声の方が多くなりつつあった。目を逸らそうとして顔を背けたら、ちょうど真正面の鏡に二人の姿が映っているのが見えた。
腰を抱えられ、深々と串刺しにされながらも、僅かに身悶えする自分自身――それは、絶望的な光景だった。バレエで夢見た白鳥の翼は折られ、無惨に犯される鴨のようにも見える。だが同時に、淫靡で、狂おしいまでの生命力に満ちていた。見たくないと思うほどに目を奪われるその情景が、彼女の心を苛む。
「やだ……こんな私……違う……こんなのじゃない……!」
その否定は、肉体の屈服からくる自己嫌悪だったかもしれない。だがそんな拒絶さえも、結局は快楽への扉を開く鍵となることを、健一は知っているのだ。
彼は明日菜の頤(おとがい)を掴んで正面に向けさせ、己の顔を至近距離に寄せて囁いた。
「でも、これが本当のお前なんだよ――」
その刹那、再び激しい律動が始まった。
「あっ! やめ、んあぁっ!!」
これまで以上に深く突き込まれた楔によって、子宮の入口を叩かれれば堪らず仰け反ってしまう。今まで経験したことのない奥行きでの衝撃。それに伴う甘美な疼きが全身を波打ち、思考回路は焼き切れる寸前に追い込まれていく。
「ほら、ここが好きなんだろう? ……気持ち良すぎるくらいに」
健一がニヤつきながら一点ばかり執拗に責め立てるため、明日菜は髪を振り乱して首を横へ振るしかない。頭の中ではずっと警鐘が鳴りっぱなしであったはずなのに、肉体は既に降伏してしまいそうなほど蕩けており……。
「い、いやあ……!」
「嘘言うんじゃない! こんなになってるじゃないか」
健一は嘲笑交じりで言い放ち、その証拠だとばかりに更に強く押し込んだ。
「ひっ♡ いあああぁぁ〜〜っ!!!???」
突然訪れた絶頂感──快感と言うより衝撃的なまでの多幸感とも形容できるであろう感覚―――で一杯になった彼女にとって最早声にならない叫びだけが残された。 身体中の血管という血管全て沸騰した血液に乗せられて運ばれる官能の嵐。魂までも洗い流されるほどの解放感の中で視界さえも眩暈と共に白く飛ぶ。
「んうぅ……また来ちゃうッ!」
「ああ、何度だってイケよ」
狂おしい位に激しく蹂躙されながら、明日菜は何度目かも判らぬ高揚を迎えてしまったのであった……。
「もう終わりだよ」
その言葉と共に、健一は明日菜の中から自身を引き抜いた。ずるりと抜ける感触に、明日菜は小さく身震いした。体の中が空っぽになるような、奇妙な喪失感と共に、どろりとした液体が太ももを伝って垂れ落ちるのを感じた。それは彼女の体液なのか、男の白濁液なのか、もう区別もつかなかった。
「よく頑張ったね、明日菜。今日のレッスンはここまで」
健一は何事もなかったかのように、軽い調子でそう言って、ハンカチで自分の体を拭き始めた。その態度の落差に、明日菜は呆然と床に座り込んでいた。レッスン? これが? これのどこがバレエだったというのだろう。
健一が更衣室へと消えていくと、広いレッスン室には明日菜一人だけが残された。静寂が戻ってきたはずなのに、耳の中ではまだ自分の悲鳴と水音が反響していた。鏡に映る自分は、見知らぬ誰かのようだった。レオタードは汗と体液でぐっしょりと濡れ、髪は振り乱され、目は腫れ上がっている。足の間は赤く腫れ、ヒリヒリと痛んだ。
明日菜は震える手で服を着替えた。体が鉛のように重い。一つ一つの動作が、信じられないほど億劫だった。帰り道、街の明かりがやけに眩しく見えた。通行人たちは皆、普通の顔をして歩いている。誰も、この少女の体の中で何が壊されたのかを知りはしない。
家に着き、「ただいま」と言った時の母親の「お帰り」という声が、残酷なほど温かかった。
「今日のバレエはどうだった?」
何気ない母の問いかけに、明日菜は胸が締め付けられた。言えない。絶対に言えない。あんなことをされたなんて、バレエの先生にあんなことをされたなんて。母の期待を裏切ることになる。バレエを辞めさせられるかもしれない。それとも、自分が悪い子だと思われるかもしれない。
「うん……難しかった」
明日菜は俯き、なんとか言葉を絞り出した。喉の奥が熱くて、声が震えそうになった。
「そう、頑張ったわね。お風呂にしてね」
母の優しい手が頭を撫でる。その温もりが、逆に明日菜の心のダムを決壊させた。
自分の部屋に駆け込み、鍵をかけると、明日菜はベッドに突っ伏して声を殺して泣きじゃくった。枕を濡らし、シーツを握りしめ、喉が張り裂けんばかりに泣いた。
「うぅっ……ひぐっ……先生っ……いやだったぁ……」
なんであんなことをされたのだろう。私がバレエが下手だから? それとも、私が変な声を出したから? 自分が悪いのかもしれない。そう思えば思うほど、自己嫌悪で胸が押し潰されそうだった。
バレエ、辞めよう。
そう思った。もうあの場所には行きたくない。あの男の顔を見るのも、あの鏡を見るのも、あの冷たい床の感触を思い出すのも、もう耐えられない。
でも、いざ辞めようと決意すると、胸の奥がチクリと痛んだ。白鳥になりたかった。あの舞台で、あの白いチュチュを着て、優雅に舞いたかった。それは、今の汚れた自分には決して手の届かない、聖なる夢だった。
お風呂に入っても、体の汚れは落ちない気がした。お湯に浸かると、内腿の痛みと、体の奥に残る疼きが蘇った。健一に触れられた場所が、まだ熱を持っているような錯覚に陥る。目を閉じれば、彼の手の感触や、耳元での吐息がフラッシュバックし、そのたびに体がビクンと跳ねた。
夜、ベッドの中で天井を見つめながら、明日菜は自問自答を繰り返した。
辞めるべきだ。そうに決まっている。
しかし、翌朝目を覚ますと、明日菜の体は勝手に動いていた。スクールバッグにレッスン着を詰め、学校が終わると、足は自動的にバレエ教室への道を歩いていた。
「何で来ちゃったんだろう……」
教室の前に立つと、足がすくんだ。逃げ出したい。でも、扉の向こうに、あの鏡があり、あの音楽があり、そして健一がいる。恐怖と嫌悪。それなのに、体の奥底で鈍く疼くものがあった。それは、あの屈辱的な快楽の残滓だったのかもしれない。理解不能な衝動が、彼女を再びあの場所へと引き寄せていた。
明日菜は震える手でドアノブを握りしめ、深呼吸をした。そして、意を決して扉を開けた。
中からは、見慣れた生徒たちの笑い声と、ピアノの音色が聞こえてきた。それは、いつもの平和なバレエ教室の風景だった。ただ一つ、明日菜の世界だけが、決定的に壊れてしまったけれど。
レッスンが終わると、生徒たちは三々五々、更衣室へと消えていった。明日菜も無言でロッカーの前に立ち、汗で張り付いたレオタードを脱ごうとした。しかし、指が震えて上手くいかない。昨夜の悪夢が、皮膚の上にへばりついて離れないかのようだった。
「明日菜、シャワー浴びてきなさい。」
ふと声をかけられ、明日菜はびくりと肩を跳ねさせた。鏡越しに、健一先生が立っていた。他の生徒たちには穏やかな笑顔を向けているその男が、自分を見る目だけが違うことを、明日菜はもう知っていた。
「……はい」
逃げ出したかった。でも、足がすくんで動けない。昨日、「レッスンはまだ終わってない」と言われた言葉が、呪いのように頭にこびりついていた。逆らったら、またあんなことをされるかもしれない。いや、逆らわなくても、されるのかもしれない。
シャワー室は、まだ数人の生徒が残っていたが、やがて彼女たちも上がっていき、広い空間に明日菜一人が取り残された。お湯の音だけが響く、湿った密室。
背後で、バタン、とドアが閉まる音がした。
明日菜は息を呑んだ。逃げ場はない。
「いい子だね、ちゃんと残ってくれて」
健一の声が、反響しておぞましいほど近くに聞こえた。彼は服を着たまま、濡れた床を踏んで明日菜に近づいてきた。
「先生……お願い……帰らせて……」
明日菜は震える声で懇願した。バスタオルを胸の前で握りしめ、小さく縮こまる。しかし、健一は冷酷な笑みを浮かべただけだった。
「汗を流さないと、風邪引くよ? それに、僕のも洗ってくれないと」
彼は自分のズボンのベルトに手をかけ、チャックを下ろした。昨日の凶器が、もはや隠そうともせず姿を現す。
「え……?」明日菜は理解できずに呆然とした。「洗うって……何を……?」
「判らないのかい? 口で」
その言葉の意味を理解した瞬間、明日菜の顔から血の気が引いた。
「いやっ! そんな……汚い……!」
口にするなんて、絶対に無理だ。あんなものを、自分の口に入れるなんて。
「汚い? 昨日はあんなに喜んで飲んだくせに」
健一の言葉が胸に突き刺さる。昨日のあの白濁した液体。あれを自分の体の中に出されたこと。吐き気がした。
「来なさい」
有無を言わせない声だった。健一は明日菜の髪を掴み、無理やり彼女を膝をつかせた。冷たく硬いタイルの上に跪かされ、目の前に男の凶器が突きつけられる。
「あぐっ……」
「ほら、口を開けて」
健一は明日菜の頬を指で押し込み、無理やり口を開けさせた。そして、躊躇なく自身を彼女の口腔へとねじ込んだ。
「んぐっ! んんーっ!!」
口いっぱいに広がる異物感。臭い、味、そして硬さ。舌がそれに触れるだけで、胃の内容物が逆流しそうになった。呼吸ができず、喉の奥を何度も突かれる。
「歯を当てるな。優しく舐めるんだ」
健一は明日菜の頭を固定し、腰を動かし始めた。前後するピストン運動によって、明日菜の喉は容赦なく犯された。
「んぅっ! ぐっ……うぅっ……」
苦しい。息ができない。涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃになる。お湯の音にかき消されそうな、自分自身の咽び泣きが聞こえる。これはバレエじゃない。これは指導じゃない。これはただの凌辱だ。
明日菜は必死に健一の太ももを掴み、離そうとしたが、男の力は圧倒的だった。彼は楽しんでいた。無力な少女が自分の欲望を啜り泣きながら受け入れている光景を、サディスティックな喜びとともに見下ろしていた。
「そう、いい子だ。全部飲み込めるようにね」
健一が低く呻き、動きを激しくした。明日菜の喉の奥深くで、脈打つような感覚が膨らんでいく。ドビュッドビュッ
「んぐぅぅっ!!」
どろりとした液体が、明日菜の喉の奥に直接注ぎ込まれた。逃げ場はない。飲み込むしかない。生理的な嫌悪感と共に、その苦くて粘着質な液体を胃に流し込むことしかできなかった。
健一がゆっくりと引き抜くと、明日菜は激しく咳き込み、床に嘔吐した。
「はぁっ……はぁっ……うぇっ……」
口の中に残る苦い味が、いつまでも消えなかった。涙で滲んだ視界に映るのは、自分の吐き出したものと、白く濁った液体が混じり合う排水溝の光景だけだった。
「よく飲めたね。ご褒美にイかせてあげるよ」
健一は残酷なほど優しい声でいい、明日菜にシャワー室の壁に手をつかせた。
「ひゃぁぁっ!?」
冷たいタイルの壁に手をつかされた瞬間、背後から熱いお湯がかけられた。しかし、それ以上に熱かったのは、健一の手が再び彼女の胸に伸びてきた瞬間だった。
「あぁっ、そこ……だめっ……!」
健一は容赦なく、明日菜のまだ発育途前の乳首を指で摘み上げた。昨日の記憶が蘇るかのように、その小さな突起はすぐに硬く尖り始めた。
「ほら、すぐにこんなになる。いやらしい体だね」
耳元で囁かれながら、親指と人差し指で強く挟み込まれ、捻り上げられる。電流のような鋭い快感が背骨を駆け上がり、明日菜は壁に額を押し付けた。
「ちがっ……いやらしいんじゃ……ないっ……あぁんっ!」
否定しようとする声が、甘い喘ぎに変わる。健一は左右の乳首を同時に攻め立て、指の腹で押し潰すように回転させ、時折強く引っ張った。そのたびに、明日菜の腰は無意識に揺らぎ、太ももの内側が震えた。
「やめてっ……お願いっ……変になっちゃうぅっ!」
胸の先から直接子宮に繋がっているかのような錯覚。頭がぼんやりとして、立っているのもやっとだった。膝が笑い、壁にしがみつく指先が白くなる。
「まだだよ。ここもこんなにしてるくせに」
健一の手が、震える太ももを割り込み、その中心へと滑り込んできた。
「あっ!」
指が濡れた秘所に触れた瞬間、明日菜は飛び上がった。お湯のせいだけではない、自分自身の溢れ出す愛液が、彼女の恥辱を証明していた。
「ほら、こんなに濡れてる。乳首弄られただけでこんなになるなんて、本当に淫乱な子だ」
淫乱。その言葉が胸に突き刺さる。違う、そんなんじゃない。そう叫びたかったが、健一の指がクリトリスを捉え、激しく擦り上げた瞬間、言葉は悲鳴に変わった。
「ひぃぃっ!! いやぁぁっ! そこ さわらないでぇっ!!」
壁を叩き、身をよじって逃げようとするが、健一は許さない。彼は中指と薬指を揃え、濡れそぼった割れ目にねじ込んだ。
「あぐっ! はぁぁっ!!」
異物が侵入する圧迫感。しかし、昨日と違って今日は痛みよりも、痺れるような快感が先走った。内壁をかき回すように指を動かされ、前の壁を擦り上げられると、目の前が真っ白になった。
「あっ! あっ! あぁぁっ!! なにか……くるっ! 変なのがくるぅっ!!」
「イきなさい、明日菜。みんなに聞こえるように大きな声で」
健一の命令に反するように、明日菜の口から抑えきれない嬌声が迸った。
「いやぁぁぁっ!! イくっ! イッちゃうぅぅぅっ!!!」
全身が痙攣し、背中が弓なりに反った。激しい絶頂の波が彼女を飲み込み、内壁が狂ったように健一の指を締め付けた。その瞬間、ぶしゅっ!という激しい音と共に、彼女の股間から大量の潮が噴き出した。
「あへぇぇぇっ!!」
お湯に混じって流れ落ちる自分の体液。壁にはじかれ、足元に広がる水溜まり。その光景が、さらに彼女の羞恥心を刺激した。みっともない。こんなみだらなことをされているなんて。
力が抜け、ずるずると壁を滑り落ちそうになった明日菜の腰を、健一が強引に引き寄せた。
「終わりじゃないよ。次は僕の番だ」
「え……? もう……やめ……」
健一は明日菜の体を反転させ、バスタオルも何もない床に押し倒した。冷たいタイルの感触にお尻が跳ねる。そして次の瞬間、彼女の目を見開かせるような光景が広がった。
健一が彼女の股間に顔を埋めたのだ。
「ひっ!? なに……何するの!?」
彼の熱い舌が、敏感すぎる秘所を舐め上げた。
「あぁぁぁぁっ!! だめぇぇぇっ!! 汚いよぉっ!!」
自分でも羞恥で死にそうなその場所を、男に舐められている。粘膜と粘膜が触れ合うねっとりとした感触。音を立てて吸い上げられ、舌先で割れ目を割り広げられる。
「いやぁっ! やめて! 舐めないでぇっ! あひぃぃっ!!」
直舌責めは、指とは比べ物にならないほどの強烈な快感だった。粗雑で、粘着質で、逃げ場のない快楽が、痙攣し尽くした体に再び火をつけた。
「あぐっ! くぅぅっ! もう……無理っ! 壊れちゃうぅぅっ!!」
明日菜は頭を振り乱し、健一の髪を掴んで引き剥がそうとしたが、彼は全く意に介さず、さらに深く激しく責め立てた。子宮の入り口まで舌でこじ開けられ、クリトリスを唇で強く吸われた瞬間、明日菜は二度目の崩壊を迎えた。
「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
絶叫がシャワー室に響き渡った。あまりの激しさに、意識が飛びそうになった。
体が激しく痙攣し、足先から頭の先まで痺れが走る。
そして、絶頂と共に、彼女の体から全ての力が抜け落ちた。
「あ……あ…」
尿道の括約筋さえも緩んでしまったのか、おしっこが漏れ出した。温かい液体が太ももを伝い、タイルの上に広がっていく。それと同時に、口からはだらしなく涎が垂れ落ち、白目を剥いて泡を吹き始めた。
「へっ……あへぇぇ……」
もう何が何だか分からなかった。快楽なのか苦痛なのか、羞恥なのか絶望なのか。全てが混ざり合い、彼女の幼い理性は完全に焼き尽くされていた。
鏡はない。けれど、彼女は自分がどれほど無様で、どれほど淫らな姿で床に転がっているかを本能的に理解していた。それはもう、白鳥でも少女でもない。ただの肉塊。男の欲望の捌け口として、泡吹いて蠢くだけの生き物だった。
健一はようやく顔を上げると、トイレで用を足したかのように軽く口元を拭い、満足げに明日菜を見下ろした。
「いい反応だよ、明日菜」
その声は遠くから聞こえるようだった。明日菜はただ、天井の照明を見つめながら、涙と涎で汚れた顔で、意味のない嗚咽を漏らし続けることしかできなかった。
---
金曜日の夜、明日菜のスマートフォンにメッセージが届いた。差出人は『温溝先生』。
『明日、僕の家においで。住所はこれ。2時にね』
短く、何の脈絡もないその文章は、しかし明日菜にとっては絶対的な命令文だった。画面の光が、まるで冷たい刃物のように彼女の目を刺した。
行きたくない。
あんなことをされるのは、もう嫌だ。心も体も、引き裂かれそうだった。あのシャワー室でのことがフラッシュバックし、無意識に自分の体を抱きしめる。泡を吹いて失禁した自分。犬のように舐め回された自分。その記憶は、彼女の心に深い傷として刻み込まれていた。
このままじゃダメになる。
母に言おう。警察に言おう。そう思うのに、口は動かなかった。もし言ってしまえば、バレエができなくなるかもしれない。それに、自分があんなみだらなことをされていたと知られるのが、何よりも恐ろしかった。汚れた自分を晒すくらいなら、黙っている方がマシだと思ってしまう弱さが、彼女を縛り付けていた。
そして何より、恐ろしいことに、体の奥底で疼くものがあった。あの屈辱的な快楽の記憶が、少しずつ毒のように彼女の理性を蝕み始めていた。またあの感覚に触れてしまうのではないかという恐怖と、微かな期待が混ざり合い、彼女自身をも制御不能にしていた。
土曜日の午後。明日菜はバレエのレッスンバッグを持って家を出た。「友達と遊ぶ」と嘘をついた母の顔が見られなかった。罪悪感が胸を締め付ける。でも、足は勝手に動いていた。
健一の住むマンションは、駅から少し離れた閑静な住宅街にあった。黒を基調とした無機質な外壁。エントランスの自動ドアが開くと、冷房の空気が彼女を包んだ。まるで巨大な獣の口の中に自ら飛び込んでいくような、どうしようもない虚無感があった。
インターホンを押すと、電子音が響き、ロックが解除された。
エレベーターで最上階へ。廊下の一番奥の扉の前に立つ。手が震えて、ノックがうまくできない。
「どうしたの、入って」
扉が内側から開き、健一が顔を出した。ラフなTシャツにスウェットという部屋着姿だったが、明日菜にはそれが捕食者の擬態に見えた。
「……おじゃまします」
明日菜は小さく呟き、スリッパに足を通した。
部屋は広く、窓から差し込む午後の日差しが眩しかった。黒い革のソファ、グレーのラグ、整然と並んだ本棚。大人の男の生活臭がするようで、しないようでもある、不思議な空間だった。
「バッグ、そこに置いて。こっちにおいで」
健一に手招かれ、明日菜はおずおずとリビングへと進んだ。逃げ場はない。分かっていたはずなのに、来てしまった自分が憎かった。
「服、脱いで」
開口一番、健一はそう言った。
「え……?」
「見て判るでしょ。全部脱いで」
明日菜は息を呑んだ。教室やシャワー室とは違う。ここは彼のプライベートな空間だ。誰も助けに来ない。そして、逃げる場所もない。
明日菜は震える手で、カーディガンのボタンを外し始めた。太ももまであるチェックのスカート、白いブラウス。一枚一枚布を剥がしていくたびに、彼女の心も裸にされていくような気がした。
下着姿になったところで、健一の視線が突き刺さった。
「それも」
ブラウスのホックを外し、ショーツを足首から抜き取る。最後の鎧が足元に落ちた時、明日菜はただの無防備な少女に成り下がった。床の冷たさが足裏から伝わり、羞恥で顔から火が出そうだった。両手で体を隠そうとしたが、健一はそれを許さなかった。
「隠さないの。手を頭の後ろで組んで」
命令に従い、明日菜はポーズをとらされた。バレエのポーズではない、辱めるためのポーズだ。脇の下や、まだ膨らみかけの胸、下腹部の僅かな産毛まで、全てが露わになる。
「うん、いい体だね」
健一は満足げに頷き、明日菜の背後に回った。そして、彼女の首筋に顔を埋めた。
「ひゃっ……!」
熱い吐息と、舌の生々しい感触。耳の裏を舐められ、首筋を唇でなぞられる。犬に嗅がれているような、あるいは食材として品定めされているような、ゾッとする感覚だった。
「せんせい……やだ……」
「やだ、じゃないだろう? 僕がどうしたいか、分かってるはずだよ」
健一の手が、明日菜の脇腹をゆっくりと撫で上げた。脇の下の柔らかな肉、あばら骨の一本一本、くびれたウェスト。彼はまるで、自分の所有物の隅々まで確認するかのように、ねっとりと指を這わせた。
「んぅっ……」
恐怖のはずなのに、触れられた場所から奇妙な熱が生まれる。健一は明日菜の正面に回り込み、小さな胸の先端に舌を這わせた。
「あっ……! そこ……汚いよぉ……」
「汚くないよ。甘い味がする」
乳輪を舌で円を描くように舐められ、硬く尖らせていく。そして、吸い上げられた瞬間、背筋を快感が駆け抜けた。
「ひぃっ! あぁんっ!」
明日菜の膝が崩れ落ちそうになった。健一はそれを支えながら、今度はお腹へと舌を滑らせた。おへそを突つかれ、下腹部の柔らかな肉を軽く噛まれる。そのたびに、体の奥が疼き、甘い痺れが子宮を満たしていく。
「あふっ……変…変になるぅっ……」
抵抗の言葉が、甘い吐息に変わっていく。頭の中がぼんやりとして、思考が溶け出していくようだった。
健一は明日菜をソファに押し倒した。黒い革の冷たさが背中に触れるが、すぐに自分の体温と男の体温で熱くなった。
「脚を開いて」
明日菜は逆らえなかった。おずおずと膝を割り開くと、一番恥ずかしい場所が露わになった。健一はそれを凝視し、今度は太ももの内側から、ゆっくりと舌を這わせ始めた。
「いやぁっ! 舐めないでっ! 臭いってばぁっ!」
「いい匂いだよ、明日菜」
太ももの付け根の柔らかな肉を吸い上げられ、股間の割れ目に沿って舌が滑り込む。直に触れられる感触に、明日菜は仰け反った。
「あぁぁっ!! だめっ! そこ舐められたらっ!!」
クリトリスを舌先で弾かれ、割れ目を割り広げられて奥まで舐め侵入される。教室でのクンニよりも、さらに深く、さらに執拗に。ソファに沈み込むような感覚と、粘膜を犯される快感の板挟みになり、明日菜の体はびくんびくんと跳ねた。
「あぐっ! くぅぅっ! またっ……また何かくるぅっ!」
頭の中が真っ白になっていく。恐怖も羞恥も、甘い快楽の波に飲み込まれて消えていく。彼女の口からは、否定の言葉ではなく、歓喜の喘ぎが漏れ始めた。
「あっ! あぁっ! 先生っ! そこっ! 気持ちいいっ!!」
自分が何を言っているのかも分からなかった。ただ、この男に舐め回される快感に、彼女の幼い体は完全に蕩けてしまっていた。理性はどこかへ飛び、ただ本能のままに快楽を貪る雌へと変貌していた。
健一はゆっくりと体を起こし、明日菜の濡れそぼった秘所に自身を押し当てた。
「入れるよ」
その言葉は、明日菜にとって死刑宣告ではなく、むしろ救いの合図のように響いた。
「うん……きて……」
自らの口からそんな言葉が出たことに、明日菜自身が驚いた。しかし、もう引き返すことはできなかった。
ずぶり、と先端が飲み込まれると、昨日までの痛みは影を潜め、代わりに押し広げられる充足感が満ちていく。熱く硬い楔が、彼女の体の奥へ奥へと進んでいく。
「あぁぁっ……! はいってくるぅっ……!」
健一は一気に根元まで突き入れた。子宮の入り口を容赦なく押し上げられ、明日菜は背中を反らせて甘い悲鳴を上げた。
「あぐっ! そこっ! 深いっ! おくっ!!」
内臓を直接犯されるような衝撃。しかし、それは苦痛ではなく、脳髄を痺れさせる猛烈な快感だった。健一は一度引き抜きかけては深く突き上げ、明日菜の最も敏感な場所を執拗に攻め立てた。
「ひゃぁぁっ! あっ! あぁっ! すごいっ! せんせぇっ!!」
ピストンの速度が上がるたびに、明日菜の体はソファの上で激しく揺さぶられた。黒い革と肌が擦れ合う音、結合部から漏れる粘着質な水音が、部屋の中で反響する。
やがて、明日菜の体が勝手に動き始めた。健一に突き上げられるだけでなく、彼女自身も腰をくねらせ、深く受け入れようと淫らに揺らめいた。
「もっと……もっとぉっ! 奥までっ! ぐりぐりしてぇっ!!」
自ら腰を振り、快楽を貪る自分が信じられなかった。でも、止められなかった。
頭の中が快楽で焼き切れ、健一の刺激を求めていた。
「いい子だね、明日菜。そんなに欲しければもっとあげるよ」
健一は明日菜の両脚を大きく開かせ、さらに深く突き入れた。
子宮の奥底を先端でノックするような角度で責め立てられ、明日菜は狂ったように喘ぎ叫んだ。
「あぁぁぁっ!! だめっ! こわれるっ! こわれちゃうぅぅっ!!」
何度も絶頂が波のように押し寄せ、そのたびに内壁が痙攣して健一を締め付ける。明日菜の目はもう焦点が定まらず、口からは涎が垂れ、白目を剥きかけていた。
「せんせぇ……せんせぇっ……!」
彼女はすがりつくように、健一の首に腕を回した。そして、震える唇で彼の唇を求めた。
「んぅっ……ちゅっ……れろっ……」
舌を絡ませ、相手の唾液を貪るような深い口づけ。昨日は拒絶していた口づけが、今は自分から求めている。男のタバコとコーヒーの味が、今は甘い蜜のように感じられた。
健一もまた、明日菜の小さな背中を強く抱きしめ、激しく口づけを返した。二人の体液が混じり合い、互いの熱が溶け合う。
「大好きっ……せんせぇ……大好きっ……!」
明日菜は健一の首に腕を回すだけでなく、その脚までも彼の腰に絡みつかせた。手足で彼を抱きしめ、決して離さないというかのような、いわゆる「だいすきホールド」の体勢だった。
幼い少女が、自分を犯した男に「大好き」と叫び、自ら体を絡めて求めている。それは残酷で、そして哀れな光景だった。しかし、明日菜にとっては、この瞬間だけが世界の全てだった。快楽と愛情の境界線はとうに崩れ去り、彼女は完全に健一に依存していた。
「僕も好きだよ、明日菜。全部受け取ってね」
健一は低く呻き、最後の突き上げを行った。
「あぁぁぁっ!!」
どくっ、どくっ、と健一の雄が脈動する感覚が、明日菜の最奥で感じられた。子宮の入り口に直接、大量の白濁液が注ぎ込まれていく。熱い。とろけるような熱さが、彼女の体の芯を満たしていく。
「あっ……あぁ……せんせぇの……出てるぅ……おくに……いっぱい……」
明日菜は夢中で健一の唇を吸った。射精される悦び。男の精で満たされる幸福。それは汚れた快楽であるはずなのに、今の彼女にとっては最高の祝福だった。
「あぁ……しあわせ……」
健一はしばらくそのまま明日菜を抱きしめ、残滓を塗り込むように腰を小刻みに動かした。明日菜はうっとりと彼に抱かれながら、幸せそうに微笑んでいた。それは清らかな白鳥の微笑みではなかった。欲望に溺れ、快楽に酔いしれ、男の所有物となった雌の微笑みだった。
黒いソファに二人の体が重なり合い、獣のような熱気が部屋に充満する。窓の外の雲一つない青空とは対照的に、室内には濃密で淫猥な影が落ちていた。明日菜はもう、バレエの練習も、白鳥になる夢も、どうでもよくなり始めていた。ただ、この男の腕の中で、永遠に溺れていたいと思っていた。それがどんな未来を招くとしても。