※この作品はR-18です。

母のSNS   作:松田義和

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母さんのSNSデビュー

ある日、なんとなくリビングに置かれた母さんのスマホを見たら、見慣れないSNSアプリの通知が表示されていた。

「新着メッセージ:Aさんから」──ん? 母さん、SNSなんてやってたの?

 

正直、驚いた。

母さんはスマホこそ持ってるけど、使うのはほぼLINEと天気アプリくらい。SNSには全然興味ないと思ってた。

 

気になって開こうとしたけど、すぐ思い直した。

(いやいや、人のスマホ覗くなんてダメだろ)

そう思って、何もせずにその日はスルーした。

 

……でも、気になって仕方がなかった。

母さんがSNSで誰かとやり取りしてる。それが妙に引っかかって、どうしても忘れられなかった。

 

数日後、またスマホがリビングに置かれていて、同じアプリに新着通知が来ていた。

もう迷いはなかった。僕はついに画面を開いた。

 

メッセージ欄には5人の名前。

4人は明らかに女性で、残りの1人は「Aさん」。おそらく男だろう。

とりあえず「Aさん」との会話を開いてみた。

 

内容は普通だった。趣味とか、天気とか、日常の話ばかり。

ただ、その中でひとつ気になるやり取りがあった。

 

A「玲子さんの顔、見てみたいな」

母さん「いいですけど、こんなおばさんかとガッカリしますよ。 美人でもないし」

 

その返事を見たとき、不思議な気持ちになった。

母さんが、誰かに「顔を見せてもいい」と言ってる。

僕が知らない母さんの一面を、のぞき見てしまったような感覚だった。

 

その後も1週間くらいは、特に進展もなく、当たり障りのない会話が続いていた。

だけど、僕の中ではずっとモヤモヤが残っていた。

 

正直、母さんは普通に美人だと思う。

ちょっと菅野美穂っぽい雰囲気もある。

 

 

体型もスリムで、脚もきれい。

振り返る人もいる。

もう40歳だけど、友達にも評判がいい。

物静かなところも好印象らしい。

正直、自慢の母さんだ。

 

……けど最近、ふと「女」として見てしまう自分がいて、ちょっとキツい。

 

そして、ある日のメッセージで──ついにきた。

 

A「今度、お会いしませんか? ご都合よければ、今週の水曜日にでも」

 

ドキッとした。

まさかとは思うけど、本当に会う気なのか…?

 

母さんは最初こそ話をそらそうとしていたけど、Aさんの押しに流されたのか──

 

A「14:00に○○駅前の喫茶店△△で待っています」

母さん「わかりました。14:00に伺います」

 

……決まってしまった。

 

心臓がドクンと鳴った。

ついに、母さんが“会う”って言った。

 

何が始まるんだ。

僕は落ち着かないまま、スマホの画面を見つめていた。

 

 

 

 

 

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