「ハーッハッハッハ!!!!やぁやぁ先生!いつぞやの海水浴以来だな!」
ゲヘナからの出張の帰り道、爆走する重機からひょっこり顔を出すのは、ゲヘナが誇る屈指の問題児鬼怒川カスミの姿。
萌え袖をバタつかせながら、テンション高く先生に抱きつく。
「やぁカスミ。開発帰りかい?」
「いかにも!よき湯質の温泉が沸き出ると噂を耳にしてな!」
上機嫌に成果を話すカスミを抱っこしながら、歩き始める。どうやら今回は当たりを引けたようで、モブちゃん達が忙しなく働いている。
「新しい湯処の建設に、嬉しい悲鳴を上げていたとこでな!先生もよかったらどうかね!」
「気持ちは有難いけども、これからシャーレに戻らないといけなくて…」
袖で口元を押さえ、なにか考え込むカスミ。
ニヤリと笑い、胸元からチケットのような物を取り出す。
「であれば…これを進呈しようじゃあないか!」
テテーンと聞こえてきそうな仕草で、先生に2枚のチケットを胸元に捩じ込む。
「とある御仁に掘り当てた温泉を買い取ってもらってね。今は湯処として稼働しているんだ!特別なチケットや紹介なくしては御断りの高級志向!お泊まり可!そんなチケットなのだよ!」
早口で捲し立てるカスミに若干引きつつ、そんな物を受けとるのは忍びない。
それを察してか胸ポケットにチケットを捩じ込み、あくどい笑みを浮かべるカスミ。
「この間の礼も兼ねて受け取ってくれたまえ。中々よい人脈を得られたのだよ」
「この間?…あの海のときかい?」
そういえばセイアとよく話していたようなと思いに馳せつつ、胸板に頭を擦り、満足気に笑った後いそいそと重機に乗り込み、唸りを上げてエンジンが掛かる。
「それは有効活用してくれたまえ!では先生また会ぉぅ~…」
最後の方は勢いよく走り出した重機に、かき消されそうになったがギリギリ聴こえた。
悪い気もするが、折角なのだから有効活用させてもらうことにした。
温泉旅行。
なんと甘美な響きだろうか。
早速手を回すとしよう!
取り敢えず死ぬ気で仕事を前倒ししよう。
ナギサ喜んでくれるかな…
「温泉…ですか?」
お茶会の途中、満を持して旅行の話を持ちかける先生。
ヒラヒラと揺れ動くチケットに、眼を奪われつつ先生の話に耳を傾ける。どうやらいつぞやにお世話になった…?生徒からの贈り物とのこと。
「悪いとは思ったんだけど折角ならナギサと…ね?」
ポフンも音を立てそうな赤ら顔で、髪を指に包ませ視線を逸らす。
「では政務の方は手を打っておきましょう。1泊2日とはいえ、備えは必要ですし」
そうと決まれば早速仕事の振り分けと、終わらせておくべきものを選定していきましょう。
ですがその前に…
「せんせ…」
唇に指差せば、先生は直ぐに気付いたようで席を立ち、そっと口付けを落とす。
舌を絡めるものでなく、愛情を注ぎ込むような優しい口付け。
お互いこれから忙しくなる。その前にやる気の充電のようなものだ。だから、胸元に伸びた手をはたき落とされるのも仕方ないこと。
しかしてナギサ様とて高揚を覚える。
だから長引く気配を察して、カメラを構えつつ物陰から眺めているフォックスと天使に気付かないのも無理はない話であった。
「わ~お大胆だねぇナギちゃん」
「私達が来ることを完全に頭から抜けてるようだね」
最後に力強くハグした後、此方に見事な二度見を決めたナギサ様なのであった。
「ここが…」
「小稲荷温泉ですか…」
トリニティから遠く離れて、ゲヘナの僻地。
若干の変装しつつ、受付に手続きを済ませ、和洋折衷させたお部屋に到着した。
4階建ての最上階に豪勢にも、僅か4部屋のみ。
いわゆるロイヤルなお部屋の姿がそこにあった。
ふっかふかのお布団、眺めのよい広縁、広々なソファ、淡い光を放つランプと先生の子供心は存分に擽られていく。
探検している姿にナギサ様は、あまり見せない先生の姿に内心はしゃいでいた。
「おぉ…すごいよナギサ!この露天風呂とんでもなく広い!」
つられて見ると、視線を遮りつつ、外の光が入り込むように設計された木の壁に囲われた石造りの露天風呂の姿。
これは先生のテンションが、はね上がるのも無理はない。目玉と言える温泉がお部屋にもついてるなんて、予想もしてなかった。
「木の香りがとても心地よいですね。夜にでも入りましょう」
先に大浴場の温泉を味わい、その後にのんびりと先生と一緒に入ることを考える。
早速荷物を整理して、館内着に着替えてお風呂へと向かうことにした。
当然ながら男女と別れているため、2人は暖簾を潜り、大浴場へと向かう。
2人は軽く温泉に浸かることにした。
~先生side~
「うお…」
つい声が漏れだしてしまう。
たまに行く銭湯とは比べるのも、おこがましいほど洗練された大浴場。
多種多様な温泉のよき香り、大胆な広さをとる洗い場、備え付けられたアメニティの数々…
ナギサの家で味わった高級感とはまた違うロイヤルな感じに若干気後れする。
しかし、夜には部屋での入浴が控えている。
体を軽く流して、少し浸かる程度にしよう。
カスミが太鼓判を推すのも頷ける。心地好い湯質に感嘆の息が漏れ出す。
「あ゛~きもちぃ~」
そして、早く上がった先生はゲームコーナーで遊んでいた。
ナギサside
「はふぅ…」
一方此方はナギサ様。
長い髪をお団子に、身体を洗って大浴場に浸かっていた。普段の生活で慣れていることもあり、種類豊富なアメニティを使いこなす事など、わけがなかった。
「それにしても…」
辺りを見渡せば、人が全くいない。
ほぼ貸切状態に疑問を持ちつつ、身体を温める。
このあと食事が終われば、2人っきりの露天風呂が待っている。
「…楽しみですね」
艶やかな表情を浮かべるナギサ様の姿は、立ち上る湯気に隠される。
上がったナギサ様が先生を探すと、レトロゲームに熱中する先生の姿がそこにあった。
「もう…食事の時間ギリギリではないですか」
「面目ない…」
レトロゲームに熱中しすぎて、気付けばナギサ様も上がっていた。
浴衣姿で並んで歩き部屋へとついた一行は、戻って直ぐに女将がお食事の声掛けをしてきた。
早速お願いすることにして、長方形のテーブルに並べられる数々の料理。
折角だからと畳に座り、普段とは違うスタイルで頂く。
小さいお鍋や、おひつには鯛めし。
魚、煮物、お野菜…
1品が量を少なめにしてくれているお陰で、色取り取りの味を楽しむことができた。
腹七分目あたりで食事も終わり、広縁でお茶をいれて一休み。
「百鬼夜行の建築様式なのでしょうか?」
絶妙な狭さの空間に、何故か心が安らぐ。
お茶を一口飲み、先生は喋り出す。
「そうだね。和風…って言えば良いのかな?外の世界でも格式ある旅館とかだとあるんだよ」
日が沈み始め、オレンジ色に照らされたナギサ様は、眩しさに翼で日陰を作り、瞼を細める。
片翼から覗かせる横顔は何とも美しい。
暫くお茶を堪能しつつ、夜も更けてきた頃、待ちに待った露天風呂に入ろうと、準備を始める。
脱衣場はほのかに暖かい。
籠を用意し、たっぷりと湯が張っていることを確認し、浴衣の帯を取り、脱ぎ始めた。
そうして2人はタオル片手に露天風呂に足を踏み入れた。
「おぉ…」
感嘆の声が漏れる。
月明かりが照らされ、薄暗く昼間の時とは、また違う神秘的な雰囲気を醸し出している。
かけ湯をして、先に先生が入り、横に座る形でナギサ様も入る。
ぬるま湯がとても心地好い。熱い湯も好きだが、のんびりと入るのにこれほど適した湯加減も中々ない。
「先生、今日はありがとうございました」
「なんもだよナギサ。こうして2人で旅行に行けるなんて、早々ないからね」
ナギサ様の肩に手を添えて抱き寄せ、抵抗せず先生に寄りかかるナギサ様。
タオルをつけず、生まれた姿の2人は暫しの沈黙を楽しむ。
「あら?」
ふと、外の光が強くなったような気がして、ナギサ様は立ち上がり外を見上げる。
どうやら満月のようで、より一層強い月明かりが差し込んできた。
「綺麗…だな…」
「え?」
ナギサ様の肉体は月明かりに照されて、まるで絵画の一幕のような美を感じる。
思わず手を伸ばしたくなる程、それを求めてしまう。
虚空に伸ばした片手は、空を切らずに振り返ったナギサ様が同じく手を伸ばし、恋人繋ぎとなった。
「フフッ…先生…」
繋がれた手を引いて、ナギサ様の艶やかな腹部が眼前に迫る。思わず先生は考える前に、丁度子宮の辺りに口づけをしてしまった。
頭上からぴゃあと可愛い声が耳に届く。
しっとりとお湯で濡れた皮膚は熱く、熟れた果実のように柔らかい。
そのまま引き寄せ、いつもの対面座位となる。
湯気に晒され、赤身を帯びた二つの果実。
直ぐには味わうのでは勿体ない。
右手で背中に手を這わせ、左手でお尻を撫で、舌は鎖骨に添って、首筋に向かう。
ナギサ様の首筋に舌を這わせれば、可愛い声が口の端から漏れて情欲を誘う。
「せん…せ…ひゃ…」
身体を上気させ、されるがままに身体を開発されるナギサ様。
桜色の蕾はさわって欲しそうに主張するが先生は乳輪をなぞるだけで、肝心なところへはまださわらず焦らされる。
優しく子宮の辺りを撫でられ、自身の太ももに挟まる肉楔はビクビクと快楽に打ちのめされていた。
「はぁ…せ…あ…んゃ」
先生とて限界ギリギリで暴発を防いでいた。
時間のとれない中で訪れた温泉旅行に、長く楽しまなければもったいない。
次に口を塞ぐ。
生き物のように舌を蠢かせ、歯茎から内頬に至るあらゆる口腔内を犯す。
口の端からは、息苦しさと気持ち良さで、嬉声が溢れてくる。
必死に舌を動かす姿が愛らしい。
舌を引っこ抜くと、酸欠から少し疲弊して此方に寄りかかるナギサ様。
荒い息が耳元で囁かれて、更に下半身に熱が滾る。
「せ…んフゥ…ハァ…いじ…わる…」
「意地悪な私は嫌いかい?」
意地の悪い返し形に頬をつねられる。
抱きしめてあげれば、機嫌良く抱き返してくれる。
ナギサ様を抱き上げ、目線を豊かな乳房に逢わせて谷間に顔を埋める。
胸板から伝わる速い鼓動が、先生の心を揺らす。
谷間に口づけを落として、胸を口一杯に頬張る。
「────!」
どうやら震える身体を見るに、達してしまったようだ。震える身体をよそに、口に含んだ蕾を舌で優しく転がす。
左手で下から豊かな胸を持ち、沈む指が心地好く感じる。上に眼を向ければ、潤んだ薄黄色の眼と会う。
胸から口を離し、腰を少し浮かせて、自分の愚息をナギサ様の下腹部へと宛がう。
押し付けられた肉楔は、お湯よりも熱く、許しを乞うようにそそり勃っている。
「…あ……」
「どうしたい?」
この期に及んで焦らす先生の姿に、ナギサ様は顔を更に朱に染めさせ、震える手で肉楔を撫でる。
ぎこちない手つきだが、細い指先が触れたところが痺れるような快楽が襲いかかる。
「いじわ…る…しないで…入れて…」
囁き声と艶かしい吐息と共に吐かれた言葉に、口づけたまま、少し身体を持ち上げて秘部を貫いた。
「レロ…チュ…きゃう!」
のけ反る身体を支えて、前後に擦るように身体を動かし、秘部の中をかき回す。
お湯が揺れて溢れてきそうになり、繋がったまま抱き抱えて、タオルを敷いて縁に腰を据える。
「せ…んせ…あぁう…おかひ…とまら…な…いぃ」
完全に力が抜けて、全体重がのしかかったせいか、奥へと入り込み、蜜壺から止めどなく蜜が溢れ出る。先生も限界が近い。
「愛してるよ」
とどめを刺す一撃に、一際強く秘部は狭ばり、子宮の奥深くに吐精した。
強く、強く、抱きしめる。
一滴も残らず吸い上げられ、背中から倒れ込む。
暫く二人は動けず、荒い吐息と、お湯の流れる音だけが空間にこだまする。
「よい…しょ…」
先に動けるようになったのは先生。
蕩けた表情のナギサ様は、先生の胸板に顔を埋めて、痺れる快楽に身を委ねていた。
小刻みに震えて、豊かな胸の感触が気持ちいい。
先生の肉楔がまたしても、元気になって抜けかけていた秘部に再度挿入される。
「ん…あぁ…」
先程とは変わり、腰を動かさずに肉襞にぴったりとくっつけ、背中に手を回す。
翼の付け根を探し当て、コリコリと弄り始める。
「きゃあ!そ…そこ…ひぐぅ!」
ミカから聞いていた通り、付け根が弱いらしい。
翼はへたり込んで、ナギサ様自身も力が抜けてくる。子宮の奥深くまで貫かれた挙げ句、度重なる愛撫に身体は限界を迎え、意識を飛ばしかける。
「しぇ…んせ…も…」
言葉数少ないが、言いたいことは十分伝わる。
身体を持ち上げ、対面座位に直し、ナギサ様と口づけをしたまま、肉楔を打ち付ける。
互いに唇を貪りながら、身体を密着させ、そのときが近づく。
「──!!!!」
「射精す…よ!」
再度、熱く煮えたぎる精液を子宮が飲み干す。
ゴプゴプと音を立てて搾り上げ、快感が心身に染み渡る。肉襞の一つ一つが引き抜こうとする肉楔を、吸い付いてくる。
流石に身体が冷えてきた。先生は優しくナギサ様を抱き抱えて、かけ湯する。
ぬるま湯が身体を優しく暖めていく。
「ごめん、無理させちゃったね」
「いいえ先生…私も…その…はしたないとは思いますが、久しぶりだったので…」
息を整え、痺れる下半身に活を入れ座り直す。
秘部から溢れ出る精液を、名残惜しくもかけ湯で洗い流す。
程よい疲労を感じつつ、上がる準備を整える。
どうにも心が落ち着かない。
先生はナギサ様の顔をみる。視線に気付いたナギサ様は微笑み、先生の頬に手を添える。
「大丈夫ですよ。私だって嬉しいんですから」
愛情を込めた言葉に嬉しくなり、つい抱きしめてしまう。
心地よい夜風に吹かれながら、二人は脱衣場へと向かい、粗方水気を拭き取り、部屋着を着込む。
まだまだ夜は始まったばかりである。
部屋に差し込む淡い月明かりに照らされながら、二人の逢瀬は続いていく。
「せんせ…もっと私を求めてくださいな」