クリームキスから始まる関係 ~甥っ子の同級生のボーイッシュ少女と過ごす夏休み~ 作:上上上上上上上
夏場は食中毒が怖いから、弁当を作るときにはしっかり粗熱を取るのはとても大事な工程だ。
冷ましたおかずを俺が一通り弁当箱に盛り付けてる間に、洗った食器や調理器具を侑希が食器乾燥機に並べて出発準備完了。
「マスター、厨房貸してくれてあざーっした!」
「ありがとね~!」
侑希もエプロンを畳みながら俺に続いて明るい声を上げる。
あれから約一年経った夏休み。
大学を卒業した俺は俺は予定通り調理師学校で修行中。
翔斗と侑希は一番近い公立中に通う中学生、ついにクラスは離れ々々だ。
あれだけ翔斗にご執心だった莉子っちは
ちなみに中学では翔斗はサッカー部に、侑希は友人のお姉さんに誘われたとやらで女子バスケ部に入部した。
県下ではどちらかと言うと小さい方に入る学校で、どちらも部員数にあまり余裕がないこともあって、運動神経の塊のような2人は早くも期待の
特に男子サッカー部は無名の公立校だというのに、何の巡り合せかそこそこ良いクラブチームに誘われたことがあるレベルで上手い先輩が2人もいてくれたお陰で、今日はついに県ベスト4を賭けた試合となる快進撃。
その為俺は早朝から定休日の洋食屋の厨房を借りて、侑希と2人掛かりで試合会場の翔斗に届ける弁当を作っていたという訳だ。
ついでに応援もしてく予定の俺と侑希、会場で合流する予定の姉ちゃん、厨房を貸してもらったお礼にマスター夫妻の分も作って、都合6人前の弁当がカウンターに並んだ。
「お疲れさん。侑希ちゃん、たか君の助手が板についてきたねぇ」
「ほ~んと、すっかり阿吽の呼吸ってやつ?」
おかみさんもその後ろから厨房を覗き込んでくる。
「これなら将来、侑希ちゃんにもあたしの後継いで貰って、二人にお店任せちゃっても大丈夫じゃないかしら」
俺と侑希は顔を数秒見合わせた。
誰にも内緒の恋人関係なだけに侑希は複雑な表情だが、嬉しさを隠しきれずやがて笑い出した。
「ねえたか兄ぃ、聞いた?私もう就職先決まっちゃったよ!」
「いやいやよく聞け侑希。おかみさんが言ってる二人で店をやってくっていうのは、マスター達みたいに夫婦としてって意味だからな!?」
「う~ん、そりゃマズいな……この店の二代目おかみさんは私がやるんだから、たか兄ぃ、他の女の人連れてきちゃダメだよ。待ってもらおうかな、10年くらい!」
ニヤニヤ顔で俺の横腹にぐいぐい肘鉄を押しつけてくる侑希に、マスター達は結婚式にはぜひ呼んでくれなんて大笑いだ。
まさにこの10年後マスター夫妻は、今の侑希の言葉が大マジだったことを知ることになる。
◇◆◇◆◇
天気予報通りの真夏の快晴の空の下、俺の白い中古プチバンを冷房全開にして、翔斗のサッカー部の試合会場である郊外のサッカー場に向けて走らせる。
もちろん助手席に座ってるのは侑希。
俺達二人にとって特別暑くなりそうなこの夏を彩る正面の空、高くそびえ立つ入道雲が白バラのアーチに見えたこの風景は、きっといつまでも忘れられないんだろうなと予感した。
「侑希のバスケ部はもう試合はないんだったよな」
「うん、ヨユーの2回戦負け!くやしいっちゃあくやしいけど、その分この夏休みはたか兄ぃといっしょにいられるよ」
侑希は俺の腿に手を置いてきた。
そこでふと思い出した。
「そういやこないだ翔斗に『何で侑希が弁当作ってくれるんだ?』って聞かれたよ」
「作ってるのは私じゃなくてたか兄ぃじゃん。私は弁当作り手伝いながら料理教わるんだっていうことにしとけば、たか兄ぃと堂々いっしょにいられるから。翔斗のためじゃないよねー」
「前回弁当持ってったとき、あいつチームメイトに侑希のことカノジョじゃねーのってからかわれたらしいな」
「あ~~~聞いた聞いた、クラスのサッカー部の男子から。『どーして俺があのオトコオンナなんかと?』だってさ。あいつなら言いそう~」
俺は腿の上のけらけら笑う侑希の手に俺の手を重ねた。
「ひでーな、あいつ。侑希はこ~んなカワイイ俺の彼女なのに」
「そう思ってくれてるんだったら、もっとセックスして欲しいんだけどぉ?」
侑希は唇をとがらせた。
「侑希はまだ身体が大人になりきってないんだから、負担が大きいんだよ。ゴムしても避妊は完璧ってわけじゃないし」
他人に絶対知られるわけにはいかない禁断の恋人関係。
あれ以来何度か話し合って分かったこととしては、侑希の恋愛観における
逆に俺としては侑希のことを大事に思っているからこそ、その未熟な身体も立場も出来るだけリスクに晒したくない。
だから侑希には、どんなに互いを好き合ってる気持ちが盛り上がっても挿入行為だけはなるべく控えよう、と約束させた。
今のところ本番セックスはあの一度きりだ。他に恋人としてできることはいくらでもある。
挿入行為は侑希が18歳になるまでは本当に特別なときだけだよと言ってやると、なら誕生日とクリスマスくらいは、あと期末試験や部活の試合など特別頑張った結果が出たときのご褒美に……と押し切られてしまった。
それが侑希の学校生活の励みになるっていうんなら……まあこれが俺の譲れる限界ラインだ。
「まだまだ試したい体位とかあるし、パパママみたいなハメどりもしてみたいし、あとはねぇ……」
「そう急ぐことないだろ、俺達付き合い始めたばっかなんだ」
「何言ってんの。中学の制服着た私とエッチできるのは今のうちだけなんだよ。たか兄ぃロリコンならそーゆーのも好きなんでしょ?」
そんなオヤジ臭い知識までどこで仕入れてくるんだか。
確かに普段私服ではスカートなんて全然穿かない侑希のブレザー制服姿も、ぐっと来るものがあるのは事実なんだけどな。
ともあれ俺は赤信号で車を停めて周りに人目がないことを確かめると、これ以上余計なことを言わすまいと侑希の口をキスでふさいでやった。
―終―
皆さん、良い夏休みは過ごせましたか?
私はエロ小説二作目にして序盤で想像を越えるPVを頂き、ノクターンではピーク時で日間全て45位/同連載中32位という思いもかけぬ高評価にドキドキ。
ついでに前作まで読んでもらえて、もう最高の夏でした。
本当にありがとうございます。
感想などありましたら次回作への参考と意欲に繋がりますので…「あのくだりが抜けた」の一言でも頂ければ大いに助かります。
本作が夏休みシーズン直前に書き上がったのは全くの偶然でした。
もっと早く出来ると思ってたんですが;
そこで掲載ペースを調整して、連載時期をなるべく現実の小中高校の夏休みに合わせてみました。
リアルタイムで読んでくれた皆さんの夏休みとイイ感じにシンクロする部分があったら幸いです。
ここでささやかな裏話…
第5話公開の数日前に行ったお祭りで、どこぞのカフェが出張出店してたパニーニが美味しかったです。
他にも小洒落た出張店舗やキッチンカーがいくつも来てて、執筆前にあのお祭り経験してたら、インスパイアされて微妙に内容が変わってたかもw
なお前作を読んでいただいた方、お分かり頂けたでしょうか…お察しの通り同一人物です。ロクなことしませんね、あいつ。
さて今後の予定ですが、短編を数本書いてから、またじっくり時間をかけて6~8万字規模の連載をやろうと思ってます。
それでは、ロリエロには妙に風当たりの強くなってきた昨今ですが、できるだけ早くまたお会いしましょう。