家のインターホンが鳴ったのは、日曜日の午後三時だった。
淳はソファから身を起こし、モニターに目をやった。
画面の中には、誰かの後ろ姿。
ドアを開けると、そこには女の子が立っていた。
「淳お兄ちゃん、あそぼー」
名前を倉木菜月という。隣に住む小学五年生。
背は低く、胸のあたりで切りそろえた髪をぴょこんと跳ねさせている。
白いワンピースの裾が、風に揺れていた。
「ああ、菜月か。どうした?」
「ゲームしに来た。昨日約束した」
「ああ、そうだったな。おばさんは?」
「ママは買い物。淳お兄ちゃんと遊んでていいって」
菜月はそう言うと、ずかずかと部屋の中に入ってきた。
淳はため息をつきながら、ドアを閉めた。
「淳お兄ちゃん、新作のゲーム買った?」
「買ってないよ。昨日のやつでいいだろ」
「もー、ケチ」
菜月は淳の部屋に入ると、ベッドの上にぴょんと跳び乗った。
淳は慌てて、部屋の片付けをした。
ベッドの上には読みかけの漫画雑誌が散らばっていたからだ。
「淳お兄ちゃん、早く早く。ゲームやろーよ」
「はいはい、今やるよ」
淳はゲーム機の電源を入れた。
画面にタイトルが映り出され、菜月は目を輝かせた。
「わーい、これ大好き。淳お兄ちゃん、昨日のやつの続きやろうね」
「おう。よし、準備しろ」
二人はコントローラーを握り、画面に向き合った。
淳はゲームに集中しようとしたが、菜月のことが気になった。
菜月はベッドの端に座り、足をぶらぶらさせている。
ワンピースの裾が少しずつ上がって、太ももが見えていた。
淳は視線を逸らした。
菜月は無邪気に笑っている。
淳の心の中で、何かがざわめいた。
「淳お兄ちゃん、これ見て。かわいいでしょ」
菜月は画面の中のキャラクターを指さした。
その拍子に、ワンピースの裾がさらに上がった。
白いショーツが、ちらりと見えた。
淳は息を呑んだ。
菜月は気づいていないのか、それとも気づいていてやっているのか。
淳はわからなかった。
「ああ、かわいいな」
淳は努めて平静を装った。
菜月は満足そうに微笑み、再びゲームに没頭した。
淳の心臓は、早鐘を打っていた。
「淳お兄ちゃん、つよーい。負けちゃった」
「当たり前だろ。もっと練習しろ」
「えー、やだもん。淳お兄ちゃんが負かしてくれればいいじゃん」
菜月はそう言うと、淳の腕にすり寄ってきた。
小さな体が、淳の腕に触れた。
柔らかくて、温かい。
淳はドキドキした。
「淳お兄ちゃん、つよいし、かっこいいし、やさしいし。大好き」
菜月は淳の腕を抱きしめた。
淳はどうしていいかわからず、固まってしまった。
「お、おい、菜月。くっつくなよ。暑いだろ」
「えー、いいじゃん。淳お兄ちゃん大好きだもん」
菜月はさらに強く抱きしめた。
淳の腕に、菜月の体が押しつけられる。
胸の感触が、微かに伝わってきた。
淳は慌てて菜月から離れた。
菜月はきょとんとした顔で淳を見た。
「淳お兄ちゃん、どうしたの?」
「い、いや、なんでもない。ゲーム、続けよう」
淳はコントローラーを握り直した。
菜月も不思議そうな顔をしながら、コントローラーを取った。
二人は再びゲームに没頭した。
しかし、淳の心は穏やかではなかった。
菜月の無邪気な仕草が、淳の理性を試しているようだった。
「淳お兄ちゃん、ねえ、聞いてもいい?」
ゲームの合間に、菜月がぽつりと言った。
淳は画面から目を離さずに答えた。
「なんだ?」
「淳お兄ちゃんって、彼女いるの?」
淳の手が止まった。
菜月は淳の顔を覗き込んだ。
「え、どうしてそんなこと聞くんだ?」
「ただ気になっただけ。淳お兄ちゃん、モテそうだし」
「モテないよ。俺はオタクだし」
「えー、そんなことないよ。淳お兄ちゃん、かっこいいもん」
菜月は淳に向き直った。
淳は画面から目を逸らし、菜月と目が合った。
「彼女はいないよ。そんな暇ないし」
「そっか。じゃあ、淳お兄ちゃんは女の子のこと、好きになったことある?」
淳は戸惑った。
菜月の質問は、純粋なのか、それとも何か裏があるのか。
淳には判断できなかった。
「あるよ。小学生の頃、同じクラスの子を好きになったことがある」
「へー、どんな子?」
「可愛くて、明るい子だったよ。よく笑う子で、俺もその笑顔が好きだった」
菜月はちょっと寂しそうな顔をした。
淳は慌てて言葉を継いだ。
「でも、今はいないよ。その子は転校しちゃったし」
「そっか」
菜月はうつむいた。
淳は心配になった。
「どうした?」
「ううん、なんでもない。淳お兄ちゃんは、私のことどう思ってる?」
淳は驚いた。
菜月の瞳が、真剣だった。
「どうって、菜月は可愛いし、元気でいい子だよ」
「それだけ?」
「え?」
「私のこと、女の子として見てくれてる?」
淳は言葉に詰まった。
菜月の問いは、淳の心を揺さぶった。
淳は菜月を妹のように思っている。
しかし、菜月はそれだけでは満足していないようだった。
「菜月は、女の子だろ?」
「じゃあ、淳お兄ちゃんは私のこと、女の子として好き?」
淳は動揺した。
菜月の目は、まっすぐ淳を見つめていた。
淳は視線を逸らした。
「もちろん、好きだよ。妹みたいに」
菜月の顔が、少しだけ曇った。
しかし、すぐに笑顔に戻った。
「そっか。妹かー。じゃあ、お兄ちゃんとして、私の相談に乗ってよ」
「相談?」
「うん。実はね、最近ちょっと悩んでるの」
菜月はベッドの上に正座した。
淳は菜月の向かいに座った。
「何を悩んでるんだ?」
「あのね、最近、胸が大きくなってきたの。学校の友達より、ちょっとだけ大きいかなって」
淳は驚いた。
菜月の胸は、確かに同年代の子より少し発育が早いかもしれない。
しかし、淳はそれを意識したことはなかった。
「それが、どうした?」
「恥ずかしいの。男子に見られると、いやな目で見られる気がして」
菜月は胸を抱きしめた。
淳は菜月の胸元に目をやってしまった。
菜月の胸は、確かに少しふくらんでいた。
「いやな目で見られるって、どんな?」
「わかんない。でも、いやらしい目で見られる気がするの」
菜月は顔を赤くした。
淳は菜月の言葉に、心が痛んだ。
「菜月は何も悪くないよ。男の子が変な目で見るのがいけないんだ」
「淳お兄ちゃんも、見てた?」
淳は凍りついた。
菜月の言葉は、淳の心を見透かしているようだった。
「え、見てないよ。俺は妹みたいに思ってるし」
「ほんとに?」
「ああ、ほんとだ」
淳は必死に平静を装った。
菜月は疑わしそうに淳を見たが、やがて笑顔になった。
「そっか。淳お兄ちゃんは、やっぱりやさしいね」
菜月は淳に寄り添った。
淳は菜月の体温を感じ、心臓が早鐘を打つのを感じた。
「ねえ、淳お兄ちゃん」
「なんだ?」
「私のこと、抱きしめてくれない?」
淳は驚いた。
菜月の瞳は、潤んでいた。
「どうして?」
「安心したいの。淳お兄ちゃんに抱きしめられたら、安心する気がする」
淳は戸惑った。
菜月の言葉は、純粋なのか、それとも誘っているのか。
淳には判断できなかった。
「淳お兄ちゃん、お願い」
菜月は両手を広げた。
淳はため息をつき、菜月を抱きしめた。
菜月の体は小さく、温かかった。
淳は菜月の髪の匂いを感じ、心が揺れた。
「淳お兄ちゃん、温かい」
菜月は淳の胸に顔を埋めた。
淳は菜月の背中を優しく撫でた。
「菜月、大丈夫だよ。何も怖いことはない」
「うん。淳お兄ちゃんがいるから、大丈夫」
菜月は淳の胸から顔を離し、淳を見上げた。
淳は菜月の瞳に、自分の顔が映っているのを見た。
「淳お兄ちゃん、大好き」
菜月は淳の頬にキスをした。
淳は驚き、菜月から離れた。
「な、菜月、いきなり何をするんだ」
「えへへ、ごめんね。でも、嬉しかったから」
菜月はいたずらっぽく笑った。
淳は菜月の笑顔に、心臓が高鳴るのを感じた。
「淳お兄ちゃん、顔が赤いよ」
「うるさい。暑いだけだ」
「そっか。じゃあ、窓開けようか」
菜月は窓に向かおうとしたが、淳は止めた。
「いいよ。そのままでいい」
淳は菜月の笑顔を見て、ため息をついた。
菜月の無邪気な仕草は、淳の心を試しているようだった。
淳は菜月を妹のように思っている。
しかし、菜月はそれ以上の感情を持っているようだった。
淳はどうすればいいのか、わからなかった。
「淳お兄ちゃん、またあそぼうね」
菜月は帰り際に、そう言った。
淳は曖昧に頷いた。
「ああ、またな」
菜月は手を振り、家に帰っていった。
淳は菜月の後ろ姿を見送り、ため息をついた。
「困ったな」
淳はソファに座り、天井を見上げた。
菜月の無邪気な笑顔が、淳の心に焼きついていた。
淳は菜月を妹のように思っている。
しかし、菜月はそれ以上の感情を持っているようだった。
淳はどうすればいいのか、わからなかった。
翌日も、菜月は淳の部屋にやってきた。
淳はもう覚悟を決めていた。
「淳お兄ちゃん、今日もゲームしに来たよ」
「ああ、おいで」
菜月は嬉しそうに部屋に入ってきた。
淳は菜月の笑顔を見て、心が和んだ。
「淳お兄ちゃん、今日は何のゲームする?」
「菜月の好きなやつでいいよ」
「やったー。淳お兄ちゃん、大好き」
菜月は淳に抱きついた。
淳は菜月の体を受け止め、優しく抱きしめた。
「菜月、大好きだよ」
淳の言葉に、菜月は驚いた顔をした。
しかし、すぐに笑顔になった。
「淳お兄ちゃん、やっぱり優しいね」
菜月は淳の胸に顔を埋めた。
淳は菜月の髪を撫でながら、心の中でつぶやいた。
「妹みたいに、だよ」
しかし、その言葉は声にならなかった。
菜月の温かさが、淳の心を満たしていた。
淳は菜月を抱きしめながら、穏やかな時間を過ごした。
それからも、菜月は毎日淳の部屋にやってきた。
淳は菜月の無邪気な笑顔に癒されながら、穏やかな日々を送っていた。
しかし、菜月の小悪魔的な一面は、淳の心を揺さぶり続けていた。
淳は菜月を妹のように思っている。
しかし、菜月はそれ以上の感情を持っているようだった。
淳はどうすればいいのか、わからなかった。
ただ、菜月の笑顔を見ていたい。
淳はそう思いながら、菜月との時間を大切にした。
そして、季節は巡り、菜月は小学六年生になった。
菜月の体は少しずつ成長し、女の子らしくなっていった。
淳は菜月の成長を見守りながら、心の中で葛藤していた。
菜月を妹のように思っている。
しかし、菜月はそれ以上の感情を持っているようだった。
淳はどうすればいいのか、わからなかった。
ただ、菜月の笑顔を見ていたい。
淳はそう思いながら、菜月との時間を大切にした。
そして、ある日。
菜月が淳の部屋にやってきた。
菜月の顔は、真剣だった。
「淳お兄ちゃん、話があるの」
「なんだ?」
淳は菜月の真剣な表情に、心臓が早鐘を打つのを感じた。
「私、淳お兄ちゃんのことが好き。お兄ちゃんとしてじゃなくて、男の人として」
菜月の言葉に、淳は息を呑んだ。
淳は菜月の瞳を見つめ、心の中で答えを探した。
「菜月、俺も菜月のことが好きだ。妹としてじゃなくて、一人の女の子として」
淳の言葉に、菜月は涙を流した。
「淳お兄ちゃん、嬉しい」
菜月は淳に抱きついた。
淳は菜月を抱きしめ、優しくキスをした。
菜月の唇は、柔らかくて甘かった。
淳は菜月の温かさを感じ、心が満たされるのを感じた。
「淳お兄ちゃん、大好き」
「俺も、菜月が大好きだ」
二人は抱き合い、長いキスをした。
窓の外では、桜の花びらが舞っていた。
春が来ていた。
⭐️誘惑
淳が自室で漫画を読んでいると、隣の家からかすかな声が聞こえてきた。
最初は気のせいかと思った。しかし耳を澄ますと、それは確かに菜月の声だった。
「ん……あ…」
淳の心臓が跳ね上がった。壁一枚隔てた向こう側。菜月の部屋から聞こえてくる声は、明らかに普通のものではなかった。
ベッドの軋む音。荒くなる息遣い。そして時折漏れる小さな嬌声。
淳は漫画を置き無意識に壁に近づいた。鼓動が早くなる。頭ではいけないとわかっているのに、体は勝手に動いていた。
「はぁ……んん……」
菜月の声が大きくなる。淳は壁に耳を当てた。呼吸が荒くなる。手のひらに汗が滲む。
(菜月……何を……)
想像してしまった。ベッドの上で、小さな手を自分の秘部に這わせている菜月の姿を。学校の制服を着たまま、スカートをたくし上げて。あるいは、パジャマのショーツをずらして。
「あ……淳おにいちゃん……」
自分の名前が呼ばれた瞬間淳の中で何かが弾けた。ズボンの前が窮屈になっているのに気づき、自己嫌悪に襲われる。
(俺は……菜月のことを……)
それでも耳を壁から離せなかった。菜月の声はどんどん甘くなり、切なげな響きを帯びていく。指が濡れた音が聞こえるような気がした。実際には聞こえるはずがないのに。
「ふ……んんっ……ああっ……」
菜月の声が高まる。淳は気づけば自分のものを取り出し、固く屹立したそれを握りしめていた。
(最低だ……俺は……)
そう思いながらも、手は止まらない。菜月の声に合わせるように、ゆっくりと上下に動かし始める。カーテンの隙間から差し込む夕日が、淳の醜い欲望を照らし出していた。
「あっ……あっ……いく……いっちゃう……」
壁の向こうで菜月が達するのとほぼ同時に、淳も白濁を吐き出した。手の中に広がる生温かい感触が、自分の罪深さを容赦なく突きつける。
「はぁ……はぁ……」
荒い息を整えながら、淳は壁にもたれかかった。自己嫌悪と後悔が波のように押し寄せる。
(俺は……菜月のお兄ちゃんなのに……)
ティッシュで手を拭きながら、淳は天井を見上げた。
その時だった。隣の部屋から、微かに笑い声が聞こえた気がした。
「……うまくいった」
菜月の声。とても小さく、聞き取れるかどうかの声だった。
淳の血の気が引いた。
(まさか……知ってて……?)
翌日、菜月はいつものように淳の部屋に遊びに来た。
「淳おにいちゃん、あそぼー」
無邪気な笑顔。
しかしその瞳の奥に、何か妖しい光が宿っているように見えたのは、淳の思い過ごしだろうか。
「あ、ああ……いいよ」
淳は動揺を隠せなかった。菜月はそんな淳の様子を見て、くすりと笑った。
「淳おにいちゃん、なんか疲れてる?顔赤いよ」
「べ、別に……ちょっと寝不足なだけだ」
「ふーん。じゃあ、今日は静かなゲームにしよっか」
菜月は淳のベッドにちょこんと座り、コントローラーを手に取った。その仕草ひとつひとつが、昨日の声と重なる。
(知っててやってるのか……?それとも偶然か……?)
淳の心臓は、また早鐘を打ち始めていた。菜月は画面を見つめながら、口元に小さな笑みを浮かべている。
「ねえ、淳おにいちゃん」
「な、なんだ?」
「昨日さ、夜に変な音、聞こえなかった?」
淳の手が止まった。コントローラーがかすかに震える。
「……聞こえなかったけど」
「そっかー。私ね、蚊がいてなかなか寝られなかったんだ」
菜月はさらりと言ってのけた。しかしその目は、じっと淳を見つめている。
「……そうか」
「うん。だからね、ちょっと暴れちゃった。うるさかった?」
淳は返事ができなかった。菜月は淳の反応を楽しむように、小首をかしげた。
「淳おにいちゃん?」
「……いや、全然聞こえなかった」
「そっか。よかった」
菜月は満足そうに微笑むと、ゲームに集中するふりをした。
しかし淳の心は、もうゲームどころではなかった。菜月の一言一言が、昨日の行為を責めているようで。
(こいつ……全部わかってるんじゃないのか……)
淳は菜月の横顔を盗み見た。白い肌。長いまつげ。小さな唇。まだあどけなさの残る顔立ちなのに、その表情は妙に大人びている。
「淳おにいちゃん、ゲーム進んでないよ」
「……悪い。ちょっと考え事してた」
「なに考えてたの?」
菜月はコントローラーを置き淳に体を向けた。その拍子に、スカートの裾がふわりと揺れる。
「……なんでもない」
「ふーん。ねえ、淳おにいちゃん」
菜月は突然立ち上がると、淳のすぐ隣に座り直した。距離は数十センチ。菜月の体温が伝わってくるようだ。
「私ね、大人の女の人みたいになりたいの」
「……どうして」
「だって、淳おにいちゃんに子ども扱いされたくないもん」
菜月は淳の目をじっと見つめた。その瞳は真剣で、そしてどこか挑戦的だった。
「菜月はまだ子どもだろ」
「そうかなぁ。体はちょっとずつ大人になってるよ」
菜月は自分の胸に手を当てた。その仕草に、淳は思わず目を逸らす。
「……菜月」
「見て。前より大きくなったでしょ」
菜月は淳の手を取り、自分の胸に導こうとした。淳は慌てて手を引っ込める。
「やめろ、菜月!」
「……どうして?淳おにいちゃん、私のこと嫌い?」
菜月の声が少し震えた。淳はハッとして菜月の顔を見る。大きな瞳に涙が溜まっていた。
「嫌いじゃない。でも……そういうことは、好きな人とするものだ」
「じゃあ、好きな人とだったらいいの?」
「……そういう意味じゃなくて」
「淳おにいちゃんは、私のこと好きじゃないの?」
菜月の問いに淳は言葉を失った。好きか嫌いかと聞かれれば、好きだ。でもそれはお兄ちゃんとしての好きなのか、それとも……
「淳おにいちゃん」
菜月は淳の顔に手を伸ばし、そっと頬に触れた。冷たくて小さな手のひら。
「私、淳おにいちゃんが大好き。お兄ちゃんとしてじゃなくて、男の人として好きなの」
「菜月……」
「昨日のこと、知ってるんだよ」
淳の心臓が止まるかと思った。菜月は悲しそうに微笑んだ。
「私の声、聞いてたでしょ。淳おにいちゃん、自分のこと触ってたでしょ」
「……ごめん」
淳はうつむいた。言い訳もできなかった。菜月は淳の頭をそっと抱きしめた。
「謝らないで。私、嬉しかったんだから」
「……嬉しかった?」
「うん。淳おにいちゃんが、私のこと女の子として見てくれてるってわかったから」
菜月は淳の頭を優しく撫でた。子ども扱いされているのは、むしろ淳の方だった。
「だからね、今日はお返しに来たの」
「……お返し?」
「うん。淳おにいちゃんが昨日、私の声で気持ちよくなってくれたから……今度は私が、淳おにいちゃんのこと気持ちよくしてあげる」
菜月はそう言うと、スカートの裾をゆっくりとたくし上げた。
「……菜月、やめ……」
「いいの。私がしたいの」
菜月は立ち上がり淳の目の前に立った。白いショーツが露わになる。それは昨日、淳が妄想した光景そのものだった。
「淳おにいちゃん、見てて」
菜月はショーツの上から、自分の秘部に手を当てた。そしてゆっくりと指を動かし始める。
「ん……あ…」
昨日と同じ声。しかし今は壁越しではなく、目の前で。淳は息を呑んだ。目を逸らそうとしても、体が言うことを聞かない。
「淳おにいちゃん……見てくれてる……?」
「……ああ」
「嬉しい……んっ……淳おにいちゃんに見られてると……気持ちいい……」
菜月の指の動きが早くなる。布地が湿り気を帯びていくのがわかった。淳のものも、再び硬く反応し始めていた。
「淳おにいちゃんも……触って……?」
菜月の誘いに、淳は抗えなかった。再び自分のものを取り出し、ゆっくりと扱き始める。
「あ……淳おにいちゃんの……おっきい……」
「……菜月」
「いいよ……一緒に……気持ちよくなろ……?」
菜月はショーツをずらし、露わになった秘部に直接指を這わせた。小さな蕾を指の腹で転がすように触りながら、淳を見つめる。
「あっ……あっ……淳おにいちゃん……淳おにいちゃん……」
淳の手の動きも早くなる。部屋の中に、二人の荒い息遣いが響いた。
「菜月……俺、もう……」
「うん……一緒に……いこ……?」
菜月が微笑んだ瞬間、淳は果てた。
同時に菜月の体も小さく震える。
「ああっ……」
「んんっ……」
数秒の痙攣の後、二人はぐったりと座り込んだ。
「……淳おにいちゃん」
「……なんだ」
「大好き」
菜月は淳に寄りかかり、そっと唇を重ねた。淳はもう抗うことをやめた。
「……俺も、好きだ」
壁越しではなかった。今度はちゃんと、面と向かって。淳は菜月の小さな体を抱きしめた。
部屋の中に、夕日が差し込んでいた。窓の外では、また桜の花びらが舞っている。
淳はもう、自分を抑えることができなかった。
「菜月……」
ゲームのコントローラーが床に落ちた。画面の中では敵に倒されたキャラクターが無残に横たわっているが、そんなことはもうどうでもよかった。
菜月をベッドに押し倒す。小さな体がスプリングの上で跳ねた。
「淳おにいちゃん……?」
菜月の瞳が驚きに見開かれる。しかしその奥には、待ち望んでいたものを受け入れる喜びが宿っていた。
「もう、我慢できない」
淳は菜月のワンピースの裾をたくし上げた。白い太ももが露わになり、その奥にある淡いピンクのショーツが目に飛び込んでくる。すでに布地は湿って色を変えていた。
「淳おにいちゃん……見て……」
「ああ、見てる」
淳は菜月のショーツに顔を近づけた。甘酸っぱい少女の匂いが鼻腔をくすぐる。舌を伸ばし、布越しにそっと舐め上げた。
「ひゃっ……」
菜月の体がびくんと跳ねた。淳は構わずショーツをずらし、露わになった秘部に直接舌を這わせる。
「あっ……ああっ……! 淳おにいちゃん……そこ……!」
「ここか?」
淳は菜月の小さな蕾を舌先で転がした。まだ大人になりきっていない、淡い桜色のそこは淳の唾液でてらてらと光っている。
「やっ……あっ……んんっ……!」
菜月はシーツを握りしめ必死に声を抑えようとした。しかし淳の舌が割れ目に沿って上下に動くたび、甘い嬌声が漏れてしまう。
「遠慮するな。声、聞かせてくれ」
「でも……あっ……んああっ……!」
淳は菜月の太ももを両手で押さえ、さらに深く顔を埋めた。舌を膣内に差し入れ、入り口をほぐすようにゆっくりと動かす。
「淳おにいちゃんの舌……中に入ってる……あっ……あっ……」
菜月の腰が浮いた。淳は逃がさないとばかりに太ももを押さえつけ、さらに激しく舌を動かす。
「菜月……すごく濡れてる……」
「だって……淳おにいちゃんが……あっ……ああっ……!」
蕾を強く吸い上げると、菜月の背中が弓なりにしなった。
「やだ……なんか……くる……!」
「いいよ、そのまま……イって」
「でも……あっ……ああああっーー!」
菜月の小さな体が大きく跳ねそしてガクガクと震えた。膣内が淳の舌をぎゅっと締め付ける。その締め付けが愛おしくて、淳は菜月が震え終わるまで優しく蕾を舐め続けた。
「はぁ……はぁ……」
菜月は荒い息を繰り返しながら、ぐったりとシーツの上に横たわっていた。額にはうっすらと汗が浮かび、頬は桃色に染まっている。
「大丈夫か?」
淳が顔を離し、菜月の髪を優しく撫でた。菜月はとろけた瞳で淳を見上げると、小さく微笑んだ。
「すごかった……頭の中が真っ白になった……」
「そうか」
淳は菜月の頬にキスをした。菜月は幸せそうに目を細める。
しかし、その瞳がすぐに潤み始めた。
「菜月?」
「……お兄ちゃん」
菜月は淳の首に腕を回し、耳元でささやいた。まだ震えの残る声で、でもはっきりと。
「お兄ちゃん……菜月を抱いて……お兄ちゃんのものにして……」
淳の心臓が大きく跳ねた。菜月の瞳は真剣だった。そこにはもう、無邪気な子どもの顔はなかった。ひとりの女として、淳を求める瞳だった。
「……菜月、本当にいいのか?」
「うん……ずっと待ってたの。お兄ちゃんが菜月のこと、ちゃんと見てくれるのを」
菜月は淳の頬に手を当て、そっと唇を重ねた。さっきとは違う、長くて深い口づけ。舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。
「菜月はお兄ちゃんのものになりたい。お兄ちゃんの最初で最後の女の子になりたい」
「菜月……」
淳の目の前が熱くなった。これほどまでに自分を求めてくれる菜月の想いが、痛いほど胸に響く。
「わかった」
淳は自分の服を脱ぎ捨てた。すでに硬く反り返った自身を露わにすると、菜月は少し驚いた顔をしたがすぐに微笑んだ。
「お兄ちゃんの……おっきい……」
「怖いか?」
「ううん……嬉しい……これがお兄ちゃんの……」
菜月は手を伸ばし、そっと淳自身に触れた。その指先はかすかに震えている。
「菜月……挿れるぞ」
「うん……来て……お兄ちゃん……」
淳は菜月の入り口に自身をあてがった。まだ幼さの残るそこは狭く、少しでも力を入れれば傷つけてしまいそうだ。
「痛かったら言え」
「大丈夫……お兄ちゃんなら……」
淳はゆっくりと腰を進めた。菜月の内部は熱くて狭く、少し進むだけで強い抵抗を感じる。
「……っ…」
菜月の顔が一瞬歪んだ。しかしすぐに淳を見上げ、微笑む。
「平気……続けて……」
「無理するな」
「無理じゃないの。お兄ちゃんとひとつになれるなら……どんな痛みだって……」
淳は菜月の手を握りしめさらに奥へと進んだ。やがて、ある一点で止まる。
「全部入ったか……?」
「……うん。わかる。お兄ちゃんが……菜月の奥まで来てる……」
菜月の目から涙がこぼれた。しかしそれは痛みの涙ではなかった。
「嬉しい……菜月、お兄ちゃんとひとつになれた……」
「菜月……動くぞ」
淳はゆっくりと腰を動かし始めた。菜月の中は淳の形を覚えようとするかのようにきつく締め付けてくる。
「あっ……あっ……お兄ちゃんが……動いてる……」
「痛くないか……?」
「痛くない……気持ちいい……お兄ちゃんにいっぱいにされて……気持ちいい……」
淳は菜月の腰を支えながら、少しずつ動きを早めていく。菜月の声もだんだんと大きくなり、甘い響きを帯びていった。
「あっ……あっ……お兄ちゃん……好き……大好き……!」
「俺も……菜月が大好きだ……!」
淳は菜月の唇を塞ぎながら、さらに激しく腰を打ちつけた。菜月の膣内が淳をぎゅうぎゅうと締め付け、射精を促す。
「菜月……俺、もう……」
「うん……出して……お兄ちゃんの……菜月の中に……全部……」
「……っ!」
淳は菜月の最奥に、熱い精を放った。菜月の体も同時に大きく跳ね、二度目の絶頂を迎える。
「ああああっーー!」
「……っ…!」
二人の声が重なり、そして静寂が訪れた。
淳は菜月の上に覆いかぶさったまま、荒い息を整えた。菜月の内部がまだひくひくと痙攣し、淳のものを優しく締め付けている。
「菜月……大丈夫か……?」
「……うん……」
菜月はぐったりとしたまま、しかし満ち足りた笑顔で淳を見上げた。
「お兄ちゃん……菜月、お兄ちゃんのものになれた……?」
「ああ……菜月は俺のものだ。そして俺も、菜月のものだ」
淳がそう言うと、菜月の目からまた涙がこぼれた。
「嬉しい……夢みたい……」
「夢じゃない。現実だ」
淳は菜月の涙を指で拭いそっと額にキスをした。菜月はくすぐったそうに笑い、淳の胸に顔を埋める。
「お兄ちゃん……大好き」
「俺も大好きだ、菜月」
二人は抱き合ったまま、しばらくの間そうしていた。
窓の外はもう暗くなりかけている。部屋の中には、ゲームのゲームオーバー画面がぼんやりと光っていた。でもそんなことは、もうどうでもよかった。
「ねえ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「また……してくれる?」
菜月は上目遣いで淳を見上げた。その瞳には、さっきまでのあどけなさはない。淳を求める、ひとりの女の目だった。
「当たり前だ。菜月が望むなら、何度でも」
淳は菜月の唇に再びキスをした。菜月は嬉しそうに目を閉じ、淳の背中に腕を回す。
夜はまだ、始まったばかりだった。