古手川唯ハレンチ物語 作:大軍
カチ、カチ、と秒針の刻む音だけが部屋に響く。西日が長い影を床に落とし、空気中の埃を金色に照らし出していた。男の部屋は、物が少なく、がらんとしている。生活の匂いがしない、無機質な空間。唯は、ドアノブを握る手にじっとりと汗が滲むのを感じながら、ゆっくりと扉を開けた。
ギィ、と軋む蝶番の音がやけに大きく聞こえる。一歩足を踏み入れると、むわりとした男の匂いが鼻をついた。ベッドの上で、誠二が横になっていた。唯の気配に気づいたのか、その目がゆっくりとこちらを向く。値踏みするような、冷たい視線。唯はごくりと唾を飲み込み、背後のドアを静かに閉めた。カチャリ、という乾いた音が、逃げ場のない密室の完成を告げる。
今日の唯は、いつも通りの制服姿だった。しかし、この男の視線に晒されると、ただの制服がひどく猥褻な衣装に思えてくる。極端に短いスカートは、少し屈むだけで純白の下着が覗いてしまいそうだ。太ももの付け根まであらわになった脚線が、西日を浴びて生々しく光る。汗で肌に張り付いた白いブラウスは、豊かな双丘の輪郭をくっきりと浮かび上がらせていた。その頂点が、緊張で硬く尖っているのを、唯自身も感じていた。
(見られている…)
筋肉がこわばり、呼吸が浅くなる。肌の表面は粟立っているのに、体の芯は燃えるように熱い。誠二は何も言わない。ただ、横になったまま、唯の全身を、まるで皮を剥ぐように、ねっとりと舐め回していた。沈黙が、部屋の空気を重く、濃密にしていく。カチ、カチ、と時計の音だけが、二人の間に流れる歪んだ時間を正確に刻んでいた。
やがて、誠二がゆっくりと身を起こす。その動きに合わせて、ベッドが軋む音がした。
「…なんで着てこねえんだよ」
静かだが、芯のある声だった。部屋の空気が、ぴんと張り詰める。唯は一度唇を引き結び、震える声で、しかしはっきりと答えた。
「これを着て外を歩くのは、できません」
(これが、私の、最初の抵抗…)
唯は、手に提げた紙袋をぎゅっと握りしめる。その中には、男に命令された衣装が、丁寧に畳まれて入っていた。超ミニスカートのメイド服。そして、ほとんど布地のない、黒いハイレグのTバックと、マイクロブラ。
誠二が、ゆっくりとベッドから降り、唯の目の前に立つ。見下ろされると、その巨体が壁のように感じられた。男の視線が、唯の顔から、胸へ、そして脚へと落ちていく。最後に、唯が握りしめる紙袋に、その視線が留まった。
「……」
誠二は何も言わず、唯の手から紙袋をひったくるように奪った。そして、中から黒い紐のような下着をつまみ出し、唯の目の前にぶら下げて見せる。指先で弄ばれる、あまりにも小さな布地。それが自分の秘裂に食い込む様を想像してしまい、唯は羞恥に顔を背けた。
(もし、これを着ていたら…今頃、この男に…)
想像が、体の奥をずくりと疼かせる。誠二は、そんな唯の反応を楽しんでいるかのように、口の端を歪めた。
「もう一度聞く。なんで、着てこなかった?」
「ですから…!あんな格好で、外を歩くなんて…!」
唯の言葉を遮るように、誠二の冷たい指先が、唯の顎を捉えた。ぐい、と無理やり顔を上げさせられる。至近距離で、その昏い瞳と視線が絡み合った。
「へえ…」
その声には、何の感情もなかった。ただ、部屋の影が、ほんの少しだけ、濃くなったように見えた。
「へえ…」
その声は、冷たく歪んだ笑みを含んでいた。次の瞬間、太い指が唯の腕を鷲掴みにする。抵抗する間もなく、体がいとも簡単に宙に浮き、乱暴にベッドへ突き飛ばされた。
どん、とスプリングの軋む音と共に、背中を強く打ち付ける。
「あっ…!」
息が詰まる。受け身も取れず、無様に手足をばたつかせる唯に、誠二が容赦なくのしかかってきた。
ビリビリッ!
鼓膜を裂くような音。白いブラウスが、胸元から力任せに引き裂かれる。ボタンが弾け飛び、純白のブラが露わになった。レースの縁取りから、豊かな双丘がはち切れんばかりに盛り上がっている。
「やっ…!やめて…!」
形ばかりの抵抗は、男の体重の前では無意味だった。スカートのホックが外され、ファスナーが乱暴に引き下げられる。抵抗しようと足を動かせば、かえって下着ごとスカートをたくし上げられる結果になった。純白のショーツに包まれた、丸く、形の良い尻が、男の目の前に晒される。
「んっ…!」
男の指が、ブラのカップを押し退け、直接柔らかな肉を鷲掴みにする。
くにゅっ♡
「ひゃあっ♡」
揉みしだかれ、硬く尖った乳首が指の隙間から押し出された。空気に触れた先端が、きゅうっと縮こまる。体が一気に熱くなり、肌が粟立つ。いつもと同じだ。抵抗すれば、こうなる。これから、この男に、めちゃくちゃにイカせられるのだ。その予感が、恐怖と共に、体の奥にじわりと熱を灯した。
男は手際が良かった。慣れた手つきで、唯の両手を背後で拘束する。冷たい革の感触が、手首に食い込んだ。次いで、口にギャグボールが押し込まれ、言葉を奪われる。
「んんーっ!んぐぅっ!」
最後に、目隠しが巻かれ、視界が完全に闇に閉ざされた。聴覚だけが、やけに鋭敏になる。男の荒い息遣い。衣擦れの音。そして、カチ、カチ、と無機質に時を刻む、壁掛け時計の秒針の音。
ちり、と両方の乳首に鋭い痛みが走る。
「んんっ!?」
冷たい金属のクリップが、硬くなった先端を強く挟み込んだ。その直接的な刺激に、腰がびくんと跳ねる。
ブゥゥゥン…
低いモーター音が、耳元で響いた。それが何かを理解する前に、股間に強い振動が押し付けられる。
「んんんんーーーっっ!!♡♡」
声にならない絶叫が、ギャグボールの奥でくぐもった。制服のスカートも、下着も、まだ身につけたまま。その布越しに、バイブが容赦なく秘裂を震わせる。唯の呼吸が、浅く、速くなっていく。闇の中で、ただ、自分の体が淫らに反応していくのを感じるしかなかった。カチ、カチ、と時計の音だけが、無慈悲に響き続けていた。
西日はさらに傾き、部屋のオレンジ色が深みを増している。影はより濃く、長くなった。体の下で、バイブレーターが単調な振動を続けている。闇に閉ざされた視界の中、唯はただその機械的な快感に耐えるしかなかった。呼吸は乱れ、拘束された手首はじっとりと汗ばんでいる。
(いつまで…続くの…)
思考が、振動で細かく揺さぶられる。その時、不意に男の声がした。
「なあ、唯。男が女に『してはいけないこと』って、法律以外でなんだと思う?」
その問いは、あまりにも場違いで、唐突だった。バイブの振動が続く中、唯の呼吸が一瞬止まる。そして、絞り出すように、ギャグボールの奥からくぐもった声を発した。
「んーっ!んーっ!(相手の尊厳を無視した、一方的な欲の押し付けです!)」
「ほう。じゃあ、女が『しちゃいけないこと』は?」
男は、面白がるような声で問いを重ねる。唯は、屈辱に震えながらも、必死に思考を巡らせた。
「んぐぅっ…!(自らの尊厳を軽んじ、刹那的な快楽や利益のために身を売る行為です!)」
その答えを言い終えた瞬間、ブゥン、と響いていたモーター音が、ぷつりと途絶えた。突然の静寂。部屋に、唯の荒い呼吸と、時計の秒針の音だけが響く。長い、沈黙。体の緊張が、ほんのわずかに、緩む。
「……へえ。お前、頭は良いんだな」
その声色には、確かに感心したような響きがあった。
(え…?)
予期せぬ言葉に、唯は戸惑う。犯される前に、この男を言い負かすことができた。ほんの僅かだが、確かな手応え。暗闇の中で、ささやかな勝利の感覚が芽生える。
ガシャリ、と拘束が解かれる音がした。しかし、それは解放を意味しなかった。男は唯の腕を掴むと、ベッドから引きずり下ろし、部屋の隅にある姿見の前まで引きずっていく。冷たいフローリングの感触が、火照った肌に不快だった。
目の前で、ふっと目隠しが外される。
「っ…!」
最初に目に飛び込んできたのは、鏡に映る、自分の姿だった。
ブラウスは引き裂かれ、乳首には銀色のクリップ。口にはボールギャグが食い込み、よだれが顎を伝っている。スカートは乱れてめくれ上がり、まだ振動の止まったバイブレーターが、下着の上から秘裂に押し付けられたままだ。その惨めな姿と、先程までの精神的な高揚との間に、奇妙な乖離が生まれる。
「その頭の良いお前が、今、どんな格好してるか見てみろよ」
背後から、誠二が囁く。
「お前の言う『尊厳』ってやつが、お前にあるように見えるか?」
男の言葉が、ぐさりと胸に突き刺さる。鏡の中の自分は、頬を上気させ、瞳を潤ませていた。それは、どう見ても、屈辱に耐える姿ではなかった。これから始まるであろう快楽を、期待してしまっている、淫らな雌の顔だった。
(違う…!私は、そんな目で…!)
否定しようとする心とは裏腹に、鏡に映る自分の姿を見て、これから起きるであろう気持ちのいいことを、体が想像してしまう。その事実に、唯は唇をきつく噛み締めた。
窓の外は、もうほとんど光を失い、部屋は夜の闇に包まれ始めている。唯の呼吸が少しだけ落ち着きを取り戻した、その時。誠二は、くつくつと喉を鳴らして笑い始めた。
「まあ見ろよ」
男はベッドの脇に置いてあったノートパソコンを開くと、その画面を唯の目の前に突きつけた。
「いい儲けになってるんだ」
(儲け…?何、この動画…?)
再生された映像に、唯は息を呑んだ。
そこに映っていたのは、紛れもない、自分自身だった。
この部屋に、初めて来た翌日の。
『こんにちは……古手川……唯です』
『おお、いらっしゃい。これからはストーカー避けに、こうやって俺の家に来てから帰るといいよ』
画面の中の自分は、緊張しながらも、明るく挨拶をしていた。アングルが不自然に低い。意図的に、スカートの中が覗き見えるような角度から撮られている。
(な、なんで、こんな…)
『紅茶、好きかな?』
誠二がキッチンへ向かう。カメラは、ソファに座る唯の胸元を、執拗にズームアップしていた。ブラウスの第一ボタンが外れかかっており、豊かな谷間が惜しげもなく晒されている。
(盗撮…?でもこれ……)
なんて事のない普通の映像なのに、嫌な予感が、背筋をぞくりと這い上がった。
画面の中の誠二が、紅茶の入ったカップに、白い粉末をそっと混入させるのが見えた。
(まって……これ……ま、まさか…!)
血の気が、さっと引いていく。
あの日の記憶が、断片的に蘇る。
(紅茶を飲んでから、急に意識が遠のいて…。)
『ありがとうございます。いただきます』
「んん……!!(ダメっ!飲んじゃダメぇっ!!)」
画面の中の自分は、何の疑いもなく、その紅茶を嬉しそうに口に運んだ。
(ああ…!)
そういうことだったのか。自分が勝手に気を失ったのではなかった。
この男に、薬を盛られていたのだ。記憶が曖昧だった、あの陵辱の始まり。その全ての合点がいった。
「んーっ!んーっ!(どういうことですか!これは!)」
ギャグボールの奥から、必死に抗議の声を上げる。
しかし、誠二はそれを無視し、冷たい笑みを浮かべたまま、動画の再生を続けた。
画面の中の唯の焦点が、徐々に合わなくなっていく。
ろれつが回らなくなり、やがて、ソファの上でぐったりと意識を失った。
そこへ、誠二が這い寄ってくる。
男の、欲望にぎらついた目が、画面いっぱいに映し出された。
『ん…ふぅ…』
意識のない唯の制服が、手際よく剥がれていく。ブラウスがはだけさせられ、豊かな双丘が露わになる。男は、その乳房を鷲掴みにすると、獣のようにしゃぶりついた。
「んんんーーーっっ!!」
唯は、目の前で繰り広げられる光景に、声にならない悲鳴を上げた。それは、自分が陵辱されている映像だった。記憶のない、空白の時間。そこで、こんなおぞましい行為が行われていたという事実に、全身がわなわなと震えた。
目を背けたい。しかし、できない。磁石のように、視線が画面に縫い付けられる。そこで繰り広げられているのは、紛れもなく自分の肉体が、記憶もなく、ただただ陵辱される様だった。
不意に、口の拘束が解かれた。ギャグボールが引き抜かれ、だらりと垂れた涎が糸を引く。解放された口から、か細い空気が漏れた。
「な…んで…」
問い詰める言葉は、続かなかった。
誠二が、別の動画を再生したからだ。
同じ場所、おそらく、さっきの続き。
『ご、ご主人様…♡』
画面の中の自分が、蕩けた瞳で、男を見上げている。その声は、甘く、媚びるような響きを持っていた。
「この動画が、一番売れたんだ」
誠二が、楽しそうに解説を始める。画面の中の唯は、大量の精液を顔に浴び、恍惚の表情を浮かべていた。
「どうして…!私が、こんな…!」
「無理やりなんて、してないさ」
男はそう言って、さらに別の動画をクリックした。
『おねがいします…♡ もう、我慢できないので…いかせてください…♡』
画面の中の自分が、涙ながらに懇願している。腰をくねらせ、自ら男の昂りに跨っていく。その姿は、どう見ても無理やりされているようには見えなかった。
「ちがう…!こんなの、私じゃ…!」
否定の言葉が、喉の奥で震える。しかし、画面の中の自分があまりにも気持ちよさそうで、言葉が続かない。誠二が、唯の後ろに回り込み、その体を自分の股の上に座らせた。
「ほら、よく見ろよ」
耳元で、低い声が囁く。次の動画が再生された。バックで激しく突かれながら、画面の中の唯が喘いでいる。
『や、やめてぇ…♡ 』
(嫌がってる…!ちゃんと、嫌がってるじゃない…!)
そう、心の中で叫んだ。
『んっ、あ、あっ♡ でも、きもちぃ…♡』
しかし、その抵抗の声は、すぐに甘い喘ぎ声にかき消されてしまう。
画面の中の自分は、明らかに快感に身をよじらせていた。
最後の動画は、薄暗く、何が行われているのかすぐには分からなかった。
パパン!パパン!
乾いた音が響き、暴力的な言葉と共に、画面の中の唯が甲高い悲鳴を上げる。
『おらっ!もっと締めろ!!』
『あぃっ!ぃっ!ごめんなさ…あっ♡』
叩かれ続けているうちに、悲鳴が、徐々に嬌声へと変わっていく。
『もっと…♡ もっと、ぶってください、ご主人様ぁ…♡』
(なに…これ…)
思考が停止する。過去の自分が、何をされていたのか。何を、感じていたのか。もう、何も分からなかった。無言で画面を見つめる唯の瞳を、誠二が背後から覗き込んでいる。まるで、これはなんだ?と問いかけられているように感じた。
「俺のお気に入りは、これだな」
誠二が、また別の動画を再生する。
画面には、少し困ったような、それでいてどこかまんざらでもない表情を浮かべた自分が映っていた。
『本当に…やるんですか…?』
『ああ。お前、風紀委員なんだろ?俺を指導してみろ』
記憶が、洪水のように蘇る。そうだ。あの日、男はこんな交渉を持ちかけてきた。最初は必死に抵抗した。しかし、執拗な説得と、心のどこかにあった倒錯的な好奇心に、最後は頷いてしまったのだ。
画面の中の自分が、モジモジと内股を擦りながら、こくりと頷く。そして、意を決したように立ち上がると、服に手を伸ばし、男の前に跪いた。
画面の中の唯は、既にブラウスははだけ、短いスカートは太ももを覆ってはおらず、大きく股を開いて床に座り込んでいた。
その両膝の間には、誠二の屹立したそれが、まるで獲物のように突き出されている。
睨みつけるが、目を見開いて驚愕するほど、大きく突き立った黒く光る暴力的なフォルム。
ごく、と唾を飲んで、口を開いた。
『は、ハレンチは許しません!風紀を乱す行為は、許しませんっ……っ!』
その声は、自分でも信じられないほど媚びていて、甘ったるかった。
風紀委員としての決め台詞が、これほど淫猥に響くとは。
わなわなと、全身が震え始める。
「や…やめて…!」
誠二への懇願は、無視された。
画面の中の自分は、風紀委員になりきり、誠二の屹立したそれに、恭しく口づけをする。
『こんなハレンチなモノを………わ、私が、しっかり指導してあげます…♡』
その表情は、羞恥に歪みながらも、明らかに悦んでいた。ヨダレまで垂らして、心から、ノリノリで。
『まずは、この先端の、一番ハレンチなところから…♡』
画面の中の唯は、舌をぺろりと出すと、亀頭の傘をねっとりと舐め上げた。れろれろ、と粘膜が絡み合う生々しい音が響く。カリ首を何度も舌でなぞり、先端の穴をちゅ、と吸う。男が息を呑むのが分かった。
『んっ…♡ ここから、いけないお汁が出ているわ…♡ これもお仕置きしないと…♡』
じゅるり、と先走りを吸い取り、唯はにこりと笑う。そして、焦らすように、一度顔を離した。
『んっ…お仕置きは、まだよ…?』
男の逸る気持ちを煽るように、唇だけで竿を挟み、上下に扱く。決して、口の奥には入れない。そのいやらしい焦らしに、画面の中の誠二が腰を動かしかけるのを、唯は手で制した。
『だめよ♡ 風紀委員の指導は、ちゃんと聞かないと…♡』
そして、次の瞬間。
『では、覚悟しなさい……♡』
画面の中の唯は、大きく口を開けると、一気にその極太を根本まで吸い込んだ。喉の奥、食道まで突き刺さるそれに、唯の体がびくんと痙攣する。
「んぐっ…!ごぼっ…!げろっ…!」
苦しそうにえずきながらも、その瞳は恍惚としていた。そこからは、まさに超絶技巧だった。喉をきゅうと締め付けながら、舌を巧みに使い、裏筋を激しくこすり上げ、頬をすぼめて真空にするように吸い付く。喉の奥の括約筋をきゅうきゅうと締め付け、亀頭を締め上げる。頭を激しく上下させ、男の股ぐらに顔を埋めるようにして、貪るようにそれをしゃぶり続けた。
じゅぽじゅぽ、ぐちゅぐちゅ、ちゅぱっ、ごぷっ、と下品な水音が、部屋に響き渡った。男の腰が、ひくひくと痙攣を始める。口の中に、熱いものが溜まっていく。
『んぐっ…!んぐぅっ…!ケホ…♡ 喉に、イきなさい…♡』
男の顔が快感に歪み、その腰が大きく突き上げられる。
どぴゅっ!びゅるるっ!
喉の奥に、灼熱の精液が、ドロリと注ぎ込まれる。唯の体が、びくんと大きく跳ね、喉が痙攣する。えづきながらも、それを全て嚥下しようと必死に飲み込んだ。その様子は、まるで飼い主の与える餌を貪る雌犬のようだった。
「いや…っ!」
唯は恥ずかしさに耐えきれず、俯いた。しかし、誠二の太い指が乱暴に髪を掴み、無理やり顔を画面へと向けさせる。
「最後まで見ろ」
そこに映し出されていたものに、唯は息を呑んだ。動画の横に、無数のコメントが、滝のように流れていく。
『うわ、この女エッロ』
『特定した。こいつ彩南高校の古手川だろ』
『俺もこいつに指導されたい』
『犯したい』
『いくらでヤらせてくれる?』
『もう赤ちゃん作れそうな体だね』
自分を品定めする、汚い言葉の羅列。特定した、という文字に、心臓が凍りつく。そして、「犯したい」という直接的な欲望の言葉に、不覚にも体の奥が、ずくりと疼いた。
(もし、この人たちに、本当に見つかったら…私は…)
そんな思考を遮るように、背後から、誠二の大きな手が伸びてきた。その手は、唯の胸を、服の上からゆっくりと、しかし確実に揉みしだき始める。
「お前、人気者だな」
耳元で、男が楽しそうに囁いた。画面の中では、コメントが流れ続けている。背後では、男の手が胸を弄んでいる。逃げ場のない、二重の地獄だった。
「お前の正論は、最初から無意味だったんだよ」
誠二の声が、頭上から降ってくる。動画、コメント、そして背後から伝わる男の体温。その全てが、唯の築き上げてきたものを、粉々に打ち砕いていく。
(私の…勝利…?)
あのささやかな勝利感。あれは、この残酷な結末への、ただの前フリに過ぎなかったのだ。
画面が切り替わる。そこに映し出されたのは、初めて「ご主人様」と呼ばされた、あの日の自分だった。屈辱と快感に歪む顔。そして、涙ながらに懇願する、破廉恥な姿。
『おねがいします…♡ もう、我慢できないので…いかせてください…♡』
遠くから、救急車のサイレンが聞こえ、やがて消えていく。その音が、この部屋の密閉感を一層際立たせた。
唯の呼吸が、止まる。画面に映る自分から、目が離せない。それは、まるでAV女優よりも淫猥で、下品な、雌の姿だった。体が小刻みに震え始め、やて、嗚咽のようなくぐもった音が漏れる。
誠二の生温かい舌が、唯の頬を舐め上げた。涙の塩辛い味が、口の中に広がる。今度は、何の抵抗も見せなかった。
拘束具を解かれると、唯は自らの意思で、ゆっくりとベッドから降りる。そして、誠二の足元で、深々と頭を下げた。
「申し訳……ありませんでした…ご主人様…」
その言葉に、誠二は満足げに笑う。完全に夜になった窓ガラスが、鏡のように、床にひれ伏す唯の姿を映し出していた。
それは、何かが決定的に砕ける音だった。
誠二の足が、呆然とする唯の体を無造作に蹴る。ゴロン、と床に転がされ、仰向けになった。動画の音声が、天井から降り注ぐ。
『ああっ♡ ごめんなさい、ご主人様ぁ♡』
自分の、過去の喘ぎ声。それを聞きながら、男の足の裏が、自分の頭を踏みつける屈辱を噛み締める。
「ふっ…」
男は、遊びのように、唯の胸を足の裏で踏みつけ、フニフニと弄んだ。豊かな双丘が、無様に形を変える。
(ああ…♡)
屈辱。しかし、それ以上に、内側から込み上げてくる、抗いがたい熱。
(犯して…ほしい…♡)
「ご主人様…♡ 申し訳、ありませんでした…♡ 唯が悪かったですから…♡」
許しを乞うように、唯は自ら股を開き、その中心を男の前に晒した。
「おちんぽ…ください…♡」
男は、無言でズボンのチャックを下ろす。熱く膨れ上がったそれが、ぼろん、と姿を現した。しかし、男はすぐには挿れない。その極太の先端を、濡れそぼった秘裂の入り口で、ぐりぐりと弄ぶように擦り付けた。
ぬるっ…♡ ぐりぐり…♡
「ひゃあっ♡♡ い、じわるしないで…♡ 早く、入れてくださいぃ…♡」
懇願する唯の顔を、男は楽しそうに見下ろす。そして、ゆっくりと、先端だけを中に押し込んだ。
ぬぷっ…♡
「んんっ…♡♡」
ほんの数センチ。しかし、その存在感は圧倒的だった。内壁が、じわりと押し広げられる感覚に、唯の腰が震える。
「もっと欲しいか?」
「はいぃっ♡♡ もっと、全部、奥まで…!ご主人様のおちんぽで、いっぱいにしてくださぁい…♡」
その言葉を合図に、男は一気に腰を沈めた。
ずっぽんっ♡
「んぎぃっ♡♡♡♡!」
短い悲鳴。隙間なく満たされる、圧倒的な熱と質量。体の奥まで、男の全てが突き刺さる。
「どうだ?お前の大好きな、俺のおちんぽは」
「はいぃっ♡♡ 最高に、気持ちいいですぅっ♡♡」
ずちゅっ♡ ぬぷっ♡
男が、ゆっくりと、しかし深く、腰を動かし始める。そのたびに、全身が痺れるような快感に貫かれた。
「あ゛っ♡♡ ん、ぎぃっ♡♡♡ そこ、だめぇっ♡♡♡ もっと、もっとぉっ♡♡♡」
男は、喘ぐ唯の体を乱暴に反転させ、うつ伏せにさせる。そして、高く持ち上げられた尻を、その大きな手のひらで、力任せに叩いた。
パァンッ!
「ひゃっ♡♡!?」
乾いた音が部屋に響く。叩かれた尻が、じんと熱を持ち、赤く染まっていく。
パァンッ!パンッ!パンッ!
「い、いたいっ♡♡ でも、あっ♡♡ お尻、叩かれながら、奥を突かれるの…っ♡♡ んぎぃっ♡♡」
痛みと快感が混じり合い、唯の思考をぐちゃぐちゃにかき乱す。男は、真っ赤に腫れ上がった尻を鷲掴みにし、さらに激しく腰を突き上げた。
「ほら、イキたいんだろ?鳴いてみろよ」
「ひぃっ♡♡ イキます、イッちゃいますぅっ♡♡♡」
絶頂が、すぐそこまで来ている。しかし、男はまたしても意地悪く、その寸前で動きを止め、肉棒を引き抜いた。
「んっ…!?あ、ああ…っ♡」
突然の空虚感に、唯が戸惑いの声を上げる。
「俺はまだだぞ」
その冷たい声に、唯の体がびくんと震える。
「ご、ごめんなさい…!まだイキません…!ご主人様と、一緒がいいです…♡ お願いします、もう一度、おちんぽください…♡」
必死に謝罪しながら、唯は濡れそぼった秘裂を男に差し出すように、さらに尻を高く突き出した。その淫らな姿に満足したように、男は再びその肉棒を奥まで突き刺す。
「じゃあ、イかせてやるよ。感謝しろ」
そこからが、本当のラストスパートだった。
パンッパンッパンッパンッパンッ……!!♡♡♡
男は、唯の腰を掴むと、まるで機械のように、猛烈な速さで腰を振り始めた。ベッドがぎしぎしと壊れそうな音を立て、二人の体がぶつかり合う、生々しい水音が部屋中に響き渡る。
「お゛ッお゛ッお゛ッお゛ッお゛ッお゛ぉ゛っっ!!♡♡♡ ンお゛ぉ゛お゛いぐっ♡♡♡ やめ゛なさッッイグぅぅっ!!♡♡♡」
唯の絶叫が、もはや言葉にならない。思考が快感で焼き切れ、ただ、与えられる快楽の嵐に翻弄されるだけだった。
「出すぞ!」
男の低い咆哮と共に、腹の奥に、灼熱の精液が撃ち込まれた。
どぴゅっ♡びゅるるっ♡
「んぎぃいいいぃぃぃっっっ!!!!♡♡♡」
男の射精と共に、唯もまた、激しい絶頂の渦に飲み込まれていった。
✦✦✦✦✦✦✦✦✦✦✦
街灯だけが、道を白々しく照らしている。唯は一人、とぼとぼと夜道を歩いていた。その足取りは、まるで自分の意志とは関係なく、ただ前に進んでいるだけのように、ひどく覚束ない。
道ゆく人が、ぎょっとした顔で唯を振り返る。それもそのはずだった。彼女が身にまとっているのは、誠二が用意した、制服によく似たコスプレ衣装だった。本物よりも生地は薄く、スカート丈は屈辱的なまでに短い。ブラウスのボタンはいくつか外れ、胸の谷間が惜しげもなく晒されている。瞳には力がなく、虚ろに前を見つめているだけなのに、顔だけはぼうっと上気していた。少し前まで、男の欲望に蹂躙されていたことを、その体が生々しく物語っていた。
(信じられない…)
自分の信じていたものが、音を立てて崩れていく。
風紀委員としての誇り。
善悪の判断。
そして、自分の体でさえも。
(もう、何も…)
信じられるものが、何もなかった。あの部屋で、画面に映る自分を見た時、確かに感じたのだ。屈辱と、恐怖。しかし、それと同時に、体の奥が疼くのを、否定できなかった。男に犯され、めちゃくちゃにされることを、どこかで期待してしまっていた自分がいたことを、もう、認めざるを得なかった。
その絶望を抱え、唯の足は、力なく家路へと向かう。冷たい夜風が、火照った頬を撫でていった。
感想評価