※この作品はR-18です。

他人になった妹は、俺の裏垢調教志願者でした   作:ドン・ドナシアン

11 / 16
011 環状線に乗れ。一周できたら許してやる

「お兄ちゃん……、も、もう本当にだめ……。トイレに行かせて……」

 

 美咲は何度目かの哀願をしながら、太腿を内側へ強く押しつけた。腹の奥に溜め込まれた重みが、立ち止まるたびに鈍く主張してくる。

 駅の地下街は白い照明に満たされ、仕事帰りの足音と構内アナウンスが途切れなく反響していた。

 

 あの公園を出てから、すでにほぼ半日が過ぎている。駅前や地下街など人目の多い場所を選ぶようにして連れ回されてきたが、周囲の顔ぶれはいつの間にか変わっていた。主婦や学生が目立っていた時間帯は終わり、いまは仕事帰りや部活帰りの姿が行き交っている。

 公園を出るときに指縛りは解かれ、トップスの前ボタンを閉じることも許された。ただ、トイレだけは最後まで許されなかった。

 

 浣腸による便意は、何度も大きなうねりとなって腹の奥を突き上げ、美咲を繰り返し襲っていた。

 大学に隣接する公園で、革帯うの弁から浣腸液を注がれてから、自力で耐えられたのは最初の一時間ほどだった。そのあいだ、指縛りをされたまま延々と歩かされ続け、限界が近いことは自分でもはっきりわかっていた。

 

 だから、涙を浮かべて訴えた。

 しかし返ってきたのは、拒絶だけだ。

 そのときには、すでに便意の波は逃げ場を失って内側から押し寄せている。

 お兄ちゃんに示されたのは、革帯をつけたまま漏らすか、アナルプラグを受け入れるかという選択だった。

 美咲は後者を選ぶしかなかった。革帯の構造を使い、上からアナルプラグが挿入される。

 

 そして、いまに至っている。

 プラグでこの強烈な便意が完全に抑えられるという確信はない。それでも美咲は、ランチやゲームセンター、ウインドーショッピングを挟みながら連れ回され、腹の奥の圧と戦い続けていた。ディルドや革帯の内側の突起による刺激も途切れることはなく、その衝撃は便意のうねりと重なって何度も美咲を翻弄した。

 革帯でしっかりと固定しているアナルプラグを挿入されているとはいえ、町の真ん中で大便を漏らす恐怖は、ずっと脳裏を支配している。

 だから、全勢力と全神経を注いで、アナルを締めあげていた。

 しかし、さすがに半日も連れ回されれば、力も限界だ。

 なによりも、こんな強烈な便意を本当に堰き止めることができるのだろうか。

 

「そうか……。トイレに行きたいか?」

 

 お兄ちゃんが、美咲の顔を覗き込むようにして微笑んだ。

 

「う、うん……」

 

 美咲は必死に頷いた。腹の奥の圧が強まり、呼吸が浅くなる。

 

「だが、これが本物の調教だ。お前は、いちばん拒絶したいことを突きつけられる。それでも、選ばされる」

 

 くすくすと笑う気配が近づく。

 

「そ、そうだけど……」

 

 地下街は駅へ向かう仕事帰りの男女で埋まり、足音と話し声が絶えない。その流れの中で、手のひらに薄い紙の感触が押し当てられた。

 一枚の切符だった。

 

「環状線に乗れ。一周できたら許してやる」

 

 言葉を失い、美咲は切符を見つめた。環状線を一周すれば、相応の時間がかかる。そのあいだ、この状態のままでいろという意味だと理解する。

 

「いやなら、終わりだ。家に帰る。もっとも、外すのは明日以降になるだろうがな。どっちがいい?」

 

 微笑みは崩れない。

 

「……うう……お兄ちゃんの意地悪……」

 

 美咲は小さく呻き、切符を強く握りしめた。

 そのとき、突然にお兄ちゃんが美咲のスカートの中に前から手を入れてきた。

 

「あっ」

 

 内腿の付け根を指で撫ぜられた。

 反射的に押さえようとしたが、途中でやめる。その代わりに、スカートから伸びる脚をがくんと折り曲げてしまった。

 お兄ちゃんの手はすぐにスカートから出ていったが、雑踏のなかで起こったお兄ちゃんの悪戯に、美咲は慌てて周囲を見回す。

 幸いにも、一瞬のことだったので、美咲の痴態に気がついた者はいなかったみたいだ。それだけはほっとする。

 

「……お、お兄ちゃん、こ、こんなところで……」

 

 美咲はお兄ちゃんの手が出ていったスカートを前から押さえて、お兄ちゃんを見る。

 

「……くくっ、お前って、本当にどMだな」

 

 だが、お兄ちゃんがたったいま、スカートから出した指を見せる。

 そこには、革帯の締め付けから漏れ出て、内腿にべっとりとついていた美咲自身の愛液がねっとりとまとわりついていた。

 

「うう……そうだよ……。あたしはどエムよ……。お兄ちゃん専用の……」

 

 美咲は言った。

 自覚はある。

 浣腸をされて、排泄を許されずに街中を延々と歩かされ、苦悶にまみれながらも、どうしようもなく、それを悦びに感じている自分がいるのはわかっていた。

 お兄ちゃんになら、破滅させられてもいいと思っている自分だ。

 

「だったら、遠慮無く仕込んでやるよ。さっさと改札に行け」

 

 お兄ちゃんに背中を押し出される。

 そして、美咲の衝撃が襲った。

 

「うあっ」

 

 美咲は腰をがくんと沈めた。

 なにが起きたのか、一瞬わからなかった。

 しかし、またもや、股間に埋められているディルドが振動と蠕動を始めたのだ。

 強烈な一撃だった。

 ふくらはぎの筋肉に力を入れて、辛うじて美咲は腰を落とさずに耐えた。

 

「あっ、お兄ちゃん、待って──」

 

 美咲は思わず声をあげた。

 お兄ちゃんが美咲に背を向けて、雑踏のなかに歩きだしていたのだ。

 慌てて後を追い掛ける。

 だが、スカートから伸びる自分の脚は、まるで他人の脚のように力が入らなくて、がくがくと震えたままだ。

 必死に進むが、ディルドが股間のなかで跳ね回り、脚が揺れて真っ直ぐに進むこともできない。

 美咲がふらふらとしているので、何度も通行人に肩をぶつける。

 気がつくと、お兄ちゃんの姿は完全に見なくなってしまっていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。