仮面ライダーカブト〜2人の特殊な少女たち〜 作:ワーム大好きマン
3-1
「天華ちゃん。会うの久々だね。別の仕事が入って、多忙になったんだっけ?」
「そうなの〜新しい仕事も大変で、会える機会が減っちゃったの〜」
都内のホテル街に並ぶ一軒のラブホテル。部屋の構造から、ベットを筆頭とする家具、それらを照らす明かりすら、いらやしさを抱かせる一室に一組の男女が入る。
男の方は冴えないスーツ姿の中年で、ブランド物のスーツを纏う様相が高給取りのエリートと言う肩書だけが魅力だと知らしめる。女の方もスカートスタイルのスーツを着ているが、胸元だけ膨らんだ細身の身体と、ベージュに染まった長い髪に囲われた美しき小顔が、肩書に固執せずとも男を引き寄せる美貌を持っていると証明する。
ZECTから支給されたスーツ姿の天華は、金を払った男と性行為を嗜む、いわゆる援助交際をしていた。始めた当初は小遣い稼ぎのパパ活だったが、回数を重ねていく内に性行為を含んだ援交へ変わっていった。
ワームの擬態を識別出来る様になってから始めた故に、ワームが擬態した男性は本能的な不快さで拒絶していた。ワームの擬態の精液に即死の猛毒が含まれていると知ると、その力が知らない内に命を守っていたと安堵すると同時に、知らずにワーム相手の援交で亡くなったであろう女の子達に若干の憐れみを抱いた。
そんな内心を知る由もない中年男は、逃さない様に広げた左腕で天華を抱き寄せる。ベットに腰掛ける両者はスーツ越しに密着し、天華の身体の感触が男の肌へ伝わる。たわわな右胸が男の体に沿って柔らかく形を変え、乳房の感触が男の性欲を刺激する。
男は天華が引き起こした性欲を満たすべく、天華の背中越しに回された左腕で彼女の左胸を揉みだす。スーツとブラ越しながら、左手の全体へ伝わる巨乳の揉みごたえは、男の性欲を更に掻き立てる。先日のワームの擬態に揉まれ、を吸われたのを嫌がっていた天華も、男に揉まれるのは抵抗せずに受け入れる。
「久々だからってがっつきすぎなぁ〜い?」
「そりゃ天華ちゃんと今すぐにでもやりたいからさ。この為にずっと禁欲していたんだよ」
「·····もう♡」
男と天華は身体を密着させたまま、キスをする。時間は数秒しか満たないが、性の快楽で時間よりも長く感じられた2人が口を離すと、その間に唾液の橋がかかる。口づけは天華の溜められた性欲を掻き立てた。
天華は白ポロシャツを脱ぎ、スカートのホックを外す。服を脱ぎ捨て、黒いブラジャーとTバックしか纏ってない姿になった。細身から突き出た胸、程よく肉のついた太もも。
モデル並みにスタイルの良い天華の身体に男の性欲は刺激され、立ち上がった男のソレがズボンの股間にテントを張る。
男もズボンとパンツを脱ぐ。毛が無造作に生えた中年太りした下半身と同時に、天華で興奮した男性器が激しく揺れながら現れる。長く太い棒が聳え、剥けた包皮から亀頭が丸見えになった様は、天華含む幾重の女を落として来たのだと知らしめる。ワームが擬態した男と同等な巨根の姿は、天華の溜まった性欲を火照らせた。
手を伸ばして背中にあるブラのホックを外すと、支えを無くしたブラジャーは床へ落ちてゆく。ブラの締め付けから開放されたHカップのおっぱいが波打つ。黒のTバックを下ろし、一糸纏わずに自慢の裸体を見せつける天華は、ベットに腰掛ける男の膝上へ座った。
「今日は前座無しで、いきなりしたいんだけど良い?」
「いつも以上にがっつくね〜まあ、私も久々に天華ちゃんと会ったら、今直ぐにでもやりたいと思ってたよ」
「どっちもどっちかな。でも、ゴムはしてね」
「天華ちゃんの子供も見てみたいけど、しょうがない」
天華の誘いを受け入れた男と再びキスする。2度目のキスを終えた天華は男の巨根にコンドームを被せ、上から被さる様に陰毛の無い女性器へ淹れてゆく。
「あっ♡、これっ♡、久々♡」
「うわっ!天華激しいね!」
「だって、気持ちいいんだもん!!」
眼前で蕩けながら喘ぐ天華を見せられた男は、彼女を抱き寄せて再び口付けを交わす。男の身体に沿って柔らかく押し潰れた生乳の感触が刺激し、男の溜められた性欲の番を外した。
天華の
「ここまで出したの初めてじゃない?」
「今日まで溜めてたお陰かな?さ、次は俺が動く番だよ」
「わっ·······もう♡気持ち良くしてね────あぁ♡····」
コンドーム越しでも射精された精液の多さを感じ取った天華を、男は押し倒す。ベットに押し倒された天華は男に身を委ねて、再び性の快楽を味わい出す。
両者は攻めと体位を変えながら性行為を繰り返し、1箱分のコンドームを使い切るまで続いた。
☆
「えへへ〜10万も貰っちゃった」
援交相手と分かれた天華は、男から貰ったお金に対して笑みを隠しきれない。コンドーム1箱使い切る程の激しい行為を交え、予想以上に満足したのか、いつもより多くのお金を渡されたのが天華を上機嫌にさせた。
普段であればホテルへ行く前に高い食事をしたり、高い買い物をしてもらって満足度を高めるのだが、今回は両者共に性欲が溜まっていた為に直接ホテルへ向かっていた。だからこそ、性行為だけでここまでの金額を貰えた事がテンションを上げていた。
現に料理系インフルエンサーとしての収入だけでは、持ち家にかかる費用や生活費だけで無くなってしまうので、援交で得たお金は実質小遣いだった。小遣いをいつもより多く貰えた子供のような、ホクホク顔を浮かべながら夜道を歩いてゆく。身体の欲求にも、金銭的にも満たされた天華の耳に、新たな役目を告げる羽音が聞こえて来る。
「カブトゼクター?·······何かあった────あれか」
空間を引き裂くワープことジョウントを通じて、この場に現れたカブトゼクター。人工の明かりだけで闇夜に照らし出される赤い甲冑を見て、何かを察した天華の鼓膜へ重なる足音が聞こえてくる。
音の聞こえた方向へ向かい、今立っている高架通路から下を見下ろすと、歩道を駆けるゼクトルーパーの隊列が写る。追いかける先には1人の女子高生が鬼気迫る表情で走っていた。手提げかばんを身体に押し当てて走る彼女の表情は、未知で温もりのない冷たい機械人形に恐れを抱いて逃げている様に見えたが、天華の瞳は女子高生が逃げる本当の意味を突き止めた。
JKは黒髪のポニーテールを靡かせながら逃げていたが、歩道の端へ追い詰められる。高架の歩道故に手摺の先は、地面に敷かれた黒き道路。生身の人間が飛び降りれば、ひとたまりもない。
背中は落とし穴、目の前にはゼクトルーパー。囲まれる形で追い詰められた女子高生は恐れに満ちた顔を一層強張らせたが、それは一瞬にして不気味な笑みに変貌する。刹那、両手で大事に抱えていた手提げかばんが落下し、かばんで隠されていた胴体が露わになる。
彼女が着ていた校章の入った夏用の白ポロシャツの胸元が開かれ、Eカップにもなるおっぱいが解放されていた。押し付けていたかばんの跡がついた柔らかい乳房に緑色の模様が浮き上がる。丸々と膨らんだ肌色の球体を覆う模様は人外の証。夜の歩道で年齢不相応なおっぱいを露出したJKの身体が白く光り出し、細身の身体が膨らんでゆく。
紺色のプリーツスカートを纏い、白き靴下を履いた生脚が。半袖シャツの袖から出ている華奢な腕が。細い身体からたわわに実った巨乳が。代名詞のポニーテールを生やした小顔が膨張に呑み込まれ、醜き怪物が彼女の中から浮き上がる様に現れる。
夜の闇夜を光らせる白の光が収まると、そこには人間だった彼女をレイプして得た巨乳JKの殻を脱ぎ捨て、本当の姿であるサナギ体が立っていた。
サナギ体が女子高生の擬態を解いて間もなく、ゼクトルーパーが右手に装備したマシンガンブレードが火を吹く。対ワーム向けの弾丸の雨を、三方向から浴びたサナギ体の全身を火花が包む。集中砲火を食らい続けるサナギ体は物量で押し切られると思われたが、火花の隙から覗く緑色の甲殻が茶色へ変化していた。
「脱皮する!」
遠目で眺める天華と、ゼクトルーパーの眼前で変色したサナギ体の殻が砕け落ちる。立ち込める高温の湯気の奥で、蛹の中で構築されていた成虫体が静かに立ち上がる。
黒を主体とし、蛍光する緑色が入り交じった身体。右腕の先は緑色の球体となり、獲物を誘き寄せる様に闇夜でぼんやりと発光し続ける。蛍光する緑色に包まれた顔は犯した女子高生のDNAに影響されたのか、骸骨を思わせる様相を見せる。
ホタルに類似した成虫体 ランピリスワーム。闇夜に浮かび上がる蛍光色はホタル本来の求愛ではなく、誘い出した相手を攻撃する武器へ変貌していた。ホタルの要素を持ちながら、最もホタル侮辱するであろう存在がこの場へ降り立った。
サナギ体が成虫体へ変貌しても尚、恐怖を知らないゼクトルーパーは命令に従って銃口を向ける。闇夜で銀色に煌めく銃口に囲まれたランピリスワームが唸ったかと思えば、その姿が消える。
ゼクトルーパーのカメラから消えて間もなく、1体のゼクトルーパーの胴体が引き裂かれる。切断されたパーツやコードをばら撒きながら、機能を停止するゼクトルーパー。
他のゼクトルーパーは消えたランピリスワームを捉えようとしたが、自らのカメラにはその姿は映らない。時計の秒針が数刻動く度にゼクトルーパーが1体、また1体と壊されていく。機械の身体を切断され、緑色の球体が放った電撃で内部がショートして、人外な力で潰されてと手段と方法こそ違えど、ゼクトルーパーは成す術なく機能を停止していく。
ガラガラと歩道に転がっていく、ゼクトルーパーの残骸。稼働している個体は1体ずつ減っていき、最終的には全てが破壊された。
立ちはだかる雑魚を正しく蹴散らしたランピリスワームは、クロックアップを終えて現実の速度へ回帰する。成虫体の身体を慣らすには、丁度良いウォーミングアップを果たしたランピリスワームの聴覚に階段を駆け降りて、近づいてくる人間の足音が入って来る。
「待ちなさい!ワーム!」
ゼクトルーパーの残骸が転がる場に降りてきた天華の腰にはライダーベルトが巻かれていた。ひあらだけでなく、三橋や岬田からもキツく外さない様に言われていた為に、援交する為の服ですらつけたままだったが、その忠告が正しかったと改めて認識させられた。
成虫体を目にしても動じない女と、その脇を飛ぶ小さなカブトムシ。その姿はワームに新たな脅威として認識させるには充分過ぎた。
援交の愉悦を邪魔された不快さも相まってか、彼女は殺る気満々でこの場に降り立った。その意思をカブトゼクターも感じたのか、金色の角を揺らして応える。
「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
天華とは異なる女の悲鳴。不意な悲鳴に驚かされた天華の視線が捉えたのは、ランピリスワームの奥で震える茶髪の女。両肩や胸元をスリットで出した白いトップス越しでも分かるほどに身体を強張らせ、黒のミニスカと同色のブーツの合間から柔肌の絶対領域を見せる美脚は震えていた。
たまたま相対した人外の化け物。周りに転がる黒い人形の壊れた欠片が、化け物の恐ろしさをより強める。これまでの人生で知りもしなかった未知の恐怖。たまたま会ってしまったが故に、彼女は声も出せずに未知への畏怖で凍り尽くしかない。
「お、落ち着いて、貴女は逃げ──あっ!」
恐怖で立ち尽くす彼女を逃がそうとした天華だったが、今の彼女にはそんな助言すら届かない。本能のまま、後ろへ足摺りして逃げようとしていたが、恐怖は後ろに登ってきた階段がある事も忘れさせた。天華が口に出す間もなく、階段の段差で接地を失った彼女はそのまま転げ落ちる。
身体が階段にぶつかり続ける鈍い音が響く中、人が亡くなったかもしれない光景を目の当たりにした天華は、動けずに立ち尽くすしかなかった。
一方のランピリスワームも女の転落に驚きつつも、彼女が落ちた階段の元へゆっくり歩いていく。ランピリスワームが下を覗くと、階段を転げ落ちた女は一番下で倒れていた。
女の額からは赤い鮮血が垂れ、目は見開いたまま固まる。華奢な手や傷ついた脚は関節を無視して折れ曲がる。白いトップスには汚れと滲み出た血がつき、短いミニスカートは捲れ上がり、純白のパンツを曝け出す。その様は彼女があの一瞬で命を落としたのだと、この身で表していた。
直接的ではないものの、亡くなった要因を作ったランピリスワームは彼女を見下ろす。カブトゼクターは今直ぐにでも倒したい意思を持っていたが、目の前で人が死んだ動揺で動けない天華の様子を見てか、自ら襲いかかる。
小さな赤いカブトムシはランピリスワームの周りを飛び、カブトホーンで攻撃を仕掛ける。小柄を生かした機動性でランピリスワームは翻弄され、振り回す腕が当たらないどころか、カブトゼクターの突撃を防げない。当たらず、防げずの相手に嫌気が指したか、ランピリスワームは再びクロックアップを行って、この場から去った。
場を静寂が包む。地面にへたり込んだ天華の周りにゼクトルーパーの残骸が転がり、階段の下では生を奪われた女の肉体が残されている。
「何も───出来なかった·········」
自分が直ぐに変身すれば、彼女が死ぬ事は無かったのだろう
か。そのIFに対する回答など、分かるはずも無かったが、ただ動けなかった今の自分よりは良い結果になったのは間違いないだろう。
ワームを倒す力を得た天華。だが、幾ら力を得たとしても、メンタルが弱ければ使いこなす事は出来ない。ヒーローの力を得ても、それ相応のメンタルを自動で得る事は出来ない。彼女を助けようとして、直ぐに身体が動かなかったのが何よりの証拠だった。
自分に人類の存亡を任されたとしても、それまでの自分からは変われない。それが現実なのだと天華は痛感させられた。