「……うそ……なんか変な感じ……」
「痛くない?」
「ううん……大丈夫……でも……あ……」
くぐもった音。
マットレスが押される音。
たぶん、母さんが身体を少しよじったのだ。
そのとき出た、小さな吐息が──どうしようもなく艶めいていた。
「やっ……あっ……そこ……」
耐えているような声。
でも、耐える必要なんて本当はなくて、むしろ求めてしまっているような声音。
息の切れ方が、だんだん変わっていく。
僕はイヤホンをぎゅっと押さえていた。
耳の奥にねじこむようにして、ひとつも漏らさず拾いたくて。
でもそれが、何よりも苦しかった。
「……もう……おかしくなっちゃいそう……」
母さんが、そんなことを言った。
僕は、喉が詰まって息を飲んだ。
もう限界だった。
レコーダーを止めようとした。でも──
母さんの声が、まっすぐに刺さってきた。
「……気持ちいい……」
それは、紛れもない言葉だった。
母親の声で、だけど“母親じゃない声”だった。
するとカチャカチャと金属音がした。これはベルトを外す音!
「玲子さん、僕のも見てほしい」
「あっ・・・」
母さんの驚いたような声。
「どう?」
「おおきい・・です・・」
母さんの口からこんな言葉が出てくるなんて
「舐めてくれる?」
「・・・はい」
僕は張り裂けそうだ、だけど同時に右手が止まらない。
「チュッ、チュッ、クチュ」
何かを舐めたり吸ったりする音。
「玲子さん……もっと強く」
「んっ……こう?」
「チュプッ、ジュルッ」
母さんの頭が上下に動いているのが容易に想像できる音。
「そう……うまいね。誰かに教えてもらったの?」
「んふっ……」
男の問いかけに母さんは答えず、ただ必死に唇と舌を動かしている。
「もう……我慢できない」
突然、男の声が低く震えた。同時に「チュポン」という音がして、フェラチオが止んだことがわかる。
「玲子さん……次は僕が気持ちよくさせてあげるよ」
「あっ……やだ……恥ずかしい……」
母の声が途切れる。シーツの擦れる音が聞こえ、男が覆いかぶさったのが想像できる。
「ほら……こんなに濡れてるじゃないか」
男の指が何かを探るような音がする。母の吐息が荒くなり始めた。
「優しくして……お願い……」
母親の声には哀願と甘さが混ざっていた。俺は頭の中で何度も「やめろ」「やめてくれ」と叫んでいるのに、声にならない。
「大丈夫……全部見せて」
男の声が優しく囁く。
「チュポッ」
「チュチュッ・・」
「チュパチュ パ」
「チュップッ」
覆い被さってから吸い付くような音がする。
これはクンニをしているのか?
・・・気付いてしまった。
母さんの声がしないのはお互いに舐め合ってるからだと。
シックスナインしてるのか・・・。
「チュポ、チュポッ」っていう音は、母さんが男のモノをを舐める音。
「ぺチャ、ぺチャ」っていう音は、男が母さんののマ○コを舐める音だ。
僕は日常の母さんを思い返す。
この感情は何なんだ?嫉妬?憎しみ?それとも……?
記憶が蘇ってくる。幼い頃、熱を出したときの母の看病。初めて自転車に乗れたときの喜びの抱擁。受験勉強で疲れたときの温かいお茶の味。
「母さん……」
僕の母さんが男とシックスナインをしている。
信じられないがその姿を想像すると気が狂いそうなくらい興奮する。
母さんがさっきまで男のチ◯コをしゃぶっていたなんて、マ◯コを舐められていたなんて。
「君の中に入ってもいいかな?」
男の声が聞こえた。その瞬間、僕の中で何かが切れた。