そんな怪しいのぺっしなさい 作:ぬるぬる
『と言うわけで僕はこの星にばら撒かれたジュエルシードを集めに来たわけなんです』
『へぇ、それはまた、大変だねユーノ君』
『あんたみたいなフェレットが危険物運搬ねぇ…』
『うーん、いくら賢くてもちょっと不安かな?』
『いやいや、これは緊急手段でこの姿であって、本当は人間ですよ!』
『へぇ、そうなんだ。じゃあなんで私の指を舐めてた訳?』
『えっ?そんな事してましたっけ?』
『そういえばそうだったね』
『記憶に無いんですが…』
『まあ、弱ってたし無意識の内に行動してたのかもね』
『うーん、そう言われると自信が…』
昨日は久々にベッドでの就寝となった。
ムラムラもしないし、触手達も満足しているので、大人しく床についた。
朝練の時間には目覚めなかったが、朝食前に様子を見ると起きていたので一緒に朝食を摂る。
昨夜は自己紹介程度しか出来ず、今朝も余裕が無かった為、念話だけ教えてもらい続きは授業中に聞くことになった。
オープンチャンネルで会話していたのでバスに乗って早々アリサに煩いと怒鳴られ、念話を教える事となった。
魔法の秘匿とは一体何だったのか。
兎も角、うっかりによる芋蔓式に魔法の存在とジュエルシードの情報が共有される事になった。
そして、なのはの秘密についても。
『所でなのはさんのバリアジャケットの触手って何か意味が有るんですか?』
『えっと…』
『どうせ私達には判らなかったんだから、ユーノなら何か知ってるんじゃない?』
『それもそうだね。事の始まりは…』
そうして、洗いざらい話終えるとユーノの反応が消えた。
どうやら想像してオーバーヒートした様だ。
「初心ね」
「ふふっ、可愛い」
「いや、張本人が言うのもなんだけど、私達良く無い意味で普通じゃ無いの」
「まあそうなんだけどさ、やっぱり男はまだまだガキよねぇ」
「そうだね、まだ剥けてないもんね」
「ちょっとーここに痴女がいまーす」
「それを言うならアンタ歩くオナホールじゃない」
「ひ、ひどいよアリサちゃん」
「大丈夫、私がその穴を埋めてあげるからね」
「すずかちゃん、それ慰めてるのか慰み者にしようとしてるのかわからないの」
「「ふふふ」」
「絶対この後メチャックスじゃ無いですか、やだー」
美貌と威圧感のお陰て最後尾のなのは達の周りに人が居ないのが幸いであった。
そして授業中、魔法についての講義と、シミュレーション空間においての演習を行いお昼となった。
「へーこれがなのはのデバイスねぇ…」
「案外小さいんだね」
「それが、展開するとバリアジャケットと杖になるんだから不思議なの」
「なのはちゃん「ダメ」…まだ何も言ってないよ」
「流石にレイジングハートしか無い状況で分解は不味いの。設備も必要らしいし」
「残念だね」
「確かに、構造と技術には興味有るの」
「まあ、何事も先ずは落ち着いてからね」
「そうなの、厄介事は手早く片付けるに限るの」
やはり二人とも魔法資質があるため、デバイスには興味深々である。
すずかとなのはは魔法以外についても興味が沸いているが。
そういえばと思い、レイジングハートと触手達に指示を出す。
可能との事で暫し待つ。
その間昼食を食べ、午後の授業に突入した。
その頃にはユーノも復活しており、今後の活動方針を決めることとなった。
そうして放課後。
さて帰ろうかと言う時間に依頼していた物が出来上がった。
「はい、アリサちゃん、すずかちゃん」
「えっ、これってまさか…」
「そう、デバイスだよ。まあ、正確には擬き何だけどね」
そう、レイジングハートの設計図を素体として、フレームを触手達が担当、コア部分をジュエルシードが担当することで、一応動作する物が出来上がったのだ。
「デバイスコアにジュエルシードねぇ…なんかユーノの話を聞いてると不安だわ…」
「うーん、でも触手さんとレイジングハートが大丈夫って言ってるし、大丈夫なんじゃないかなぁ……たぶん……」
「すずかちゃん、そこは自信を持って言ってくれないと助けにならないの」
プラプラと黄色い宝玉を揺らし見るアリサ。
掌でコロコロと紫色の宝玉を転がしながら確かめるすずか。
折角作ってもらったのに散々な言われ様で少しヘコむなのは。
取り敢えず帰宅の途に着いているが、まだ決心がつかない様だ。
それは、なのはだってあの黒毛玉を生み出す元で作られたと言われたら引くが、ずっと過ごして来た触手達が太鼓判を押すので大丈夫だと信じている。
まあ、護身用にと言うことで持っておいてもらい、決心が付かなければ返してもらうこととなった。
因みにユーノには事後報告した所、卒倒した。
二人と別れて暫くした頃、ゾクリとする波動が通って行った。
その方向を見つめていると、暫くすると青白く光り始めた。
道中、ユーノに封時結界を張ってもらい、シュタシュタと階段を登り切った瞬間、黒い猛獣が突っ込んで来た。
咄嗟に階段を降り伏せて躱したが、こいつらは体当たりしか無いのかと内心辟易とした。
さあ、お待ちかねの変身タイムだが、呪文が出てこない。
「れ、レイジングハート!セーットアーップ!!」
開き直ってセットアップだけ気合いを入れる。
空気の読めるレイハさんは全裸に剥き剥き、紳士な触手さんはユーノから見える部分に合わせて目張り。
いよっしゃと変身して、丁度良く突っ込んでくるお犬様を一刀両断。雑魚い。
しかし敵が接近戦しか挑んでこないのでレイハさんの出番がない。
まあ、どの道イキナリ実戦投入は避けたいので助かった面もあるのだが。
そして封印した所でまたもや触手が美味しく戴く。
何かね、何か有るのかね。と、なのははジトっとした視線を送っておく。
あっけなくお勤めが終わった所で、アリサにすずかがバリアジャケット姿で登場。
やっぱり咄嗟には思い浮かばないのかお揃いとなった。
まるで戦闘物みたいだと笑いあう。
アリサとすずかには触手と黒い羽根と太刀がないので、なのははダークヒーロー感が半端ない。
ユーノにまで卑猥と指摘されくそう、くそうと涙を流すのであった。
さて、今度こそ帰宅である。
「ねえ、ユーノ君。どうして傷が治ってるのにその姿のままなの?」
「それはね、この星の魔力に馴れてなくて上手く取り込めないから節約する為なんだよ」
「何か方法は無いの?」
「うーん、他の人に分けてもらうというのが手っ取り早いかな?」
ユーノがそう言うのであれば試してみよう。
と言うことで、制御は丸投げである。
「レイジングハート、出来る?」
「(勿論可能です)」(ミッド語略.以下日本語訳)
「それじゃあ試して見るね」
「(魔力供給中)」
なのはの体感では触手3本分であろうか。
「(魔力供給完了)」
「す、すごい。完全に回復した」
「それじゃあ元に戻れるね」
フェレットになっても違和感が無い人間と言うことは、余程背が低いのだろうか、それともフェレット似の顔なのであろうか。
ワクワクしながら見つめていると、グリーンの魔法陣が展開され、光が消えた。
姿を見つめて見ると…あれ?歳があんまり変わらない?ってかフェレットに似てる部分って可愛いって事位かなぁ…。
「どうしたの?なのは」
「まさか男の娘とは思いもよらなかったの」
「えー、ずっと僕って言ってたじゃ無いか」
「うーん、これは嫌な予感がするの」
「えっ?何か有るの?」
「ううん。それよりも、ご飯一杯食べて元気になってね」
何か変な言葉が出てきたの。
しかし、この顔立ちは……。
お姉ちゃんに喰われない様に祈っておくの。
そう心に決めたなのはであった。
そして予想通り、桃子と美由希に可愛がられ。
士郎は弟もいいな、と思い。
恭也は義弟になるかもしれないと、鍛えてやることを決意するのであった。
危惧していた美由希による夜の特別授業はなく、高町家に暖かく迎え入れられるのであった。