絶頂!寝取り!異世界レンタリース マツケン商会 作:みなぽん
彼の名は松平健一、異世界に転生して、冒険者として一定の成功を収めたところで彼は冒険者を引退した。40代を迎えて体力も下り坂になる。いつまでも若いつもりで体力仕事をしていれば、いつか取り返しのつかない怪我をすることもあるだろう。
幸いにして、商売の元手は十分に稼いだし、今までの冒険で集めたアイテム有効に活用したいと健一は考えた。そこで彼は転生前の前職の経験を生かして、異世界の開拓町ロゼリアタウンでレンタル会社をスタートした。マツケンレンタリース。開拓民のための農具や家屋、冒険者が魔物と闘うための武具などを1ヵ月単位でレンタルするのだ。持ち逃げのリスクや冒険者がモンスターに食われるリスクなども考え今まで誰もやったことがない商売だが、潜在需要は極めて大きい。
そして、彼はレンタルに当たって利用者に時限式の隷属烙印を施すことでそのリスクを解消していた。
もちろんそれはすぐに発動するものではなく、料金の遅延が長く続いた場合や支払いを拒絶した場合に使うものだ。
「マスター、今日は暇ですねぇ、ホビット村での忙しさが嘘のようです。」
と窓から見える雨空を眺めながらつぶやくのはマツケン商会の社員兼マツケンの愛人となったセレスティア フロセリーンだ。
月の光を宿した白銀の髪をした少女、蒼い瞳が神秘的だが、そのふんわりとした物腰が彼女を親しみやすく見せている。無邪気な子供らしい話し方をするが胸元や腰のくびれを見れば、生つばもののナイスバディだ。
しかし彼女は単なる美少女では無い、滅亡したクバルディア王国のルーンの聖騎士 ワルキューレの7、氷結の乙女、エッダの魔剣!ダーインスレイヴの所持者だ。
「この雨だからなぁ、まぁ忙中に閑あり言うものだよ、セレスティアは、こういう時間は苦手かい?」とマツケンは椅子に寄りかかりダラダラしている。彼はその状態を何やら楽しんでいるようだ。
「ワルキューレの騎士の時代は朝の鍛錬から始まって、礼拝、パトロール、そして夜間学校の教育係をするか、軍事共練をするかでしたからね。ここに来てからですよ。ご飯をゆっくり食べたり、お仕事以外のこともしたり、ほんとにこんなに楽しくていいのかと思えるくらいです。」
「そうか、俺は冒険者だったからなぁ、割と自由にやってきたよ」
セレスティアは以前出会ったアマゾネス傭兵国家 クルーダワール火帝のアーシェ クリムゾンがマツケンのことを弟と呼び親しげに話してきたことを思い出した。彼女の七曜の勇者の火だ。もしかすると、冒険者時代のマツケンは、七曜の勇者の1人だったのかもしれない。実際聖騎士である。セレスティア剣技においても遜色のない彼が名もなき冒険者であったとは思えない。
「マスターももしかしたら七曜の勇者の1人だったんですか?」
雨音が窓ガラスを叩く中、マツケンは小さく息を吐いた。その表情には少しの迷いがあった。
「七曜の勇者……か。まぁ、そんな大層な存在じゃないさ」
セレスティアはマツケンの顔をじっと見つめた。「でもアーシェさんが『弟』って言ってましたよね?それにあの時の眼差し、ただの知り合いじゃなかったと思うのですけど」
マツケンは椅子の背もたれに身体を預け、天井を見上げた。「……昔の話だ。忘れかけてた頃だよ」
彼の目が遠くを見るように細められた。
「俺が勇者と呼ばれていたのはほんの短い期間だけだった。七曜の勇者というのはね、この世界を救うために選ばれた7人の戦士とか言うけど、そんな設定は後付けだ。実際には魔王軍討伐には300人以上の腕利きの冒険者が動員されたんだ。その中で最後まで生き残ったのが俺たち7人だったと言うだけだよ。」
セレスティアの瞳が輝いた。「でもすごい!それじゃあ、マスターは本当に英雄だったのですね!」
「違うよ」マツケンは苦笑した。「英雄なんかじゃない。俺たちよりも強いや奴もいたし、人間的にも尊敬できるやつもいた。俺たち以上に必死に頑張ったやつもたくさんいた。本当に名誉が与えられるべきなのはそいつらだったと思うよ。他の6人はともかく俺はただ……生き残っただけさ」
彼はゆっくりと立ち上がり、部屋の隅にある棚から小さな箱を取り出した。
「見てみな」
彼は箱を開け、中身を見せた。そこには古い紋章のついたペンダントが入っていた。
「これが七曜の勇者の証。金の勇者 健一 でも今はもう昔の話だ。」
セレスティアは驚いた顔でペンダントを見つめた。「どうして?名誉なことじゃないですか。お店に来る人たちもそれを知っていたら、マスターのことをすごく尊敬すると思います。」
マツケンは静かに首を振った。「だから使わないことにしたんだ。名声だの権力だの、そんなものは自分をしばる鎖みたいなもんだ!アーシェ姉さんのような生き方を選んだいれば、贅沢の限りを尽くしてるやつもいる、王様になったやつもいるさ、そして俺が選んだ道はレンタル屋だ。皇帝陛下から権力や金をもらう代わりに魔王討伐で得たアイテムとかを下げ渡してもらって、この商売を始めたんだよ。アイテムだって金持ちのコレクションになるより、みんなに使ってもらったほうが幸せだろう。」
彼はペンダントを手に取り、窓辺に歩み寄った。雨の音がより鮮明に聞こえてくる。
「七曜の勇者として旅をしていた頃はね、毎日が死と隣り合わせだった。仲間が次々と倒れていって……最後に残ったのは俺達7人だけだった」
セレスティアの表情が曇った。「悲しいね……」
「だからこそ」マツケンは窓の外を見つめながら続けた。「こんな平和な時間を大切にしたかったんだ。レンタル屋なんて仕事を始めたのも、その証さ」
彼は振り返り、セレスティアに微笑みかけた。
「君に出会えたことも含めてね」
セレスティアの頬が赤く染まった。「……ありがとう、マスター」
雨音が二人の間に静かな旋律を作り出していた。マツケンはペンダントを箱に戻しながら言った。
すると突然、店先からワイバーンの羽音がした。そしてレンタル屋の扉を開けて入ってきたものがいる。
「健一 ちょっと昔の仲間のことでお前に頼みがあってな、これがお前のレンタル屋と言うものか?」
果たしてやってきたのは、先ごろ名前が出た傭兵国家クルーダワールの火帝のアーシェ クリムゾンだった。
「これはこれは、アーシェ姉さん。よく来てくれましたね。ちょうどセレスティアに勇者時代の話をしていたところです」と言いながら、マツケンは椅子から立ち上がり、アーシェに挨拶した。どうやら彼でも、姉貴分のアーシェには頭が上がらないらしい。
「健一、七曜の木、ドリアードのバイオレット ノームガーデンを覚えているか?」
マツケンは1人の妖精のような女児を思い出した。彼女は人間ではない。妖精出身の珍しい勇者だった。
木精 ドリアード、人間社会への興味と愛着から精神生命体が受肉した妖精だ。ドリアードはよく手入れした庭や信仰のある森に出現し人間に興味があり極めて友好的である。そして植物由来の木の精霊はおとなしくて受け身の性格で無口でおとなしい。七曜のバイオレットもコミュ障の引きこもりだったが回復系の魔法に優れており、植物を自在に操る能力は森の中では、絶対的な力を誇った。
「バイオレットですか、確か戦いの後で故郷の森に帰ったと聞いてますけど、また大好きな引きこもり生活をしてるんじゃないんですか」アーシェは困った顔をして答えた。
「それがな、15年も引きこもり生活をしていたんで生活費に困ったらしくて、私のところを訪ねてきたので、バイオレットに手伝いを頼んだんだが……」
「まさか、、」「そうなんだよ、すっかりうちの傭兵たちの寮に住み込んでしまってな、任務もしないで、遊び暮らしているんだ。健一は私があいつに甘いのは知っているよな、」しっかりもののアーシェはポンコツのバイオレットを可愛がっており、そんなダメなところも含めて、ついつい許してしまうのだ。
「わかりますよ、アーシェ姉さんはバイオレットとか、俺とかポンコツ系が大好きなんですよね。でも、傭兵国家の代表するとしてこのままじゃ示しがつかないってわけですね。それで何とか彼女を外に出て働くようにしたいと言うわけですね。」
「まさにその通りだ、私は戦いしか能のない女でな、しかもこんなことだけに、部下にも頼めないしな」アーシェはマツケンに頭を下げた。引きこもりの妹を持ったしっかり者の姉。まるで現代社会でも見るような構図にマツケンの口元は緩んだ。
しかし、アーシェの真剣な表情を見て笑うのをこらえ、「わかりました、バイオレットには私が声をかけてみますよ」と即座に応じた。
「健一、恩に着る。報酬ははずむわよ」そう言ってアーシェはマツケンレンタルの会員カードを作りに去っていった。
そして翌日、マツケンは飛空船で傭兵国家クルーダワールにむかった。。
車内には植物由来のバイオレットが喜びそうな、観葉植物や植物学の本、良質な肥料、が詰め込まれている。セレスティアも一緒に同行し、船の中で準備を整えていた。
「マスター、本当にこれで上手くいくのでしょうか?」
セレスティアは心配そうに尋ねた。
「うーん、どうだろうな。でもアーシェ姉さんの頼みだからなぁ。俺もできる限りのことはするつもりだよ」
傭兵たちの寮は2階建てでなかなかしっかりした作りだ。その一室に彼女の部屋があった。
寮の部屋の入口に到着すると、マツケンは大きな声でバイオレットの名前を呼んだ。数十秒後、
その声に反応するように、小さな少女が姿を現した。雑な木綿の服を着て、いかにもくつろいだ様子だ。部屋の中には、無造作に本が積み上げられている。
「あれぇ~? 健一じゃん。何しに来たの?」
バイオレットは無邪気に微笑みながらも、どこか警戒している様子だった。彼女の視線はマツケンの背後に立つセレスティアに注がれると、「可愛い娘連れてるねぇ~。まさか彼女かな?」
「まあ、そんなところだ」マツケンは苦笑いしながら答えた。「今日は大事な話があって来たんだ」
「あっそう……」バイオレットは少しだけ興味を示したものの、「でも面倒くさいなぁ」と呟いた。
「バイオレット、アーシェ姉さんに言われたんだけど、君がずっと寮に引きこもってるって聞いたよ。アーシェはそれで困ってるらしいんだ」
「ふーん。アーシェねえちゃんがそんなこと言ってたんだぁ だから、私なんて拾って来ちゃだめだよって言ったのにさ、あのままほっといてくれれば、私なんか空気の中に消えていくか、土に帰ったのにさ、」
どうやら、アーシェが彼女を誘ったのは彼女の経済的貧困ばかりでは無いようだ。もともと怠惰な性格ではあったが、彼女の口からは消失を望む雰囲気が感じられた。精神生命体である。彼女は気力が萎えればただの植物に帰ってしまうか最悪の場合、消滅してしまう。その言葉に何かの違和感を感じたセレスティアは口を開く。
「バイオレットさん、あなたは本当にそれでいいんですか?」
セレスティアの問いかけに、バイオレットは一瞬だけ表情を曇らせた。
「別に良くはないよ。でも……私はね、生きるのが辛いんだよ。この世界は私にとって窮屈すぎてね」
「窮屈ってどういうこと?」セレスティアが尋ねると、バイオレットは深いため息をついた。
「私たちはね、本当は『個』という概念を持ってないんだ。自然の一部として存在してるのが一番自然な姿。だけどさ、受肉すると人間みたいに色々なことを感じてしまう。喜びも痛みも。それが……時に苦しくなる」
セレスティアは黙ってしまった。彼女の言葉には重みがあり、簡単には否定できない気がしたからだ。
「それにね」バイオレットは続けて言った。「私はもう何度も死んでるんだ」
その言葉にマツケンとセレスティアは驚いた表情を浮かべた。
「死んでる……ってどういうことだ?」マツケンが問いかける。
「私たちは精神生命体だからね。肉体が朽ちても魂は残る。でもその度に新しい肉体に宿るんだけど……その時に少しずつ記憶が欠けていく。私はもう何回も繰り返してるからね。昔のことはほとんど覚えてない。こんな姿をしてるけど、もう500年もそれを繰り返してきた。多分50年もすれば、アーシェもマツケンも私のそばからいなくなる。そしていつかは2人ののことも忘れちゃうんだよ。そんなだから生き続けることが辛いんだ」
その告白に一同は沈黙してしまった。バイオレットの言葉には深い孤独感が滲んでおり、容易に励ますこともできなかった。マツケンは一瞬考えてから口を開いた。
「それでも……生きていてほしいと思う人がいる」
「そう?」バイオレットは首を傾げながら答えた。
「例えば俺だ。アーシェ姉さんもそうだ。それにお前はもう俺たちの仲間だ。どんな事情があっても、簡単に居なくなって良いわけないだろう?」
「仲間……か」バイオレットは一瞬だけ表情を緩ませた。
「でも私は……やっぱり外に出るのは嫌だな。あの時は魔王に世界が滅ぼされるから頑張って外に出たけど、知ってる人はいっぱい死んじゃったし、悲しいことが山ほどあった。見たくない残酷な光景も見た。私はもう最近、戦うこともできなくなったよ。殺すことが怖いんだ。」
セレスティアが一歩前に進み出て、「でも、たった1人で静かに消えていくのも寂しいですよ。外に出れば悲しいこともあるけど、嬉しい出会いもあるじゃないですか。アーシェさんやマスターとはそうして出会ったんでしょ。とにかくこの傭兵国家でやれることを見つけたらどうですか?」
「やれることかぁ……」バイオレットは少しだけ考え込み、「確かにね。アーシェねえちゃんと健一が言ってることも分かるよ。それに……」と言いかけて言葉を止めた。
「それに?」マツケンが促す。
「久しぶりに外の世界に出たくなってきた気がする」
バイオレットは自分の気持ちの変化に戸惑いながらも、「でもやっぱり怖いよ。何をしていいかも分からないし」
「だからこそ」マツケンが力強く言った。「俺たちが手助けするよ。一緒に何かできることを探そう」
「……本当に?」バイオレットは半信半疑の様子だった。
「もちろんだ」マツケンは笑顔で答え、「アーシェ姉さんの許可は取ってあるんだ。彼女からも君の力を貸してほしいと言われてるんだよ」と続けた。
「アーシェ姉さんが?」バイオレットの表情にわずかに光が差した。
「そうさ。君ならきっと役に立てる。だから……」マツケンは優しく微笑みながら手を差し出した。「一緒に頑張ろうぜ」
「……うん」バイオレットは小さく頷いた後、「分かった。ちょっとだけやってみる」と決意を固めたように言った。
傭兵国家クルーダワールの広場では、マツケン、セレスティア、バイオレットの三人がアーシェと共に向き合っていた。バイオレットは昨日の決意を胸に抱きながらも、やはりどこか不安げな表情をしている。
「よし!まずは基本的な運動能力の回復だ。ずっと引きこもりしてたんだからね。体力はほぼゼロだ!」
アーシェが大声で指示を出す。バイオレットは小さく頷いたものの、その足取りはぎこちない。
「走るぞ!ついて来い!」
アーシェが駆け出すと、バイオレットは慌てて追いかけようとするが——
「アーシェ!まってよぉ、、わっ!」
転んで地面に倒れ込む。マツケンがすぐさま駆け寄り手を差し伸べる。
「大丈夫か?」
「うぅ……私ってダメだな」
バイオレットは涙目になりながら立ち上がる。
次に武器の扱いを試すことになった。魔王討伐の時は、優秀な戦士だった。彼女もブランクが長い。「えいっ!」 バイオレットが木ツルの魔法を使うと、バランスを崩してしまい自分の方へと木ツルが飛んくる。
「ひゃっ!」 間一髪で避けたものの、その場に尻餅をつく。
「もう無理ぃ~! 私前みたいに戦闘とか全然ダメだよぉ~!」
「そうか……」
マツケンは額に手を当て考え込む。アーシェも腕を組んで唸った。
「戦闘は全くダメか。バイオレットには他に何かできることはないのか?」
「私にできること……か」
バイオレットは俯き加減に呟く。
「バイオレットさん、あなたは植物を操れるんですよね?」
セレスティアが優しく問いかける。
「うん……ちょっとだけなら」
「それなら農業や植物の育成に関わることはできませんか? この国では作物の生育に苦労していると聞いたことがあります」「植物……」
バイオレットはしばらく黙って考え込んだ後、ぽつりと言った。
「……やってみたいかも」
その言葉にマツケンは目を輝かせる。
「よし!じゃあ早速農場に行ってみよう」
傭兵国家クルーダワールの一角にある畑地帯。もともと荒地ばかりの国で厳しい環境下でもなんとか作物を育てようと努力しているが、実りは少ない。
マツケンたちは早速畑に向かい、バイオレットが植物と向き合う様子を見守る。
「えっと……こうかな?」
バイオレットがそっと手をかざすと、枯れかけていた作物がわずかに活気づいたように見える。「おおっ!」
マツケンとセレスティアが歓声を上げる。しかしマツケンは眉をひそめた。
「まだまだだな。もっと本格的に植物を活性化させられるようにならないと」
「……難しいねぇ」バイオレットは肩を落とす。「いやいや! いい調子だよ!」
マツケンが励ます。
その後もバイオレットは何度も挑戦を繰り返した。時には失敗して落ち込むこともあったが、そのたびにマツケンやセレスティアが励まし、アーシェも厳しくも見守った。
そして数日後——
「……できた!」
畑の一角でバイオレットが歓声を上げる。目の前には驚くほど立派に育った作物の群れがあった。
「おおっ!素晴らしいじゃないか!」
アーシェも満足げに頷く。
「やった!バイオレットさん!」
セレスティアが飛び跳ねるように喜ぶ。
マツケンはバイオレットに近づき、優しく声をかける。
「すごいじゃないか、バイオレット。この能力を活かせばきっと国全体の農業を助けることができるだろう」バイオレットは照れくさそうに微笑む。
「私でも……役に立てることがあるんだね」
「もちろんだ。これから一緒にこの国をもっと豊かにしていこう」
バイオレットが植物を育てる能力に目覚めた日から数日が経過した。彼女の存在は少しずつ傭兵国家クルーダワールで認識され始め、農業担当者たちからも注目を集めていた。しかし、彼女自身はまだ完全に自信を取り戻したわけではなかった。
「すごいじゃないか!バイオレットの作った作物、評判になってるぞ」
マツケンは畑を訪れて声をかけた。
「ほんと?嬉しいな」
バイオレットはニコッと笑うが、その笑顔の裏にはまだ少しの不安が垣間見える。
「でも、私はじこれしか役に立てないのかな」
セレスティアが隣に立ちながら言う。
「それでも十分立派だと思いますよ。この国の人々がちゃんと作物を育てることができれば、たくさんの命が助かりますから」
「うん……でも、最近は人の役に立てることが嬉しいと思えるようになったんだ。また、人と接することも楽しく感じられるようになってきた。何か他にできることはないかな」
その時、アーシェがやって来た。
「お前たち、ちょっと来てくれないか」
三人はアーシェの後についていくと、そこには傷ついた傭兵たちが休んでいる医療テントがあった。
「最近、この辺もモンスターが多くてなぁ。医薬品も不足してきている」アーシェは深刻な表情で説明した。
「バイオレットの植物の力で何かできないだろうか。たとえば薬草を育てる、とか」
「薬草?」バイオレットは少し驚いた表情を見せた。
「ああ。実はこの国には希少な薬草がいくつかあるんだが、育て方が難しくてな。もしお前が死ねその能力を使えば……」「分かった!やってみるよ!」
バイオレットの目がキラキラと輝き出した。
その日から、バイオレットは農作業だけでなく薬草の栽培も手掛けるようになった。最初はうまくいかず何度も失敗したが、マツケンやセレスティアのサポートを受けながら徐々にコツを掴んでいった。
数週間後——
「見て見て!」バイオレットが得意げに指さした先には、青々とした薬草の畑が広がっていた。「すごいぞバイオレット !これなら充分な量の薬草が確保できるぞ!」
アーシェは満足そうに頷きバイオレットを抱きしめた。おそらく彼女は薬草ができたことも嬉しかっただろうが、バイオレットが立ち直ってくれたことが嬉しかったり違いない。
「バイオレットさん、本当に素晴らしいです」
セレスティアも感心した表情を浮かべた。
「私ね、最近はもう少し生きててもいいかなぁって思えるようになってきた」
バイオレットが少し照れくさそうに話した。
突然、医療テントの入り口が荒々しく開かれ、一人の傭兵が駆け込んできた。彼の顔には焦りと恐怖が刻まれている。
「アーシェ団長、 大変です!」
アーシェが顔を上げる。「何があった?」
「東の森林地帯で、巨大なオークの群れが発生しました! 数は三百体を超え、こちらへ向かっています!」
一同が息を飲む。バイオレットは不安げにマツケンの袖を引っ張った。
「オーク……?」
アーシェは眉をひそめる。「最近は落ち着いていたはずだが……」
「それが、普通のオークではありません! 異常に硬い皮膚を持つ個体が多数確認されています。通常の武器ではほとんど効果がありません!」
「樹皮オークか……厄介だな」マツケンが呟いた。
樹皮オークはオークが魔木を多食して生まれるこの地の固有種で別名鎧オークとも言われている
セレスティアが心配そうにバイオレットを見る。「大丈夫ですか?」
バイオレットは震えながらも立ち上がった。「私に……何かできることがあるのかな?」
アーシェがバイオレットの肩に手を置く。「バイオレット、お前の植物の知識が必要だ。このオークたちの弱点を知っているのではないか?」
バイオレットは考え込むように目を閉じた後、小さく頷いた。「確か……オークの樹皮の魔木は特定の菌類には弱かったはず。でもその菌類は非常に希少で、野生ではなかなか見つからない……」
「その菌類は人工的に育てられないのか?」マツケンが問いかける。
「難しいけど……私の力ならできるかもしれない」
バイオレットの瞳に決意の光が宿る。
「よし!じゃあすぐに準備を始めよう。バイオレットと俺が菌類を育てる。セレスティアとアーシェは傭兵たちを指揮して防衛ラインを構築してくれ」
四人はそれぞれの役割を果たすため、急いで動き出した。
バイオレットとマツケンは特別に設けられた研究小屋へと向かった。そこにはすでに必要な設備が揃えられていた。
「これならなんとかなりそうだな」
マツケンが言うと、バイオレットは深呼吸を一つして「うん」と頷いた。
「まず土壌の準備から始めよう。適切な環境を作ってあげれば菌類も早く育つはず」
バイオレットは慎重に土を混ぜ合わせ、自分の手で優しく触れると「お願い……早く育って」と呟いた。
その時、小屋の外から叫び声が聞こえた。
「敵が近づいている!時間がない!」
マツケンは冷静に答える。「バイオレット、焦らなくていい。必要なものを全て教えてくれ。俺が全部揃える」
バイオレットは驚きながらも頷き、「ありがとう」と小さく微笑んだ。
二時間後——
「マスター!これを見て!」バイオレットが興奮した声で呼ぶ。そこには小さな白色の菌糸が広がっていた。
「すごい……もうこれだけ育ったのか」マツケンも驚いた表情で見つめる。
「まだ小さいけど……これをもっと増やせばオークたちに効くはず」
バイオレットの瞳にはかつてない自信が宿っていた。
一方その頃——
セレスティアとアーシェは傭兵たちを率いて国境近くの丘陵地帯に陣を敷いていた。アーシェは鋭い目つきで前方を見据える。
「全員!位置につけ!」
傭兵たちはそれぞれのポジションにつき、盾や弓を構えた。
「マツケンとバイオレットが菌類を完成させるまで持ちこたえるぞ!」
「オークの群れが来た!」偵察兵の声が響く。
地鳴りのような足音とともに、巨大な樹皮オークたちが姿を現した。
アーシェは剣を掲げて叫んだ。「矢を放て!」
数百本の矢が同時に放たれるが、樹皮オークたちはその厚い皮膚でほとんど弾き返す。
「くっ……思ったより堅いな」アーシェが舌打ちする。
しかし彼女は決して諦めなかった。
「前衛は防御姿勢!後衛は矢を射続けろ!時間を稼ぐんだ!」
セレスティアも弓を構えながら「みんな!頑張ってください!」と声援を送る。
オークたちは徐々に陣地へと近づいてくる。
菌の培養容器の中では、微かな光が灯っていた。しかしバイオレットは疲れた表情でその場に膝をつく。
「これくらいじゃ全然足りない……もっと魔力がいるよ」
マツケンが彼女の肩を支える。「魔力を注ぐってどうやるんだ?」
バイオレットは深呼吸し、「私の体に直接……魔力を流し込むしかない」と言いかけたところで口を閉じた。
「具体的には?」マツケンが詰め寄る。
「えっと……人間との接触を通じて……」バイオレットは顔を赤らめた。
マツケンは困惑しながらも、「どうすればいい?」と促す。
バイオレットは意を決したように顔を上げた。「私と……その……セックスする必要があるの」
その言葉にマツケンは目を丸くする。「それって……つまり?」
「人間の生命エネルギーを体内に取り込むことで魔力が回復できるんだ。でも……それってつまり……」バイオレットは恥ずかしさで言葉を詰まらせた。
マツケンは少し戸惑いながらも真剣な眼差しで「わかった。時間もないんだ。やろう」と告げた。
バイオレットは驚いたように彼を見つめ、「本当に?」と尋ねた。
マツケンは頷き、「今この瞬間が大事なんだ。恥ずかしいかもしれないが……国を守るためだ」と彼女を励ました。
バイオレットは小さく頷き、「ありがとう……」と感謝の言葉を口にする。そして彼女はゆっくりと服を脱ぎ始める。マツケンもまた、覚悟を決めたように上着を脱いだ。
その時、小屋の外から足音が響いた。「マツケンさん!どうしたんですか?」
小屋の扉が勢いよく開き、数人の男性たちが入ってきた。
彼らは驚いた表情で二人を見つめた後、「まさか……そんな状況?」と一人が呟いた。
「バイオレットの魔力を回復させるためには生命エネルギーが必要なんだ」とマツケンが説明する。
「なるほど……じゃあ俺たちにも手伝わせてください!」一人の男性が力強く言い放つと、他の者たちも頷いた。
マツケンは一瞬考えた後、「ありがとう。力を貸してくれ」と感謝の意を示した。
小屋の中は一気に熱気に包まれた。バイオレットは不安げに皆を見渡したが、マツケンの励ましによって決意を新たにする。
「みんな……お願い」とバイオレットが言うと、男性たちは一斉に彼女を取り囲み始めた。
バイオレットの震える手がドレスの裾をゆっくりと持ち上げる。羞恥心で耳まで赤くなった彼女は、一瞬躊躇した後、意を決したように服を脱ぎ始めた。
妖精ゆえにほっそりとした体だ。
その動作はぎこちなく、緊張からか指先が小刻みに震えていた。彼女は一枚一枚丁寧に衣服を脱ぎ捨て、最後に下着を外すと、その白い肌が露わになった。
マツケンはその光景に目を奪われつつも、心の中で葛藤していた。バイオレットが自らこの行為に踏み切る理由—それは彼女自身の意志ではなく、国を救うための犠牲であることを理解していた。彼は彼女の覚悟を尊重し、同時に心が痛んだ。
その時、バイオレットは小さな瓶を取り出した。中には透明な液体が揺れている。
「これ……興奮剤よ、私みたいなつるぺたの体でも、これさえ飲めばきっと抱きたくなるはずだよ」
彼女は瓶の蓋を開け、その液体を男性たちに差し出した。男たちは一瞬戸惑ったが、事態の深刻さを理解しており、躊躇なく飲み干した。
液体が喉を通り過ぎる瞬間、男たちの体に異変が起きた。血流が加速し、心拍数が上がり、彼らの視線は一斉にバイオレットの裸体に釘付けになった。興奮剤の効果は想像以上だった。
バイオレットは床に両手と両膝をついた。四つん這いの姿勢で男たちを見上げると、その瞳には覚悟と恐怖が入り混じっていた。
「お願い……私を……犯して」
彼女の声はかすかに震えていた。それでも彼女は全身全霊でこの瞬間に集中しようとしていた。
男たちは理性を失った獣のように彼女を取り囲んだ。最初の一人が彼女の背後に膝をつき、激しい勢いで押し入った。バイオレットは声にならない悲鳴を上げたが、すぐに別の男が正面に立ち、彼女の唇を奪った。
「俺!妖精とセックスしたの?初めてだけど、めっちゃ気持ちが良いぜ。」男がえぐるように腰を振る。激しく突き上げられるたびに、彼女の小さな体は跳ね上がった。
「ああ……俺もだ」別の男は彼女の胸を揉みしだき、乳首を口に含んだ。
「おい!俺にもやらせろ!」他の男が叫ぶと、バイオレットの体を強引に引き起こし、自分の勃起したちんぽをしゃぶらせた
彼女は涙を流しながらも必死に耐えていた。しかし男たちの手は容赦なく彼女を襲い続けた。やがて一人が彼女の中に射精すると、それを見ていた次の男もすぐに後を追った。「普段は引きこもりのおとなしい女の子だと思ってたけど、めっちゃエロいぜ。この女、ちんぽにしゃぶりついてきやがる。」
男は彼女の髪を掴んで、オナホを使うように腰を振った。彼女がよだれと涙を流して、のたうちまわる中。彼女の口の中に男は射精した。
「おげえっげほげほ!」「おい、お前らあんまり乱暴にするな!」
「いいんだよ。マツケン、私はもっともっと犯してもらわなきゃいけないの。そうじゃなきゃアーシェが守れない。どうしようもない。私のことを見捨てないで拾ってくれた。彼女に私は報いる義務がある。だから、みんなでもっと私をめちゃくちゃをして」
マツケンは唇を噛みながら、その様子を見守っていた。しかし彼自身も興奮しており、ズボンの中では男根が激しく脈打っていた。彼は必死にそれを抑えつけようとした。男たちがもう少し過ぎないように見張っていなくてはいけない。ここで自分が欲望に負けてしまえば、すべてが無駄になるような気がしたからだ。
その時、一人の男性がバイオレットの手を取り自分の股間に導いた。「こっちも頼む」そう言って男はベルトを外し始めた。バイオレットはその意図を理解しながらも躊躇した様子だったが、やがてゆっくりと手を伸ばし、男のペニスを握りしめた。彼女はぎこちない手つきで上下に動かし始めた。すると他の男たちも先を争ってちんぽを突き出した。「ヴァイオレットちゃん、おじさんの上にまたがってくれるかな?」普段一緒に農作業しているドワーフのおじさんだ。極太ちんぽを示した。「はい」と彼女は答えた。
彼女は自分からまたがり腰を振る。射精をねだるかのように。
「ヴァイオレットちゃん、もう出そうだよ!」男は叫んだ。しかし彼女はさらに激しく腰を振った。そしてついに男のちんぽから精液が飛び出した。彼女の膣の奥でだ。
彼女は体を震わせながらそれを受け止めた。
「ああ…セーシ❤️あったかいよ、お腹の中にトクトクしてるもっと、 ほしい……っっ❤️ん゛ぅッ❤️お゛っ、お、 おぉ…………っ❤️…いっぱい出てる」
男は満足げに呟いた後、ぐったりと倒れた。すると別の男が前に進み出た。「次は俺がやらせてもらうぞ!」彼はズボンを脱ぎ捨てると、バイオレットに抱き着いた。そして強引に唇を奪った。舌を入れ込むと彼女もそれに応えてくれた。
「こんなかわいい女の子とやれるなんて。役得だぜ。中出ししてほしいんだろう。かわいい声でお願いしろよ。」
「お願い……私の中に出して」彼女は消え入りそうな声で呟いた。男は彼女の両足を抱え上げ、一気に貫いた。
「お゛っ❤️あ゛っ、あ゛っ、あっ!すごいぃいいいいっ!」彼女は絶叫した。「もっと突いてください!射精おちんぽで私の中をかき回してくださぁい!」彼女は自ら腰を動かし始めた。その姿はとても淫らだった。そしてついにその時が来た。男が射精したのだ。熱い精液が子宮を満たしていく感覚があった。
「しゅきっっ❤️そこ❤️すきっっ❤️゛もっとシテ❤️んぉッ❤️いぐっ❤️好きぃ、それ、やばぃ❤️あ、 あっ、 あ、 あ゛すごっ、私だめになっちゃう❤️」
マツケンはかつての冒険者仲間が精液まみれになって、いく姿をじっと眺めていた
彼女は泣き叫びながら犯されている。愛する人を守るために、果たしてこれは幸せなのだろうか。引きこもり生活から引きずり出されて、また誰かのために生きることを要求されて、自分は間違ったことをしたのではないだろうか。彼のそんな悩みに答えるように、男たちにもみくちゃにされながら、バイオレットが語りかけてきた。
「マツケン 誰とも関わらずに、引きこもって生きていくのって、気楽でも楽しくもないんだよ、やっぱりここに来て気づいたよ。私みたいなポンコツだけど、誰かに必要にされたいし、誰かのために頑張りたい。だから、私はこんな目にあっても嫌じゃないんだ。だからお願い。マツケンも私を犯して、私の体の中にたっぷり射精して。S級冒険者があなたの精液なら私はもっと強くなれる。」
「そうか」マツケンは服を脱ぎ始めた。しかし、彼のものはすでに勃起していた。
マツケンは男達を押し除けてバイオレットを抱く。彼の巨根がバイオレットを貫いた。
彼女はまるで串刺しにされた罪人のように痙攣した!一撃で絶頂に追い込まれたのだ。しかしそれでも彼は容赦なく腰を振った。
「このお人よしドリアード!この引きこもり娘!お前みたいなやつは徹底的に!愛してやる!愛してやる!愛してやる!」彼の鬼ピストンが炸裂する。
「マツケン せっくす、すごい❤️やめ゛ッ、いや、だめ、 だめになる、。とめてぇッ♡ おほ んふぅ♡♡そ゛こ ッ♡ 突いちゃだめ゛ぇ ッッ♡♡゛ だめだったら、意地悪しないで、イグ❤️イグ❤️いったの、、もうつくの、だめッ❤️やめっお゛ぉおおぉッ❤️」彼女は絶頂繰り返す。
マツケンの容赦ない抽送に、バイオレットは再び意識が飛びそうになるほどの快感に襲われた。彼女の柔らかな体が激しく揺さぶられ、ベッドのスプリングが悲鳴を上げる。
「やめッ、もう無理ぃ❤️だめだめ❤️イクッ❤️またイッちゃうの❤️おっ❤️おっ❤️おっ❤️おっ❤️おっ❤️おっ❤️おっ❤️おっ❤️おっ❤️」
彼女の嬌声が部屋中に響き渡る。マツケンの腰使いは情熱的で容赦がなかった。彼女の体はマツケンの激しいリズムに合わせて踊るように反応していた。彼の大きなペニスが彼女の最奥を突く度に、彼女の体は痙攣し、快感に身を委ねる。
「もっと感じろ。俺を感じろ。お前の体は俺のものだ!」
マツケンは彼女の腰を掴み、更に激しく突き上げる。彼女の膣内はすでに彼のペニスを締め付け、その動きに合わせて収縮していた。
「この淫乱妖精め!中出ししてやる!」
マツケンは腰を深く押し込み、彼女の一番深いところに大量の精子を放出した。その瞬間、彼女もまた絶頂を迎えた。
「たしゅけて、、とぶ、ッ❤️とんじゃ、うう❤️犯されて、イくッ♡ イく、 イ ああっ!イク❤️イグゥウウーーーン!」
二人は互いの体を強く抱きしめ合いながら、同時に果てた。しばらくしてから、マツケンは彼女から離れた。
彼女の膣からは白濁液が溢れ出し、シーツに染みを作っていた。しかし、その光景を見た他の男たちは興奮を抑えきれず、次々と彼女に群がり始めた。
一人の男は彼女の背後から抱きつき、自らの勃起したペニスを彼女の割れ目に擦り付け始めた。別の男は彼女の口に無理やり自分のものを押し込み、喉の奥まで突き入れた。
「んぶっ!んごっ!んんっ!」
バイオレットは苦しげに喘ぎながらも必死に抵抗しようとするが、複数の男たちに押さえ込まれて身動きが取れない。
「バイオレットちゃん!俺たち全員相手してもらうぞ!」
「うん みんなの精液を私の中に出して。口でもおまんこでもお尻の穴でもどこでもいいよ。もう少しで魔力全開になるから!」
男たちは一斉に彼女に向かって射精を始めた。精液が彼女の顔や胸、そして体中に降り注ぐ。彼女はその熱い感触を感じながらも必死に耐え続けた。そしてついに最後の一人が彼女の割れ目の中に射精を終えると、ようやく彼女は解放された。
彼女の全身は白濁液で覆われており、その光景はまさに惨劇そのものであった。しかし不思議なことに彼女の瞳には力強い光が宿っていた。
「みんなのおかげで……」
バイオレットの言葉を遮るように、彼女の体から眩い光が放たれた。その輝きは部屋中を照らし出し、床に倒れていた者たちさえも目を覚まさせるほどだった。
「すごい……」
マツケンが目を細めながら呟く。他の男たちも驚愕の表情を浮かべていた。
バイオレットはゆっくりと立ち上がった。彼女の全身を包む白濁液はまるで宝石のように輝き、彼女の姿は神々しくさえ見えた。
「これなら……オークたちにも勝てる」
彼女は小さく微笑むと、そのまま菌の培養容器へと歩み寄った。
「みんなの想いをこの中に」
バイオレットが手を差し伸べると、菌の成長速度が目に見えて加速した。小さな菌糸はあっという間に広がり、白い雲のような塊となっていく。
「完成したわ!」
バイオレットの声が高らかに響いた。
「マスター!これをすぐに兵士たちに!」
マツケンは頷き、培養容器を大切に抱えると小屋の外へ駆け出した。彼の後を追って残りの者たちも次々と立ち上がる。バイオレットはその背中を見送りながら深呼吸をした。
「これで……私も少しは役に立てたかな」
彼女は自らの体を見下ろし、全身に纏わりつく精液を感じながら小さく笑った。
そして、静かに倒れた。
その頃アーシェ率いる傭兵たちは懸命にオークたちと戦っていた。しかし彼らの攻撃は硬い樹皮に阻まれ、思うようにダメージを与えられないまま時間が過ぎていく。
「くっ……このままでは持たないぞ!」アーシェが歯を食いしばって叫ぶ。
その時遠くから聞こえる足音—マツケンたちが戻ってきたのだ!
「待たせたな!」
マツケンが叫びながら前線に到着した。彼は培養容器を掲げると全員に向けて大声で呼びかけた。
「みんな聞いてくれ!この菌を槍の先や矢の先に塗れ!彼らの樹皮はこれに弱い!」
その言葉に希望の光が宿った傭兵たちは一斉に動き出した。彼らは素早く行動し菌を散塗布していく。
その効果は敵面だった。硬い樹皮に覆われたオークたちの皮膚が徐々に溶け始める。そして数時間後にはすべてのオークの鎧が無力化されていた。
「やったぞ……!私の妹分のバイオレットがやってくれたぞ!これでこいつらは、ただのオークだ。ぶち殺せ。」アーシェが雄叫びを上げる。
「バイオレットさんやりましたね!私も負けていられませんね」セレスティアが弓を構えながら言った。彼女の矢は次々と正確にオークの急所を捉えていく。
マツケンは戦いの合間にバイオレットのことを思い浮かべた。彼女は今どうしているだろうか。おそらく消耗しきって休息しているはずだ。彼の心には彼女への感謝と尊敬が溢れていた。
やがてすべてのオークが討伐され傭兵たちは歓声を上げた。アーシェは彼らをねぎらいながらもマツケンの姿を見つけ駆け寄った。
「よくやってくれた!ありがとう!」
マツケンは笑顔で応え「俺は大したことはしていない。本当の功労者はバイオレットだ」と答えた。
「バイオレットは?」
「今は休んでいる」
その言葉を聞いたアーシェの表情が曇る。
「大丈夫だろう、、彼女は疲れきっているだけだから」
二人は互いに頷き合いながら戦場跡を後にした。
バイオレットは夢を見た。
故郷での出来事、引きこもり生活。しかし最後に見たのは今の仲間たちの笑顔だった。
ドリアードの最後
マツケンは戦場から戻ると、空気が冷たく感じるほどの静けさに包まれていた。傭兵たちの勝鬨が遠くから聞こえるものの、その響きさえもどこか遠い世界の出来事のように感じられる。彼はふと足を止め、庭園のほうを見やった。そこにはバイオレットが一生懸命に菌の培養に取り組んでいた場所があった。
しかし今そこにあるのは—
「木……?」
マツケンは目を疑った。庭園の中心には一本の大木が生えていた。葉っぱは鮮やかな緑色で風に揺れている。彼は一歩ずつ近づきながらその木を観察する。
「おかしい……こんな木、昨日までなかったはず」
マツケンの額から汗が流れ落ちる。彼は必死に呼びかけ続けた。
その時、アーシェが慌てた様子で駆け込んできた。
「この木…そんなバカな、でも確かに感じる。この魔力…バイオレットじゃないか!」
彼は恐る恐る木に触れるとその表面からわずかな温もりを感じた。まるで2人が来てくれたことを喜んでいるようだった。
「バイオレットの馬鹿!あんたはなんてお人好しなんだ!がんばりすぎて木になってしまうなんて!そんなの許さないよ。私のそばでいつものんきに笑っていれば良いんだよ。それなのにそれなのに!」アーシェの号泣が響いた。
空は晴れ渡っており平和な日差しに包まれた庭園では木となったバイオレットが静かに佇んでいる。
その姿はまるで「ごめんね」と謝っているようだった。
エピローグ
それから1年後、マツケンの元にアーシェから便りが届いた。バイオレットの木が花を咲かせたと言う。
マツケンとセレスティア、そして今回はこのドリアードの奇跡を見たいと神官のメイベルリングベルが同行した。
白い花びらが風になびき、木の周りだけが明るいマナに包まれているように見えた。
「ああ、バイオレットが喜んでくれているんだな」マツケンは思った。
「ねえ、マスター、バイオレットったらクールダワールの人々に愛されてるわね、信仰や祈りが聖霊に力を与えるなら、また受肉できる日も来るんじゃないかしら」セレスティアがいう。
「確かにアーシェっをはじめみんながこの木に祈りを捧げたから、マナが充溢してるね、」とマツケン
「アーシェは木蓮のドリアードだったんですね。高潔な心・慈悲、花言葉の通りの娘ですね。神様は、きっと、慈悲をお与え下さいますよ。父と子と精霊の御名において、願わくば、この健気なる精霊に、復活の機会をお与えください。
みなさん、しばしあの子のイメージを強く念じてみてください。奇跡が見られるかもしれませんよ❤️」メイベルが意味ありげに微笑んだ。
「バイオレット!神様でも仏様でも良い、あいつを生き返らせてくれよ。」
マツケンが木蓮に合唱した。
「バイオレット❤️この馬鹿妹!戻っておいでよ!」アーシェが木蓮の木にぎゅっと抱きついた。
「ねぇバイオレット❤️そろそろ起きておいでよーーー!」
セレスティアが木蓮に向かっていった。
するとその時だ! 突然強い風が巻き起こり、桜吹雪のように木蓮の花びらが舞った。
そして輝きながら渦巻いた!そして気がつくと、そこにひとりの少女が全裸で立っていた。
少し幼くなったようだが紛れもなくバイオレットの姿だった。
「あ、、みなさん、、私、、、」
まるで夢から覚めたような表情でバイオレットはいった。
「おかえりバイオレット❤️」
その姿を見て、アーシェは叫んだ。
「バイオレット!」セレスティアはは驚きを隠せない。
「戻ってこられたのですね❤️聖バイオレット様!」メイベルも涙目だ。
「バイオレット❤️この寝坊助め!1年間も居眠りしやがって、よく帰ってきたな!」マツケンが笑う。
クールダワールに住む者たちが集まってくる!皆、嬉し涙を流している。
バイオレットも一人一人の手を握り抱き合って再開を喜んだ。
群衆に向かってアーシェが叫ぶ!
「皆のもの、宴の支度をしろ。今日は私の妹分、バイオレット ノームガーデンの再誕祭だ❤️」
こうしてクールダワールに新たな伝説がうまれた。
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