※この作品はR-18です。

誰かが常識改変したかつての母校に、今更通う事になった件   作:べっこう飴02

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とりあえず。ノクタの方でのPV数が落ち着いたのでこちらの方にも投稿します。


上

 この手の虚構(フィクション)では、よくある話ではあるのだが……もし仮に。

 

 催眠洗脳で好き放題できる能力やら道具が実際にあったとして――それを使い、何処まで、何時まで好き放題できるものなのだろうか?

 

 まあ、おそらくそう長く続くものではないのだろう。

 

 まったく関係のない所で、事故に合うかもしれない。  

 正気に戻った誰かに、刺されるかもしれない。

 同じような不可思議な力を持った――いや、それ以上の何(・)か(・)に狩られるかもしれない。

 

 少なくともそ(・)れ(・)を手にした――この話の舞台を造り出した、男の一人は早々に脱落する羽目になった。

 

 詳細な状況は割愛するが――偶々、信号を無視して交差点に突っ込んできた車にはねられ、意識不明の重体となり、一命こそとりとめたものの、植物人間となり、再起不能。

 

 ただ、その男が残した爪痕は――確かにあったのだ。

 

 これは、幸か不幸か、それに組み込まれてしまった、別の誰(・)か(・)のお話。

 

 

◇

 

 

 どこか懐かしい、かつての母校の教室。

 其処で俺は、他の生徒に混じって、欠伸を噛み殺しながら席について授業を受けていた。

 

「――で、ここはテストに出るからな、覚えておけよ」

 

 黒板の前で、教師が授業の要点をまとめた内容を板書している。

 まだ若い教師……二十代くらいか。下手をすると俺よりも年下かもしれない。

 

 しばらく前に受けた、前職での講習でもそうだったが、

 何というか授業ってのは、いくつになっても退屈なものだな、と思う。

 

 俺が昔通っていた頃と、(はっきり覚えている訳ではないが)授業の内容が大分違うな。

 

 時代が変われば、変わるものもある、という事だろう。

 

 まあ、俺が学生時代(げんえき)のころは…………

 

 その時。唐突に、ぱきん、と頭の中で何かがひび割れて、唐突に気付いた。

 気付いてしまった。

 

 学生、学生?いや、待て。

 

 何で俺は……今(・)更(・)学(・)校(・)に(・)通(・)っ(・)て(・)、(・)授(・)業(・)ま(・)で(・)受(・)け(・)て(・)い(・)る(・)?(・)

 

 俺はもう社会人の筈だ。

 ……転職活動中、という但し書きはつくが。

 

 だというのに。つい先ほどまで、俺はこの状況を疑問すら抱いてなかった。

 記憶は……あやふやなところもあるが、全てが抜け落ちているわけでもはない。

 ここが何処かは、理解できている。

 

 もう十年以上前に通っていた、かつての母校。

 ざっと、2,3日ほど前あたりから、つい先ほどまで何の疑問も抱かずに、ここに足を運んでいた。

 

 教室内を見回すと……俺よりも一回り以上は若い年齢の……現役の学生たちの姿。

 まだ真新しい制服を身に着けた彼らの授業態度は様々だが……共通している事が、一つだけある。

 誰も、俺の事を異物として認識していない。

 まるで俺がここに居る事が、あたりまえのことであるのかのように平然としている。

 

 当たり前だが、かつての級友(クラスメイト)とは全く別の顔が並んでいる。

 面影さえもありはしない、赤の他人。

 

 夢でも見ているのではないか、と自分の頬をつねるが、しっかりと痛い。

 ついでに手のひらを見ると、細かなしわが刻まれているのが確認できる。

 

 ぱっと思いついた確認方法の全てが、今の状況を、現実のものだと告げている。

 

 目の前の、俺よりも若い――教師の板書は止まらない。

 俺の内心を他所に、退屈な授業は滞ることなく続いているようだ。

 

(何だ……一体、何が起きてるんだ、これは?)

 

 いきなり放り出された、異常すぎる状況に……俺はただ、戸惑う他なかった。

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