「ええ、そうね。私…いや此処は本体と言った方が良いかしら?本体が好きな物は今言った通りよ」
認知存在。それは異世界に現れる本人そっくりの存在。
認知のされ方により多少精度に差は出るが、大体は元になった人物の特徴、性格を再現出来ている。
今、目の前には貴方が産み出したある人物の認知存在が居た。彼女に質問をしながら、会話は進められていく。
「…今みたいに少しグイグイ来られるのも嫌いではないわ。本体も喜ぶと思う」
時には実践的なコミュニケーションも行いながら、少しづつ彼女への理解を深めていく。
自分専用の認知存在。ペルソナの覚醒に伴い新たな能力を自覚した貴方は、実験も兼ねてある事を試していた。一方的な知人を元に作成した認知存在。認知多袮村を使い、彼女本人への理解を進めている最中。
認知存在は前述の通り、差はあれども認知された人物を模している。ならばその認知存在の協力の元、試行錯誤を重ねれば、現状に居る本人とのコミュニケーションも円滑に行える様になるのではないか。そんな事を考えたのだ。
実験台として選んだのは多袮村理子という少女。貴方が通う高校に在籍し、ちょっとした有名人として学内にて話題の人物だ。その理由はかの有名メーカーのご令嬢というのが一番だろう。更には成績優秀容姿端麗ともあれば話題にならない方が不自然。それ故に自然と貴方の目にも止まった。
「宜しく。これからは貴方の指示に従うわ」
思い付いた考えを実行する為、直ぐに多袮村理子の認知存在を作成した。他の認知存在と同じく、産み出した貴方には忠誠心や好意を抱いている様で、貴方が提案した事柄にも協力的な姿勢を見せてくれた。
「え、ああ…こんにちは?」
ある程度の交流の積み重ね─認知存在相手ではあるが─をすると1度目の実践として本体の多袮村理子へと接触を図った。口実は風紀委員への相談。怪しい物を持っていた生徒が居る。そう言われれば多袮村理子も無下にしなかった。風紀委員室まで案内されると会話を始める。
「へぇ、そうなの。まだ見ていないから楽しみね」
本筋として提示した相談が終わると雑談へと移る。彼女が好む話題、話し方を意識して話を進めていく。初めての会話なのに既視感を覚えるのは認知存在とは言え経験を積んだからか。最後に最近始まった映画の話をすると会話を切り上げた。
「またね。楽しかったわ」
何時も浮かべている様な冷静沈着な顔ではなく、去り際には年相応の自然な笑みを見れた気がする。手応えとしては充分に感じる実践であった。
それからもちょくちょく見掛けては話をし、重ねた練習の成果を試していった。内心驚く程にスムーズに進む遣り取り。1人に限定して経験を積んだが此処まで効果を発揮するとは思わなかった。良い意味で誤算である。
「あの、連絡先って聞いても良いかしら…?」
本当に、良い意味で誤算であった。
ある時期から多袮村理子と友人になった。実験として稼いだ好感はかなり高かったらしく。いつの間にか連絡先を交換していた。日本に戻ってから初めての女友達だ。
自然友人になると更に交流の頻度が増していき、友達として休日遊びに出掛ける事も増えた。
多袮村理子に好感を持たれる技術×交流頻度。技術も認知多袮村との遣り取りで精度は上がっている。交流頻度は言わずもがな。するとどうなるか。
「…此処まで貴方に心を許すとはね。思ってもみなかったわ」
公園のベンチに座る。唯の友人にしては少し近く感じる距離感。拳1個分の隙間しか無いのが見える。お互いに正面を見ながら暫し言葉の無い時間を過ごす。ボソリと呟かれた台詞は、静寂に包まれた公園ではよく聞こえる。これは思ったよか効果があり過ぎたのかもしれないな。
「…この関係から後一歩踏み出したい。そう言ったら、貴方はどう答えるの…?」
ここは、言葉をよく選んだ方が良さそうだ…。そんなメッセージが見えそうな雰囲気。此処まで好感度を稼いだのは本当に予想外。調子に乗って行動するものではない。1つ学びを得た経験であった。
「こう覚えた方が分かりやすいと思う」
シャープペンシルが紙に擦れる音がする。風紀委員室の中でノートと教科書を広げて勉強会。殆ど理子に教わる形で勉強は進んでいく。風紀委員の仕事を少し手伝い、その後はテスト期間が近いという理由から、急遽テスト勉強が始まった。その際に、ほぼ貸切で風紀委員室を使えるのは風紀委員長故の特権か。
「…ねえ、私、今日頑張ったと思わない?」
理子に教わる関係だからかシャーペンを動かしている時間は貴方の方が多い。偶にこうした方が良いとペンを動かす以外は、横から凭れ掛かり片腕に両手を回している状態が理子の基本スタイルだ。先程の指摘を受けた後黙々とペンを走らせていると、呟くような声の小ささで理子が話し始めた。
「…♪」
ペンを置き、片手を自由にさせる。少し体を理子の方に向けると、心做しか差し出された様に見える頭部へと伸ばした。ポンポンと頭を触った後にゆっくりと上から下に掌をスライドさせた。
直ぐ側に居る機会が増えてから、理子の仕事量の多さは分かるようになってきた。これが普通の生徒ならばそこそこの判定だったのだが、理子は帰ってからも多忙だ。寧ろ家に帰ってからの方が仕事が多いか?
「…もう少し」
そろそろ良いかなと手を離そうとすると掴まれた。再び頭へと手を近付けて行くと離れた。もう少しして欲しいらしい。大体この少しって少しで済まないんだけど。
目を閉じながら、静かに理子は掌の感触を感じ続ける。褒められた経験が少ないからか、一度甘やかす対応をしてからはド嵌りした様子。隙を見ては甘えてくる彼女に応えていた。
「んぅ…」
膝の上に頭を乗せて、うとうと微睡んでいる理子。左手を頭に乗せ、ゆっくりと撫でてやる。空いた利き腕で問題を解きながら、偶に理子の方へと目を遣った。いつの間にか膝枕モードへと移行している。これもよくある事だ。
「ごめんなさい…殆ど寝てたわ…」
結局数十分程寝息を立ててから理子は目を覚ました。その間は特に詰まる所もなく、順調に問題は解いていた。わざわざ起こすのも忍びないのでそのままにしていたが、起きた理子は申し訳無さそうに視線を下げた。
「んっ…」
その申し訳無さに漬け込む形で、先ずは理子を膝の上に。とは言ってもこれからする事は理子も嫌いではないし、唯の口実ではある。後ろから理子の腹回りに手を回し、首元へと顔を埋めた。
此処は理子の性感帯なのか、少し息を吹きかけただけでも理子は甘い声を口から漏らした。
「ふぅっ…♡」
鍵をしているとはいえ、此処は校内。声を上げる訳には行かないと口を手で覆った。舌で舐め、唇を落とすとその度に理子はビクッと体を跳ねさせた。
「…きょ、今日は暑かったから…その…嫌なら直ぐに拭くから…言って」
──ぴちゃ…
「──んんっ!♡」
舌で首元を舐めると、味覚から塩味を感じた気がした。それを伝えると理子は顔を赤くしながら、少し間を置いて辿々しく話し始める。体育もあった、確か理子のクラスもそうだった筈だし、この炎天下で汗をかくなというのは無理な話だ。理子が恥ずかしがりながら話すのを聞いた後、舌で再び舐め上げ始める。
「…そ、その言い方だと変態…みたいよ?」
理子ならば気にしないと告げはしたが、どうにも羞恥を刺激したようでその声は震えていた。逃さないと強く抱き寄せながら尚も舌を這わせ続けると、観念したのか力んでいた力が抜けた。
「…前から」
羞恥に苛まれる理子を楽しんでいたが、そろそろ勘弁して次へと移る。今度はどうしたいと耳元で問いかけてみると、端的に言葉が返ってきた。理子から腕を離すと理子は一度立ち上がり、方向を変えた後正面から膝の上に。
首元には手を回されて顔同士が密着する。腰には手を伸ばしてずり落ちない様に支えると体勢は整った。
「……ん」
片手で理子の頭を撫でる。特に何もしてこなかったからこれを望んでいるのかと思ったが正解のようだ。少し目を細めながら理子は満足するまで動かなかった。
「んっ…ちゅる…ちゅぱ…」
動き始めると直ぐに唇同士が触れる。軽く触れてから何度か間を開けて触れ、徐々に唇が触れている時間が増していく。
「……まだ、駄目…んっ…」
腰に当てた手がスルスルと下に降りる。やがて理子の臀部へと触れたが、今は早い様子。少し目を逸らした後に素っ気なく呟いた。恥じらいはまだ健在のようだ。
──ブゥッ!ブゥッ!
「……出るわね。ちょっと待ってて」
リップ音だけが部屋に木霊していた。するとその音に追加してマナーモードのスマホが鳴る音がした。貴方のではない。となると理子のスマホからになる。理子は物足りなそうな顔をしたまま鞄がある机まで向かう。
「…ごめんなさい、どうやら予定が入ったみたいなの。だから少し早く帰らなきゃいけないみたい」
スマホを開きメッセージを確認し終えると露骨にテンションが下がった理子が居た。こうして予定が入るのはよくある事。けれど盛り上がって来ていた時に水を差されると、思う所はあるようで、理子の表情は不満気だ。
「急に打ち切ったら貴方も辛いわよね…?」
とは言え切り替えが早いのもまた事実。理子は少し考えた後に手を引っ張り、この部屋の隅へと貴方を連れて行った。
「…恥ずかしいけど準備自体は出来ているの…♡時間も無いから一回だけになるけど良いかしら?」
壁に背中を付けると、理子はスカートをたくし上げる。黒のストッキングの中には同じ色のショーツがある。見ただけだが確かに湿っている其処は、理子の興奮度合いを現している様に見えた。
「あっ…!…ええ、期待してたわ…♡」
一歩前に進み手を伸ばす。妨害もなく届いた秘裂は、ストッキングの上からでも分かるくらいに濡れていた。触れた瞬間に甘い声を上げると、理子は貴方を潤んだ目で見つめた。最早覚悟は決まったのか頬は上気していても返答には淀みがない。言葉の通りこれからする事に期待しているのが分かった。
「…もう、また破いて…替えはあるけど無限にじゃないのよ?」
期待しているのは貴方も同じ。此処まで来ると早く挿れたいという欲望が増していく。抑えきれない欲望は行動にも現れ、両手で乱暴にストッキングを破くという暴挙に出た。
破れたストッキングの合間からは黒のショーツと理子の素肌がモロに見えた。更に怒張する半身は、貴方の興奮に反応したのだ。
「…ちゃんと着けたわね」
高確率でストッキングを破く貴方に呆れつつも、理子は怒ってはいなかった。早くしたい。その想いが溢れた故にした行動ならば少し嬉しかったからだ。それ程までに理子を求めている。そうとも受け取れるから。
ファスナーを降ろして貴方のズボンから肉棒を取り出していく。始めてを奪った棒。もう離れられない快楽を教えられた棒。直に見ると様々な想いが出ては消えて行く。貴方が避妊具を装着している間、理子は肉棒から目を離さなかった。
「ふぅっ…!!♡♡」
(反り返ってる…!♡奥まで…♡)
口に咥えたスカートの端を強く噛む。何とか挿入の快感に耐えながら貴方に腕を回した。他のモノを知らないから比較は出来ないが、押し広げて拡張しながら中に入って来る棒はかなりの大きさに思える。更にはカリと呼ばれる部分が気持ち良い所を擦るのだからズルい。
「んっ♡んうっ…!♡」
唇を塞がれながら肉棒が動く。そのせいで口から離れたスカートがふわりと下に落ちた。これで結合部は互いに見えない状況。だが感じる快感と温もりが今何をしているのかを嫌という程に知らせてくれた。
「ふぅっ♡ふぅんっ!♡」
(もっと♡もっと掻いてっ…♡)
片手が理子の胸を触る。確かにある膨らみを掴み、硬くなった突起には触れずに揉み込まれる。もどかしい気持ちが広がり、せめて目で訴えかけるよう見つめる。しかし中々その時は訪れず、下から突き上げるピストンが理子の体を揺らしていた。
「──ふうっ!?♡♡」
突起をグイッと摘まれたのは気が逸れた時だった。時間を置いてからの不意打ち。思わず声が出てしまうが唇を塞がれていた為難を逃れる。体中に広まった快楽は腟内の動きをも変化させ、強く、ギュウッと中にある肉竿を締め付けたのだった。
「んんっ!?♡♡♡」
中で大きく肉棒が膨らんだのを感じた。気付いた時には既に遅い。避妊具の中に放出された精は膨らんでいき、腟内から内部へと熱を伝えていった。貴方がイッたと同じく理子は貴方を強く抱き寄せながら絶頂したのだった。
「はぁ…♡はぁ…♡」
(私の方が…やる気になっちゃいそうね…♡)
唇が離れると酸素を求めて息をする。貴方が息を整えた後にズルリと引き抜かれた肉棒。その先に溜まる白い液体を見ながら、理子は荒い息を吐いていた。
「んっ…♡」
2人共に息遣いが戻ると、最後に唇を触れ合わせる。名残惜しさを感じながらも、新たなストッキングに履き替えてから、理子は貴方と別れた。
本編は怪ドルメインだから本人とはそんなに関わらない。なのでもしもという体で書きました。認知存在の特性を利用する話ですね。それと多袮村先輩書きたいんだけど本編に出すとナビ3人になるからちょっとね…。
追記
アンケート入れてくれた方はどうもです。9/24。